コラム

【展示会レポート】第7回スマート工場EXPO

TOPPANは、2023年1月25日から27日まで3日間にわたり東京ビッグサイトで開催されました「第7回 スマート工場EXPO」に出展しました。ブースでは、TOPPANが推し進めるDXコンセプト「Erhoeht-X®(エルへートクロス)」として展開する、製造・物流領域のソリューションを展示し、初日から大勢の方にTOPPANのブースへお越しいただきました。
本レポートでは、第7回 スマート工場EXPOで展示したソリューションの一部をご紹介します。
お問い合わせは、お気軽に各サービスページのお問い合わせフォームへお願いします。


物流業務支援サービス「LOGINECT®データ可視化」

最初にご紹介するのは、2023年2月にサービス提供を開始した『LOGINECT®データ可視化』です。
『LOGINECT®データ可視化』は、データの一元化で物流業務を可視化し、物流の運用状況を効率的に把握して問題箇所を特定、施策の検討ができるサービスです。

入出荷や在庫情報、マスタ情報などを収集・蓄積し、煩雑なデータ準備を自動化します。
複数の組織やチームが同一データにアクセス可能なため、物流の入出荷や在庫情報・運用状況がリアルタイムで確認できます。また、ノウハウにもとづき在庫の保管期間など50種類以上の物流KPIをプリセット。データレイアウトとクレンジングなどの分析の前処理、ダッシュボードの標準化により、低コストで導入が可能です。

「LOGINECT®データ可視化」で提供される管理者用ダッシュボードでは、売上とそれに対する物流コストの予実管理や、出荷量、物流コストからCO2排出量など、様々な物流KPIをグラフィカルに表示。物流コストについて、どこにどのくらいコストがかかっているか、どのタイミングでコストが増えているかなど、配送地域別や時系列で詳細にドリルダウンして見ることができ、要因分析を支援します。

例えば在庫のダッシュボードでは、倉庫別の在庫の保管状況や商品別の保管期間を見て、長期保管の在庫をピッキング・出荷用の棚から保管庫に移すことで、作業効率低下を防ぐといった施策につなげます。また「LOGINECT®データ可視化」は、企業や場所を選ばず多くの人に使われることを目指し、SaaS型のサービスとして構築されています。
「本サービスは、SaaSとすることで場所を選ばず使用でき、スマートフォンやタブレットから各倉庫・各現場でダッシュボードを用いた分析・意思決定が可能です。また、従来のスクラッチ開発のシステムに対し、低コスト短期間でデータの利活用が開始できる点も強みです。(関根)」

2023年1月23日に発表したばかりの『LOGINECT®データ可視化』ですが、今後は対応業務領域を拡大しつつ、予測・要因分析機能の追加や、IoT連携などによりデータを取得し分析できるようにするなど、サービスとして機能拡充を進める計画です。「“物流データで持続可能な社会をつくる”というコンセプトの通り、まずはこのサービスで物流業務の情報を正しく把握していただきつつ、生産・販売など他システム連携によるサプライチェーン全体の最適化や、複数のお客さまを巻き込んでの共同配送や共同保管などにも挑戦して、SDGsに貢献できればと思います(村山)」物流業務のデータを可視化できる『LOGINECT®データ可視化』で、今後の物流業務の効率化が期待できます。
『LOGINECT®データ可視化』の詳しい説明やお問い合わせは、以下リンクよりご確認いただけます。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

環境保全DXソリューション「e-Platch™」


次にご紹介するのは、工場などで設備や機器の点検業務を効率化するDXソリューション『e-Platch™』です。『e-Platch™』は、広い工場内でくまなく電波を飛ばすことができるLPWA規格のZETAを採用し、既設の各種計測機器に接続して計測データを取得するデータ変換機器「ZETABOX」のほか、温湿度や照度、CO2濃度の計測が可能な「マルチセンサー」、圧力計をはじめとした丸形のアナログメーターに後付できる「磁気センサー」などを取り揃え、リモートでの自動計測・検針を実現できるサービスです。

「ZETA通信を使って収集したデータは、LTEを介してクラウドサーバーの『ZETADRIVE』に蓄積され、『e-Platch™』オリジナルアプリで確認できます。どこからでも計測器の数値を確認できるのでわざわざ現場に行き、チェックして回る必要がなくなります。空いた時間は、これまで手が回りきらなかった作業を行ったり、リモートワークを促すことで働き方改革の一助となります。将来的には、故障予知やAIによる解析などのサービス提供も検討中です。(定谷)」

