イベントレポート

テクノロジーでビジネスを
アップデートする
DATA CAMP 2019 TOKYO

凸版印刷は2019年11月29日、「テクノロジーでビジネスをアップデートする」をテーマに、データビジネスを推進するイベント「DATA CAMP 2019 TOKYO」をJPタワー ホール&カンファレンス(東京都千代田区)にて開催しました。
昨年に引き続き2度目の開催となる本イベントでは、最先端のテクノロジーを持つベンチャー企業や、テクノロジーでビジネスモデルをアップデートさせている企業が登壇。計8講演にわたり、最新のテクノロジーやリアルな実践ケースが紹介されました。本レポートでは、各公演の内容をご紹介します。

目次

テクノロジーでビジネスをアップデートする

梅川 健児
凸版印刷株式会社
情報コミュニケーション事業本部
情報デザイン事業部
トッパンアイデアセンター
コミュニケーションデザイン本部
本部長

最良の顧客体験品質をもたらす「第4のアップデート」

凸版印刷 コミュニケーションデザイン本部の梅川は、講演テーマの背景について説明した。その1つが、「顧客体験品質」と「労働生産性」だ。日本のサービス品質の高さは世界から評価される一方、それを提供するために必要な労働力は不足しつつある。しかし、「このギャップをどう解消するか」がビジネスチャンスだと語った。背景のもう1つが、凸版印刷のビジネスにおけるアップデートだ。梅川は「“顧客中心”を実現するために、より大きな社会課題を捉えなければならない」と話し、オープンイノベーションの重要性を強調した。

村上 泰一郎
ピクシーダストテクノロジーズ株式会社
代表取締役 COO

課題・ニーズを発掘し、研ぎ澄ます

ユニークな産学連携スキームを組み、大学発の研究技術を市場価値へと換えているピクシーダストテクノロジーズ。同社の村上氏は「テクノロジーが注目される時代であっても、『課題やニーズを発掘して、研ぎ澄ます力』や、『そこに対して打ち手を提示する』ということがとにかく重要」と話す。しかし、同時に「発掘にも提示にも、更には実装していくところにもテクノロジー知見が必要になっていく、ということも事実」と述べ、テクノロジーが急速に進化する今、オープンイノベーションが社会課題を解決する鍵となることを説明した。

本セッションの
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Session2 メディアビジネスの将来とテクノロジー

後藤 達明
凸版印刷株式会社

データ基盤の整備から、データ活用のエンジンの提供へ

本セッションでは、凸版印刷 コミュニケーションデザイン本部の後藤がファシリテーターを担当。近年、顧客企業のデジタルマーケティングやイノベーションの支援を行う中では、「企業固有のデータ基盤の整備」といった支援から「データ活用を行うためのエンジンのカスタムメイドでの提供」という機会が増えてきていると話す。そうした趨勢を踏まえて、講談社の織田氏と白ヤギコーポレーションの渡辺氏を招き、メディアビジネスにおけるテクノロジーの活用について問いかけを行った。

渡辺 賢智
株式会社白ヤギコーポレーション
CEO

AI分野の高い技術力を生かし、コンテンツ配信を最適化

2016年に資本提携を行った、講談社と白ヤギコーポレーション。白ヤギコーポレーションは、自然言語処理、機械学習、ディープラーニングなどのAI分野の技術力を生かし、講談社のコンテンツの配信の最適化を行っている。白ヤギコーポレーションの渡辺氏は、一連の試みを「人間のアートの部分と、大量のデータを処理して解を出していくというAIの部分、これをうまく組み合わせることができた」と振り返り、その詳細を解説した。

織田 順一
株式会社講談社
IT戦略企画室 デジタルソリューション部
副部長

今までは定義が難しかった「独自のセグメント」を創出

講談社の織田氏は、白ヤギコーポレーションとの取り組みの一例として、インターネット広告プラットフォーム「OTAKAD(オタカド)」を紹介。OTAKADでは、閲覧記事の傾向から趣味趣向を指数化し、読者属性に合致した広告配信を実現している。「アンチエイジンガー」といった、従来は定義が難しかったセグメントを導くための仕組みを説明し、メディアビジネスの将来を語った。

本セッションの
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Session3 “顧客体験”をアップデートするデジタルストアの未来

土田 安紘
AWL株式会社
取締役CTO 兼 AI HOKKAIDO LAB所長
(弁理士)

「AIカメラ」で小売店の顧客体験を変えていく

AWLの土田氏は、リテールストアが直面する「労働力不足」といった課題解決に向けた取り組みを紹介した。ここで用いられる「AIカメラ」にはディープラーニングの仕組みが活用されており、「店舗の中で何が起きているのかを把握して、リテールのオペレーションをサポートする」ことを可能としている。土田氏は、実証実験店舗における試行錯誤の経緯や取り組みのポイント、新たに挑戦した先端技術について解説した。

畑 幸一
凸版印刷株式会社

より良い顧客体験や購買促進につながる「3つの気付き」

本セッションのファシリテーターは、凸版印刷 コミュニケーションデザイン本部の畑が担当。昨年のDATA CAMPから行ってきた共創の取り組み結果を交えて、プレゼンテーションを進行した。セッションの後半では、「今回の実験を通して重要だと気付いたことは、リアルタイム、パーソナライズ、データ活用の3つ」と述べた上で、実証実験の取り組みを振り返りつつ、土田氏に問いを投げかけた。

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Session4  Drive Digital Transformation~データ活用を推進するために必要なこと~

