コラム

SDGs時代に求められる
ブランドのあり方とは?
これからの時代のブランディング

近年、SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)を経営に取り入れる企業が増えています。社会や投資家からの要請もあり、サプライチェーン全体の見直しを図り、SDGs達成へと向かう動きが高まっています。その取り組みの一つとして、SDGsをブランディングに取り入れることは効果が高いと考えられます。そこで今回は、SDGs時代に求められるブランドのあり方を考察し、これからの時代のブランディングを探ってみました。またSDGsをブランディングに取り入れる方法やメリット、取り組み事例をご紹介します。


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SDGs時代に求められるブランディングとは

SDGsは、国連加盟国が社会の持続可能性をテーマにした17の目標を、2016年から2030年の15年間で達成することを掲げているものです。

近年、国内においても、企業を取りまく様々なステークホルダーが、SDGsなどのサステナブルな取り組みを含めて、企業を評価しようとする動きが高まっています。そしてその評価は企業だけでなく、商品やサービスにおいて構築している「ブランド」も対象となっており、ブランドのあり方も問われています。

そもそもブランドとは、顧客にとっての価値を定義し、顧客と約束を結ぶことで信頼関係を創出するものです。顧客からの信頼を失わず、選ばれ続けるためにはブランド自体の持続可能性も追求しなければなりません。

企業は、ブランディングの中心にSDGsを据える必要が出てきているといっても過言ではないでしょう。積極的にブランドのSDGs貢献を目指す取り組みが進んでいるファッション業界や化粧品業界はもちろん、他業界でも同様の取り組みを進行している企業が多く見られます。

そのような取り組みから読み取ることができる、SDGs目標達成を考えるべき時代に求められるブランディングとはどのようなものなのでしょうか。


SDGsをブランディングに取り入れる方法

SDGsをブランディングに取り入れるには、具体的に、どのような方法があるのか確認しておきましょう。

パーパスブランディングを実施する

企業の存在価値を再定義する「パーパスブランディング」を行うことは、SDGsブランディングにつながります。パーパスブランディングとは、自社の存在価値を明確に定義し、それを社内外に発信する手法です。自社の存在意義をメインに据えてブランドの認知を広めることで、ステークホルダーの共感を集め、長期的なブランドへの信頼につなげることができます。パーパスブランディングを行う際に、SDGsの17の目標のうち、どの目標に貢献ができるのかを検討しましょう。

SDGsを既存のブランドコンセプトに適用する

SDGs目標の中から、ブランドのコンセプトに合致するものを見つけ、SDGs目標達成を目指し、社内外に浸透させていきます。

インナーブランディングを実施する

企業ブランディングにおいては、社員も重要な対象となります。社員に対するインナーブランディングについても、SDGsを取り入れる余地があります。社員一人ひとりがSDGsに貢献することで、働くことにやりがいを感じ、自分の生活の質の向上が実感できるようなブランドコンセプトと仕組みが必要になります。


企業がSDGsを取り入れたブランディングに取り組むメリット

企業がSDGsを取り入れたブランディングに取り組むことで、次のようなメリットが期待できると考えられます。

顧客を含めたステークホルダーからの評価向上

SDGsに真摯に取り組む企業は、地球環境の一員としての責任を果たす企業です。そしてその取り組みを広く顧客や投資家などのステークホルダーに広めていくことで、企業の価値やイメージの向上を図ることができます。もはや企業の存続に関わることと言っても過言ではなく、生存戦略ともいえます。ステークホルダーから自社の取り組みを正しく理解してもらうためにはどうすれば良いかを考えることが重要です。

新たなビジネスチャンスの創出

企業が事業を通じてSDGsの目標を達成することは、新たな経済価値を生み出すといわれています。またSDGsの課題に目を向け、その課題解決のための製品やサービスの開発に取り組むことで、新しい領域でのチャレンジや、パートナー企業との共同研究・開発促進につながることから、新たなビジネスチャンスともいえるでしょう。

社員のモチベーションアップ

SDGsのインナーブランディングが成功し、社員一人ひとりがSDGsを取り入れたブランディングの重要性と自社が取り組む意味について理解・共感することができれば、社員のモチベーションアップも期待できます。そのためには経営層をはじめとした上層部の考え方の切り替えと理念の社内浸透が求められます。

優秀な人材が集まる

SDGsを取り入れたブランディングが成功することで、サステナブルな企業としてのブランドイメージが定着します。それにより、先進的でこれからの時代に役立つスキルを持つ優秀な人材が集まりやすくなります。

企業がSDGsを取り入れたブランディングに取り組むメリット

SDGsをブランディングに組み合わせた事例

SDGsをブランディングに組み合わせる取り組みを行っている企業の事例・関連サービスをご紹介します。

SDGs優先課題を設定し、経営方針・経営戦略等へ反映

SDGsブランディングを行うためには、まずSDGsを経営方針や経営戦略にどのように反映させるのかを検討しなければなりません。その作業はSDGsと共に、優先課題を見つける専門的な知識が必要になります。
TOPPANでは、SDGsの169のターゲットや232の指標を一覧化したチェックリストをもとに、製品・サービスレベルまでブレイクダウンして棚卸・整理を実施し、優先的に取り組むべき課題とKPIを設定するなどの一連のサポートを行う「SDGs優先課題特定支援」サービスを提供しております。実際に、このサービスを利用した企業は、SDGs優先課題を特定することができ、経営方針や経営戦略に反映させることで、SDGsブランディングの策定も可能です。

企業理念とSDGsの精神に則ったブランディング

ある医薬品メーカーは、SDGsの精神を正しく理解し、従来からの企業理念をもとに、SDGs達成につながる取り組みを積極的に行っています。同社では、SDGsの精神は、企業が短期的な利益追求や過度の株主還元を目指すのではなく、社会において善を成し、インパクトある行動をとることを評価することととらえています。そして企業理念に基づき、ビジネスの一環として貧困に苦しむ人たちの間に蔓延する病気の治療薬の無償提供を実施しています。企業理念とSDGsを強く結びつけて良いブランディングとなっている好事例です。

インナーブランディング

ある食品メーカーは、社内においてSDGsに関する行動宣言を打ち立て、社員がその宣言に基づいて行動しています。研究開発、調達、生産、物流、販売の各フェーズにおいて、SDGs目標が反映されており、ポスターに貼り出すなどして社員を啓発し、インナーブランディングに取り組んでいます。


まとめ

SDGsを経営に取り入れるだけでなく、社内外へのブランディングを実施していくことは、企業にとってはもちろん、ステークホルダー、社会に対して大きなメリットを生み出します。

SDGsブランディングをご検討の方は、弊社の「SDGs優先課題特定支援」のサービスをぜひご検討ください。また、SDGsや具体的な取り組みについての理解を深めるのに役立つ資料もございます。ぜひ参考にしてください。

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2023.10.06

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