OMO戦略の成功は
“オフライン購買のデータ化”が鍵!
顧客体験を分断させない、
実店舗とデジタルのシームレスな連携手法
「EC利用者は店舗に訪れているのだろうか?」
「店舗配布のクーポンが使われたか追跡できない」
「店舗データをECと連携するにはPOSレジ改修が必要」
OMOを目指しながらも、このような店舗とECサイトのデータ分断について悩んでいませんか? これでは実施したいキャンペーンも思うように行えません。
今回は、OMOで直面する店舗とECデータ分断の課題と解決策、効果を解説します。
<目次>
1.OMO戦略の重要性
2.OMOで直面する店舗とECデータ分断のリアルな課題
3.店舗とECのデータ分断の課題を解決するには「デジタル資産」への変換がポイント
4.CDP連携とデジタル資産化の方法
5.シームレスな連携がもたらす体験価値の変化
6.まとめ
1.OMO戦略の重要性
なぜいまOMO戦略が求められるのか
OMO(Online Merges with Offline)とは、オンラインとオフラインを融合・統合したマーケティング施策です。
従来は、店舗とECサイトは別々に運用されており、顧客にとっては不便な部分がありました。しかし、OMOを推進することで、顧客がECサイトで注文した商品を実店舗で受け取れるなど、統合された顧客体験と顧客データ管理を実現できるようになります。
OMOが求められる背景として、スマートフォンやSNSの普及によるチャネル横断型の購買行動の浸透や、国内外の小売・サービス企業のEC強化による売上増、技術発達により顧客データ取得がしやすくなったことなどが挙げられます。
こうした中、OMOは、より戦略的に実施するフェーズへと進んでいます。
OMOについての詳細は下記のコラム記事で詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。
O2Oやオムニチャネルとの意味の違い
O2Oやオムニチャネルとの意味の違いを見ていきましょう。
| OMO | 顧客データに基づき、オンラインとオフラインが融合されている状態。 |
|---|---|
| O2O | オンラインに収集したデータをオフライン施策に生かしたり、オンラインからオフラインへ誘導したりするマーケティング戦略。オンラインとオフラインが明確に区別されている状態。 |
| オムニチャネル | 顧客とのあらゆる接点を活用して購買につなげるマーケティング戦略。オンラインとオフラインがシームレスに連携されている状態。 |
OMOと、O2Oやオムニチャネルとの大きな違いは、オンラインとオフラインが融合されているかどうかです。OMOはオンラインとオフラインを明確に区別することなく、融合することで顧客体験を向上させるところに特徴があります。
2.OMOで直面する店舗とECデータ分断のリアルな課題
OMOを進める中で直面しがちなのが、店舗とECのデータ分断に関する課題です。例えば次のような課題が挙げられます。
ECで買った人が来店しているかわからない
普段ECサイトで購入している顧客が実店舗を訪れていても、店舗側では「初来店の新規客」として扱われてしまう課題です。 本来であれば、過去の購入履歴に基づいた提案を行いたいところです。
店舗で配ったクーポンが使われたか追跡できない
店舗で配布したクーポンが、店舗やECで使われたかどうかの追跡が困難になっているという課題です。
POSレジデータとECデータの連携には改修が必要
POSレジデータをECデータと連携させて活用したいと考えてはいるものの、システム部門に相談したら「POSの入れ替えや改修に数千万円かかる」と言われ、プロジェクトが頓挫しているといったことはよくあることです。
キャンペーンの際にどうセグメント化すべきかわからない
店舗とECのデータがサイロ化しており、顧客インサイトが特定できず、キャンペーンの際にセグメント化のしようがないという課題に直面することがあります。
店舗をロイヤルティを高める場として活用できていない
EC時代においては、店舗は高い体験価値を提供する貴重な場所ですが、データが分断されており、ブランドや企業への愛着心や信頼心を表す「ロイヤルティ」を高める場として活用できていないという課題です。
営業活動においてリアル接点が不足している
店舗スタッフや営業が、在庫確認や日報作成、顧客情報の照合作業などの「ノンコア業務」に時間を取られているケースです。 データ連携による業務効率化が進んでいないため、本来最も注力すべき「お客さまと向き合い、対話する(リアル接点)」時間が取れないという課題です。
商品の魅力をお客さまに伝えきれていない
オフラインとオンラインのデータが分断されていることで、商品情報の伝達にも不整合が生まれます。 例えば、EC上の豊富なレビュー情報が店舗で活用されていなかったり、逆に店舗でお客さまが商品を手に取った時の反応(触り心地やサイズ感への感想)がEC側にフィードバックされていなかったりと、商品の魅力をお客さまに伝えきれていない状況が生まれてしまうことがあります。
