コラム

カーテンウォールの「スパンドレルパネル方式」とは|その他施工方法との違いやおすすめ建材について解説

オフィスビルなどの外装仕上げとして採用されているのが「カーテンウォール」で、その中でも窓が横に連なるデザインを実現できるのが「スパンドレルパネル方式」です。

今回の記事では、カーテンウォールの特徴とメリットから、スパンドレルパネル方式についてまで1900年創業の“TOPPAN”が詳しく解説します。スパンドレルパネル方式以外の工法との違いや、カーテンウォール材を選ぶ際のポイント、その他おすすめの外装材も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。


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<目次>

■ カーテンウォールとは|特徴とメリット
■ スパンドレルパネル方式とは
■ その他の方式との違い
■ カーテンウォールの外装材を選ぶ際のチェックポイント
■ スパンドレルは天井・軒天の仕上げ材にも
■ TOPPANの環境に配慮した外装材「フォルティナ」
■ まとめ


■ カーテンウォールとは|特徴とメリット

カーテンウォール(curtain wall)とはビルの外壁仕上げに用いられ、カーテンのように屋外と室内を仕切る取り外し可能な外装材を指します。カーテンウォールは、主要な構造部である柱・梁(はり)・屋根などとは切り離されているため、建物の荷重負荷を受けません。そのため、建築基準法上、非耐力壁として取り扱われます。

カーテンウォールが多くの建物に採用されている背景には、いくつものメリットがあります。

クレーンによる施工で足場掛け払いが不要

カーテンウォールは、ファスナーと呼ばれる取り付け金具を建物側に設置し、そこに本体を固定する方法が一般的です。作業はクレーンで行うため、足場を組む必要がなく、施工コストの削減と工期短縮を期待できます。

建物を軽量化できる

非耐力壁であるカーテンウォールは屋外・室内を隔てるためのものであり、建物の荷重を支える負担がかからず、耐力壁となる外壁材と比べて軽量化できます。そのため、カーテンウォール工法を採用するビルでは、構造躯体の強度を確保するためのコストを抑えられるのです。

地震や強風などの外力へ抵抗できる

カーテンウォールは建物本体と切り分けられているため、地震や強風による外力を受け流し建物に伝わる揺れを軽減します。そのため、振動がパネル材に伝わりにくくガラスの割れや飛散、歪みによる影響を最小限に抑えられる点がメリットです。

自由なデザインを実現できる

カーテンウォール材は、ガラスや金属板、プレキャストコンクリート(PCパネル)など種類が豊富で、さらに工場生産により曲面も表現可能です。そのため、装飾的な外観・有機曲線を用いた外観にも対応できてデザインの自由度が高いことから、現代建築に欠かせない外装材と言えます。

■ スパンドレルパネル方式とは

「スパンドレルパネル方式」とは、主要構造部である梁と腰壁の前面にパネル材、その他の部分にガラスやサッシを取り付ける方法で、窓が横に連なるように見えるのが特徴です。上階の腰壁から下階の下り壁までが一体化したスパンドレル※を梁もしくはスラブに固定し、中間部のガラス(サッシ)で層間変位※を吸収する構造になっています。

※スパンドレルについては下記コラムをご覧ください。

※層間変位(そうかんへんい):地震や強風など横からかかる外力によって建物が変形した場合の「上下階の間で生じる水平方向のずれ」

梁と腰壁の部分をパネル材で覆うことから、梁型(はりがた)や梁カバー、腰壁形式と呼ばれる場合もあります。

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■ その他の方式との違い

カーテンウォールの施工方法はスパンドレルパネル方式だけではありません。私たちが日頃目にするビルには、その他の方式を採用している事例が多数あります。

マリオン方式

マリオン方式とは、マリオン(方立)と呼ばれるパーツを上下階の梁・スラブ同士をつなげるように設置し、そこにガラスやスパンドレルを固定していく方式です。スパンドレルパネル方式はガラスが水平方向に連なるのに対して、マリオン方式は垂直方向に部材を並べていきます。

細いマリオンが窓サッシの内部に埋め込まれているタイプもあり、遠くから見るとシームレスなガラス張りに見せることも可能です。幅の広いマリオンは柱を覆うように取り付けられるため、柱型(はしらがた)や柱カバーと称されることもあります。

パネル方式・パネル組み合わせ方式

カーテンウォール工法の中でも比較的施工が簡単で工期やコストを抑えられるのが「パネル方式」や「パネル組み合わせ方式」です。パネルを並べて壁を形成する方法で、パネルの中間に窓サッシを独立した形で取り付けます。

