【対談】
ひろぎんホールディングス様×TOPPAN
地域社会と描く未来に向けて、 新たなリレーション基盤の構築のためのステップ
ひろぎんホールディングス様(以下「ひろぎん」)は、2023年よりTOPPANとともに個人のお客さまとのリレーションを強化するデジタルマーケティング環境の構築と、CDP※1とMA※2を活用したデジタルマーケティングに取り組んでいます。地域に根差した金融機関がデジタルマーケティングに取り組む理由や、どのような過程を経て取り組みを進めているのか ―。執行役員の堀井利英氏に、経営視点からのお話をTOPPANデジタルマーケティング部門営業責任者の秋月が伺いました。
※1 CDP: あらゆる顧客接点のデータを統合するカスタマーデータプラットフォーム
※2 MA: カスタマージャーニーに基づいて顧客とのコミュニケーションを自動化するマーケティングオートメーション
※所属企業名・部署名は2024年10月時点
ひろぎんホールディングス
株式会社ひろぎんホールディングスは、広島銀行を中核とするひろぎんグループを統括する持株会社。2020年10月に設立され、「幅広いサービスを通じて、地域社会と共に、『未来を、ひろげる。』」というパーパスのもと、非金融分野を含め、あらゆる課題の解決に徹底的に取組む『地域総合サービスグループ』を目指している。
スピーカー紹介
地方銀行としてのミッションと役割
――まずは、ひろぎんのミッションをお聞かせください。
堀井氏:私たちのパーパスは、「幅広いサービスを通じて、地域社会と共に、『未来を、ひろげる。』」です。少子高齢化の影響でマーケットが縮小し、地方銀行によってはエリア拡大に乗り出す中、私たちは2020年10月のホールディングス化を機に、非金融を含めた幅広いサービスを提供していくという業務軸の拡大に舵を切りました。そして、本年4月からスタートした中期経営計画においては、我々の営業の土壌となる地域社会にどう関与していくのか、地域の活性化にどう貢献していくのかに注力しております。
――お客さまにとって、どんな存在でありたいとお考えでしょうか。
堀井氏:これまで我々グループに対し、堅いイメージや敷居が高い印象を持たれる方も多くいらっしゃいましたが、そういった過去のイメージを払拭し、お客さまにとって頼りがいがあるのはもちろんのこと、心温かく、フレンドリーで相談しやすい存在になっていきたいと考えています。
地域の金融機関におけるデジタルマーケティングの重要性
――デジタルコミュニケーションの重要性をどのように捉えていらっしゃいますか。今回のプロジェクトに取り組まれることになった経緯と併せてお聞かせください。
堀井氏:デジタルが主軸の時代となり、今後を見据えたときに個人のお客さまとの関わり方や関係性の希薄化を感じ、危機感が芽生えました。これからは、デジタルで取引できない銀行は、お客さまに選んでいただけなくなるでしょう。リテール戦略を考えるとき、デジタルで完結する取引ができる仕組みと、お客さまとデジタル上でコミュニケーションが取れる仕組みは、必要不可欠だと判断しました。また、アライアンス戦略としては、大手のプラットフォーマーを含め、様々な企業と連携・協業しながら、個人のお客さまに選ばれるグループを目指していきたいと考えています。
秋月:確かに、ここ数年、デジタルバンクを中心にネット系の新たなサービスが次々と登場しています。地域の垣根を飛び越えた関係値が生まれはじめている中、ひろぎんとしても、お客さまと新しい向き合い方が求められているタイミングであったということですね。
堀井氏:はい。ネット系のプラットフォーマーが金融分野に次々と進出されている中で、 このままでは若年層のお客さまを中心に選んでいただけなくなるのではないかという危機感が一気に高まりました。これからは、アプリを中心にしたデジタルで決済・取引が完結する仕組みと、デジタルマーケティングの両輪で進めていく必要があるという結論に至りました。
秋月:そのために今回、「ひろぎんアプリ」のリニューアルを実施し、タッチポイントの確保に向け新しい仕組みをつくり、お客さまの選択肢を増やされたということですね。
堀井氏:そうですね。ですから、もちろん今まで通りお客さまのニーズに応じて、対面でも各種ご提案、コンサルティングを並行して行ってまいります。今回の施策はそれに加えて、デジタルでも取引できる、つながれることを認知していただく、その点に着手し、力を入れはじめたということです。
推進組織の構築とデジタル変革へのステップ
――デジタルマーケティングを実行されるということで、推進組織はどのように構築されたのでしょうか。その中で、堀井様が果たされてきた役割もお聞かせください。
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2024.10.31