今回のスマート工場EXPOには、新たに開発された「収音センサー」も展示しました。全天候型マイクを搭載し、発生音を解析して変化や傾向を見える化します。また、異音を検知することで機器の故障予知や、騒音公害の防止などに有効です。「ZETABOX」やセンサー類はすべて電源不要の電池駆動で、数年間の長期にわたり電池交換不要で利用でき、メンテナンスの負担を最小化しています。

オリジナルアプリ「e-Platch™」についても、2023年3月からのサービス提供に向けて機能が拡充され、“今どんな状況か”をセンサーごとに詳しく調べたり、最大値や最小値など閾値を設定して指定のメールアドレスなどにアラート通知する、過去のデータをレポート出力など、新機能もご紹介しました。リモートでの自動計測・検針を実現できるサービス 『e-Platch™』で、今後の点検業務の効率化が期待できます。
『e-Platch™』の詳しい説明やお問い合わせは、以下リンクよりご確認いただけます。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

製造DXソリューション「NAVINECT®」シリーズ

最後にご紹介するのが、製造業のお客さまのDXを支援するアプリケーション・ソリューション『NAVINECT®』です。
「2020年5月の提供開始以降、ペーパーレス化やデジタル化を支援する『NAVINECT®クラウド』を中心に提案してきましたが、今回の展示会では、ペーパーレス化・デジタル化の次のステップとして、各種生産装置や付帯する設備の情報を取得し可視化やデータの蓄積を行う、IoTソリューション『NAVINECT®エッジ』を重点的にご紹介しています。(勝野)」

今回ブースではNAVINECT®の各アプリケーションとパートナー企業の装置を連携した6つのソリューションをご紹介しました。

まず1つ目は、NAVINECT®「在庫管理」サービスと、グローブ型のウェアラブルスキャナ「ProGlove」の連携です。「ProGlove」で在庫に貼り付けられたQRコードを読み取り、個体IDに紐づいた在庫に関する情報を在庫の管理や棚卸を効率化する「在庫管理」アプリへ反映します。「ProGlove」はよりスピーディな読み取りとハンズフリーによる効率的な作業を実現します。

2つ目はNAVINECT®「稼働管理」サービスと、送信ユニット付き表示灯から稼働信号を無線で転送するシステム「AirGRID」の連携です。装置の運転状況を表示灯が表示する色にリンクさせてクラウド上に連携し、遠隔地のPC等へ表示させます。離れた場所から製造現場全体の装置や設備の稼働状況を、その日の稼働予定と併せて一元的に俯瞰できます。

3つ目は、NAVINECT®「生産監視」サービスと、省電力・長距離通信が特徴のLPWAである「ZETA」の連携です。製造現場の各所に設置したZETAセンサーで取得する情報をセンサーの設置位置の情報とともに製造現場のフロアマップに落とし込みモニタリングします。生産監視サービスで収集する各種生産装置自身の状態に関する情報に加え、温湿度や振動などの装置を取り巻く環境情報を収集できるようになることで、製品に影響を及ぼす可能性のあるより幅広い製造現場の情報を収集できるようになります。

4つ目は、NAVINECT®「作業者管理」サービスと認証スピードや検温機能が特徴のアイメックス製「顔認証システム」の連携です。顔認証装置で収集した作業者の入退室情報や作業時間、健康状態のデータを蓄積・一覧化することで、製造現場の配置改善に役立てます。

5つ目は、NAVINECT®「作業者管理」サービスと誤差50cmの精度で正確な位置情報を測位できる「UWBデバイス」の連携です。この連携は構想段階のものですが、実現すれば各作業員が正しい配置で作業しているかをリアルタイムに少ない誤差で、NAVINECT®上で閲覧することが可能となります。

6つ目は、NAVINECT®「生産監視」サービスと高精細・低遅延が特徴なティ・エム・エフアース製「ワイヤレスカメラ」の連携です。この連携も構想段階のものですが、製造現場へこのカメラを設置し、生産監視アプリのフロアマップ上から映像を閲覧できるようにすることで、装置に異常が発生した際に現地の様子をより鮮明に遅延なく遠隔地から確認することが可能となります。

本展示会では、製品へ自動でラベルの貼付けを行うロボットラベラーの稼働状況を詳細まで低遅延で撮影・モニタリングするデモを行いました。
製造現場の情報をリアルタイム且つ網羅的に収集することで、次なるステップであるデータの分析による製造現場全体の最適化や遠隔地からの多拠点の管理に繋がります。
『NAVINECT®』の詳しい説明やお問い合わせは、以下リンクよりご確認いただけます。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。


最後に

今回ご紹介した、3つのソリューションの他にも製造・物流業界の方々向けに様々なソリューションがございます。是非、お気軽にご相談ください。TOPPANとして課題解決に寄与できるように引き続き、取り組んで参ります。

2023.02.21