メタバースソリューションの紹介~ビジネス活用やメリットも解説
2021年末からビジネストレンドになっているメタバース。しかし、メタバースとは何か、ビジネスで使えるものなのか、疑問に思っている方も多いでしょう。本コラムでは、メタバースの基本や、ビジネスにおける活用法、TOPPANのサービスをご紹介します。
メタバースビジネスの今とこれから
メタバースとは?
メタバースとは、「メタ(meta)」と「ユニバース(universe)」を組み合わせた造語です。metaは「異なる次元からの観点」「超越した」、universeは「宇宙・世界」などの意味を持ちます。直訳すると「超越した世界」となりますが、現代ではインターネット上に構成される3次元の「仮想空間」を指します。
メタバースの最大のポイントは、現実世界に限りなく近い状態で活動できることです。ユーザーは、アバターと呼ばれる分身を使ってこの世界(仮想空間)に入り、アバターを動かして集まってミーティングができるのはもちろん、ゲームやショッピング、土地の売り買い、建物を建てる、仕事をするなど、ウェブ上の空間で社会生活を送ることができます。
なぜ今、メタバースが注目されているのか?
メタバースの起源としては、2006年にリリースされたサービス「Second Life」がその先駆け的存在として知られています。しかし、当時はパソコンやスマホの普及が十分ではなかったため、通信速度も遅く、大きな広がりを見せませんでした。
2015~2018年ごろになるとデバイスの通信環境が整い、オンラインゲームが進化。Fortnite、Minecraft、ファイナルファンタジー、モンスターハンターといった、オープンワールドで楽しむゲームが流行します。ユーザーは、ボイスチャットなどで世界中の人々とコミュニケーションをとりながらゲームをするのが当たり前の時代になりました。企業はオンラインゲームとのタイアップやコラボレーションを試みましたが、ゲームには独自の世界観があるため、ビジネス利用はそれほど進みませんでした。
そんな中、2021年、FacebookがMetaに社名を変更し、社会に大きな衝撃を与えました。オンラインゲームの世界を広げ、ビジネスの世界でもメタバースを使えるようにしようという動きが改めて出てきたのです。グローバルの市場規模は、2024年には7,833億ドル(90兆円)まで成長すると予想されており、こうした数字も、今メタバースが注目を集めている理由の一つとなっています。
メタバースの現状と今後の予測
この1年で、メタバース市場は急スピードで進化しています。たとえば、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、電通、博報堂、TOPPANなどがエンタープライズ事業を開始。多くの業界で、メタバースを使った施策が登場しています。メタバースで重要な役割を果たすプラットフォームも乱立して、誰もがすぐにでもメタバースを体験できる時代が到来しました。
しかし、現在メタバースを実際に使っているユーザーは全体の15%ほどです。まだまだメタバース“ブーム”と呼ばれる状況に過ぎず、成熟期を迎えるにはまだ数年かかると予測されています。メタバースの普及は、2027年を境に社会インフラとして定着するという説もあります。
ビジネスにおけるメタバース活用の利点
メタバースの利点ではよく以下の4つがあげられます。
①3DCGで自由に空間が作れる
②アバターを使い、リアルに近い状態のコミュニケーションがとれる
③距離を超えて多くのユーザーが参加できる
④リアルと連携したイベント開催ができる
たとえば、商品のPRをメタバース空間で行うことで、これまでにない没入感やアバターを通したコミュニケーションによって、消費者の認知度をより向上させることができます。アバターライブなどではリアルではできないイベント設計ができるため、より効果的なPR効果が期待できるなど、魅力的な顧客体験(CX)を実現することが可能です。
TOPPANのメタバースソリューションのご紹介
現代は仮想空間における情報や体験、デジタルコンテンツの価値は現実社会でも認定される時代に突入しています。TOPPANは、現実のビジネスの延長に仮想空間ビジネスがシームレスに広がる社会拡張時代が来ると予測し、「プラットフォーム」と「アバター」の2つの領域でメタバース事業に取り組んでいます。
フォトリアルな3Dアバターを簡単に作成「MetaClone®」
「MetaClone®」は、手軽にフォトリアルな3Dアバターを自動生成できるサービスです。顔写真をアップロードし、体型を選択するだけで、1分程度でアバターが完成。まばたきや口を動かすこともでき、自然な表情が作れます。メタバースのショールームや店舗内に、リアルな社長を登場させるなど、BtoBとしてお使いいただけるツールとしてご提供しています。
安心・安全なデジタル空間を構築する、アバター管理プラットフォーム「AVATECT™」
「MetaClone®」のようなフォトリアルなアバターを使う場合、しっかりとしたセキュリティ管理が必要となってきます。「AVATECT™」は、アバターの真正性を証明するため、アバター本体の管理や本人認証に加え、アバターに電子透かしを付与するサービスです。アバターの不正利用やなりすましを防止し、メタバース上でのプライバシーや著作権の保護を実現します。
スマホから入れる、気軽なメタバースショッピングプラットフォーム「Metapa®」
「Metapa®」は、手軽にメタバース上でショッピングを楽しめる、バーチャルモールアプリです。アプリをダウンロードすれば、好きなときにスマートフォンでメタバースに入り、家族や友人と一緒に店舗を回れるなど、リアルな楽しい買物体験ができます。バーチャル店舗が営業している「メタパーク™」では、さまざまな店舗や商品、イベントに出会うことができます。
リアルなコミュニケーション空間を実現する、メタバースプラットフォーム「MiraVerse®」
「MiraVerse®」は、現実空間を仮想空間にフォトリアルに取り込める、メタバースサービス基盤です。4K/8Kの高精細・低遅延なオリジナルレンダリングエンジンとの組み合わせで、高精細でリアルなメタバース空間を作り出します。高い臨場感によって、メタバースでしかできないイベントや体験を実現。商談や協調作業などのビジネスコミュニケーションにも活用できます。
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2023.10.12