【ウェビナーレポート】
失敗しないAI導入!コンタクトセンターの未来戦略
〜導入ハードルを乗り越える実践的ステップと成功事例〜
近年のコンタクトセンター運営では、多様な課題に対応して運営効率化と顧客体験向上の両立を目指すために、AIの活用が欠かせない状況です。このウェビナーでは、AI導入の必要性や現場で直面する導入・運用ハードルを解説し、コンタクトセンター運営においてAI活用を成功させるヒントを事例とあわせて紹介しました。
◆スピーカー&モデレーター紹介

上段(左から) TOPPAN株式会社 湯澤 将幸 |ビジネストランスフォーメーション事業部 エンゲージメントサービス本部 本安 景子 |ビジネストランスフォーメーション事業部 エンゲージメントサービス本部 吉川 萌唯 |ビジネストランスフォーメーション事業部 エンゲージメントサービス本部 下段(左から) TOPPAN株式会社 畠山 祐希 |ビジネストランスフォーメーション事業部 エクスペリエンスデザイン第一本部 松岡 由香利|ビジネストランスフォーメーション事業部 エクスペリエンスデザイン第一本部 株式会社TBネクストコミュニケーションズ 森本 麻里 |経営管理本部 企画部 ※所属企業名・部署名は2025年8月時点 |
◆失敗しないAI導入に必要なこと

― これからのコンタクトセンター運営にAI活用が不可欠な理由を挙げてください。
湯澤:理由は主に3点です。1つ目が、「深刻化する人手不足とオペレーター業務の複雑化、高度化」です。採用難は続き、AI、デジタルツールを活用した複雑な問い合わせが増加しています。2つ目が「激変する顧客ニーズ」です。現在の顧客はいつでもどこからでも多様なチャネルで迅速かつパーソナライズされた対応を求めています。単に問い合わせに答えるだけでなく、顧客の期待を超える「記憶に残る体験」を提供することが不可欠です。3つ目が、「データに基づいた経営貢献への期待と競争優位性確立の必要性」です。AIは音声データやテキストデータを高速かつ網羅的に分析し、顧客ニーズの傾向、潜在的な課題、新しいビジネスチャンスを可視化します。これにより、マーケティング部門は顧客の真のニーズに基づいた戦略を立案でき、製品開発部門は顧客の声を反映した改善を行うことが可能となります。また、インパクトの大きい人件費については、3年後30パーセントの増加が見込まれます。採用倍率も高騰が続き、募集を出してもなかなか人が集まらない状況です。以上の観点から、今後AI導入は生き残るために不可欠な戦略と考えられます。
― 過去AI導入を試みたものの、うまくいかなかった企業も多いのではないのでしょうか?
畠山:AI導入にあたっては、過去到来したDXブームの反省点を活かすことが大事だと考えています。DXブームの反省点としては3つのキーワードがあります。導入までの期間が長い上なかなか成果に結びつかない「PoC疲れ」、変革をリードできる専門人財が不足している「DX推
進人財不足」、そして、新たなシステム連携や導入を阻害する「レガシーシステムの存在」の3点です。これらが、DX推進やAIの導入に障壁になっていたかと思います。
― では、AI導入で確実に成果を出すにはどうしたら良いのでしょうか。
湯澤:今の時代、AI技術はものすごい勢いで進捗しています。本番導入までにあまり時間とコストをかけていると、本番導入時に新たな技術が誕生してしまい、悪循環が発生してしまうこともあります。「半年後の完璧」より、「1ヶ月後の成長」を目指しましょう。そのス
ピード感が、今の時代には必要不可欠です。まずスモールスタートで成果検証を行い、効果を見定める。ときには導入を見送る勇気も必要です。そして、成果を出し続けるためにアジャイルなサイクルを作り出す体制も求められます。

◆コンタクトセンターにおけるAI活用のハードルと実践的ステップ
― AI導入時のハードルにはどのようなものがありますか?
湯澤:AIでデータを活用したいが、今の・・・
2025.10.15