カスタマーエンゲージメントサービス コラム

コンタクトセンターが抱える課題と解決策|業界の問題にどう対処する?

近年、顧客接点の多様化が進み、コンタクトセンターは重要な顧客対応の窓口として、ますます期待されています。その分、多くの課題に直面しており、スピーディに解決していくことも求められます。
今回は、コンタクトセンターのよくある課題と共に、解決する方法をご紹介します。特にコンタクトセンターの課題解決のポイントは「顧客エンゲージメントとCXの向上」にあります。


<目次>
1. コンタクトセンターのよくある課題
2. コンタクトセンターの課題を解決する方法
3. 業界課題解決のポイントは「顧客エンゲージメントとCXの向上」
4. まとめ


1. コンタクトセンターのよくある課題

コンタクトセンターは、近年、次のような課題に直面しています。

離職率が高く、労働人口不足により深刻な人材不足に陥っている

コンタクトセンターは、業務負荷やストレスの高さなどから離職率が高い傾向があり、労働人口減少とあいまって、深刻な人手不足に陥っています。また繁閑差が大きいコンタクトセンターでは、繁忙期には対応しきれず、繁閑調整が難しいことも大きな課題となっています。

カスタマーハラスメントへの対応の必要性

顧客からのクレームや発言の中でも、不当または過剰な要求を受けるカスタマーハラスメントは、顧客と直接接点を持つコンタクトセンターでは深刻な課題です。実際にカスタマーハラスメントを受けたオペレーターはうまく対応しきれず心の健康を損ねることもあります。

対応チャネルが多く情報連携がされない

コンタクトセンターでは、電話のほかメールやチャット、SNSなどのオムニチャネル対応が基本ですが、複数のチャネルにおいて業務負荷が高く、データも分断されていることが多いため、顧客が同じ内容の問い合わせを複数チャネルで確認し、たらいまわしになるケースもあります。

応対品質のばらつき

対応チャネルの多さに加えて、応対品質にばらつきが生じることも課題となっています。オペレーターによってトークの内容や丁寧さなどに差があるとブランドや企業への不満や不信につながってしまいます。

多言語対応の必要性

外国人対応のために、英語などの多言語対応の必要があるものの、人手不足もあって、なかなか対応可能な人材を確保できないという課題もあります。


2. コンタクトセンターの課題を解決する方法

これらのコンタクトセンターの課題を解決するための対応策をご紹介します。

アウトソーシングの利用

人手不足によって生じる顧客対応や繁閑調整が難しいといった課題への対策については、コンタクトセンターの一部の業務を委託するアウトソーシングが考えられます。専門的なスキルを持つオペレーターが対応することで、対応品質の向上も期待できます。またアウトソーシングであれば繁忙期にだけリソースを利用するということも可能です。

研修・マニュアルの整備、改善

応対品質の向上や均一化、カスタマーハラスメントへの対応などについては、研修・マニュアルの整備と改善が役立ちます。研修やマニュアルは、応対の仕方などに限らず、バックオフィス業務全般も含めてあらゆる業務に対応するものを備えることで、オペレーターが安定的に業務を行いやすくなります。

システム導入による業務効率化・省人化・応答率向上

人手不足には、システムやツールの導入が有効です。音声で自動応答する「IVR」や顧客情報を管理できる「CRM」、顧客からの着信があるとCRM上の顧客情報が表示される「CTI」などを備えたコールセンターシステムの活用が考えられます。またAI搭載チャットボットは精度が高いことから、顧客の自己解決を促し、時間外対応も可能にします。

働く環境改善により離職率を下げ、定着率を上げる

人手不足や離職率が高いという課題が深刻である場合は、一時的なリソース補填のみならず、長期的な視野で環境改善に努めることも効果が期待できます。定着率を高め、魅力的な職場に対して人も集まってくる好循環を作り出すことができるでしょう。具体的な施策としては、AIを活用したオペレーター支援の強化、働き手のニーズに合ったシフトの用意や休暇制度、在宅勤務の導入などが挙げられます。


3. 業界課題解決のポイントは「顧客エンゲージメントとCXの向上」

コンタクトセンターの課題は、業界全体の課題として真摯にとらえ、対応していく必要があります。そしてこれらの課題を解決するためには、根底として今求められるコンタクトセンターの役割に基づく目的を持つことにあると考えられます。

課題解決の目的を「顧客エンゲージメントとCXの向上」に

顧客から優先的に選んでもらえる企業やブランドになることこそ、市場競争を勝ち抜く重要なポイントになっている昨今、コンタクトセンターは、貴重な顧客との直接の接点です。そのため、ただ問い合わせに対応するだけではなく、顧客エンゲージメントとCX(顧客体験価値)の向上を目指すことで、より良い成果に結びつけることができるのではないでしょうか。

顧客エンゲージメントとは、顧客と企業の間に生まれる信頼や親密性を指し、向上させることで商品やサービスの継続利用につながる可能性があるといわれています。

CX(顧客体験価値)とは、顧客が商品を購入する前から購入、購入後に至るまでのあらゆる購買プロセスにおける顧客視点の体験を意味します。CXを向上させることで、顧客満足度や忠誠度を高めることから、長期的、かつ良好な関係構築に寄与します。

具体的な施策

コンタクトセンターにおいて、顧客エンゲージメントとCXの向上を実現するために、次の施策が有効であると考えられます。

1.データ活用による業務改善

あらゆる接点において収集したVOCVoice of Customer/顧客の声)を分析し、オペレーターやコンタクトセンター全体の対応や業務全般を改善したり、顧客のニーズに基づき、オウンドメディアを整備して顧客の課題解決につながるコンテンツを提供したりすることが挙げられます。

2.AI活用による効率化と有人対応の両立

AIを活用して業務の自動化による効率化を図るとともに、忘れてはならないのが、血の通ったオペレーターによる親身な対応です。AIチャットボットなどは便利ではあっても、人による対応による体験価値には叶いません。対応はAIと有人をうまく使い分けることが顧客の顧客エンゲージメントとCXの向上につながります。


4. まとめ

コンタクトセンターは、顧客との重要な接点でありながら、人手不足や応対品質の向上、カスタマーハラスメントなど深刻な課題に直面しています。それぞれの対応策を実施しながら、顧客エンゲージメントとCXの向上を目指すことにより、真の顧客満足度向上につながるのではないでしょうか。

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2025.04.23