3.店舗とECのデータ分断の課題を解決するには「デジタル資産」への変換がポイント
店舗とECのデータ分断の課題を解決するには、店舗でのオフライン購買のデータを一元管理し、「デジタル資産」に変えることが有効です。
OMO課題解決策の第一ステップはオフライン購買のデータ化
課題を解決するための第一ステップとして、オフライン購買のデータ化を強く推進することが求められます。
オフライン購買のデータ化の際には、一般的にCDP連携が行われています。
CDPとは、「Customer Data Platform」の略称で、「顧客データ基盤」と訳されるプラットフォームの一種です。個人顧客一人ひとりのデータを統合的に蓄積管理できる仕組みです。
特徴は、「個人顧客データ」を、MAやCRMなどの社内のシステムを相互に接続して「統合的にデータ蓄積」する点にあります。購買データはもちろんのこと、店舗での会員情報などをもとに、顧客一人ひとりの情報を一元管理できるため、まさにオンラインとオフラインが融合するOMO戦略に最適な基盤といえます。
リアル店舗中心のデジタル資産化が肝になる
しかし、ただCDPで顧客データを一元管理しただけではOMOの課題は解決しません。多くの課題は、活用段階におけるものだからです。
リアルデータの取得、各データの統合が済んだら、その後はデータ分析を行い、「デジタル資産化(ナレッジ化)」を進めましょう。
近年は、AI(人工知能)によるデータ分析・デジタル資産化(ナレッジ化)が積極的に行われています。
なぜデジタル資産にすると良いのでしょうか。それは、顧客データには資産にするべき貴重な情報が眠っているからです。
ただ、顧客情報を集約するだけではなく、その後の活用についても十分に検討することで、より高い成果につながります。
4.CDP連携とデジタル資産化の方法
CDP連携とデジタル資産化の具体的な手法をご紹介します。
CDPとの連携における課題と解決策
OMOの一環としてCDPにデータを統合する際、店舗データはPOSレジシステムと連携したいところですが、先述の通り、現実的には難しいことがあります。
しかし、顧客の購買データはPOSレジデータだけではありません。次のデータも活用できます。
・会計時のアプリ(会員証)提示による情報
・顧客と店舗スタッフとの会話データ、接客ログ
・顧客店内回遊、滞在、行動履歴データ
・店内の位置情報(商品・従業員)、VMD(※)情報、各種センサー情報
・商品マスター、在庫・販売実績などの商品関連データ
・商品口コミ・レビュー情報
※VMD:Visual Merchandising(ビジュアルマーチャンダイジング)の略称。視覚的な効果による販促施策のこと。
これらの情報を取得してCDPに集約させることで、オフラインを含む顧客データ基盤を作ることができます。
AIによるデータ分析・ナレッジ化の手法
デジタル資産化およびナレッジ化について、AIを活用して進める手法を見ていきましょう。
(1)顧客の口コミの活用
顧客からの口コミ情報を商品データベースへ取り込み、AIに分析させることで商品開発や改善に役立てることができます。分析データから顧客に響く訴求ポイントを抽出することができれば、商品開発に役立てられます。
(2)接客ログの活用
店舗での接客ログのうち、ハイパフォーマーの接客ノウハウを音声AIなどで抽出することで、接客品質の平準化と向上に寄与します。
顧客インサイトを抽出できれば、オフラインとオンラインを横断した体験設計・施策実行にもつなげられます。
5.シームレスな連携がもたらす体験価値の変化
店舗とECデータの連携が叶えば、顧客体験にとどまらず、商品体験や従業員体験が向上するという効果も得られるでしょう。
顧客体験
ブラックボックス状態であった店頭顧客行動が可視化されることで、リアル接点ならではの感性に響くブランド体験の提供が可能になります。
商品体験
商品情報とデータを掛け合わせることで、商品力の解像度が上がり、営業職員は商品の魅力を最大化するプレゼンテーションが可能になります。
従業員体験
従業員情報とデータを掛け合わせることで、優れたパフォーマンスを他の従業員の成長に役立てられます。ヒトの力を最大限発揮する接客コミュニケーションを実現できるようになるでしょう。
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6.まとめ
OMO戦略を成功させるには、オフライン・オンライン問わずデータを一元管理し、利活用のためにデジタル資産化を進めることにあります。資産化しておけば、商品開発や接客レベルの向上など、顧客を喜ばせる活動に役立てることもできます。
しかしながら、自社だけで顧客データの統合を行うのはハードルが高いと感じることもあるでしょう。その場合には、OMO戦略に基づいたシステム構築から、実際の施策のサポートまで幅広くご対応するTOPPANのソリューションをご活用ください。
キャンペーンの煩雑さから解放し、ビジネスを加速させるトータルサポートを行います。
2026.02.18