橋本 潤
グーグル合同会社
広告営業本部 リテール業界 統括部長

データ活用の重要性

グーグルの橋本氏は、IoT(Internet of Things)からIoE(Internet of Everything)への時代が変化することを説明し、「モノだけではなく、人やコトがすべてインターネットに接続されるような時代が始まってきています」と切り出した。こうした背景を踏まえて、今後ビジネス戦略を組み立てていく上で、より多くのデータが競争原理となり、そのためにユーザー接点をより多く持つこと、そこで集めたデータをいかにユーザー体験の改善、よりよい製品、サービスに役立てるか、ということがビジネスの世界で競合に勝ち抜くための必須要件であると話した。

「データが価値を創造する時代」にすべきこと

グーグルは、早くから企業のデータドブリンマーケティングを支援するとともに、最近ではマシンラーニングのためのライブラリの活用なども積極的に推進している。橋本氏は、そこで重要視している「ユーザーを起点とした情報」について語り、データ収集・分析のポイントやデータ活用トレンドの変化、具体的な活用事例について話した。

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Session5 “マーケティング”をアップデートするCDPの開発

竹内 正也
株式会社富士フイルムヘルスケアラボラトリー
営業本部 CSソリューション部 統括マネージャー

マーケティングをアップデートするための3つの要素

富士フイルム ヘルスケア ラボラトリーは、富士フイルムグループの一員として、化粧品やサプリメント・機能性食品などの事業を展開している。同社のデジタルマーケティングを推進する竹内氏は「顧客データを中心としたマーケティング」を実現するためのCDP開発について、「ビジネス」「システム」「オペレーション」といった3つの要素を交えて解説。現場のリアルな取り組みを紹介し、その構想から実行にあたっての考え方や苦労した点、成功のために求められる観点についても語った。

溝口 貴大
凸版印刷株式会社

PoC期間におけるオペレーションの取り組み方が鍵

竹内氏の話を受け、凸版印刷 コミュニケーションデザイン本部の溝口は「PoC期間で運用を始めてみた上で、自分たちで使ってみて『どこが使いづらいのか、どこからならばできそうなのか』という事を見定めた点が、無事にスタートを切ることができた秘訣」と述べた。

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Session6 データマーケティングの意思決定を高速化~DMP×AIの活用~

伊藤 直広
TIS株式会社
サービス事業統括本部 デジタルトランスフォーメーション営業企画ユニット デジタルトランスフォーメーション第2営業部 エキスパート

3つの壁を乗り越え、小さな成功体験を積み重ねる

TISの伊藤氏は冒頭で「ECも店舗も顧客接点の一つでしかありません」と語り、そこで得られる行動データを活用して、製品やサービスの顧客体験を継続的に改善することが重要だと説明。顧客像を捉えるためのポイントや、顧客データを統合するために乗り越えるべき「3つの壁」について解説した。その上で、「結局選ばれるのは『便利で、お得で、楽しい』と感じられる製品やサービス」と話し、なかなか取り組みが進まない企業には「まずは小さく初めて、成功体験を積み重ねてから拡張していく」という考え方が重要だと述べた。

森川 東勲
凸版印刷株式会社

AI活用を成果につなげるための4つのポイント

凸版印刷 コミュニケーションデザイン本部の森川は、実際にAIの案件に取り組む中で、成果を上げるための4つのポイントを解説。テーマ設定やデータ設計、モデルの精度を見極める精度検証、劣化するAIモデルの品質維持の重要性について説明した。その上で、「DMPにしっかりデータをためて、そのデータと連携しながら運用していくことが重要」と語り、「TIS MARKETING CANVAS」×凸版印刷「KAIDEL」の新サービスを紹介。「お互い別の強みを持っている企業が手を組むことで、データマーケティング分野の推進力をアップデートすることができる」と強調した。

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Session7 産業分野におけるサイバーセキュリティ政策
~ホワイトハッカーがつくる信頼性のアップデート~

奥家 敏和
経済産業省
商務情報政策局 サイバーセキュリティ課長

攻撃パターンは縦にも横にも高度化している

経済産業省の奥家氏は冒頭で、昨今のサイバー攻撃について「攻撃パターンには『横に広がるもの』と『縦に打ち込むもの』がある」と解説した。その上で、IoTが普及する時代にはこれまでと異なる視点でのセキュリティ対策が必要であることを説明し、「サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク(CPSF)」の有効性を語った。加えて、米国や欧州と連携した取り組みの現状や、中小企業のサポートについても紹介した。

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Session8 AI活用による価格変動ビジネスへの挑戦
~拡がるダイナミックプライシング~

小阪
メトロエンジン株式会社
COO兼チーフデータサイエンティスト

ダイナミックプライシングの種類を4象限で捉える

「2019年1月以降、急激にダイナミックプライシングが盛り上がりを見せている」と語るのは、メトロエンジンの小阪氏。テクノロジーの進化やビジネスモデルの変化といった複数の要因が絡み発展を続けるダイナミックプライシングについて、小阪氏は4象限、計7種類に分けて解説を行った。そして、これらのモデルが近い将来、「特性や段階に応じて変化」していくだろうと述べた。

理想の「ブッキングカーブ」を実現する推奨価格を算出

小阪氏は、ダイナミックプライシングによる収益最大化のため「ブッキングカーブ」の概念に着目。予測精度向上のためのデータの掛け合わせについても説明を行った。さらに、一度作成した予測モデルをチューニングする際の視点や、「人の移動の未来予測」に関する挑戦についても語り、ダイナミックプライシングが企業や社会に対し「ポジティブな影響を与えられるようにしていきたい」と力を込めた。

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2020.03.10