ガラスをはめたサッシ枠をパネルと同じように扱って固定する方法もあります。その手軽さから主に中層建築物に採用されるケースが一般的ですが、パネル同士の繋ぎ目や窓周りのシーリング処理などが必要な点には注意しましょう。

柱・梁カバー方式

柱や梁を囲むような形状のパネルを製作し、それを組んでいく工法が「柱・梁カバー方式」で、水平・垂直ラインを強調する外観デザインに採用されます。見た目は、パネルで覆った柱・梁が格子状になり、その中にガラス(窓)をはめ込むイメージです。

■ カーテンウォールの外装材を選ぶ際のチェックポイント

カーテンウォールの外装材を選ぶ際には、見た目だけではなくメンテナンス性や自然環境への配慮についても確認しましょう。

耐候性・耐久性

カーテンウォールは、雨や紫外線、風を直接受ける過酷な環境にさらされます。そのため、外装材の耐候性や耐久性も必ず確認しましょう。耐候性・耐久性の高い材料を採用すると、建物の寿命における外装メンテナンスの回数を減らせます。

【ポイント】
TOPPANでは、15,000時間の耐候性試験をクリアした耐久性の高い内外装不燃アルミ意匠材「フォルティナ」を製造しています。

デザイン性

カーテンウォールの素材やカラーによって、建物の外観デザインが決まると言っても過言ではありません。近年は、木目や石目などのナチュラルデザインを取り入れる事例が増えています。しかし、木製カーテンウォールはコストやメンテナンスの面からまだまだ採用事例は少なく、石材を埋め込んだPCカーテンウォールは重量への配慮が必要です。

【ポイント】
TOPPANの内外装不燃アルミ意匠材「フォルティナ」は、高度な印刷技術を活かしたリアルな木目調・石目調のラインナップも取り揃えています。

環境配慮性

近年、建築設計の分野においても環境配慮性やSDGsへの貢献を重視する動きが活発化しています。建物は単にデザイン性に優れて建物利用者の快適な空間を創り上げるだけにとどまらず、その持続可能性や存在価値を高めることも重要視されるケースは珍しくありません。

環境に配慮した建築設計の手法はいくつかあり、そのうちの1つが環境配慮型外装材の採用です。

【ポイント】
フォルティナに使用される化粧シートは、環境に配慮した素材「オレフィン」で構成されています。オレフィンは塩ビ系に比べて製造過程のCO2排出量を抑制でき、燃焼時にも有毒ガスが出ません。

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■ スパンドレルは天井・軒天の仕上げ材にも

スパンドレルは外壁だけではなく、天井・軒裏天井の仕上げ材としてもおすすめです。メタル素材やガラスと木目を組み合わせるデザインなど、国内外数多くの事例に採用されています。外壁・天井・軒裏天井に統一感のあるデザインを取り入れたい方は、様々な納まりに対応できるTOPPAN製品のご採用をぜひご検討ください。

■ TOPPANの環境に配慮した外装材「フォルティナ」

TOPPANは1900年創業以来培ってきた印刷技術を用いて、高いデザイン性を持つ耐候性に優れたスパンドレルを製造しています。

【TOPPANスパンドレルの特徴】
・最新の印刷技術によって再現したリアルな木目と質感
・20種類以上の木目ラインナップ(内装用は80種類以上)
・豊富なサイズレパートリー(スタンダード:60/100/120/150/200mm、フラット:100/120/150mm)
・選べる目地タイプ(シート目地/アルミ目地/目地なし)
・外装・準外装・内装すべての仕様で不燃認定番号取得済み
・豊富な商品レパートリーによる統一感のあるデザインを実現できる多様性(ルーバー・スパンドレル・フラットパネル・リブパネル(フォルティナレッジ))
・低汚染で環境に優しいオレフィンシートを使用
・高い耐候性を実現できる外装R仕様

設計納まりのご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

■ まとめ

カーテンウォールは建物荷重を負担しない非耐力壁の総称で、地震や強風の影響を受けにくく、自由なデザインを可能にします。その中でも、水平に窓が連なるデザインを実現できるのがスパンドレルパネル方式です。

他にもデザインに合わせた施工の方式やスパンドレルを選ぶ際のチェックポイントがありますので、設計の際にはそれぞれ確認しましょう。

TOPPANでは、高耐久で不燃材料としての認定を取得した環境配慮型内外装建材を開発・製造しております。「環境に配慮した建築」や「人に長く愛される建物」、「街のシンボルになる建築」の材料選定でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

2025.09.26

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