コラム

企業のSDGsへの取り組み事例①
サーキュラーエコノミー実現に向けた
TOPPANの取り組み

SDGsの目標達成期限の2030年に向けて、持続可能な地球環境に向けた課題意識が高まってきています。しかし、実際にSDGsの取り組みを始めたい、視点を取り入れたいと考えていても、具体的な取り組み方法がわからない、という企業も多いのではないでしょうか。今回は、企業はSDGsにどのように向き合うべきかを、TOPPANの実践事例を交えてご紹介します。


ideanote vol.151 課題を「突破」するトッパンの方程式

SDGsと企業の社会的責任

SDGsとは

SDGsとは2015年9月に国連で採択された国際社会共通の目標であり、「Sustainable Development Goals」を略したもので、「持続可能な開発目標」と訳されます。17のゴール(目標)と169のターゲット、及び232の指標で構成されており、貧困や差別、環境破壊などの社会問題を解決し、持続可能な世界を実現することが掲げられています。

企業はなぜSDGsに取り組まなければならないのか

SDGsは、特定の国や政府、企業や団体が、自分たちの利益を得るために掲げる目標ではなく、すべての人々が、誰一人取り残さない経済・社会・環境の実現に向けて達成するべき目標であるという前提があります。企業もその一員として、自社の成長と社会課題の解決との両立を目指した活動を行っていく必要があります。また、SDGsは中長期的かつ国際的な目標であるため、企業が主体的に参画することにより、解決に向けた動きの加速につながります。

企業にとってSDGsへの取り組みは、自社の持続的な成長を考えるにあたって重要なだけでなく、投資家の信頼を勝ち取る条件でもあります。近年は世界中の企業が「ESG投資」を積極的に取り入れており、ESGへの配慮ができていない企業は、投資家から良い評価が得られにくく、取り組みが遅れることでリスクが増大する可能性があります。企業がSDGsに取り組むことで、結果として株主や社員、顧客、地域社会などステークホルダーの期待に応えることにつながると考えられています。

また、SDGsに取り組むことで社会課題の解決や地球環境の保全に貢献することもできます。これにより、社員が自社のビジョンやミッションに共感し、その実現に向けて自ら行動することができるようになるため、やりがいや目的意識を持つことにもつながります。これによって、従業員のモチベーションアップや、企業の魅力も増すことで優秀な人材の採用も期待できます。

※ESG投資:「Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)」の略称。企業が長期的に成長していくための取り組みであり、サステナブルな社会に向けて地球環境をより良くするための経営手法を指す。

企業とSDGs

SDGs関連コラム一気読み資料

TOPPANがSDGsに取り組む理由

TOPPANは時代とともに変化する市場・顧客のニーズを把握し、「印刷」を原点とする技術・ノウハウを通じて、お客さま企業の課題解決を支援する「社会的価値創造企業」として事業活動を行ってきました。そのため、社会的価値創造と親和性の高いSDGsにおいても、社会への責務として取り組んでいます。

2019年には「TOPPAN SDGs STATEMENT」を設定し、「『環境・まち・ひと』が相互につながり合う『ふれあい豊かでサステナブルなくらし』」というコンセプトを掲げ、事業活動を通したSDGs実現を目指しています。ここからは、実際の取り組みについて、事例をご紹介します。

SDGs

「サーキュラーエコノミー(循環経済)」実現に向けたTOPPANの取り組み

「サーキュラーエコノミー(循環経済)」とは

昨今の大量生産・大量消費の経済では、材料である天然資源の枯渇や偏在が安定した製品の供給を脅かしたり、廃棄物が地球環境や生態系に被害を与えたりと、人間の生活に悪影響を及ぼし始めています。こうした問題に対して、近年注目されている「サーキュラーエコノミー(循環経済)」は、それまで廃棄されてきた製品や原材料などを「資源」と考え、リサイクルなどで活用して資源を循環させる、新しい経済の仕組みです。従来からあった3Rの発想に加え、そもそも廃棄物を出さないシステムの構築を目指して、世界中の国や企業が取り組み始めています。

※ 3R:Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)3つのRの総称。

TOPPANはサプライチェーン全体で貢献

「サーキュラーエコノミー」を実現するには、あらゆる経済活動の仕組みを根本から変革していく必要があります。この変革の担い手として、TOPPANはこれまで幅広い領域で事業を行ってきた強みを生かすことができると考えています。例えば、資源循環のサプライチェーン(下図参照)では、長年培ってきた素材の技術開発や、生活者との接点など、サプライチェーンの中のどのフェーズでも価値を提供することができます。今後はDXの活用やステークホルダーとの連携を強化し、サステナブルな未来に向けた取り組みを加速していきます。

資源循環の流れ(拠点回収の例)

【事例】プラスチック資源循環に向けた取り組み

回収の仕組みやリサイクル技術に課題が多い、使用済みのプラスチックパッケージ。TOPPANはこれに注目し、リサイクルへの興味喚起や行動促進を目指し、店頭でパッケージを回収する「サステナブルGO!GO!プロジェクト」を実施しました。電子チラシアプリ「Shufoo!®」を活用した認知促進や、インセンティブ有無による回収効率の変化など、初回の検証結果を踏まえ、今後は社会実装を目指します。

キャンペーン中の店頭の様子とキャンペーンイメージ。親しみやすいクリエイティブで取り組みやすさを表現
キャンペーン中の店頭の様子とキャンペーンイメージ。親しみやすいクリエイティブで取り組みやすさを表現

まとめ

企業にとってSDGsへの取り組みは、企業価値向上につながる重要な機会でもあります。自社の事業を見直し、これから実現したい社会に対して、どのように貢献していくかを検討することが、企業としてSDGsに取り組む第一歩となります。

TOPPANは今回ご紹介したように自社の事業活動を通じてSDGsに取り組んでいるだけでなく、お客さまのSDGs経営をサポートするサービスも行っていますので、TOPPANの情報誌「ideanote」vol.146でぜひ詳細をご確認ください。また、vol.151では、DXやヘルスデータ事業など、さまざまなソリューションをご紹介しています。ぜひご覧ください。

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2023.10.06

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