アウトソーシングとは?
企業成長に欠かせない業務の
アウトソーシングによる
メリット・デメリットを解説!
アウトソーシングの利用は、人手不足の大きな手助けになり、業務効率化にも寄与します。利用を進めることでコストパフォーマンスを発揮し、企業の成長にもつながると考えられます。今回は、近年、需要が増しているアウトソーシングの概要から種類、利用のメリット・デメリット、アウトソーシングを検討する際のポイントをご紹介します。
■アウトソーシングとは?
アウトソーシングとは、業務の一部を外部のアウトソーシング事業者へ委託することです。委託する業務は、従来は主に事務系やバックオフィス系がメインでしたが、近年は、それらに限らず、IT関係や人事業務など専門スキルを要する幅広い範囲でアウトソーシングが行われています。
●人材派遣との違い
人材派遣は、外部人材を活用するという意味ではアウトソーシングと共通していますが、仕組みが異なります。人材派遣は、人材派遣のサービスを提供する企業との雇用関係にある派遣社員が、派遣先企業に出向いて業務を行います。このとき派遣社員は、派遣先企業の指揮命令のもとで業務を行います。一方、アウトソーシングは業務を外部企業に完全に委託する形態であり、直接業務の指示を出すことはありません。スタッフに指揮命令を行うのは、外部企業となります。
●BPOとの違い
BPOとは「Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の略称で、アウトソーシングの一種です。アウトソーシングは、単に外部に業務を委託するといった意味合いに留まりますが、 BPOは「自社の業務改善・業務の効率化」を目的にするものです。BPOの詳細については、下記のコラムをご覧ください。
●アウトソーシングの発展の経緯
アウトソーシングは、1990年代半ば頃から日本で急速に拡大したといわれています。2000年代に入り、IT企業が急成長する中、主にコスト削減を目的に情報システム部門をはじめ、総務や人事、経理などもアウトソーシングが活用されるようになりました。
現代においては、コスト削減のみならず、業務効率化や品質向上、ノウハウの蓄積などさまざまな目的でアウトソーシングが行われています。
●アウトソーシングが活用される背景
アウトソーシングが活用される背景として、人手不足の最中、変化の激しい市況や顧客ニーズの多様化に対応するための人的リソースが不足している状況があります。このような中、外部にリソースを確保でき、さらに業務品質を向上させられる点は昨今の企業のニーズに合致することから、活用が進んでいます。
■アウトソーシングの種類
アウトソーシングには、いくつか種類があります。主な種類についてご紹介します。
●業務プロセスアウトソーシング(BPO)
先述の通り、BPOは一つのアウトソーシングの形態です。業務効率化や業務改善のために、外部リソースを活用します。ただコスト削減だけを目的とするのではなく、中長期的な成長を目的に進めます。
●ITアウトソーシング
ITに関する業務のアウトソーシングです。近年ITシステムの導入が進んでいますが、そのシステム開発と保守、ITインフラの管理と運用業務は負荷が高まっているといわれています。アウトソーシングで外部リソースを利用することで、効率的にITシステムの利用継続が可能です。
●人事アウトソーシング
人事領域のアウトソーシングです。人事部門が行う給与計算から勤怠管理、社会保険業務、採用関連業務、人材育成まで幅広く業務の委託が可能です。人事データ分析や人事戦略立案などのコア業務への専念などに注力できます。
●物流アウトソーシング
物流工程の諸業務のアウトソーシングです。近年、EC化が加速し、物流量が増える中、人手不足もあって物流プロセスに負荷が高まっています。アウトソーシングすることで配送品質の向上やリードタイム削減などにつながります。
■アウトソーシングのメリット・デメリット
アウトソーシングには、次のようなメリットとデメリットがあります。
【メリット】
●コスト削減
アウトソーシングは、基本的に外部に人材を確保する形になるため、自社の人的・設備的リソースが削減されます。アウトソーシングの導入コストとのバランスにより、コスト削減が期待できます。
●業務効率化
アウトソーシング先企業は、業務のプロであることから業務の処理速度や効率性が上がることが期待できます。
●専門知識の活用
アウトソーシング先企業が、特に専門知識に長けている場合は、自社が同じ業務を行うよりも、優れた専門性を発揮することがあります。これまでにできなかった業務が可能になる可能性もあります。
●リスク分散
業務に関するリスクは、アウトソーシング先企業と共有することになるため、分散されます。例えば、災害が起きたときには、自社が被害を受けても、アウトソーシング先企業の拠点は被害を受けずに済むかもしれません。そうなれば、自社業務の事業継続が可能になります。
●柔軟性の向上
アウトソーシングを利用すれば、繁忙期には多くのリソースを投入し、閑散期にはリソースを減らすといった柔軟な対応が可能になります。
【デメリット】
●品質管理のむずかしさ
アウトソーシングをすれば委託先企業が管理するため、自社では品質管理から離れます。信頼のおける委託事業者に任せる必要があります。
●コミュニケーションの課題
アウトソーシング先企業とのコミュニケーションがうまくいかなければ、業務内容や進捗が把握しにくいのが難点です。常に情報共有を行ってもらう必要があります。
●セキュリティリスク
アウトソーシングは、外部企業に委託することから、セキュリティリスクは高まります。情報漏洩が生じれば企業の信頼を低下させることになり、損害は大きくなります。
●依存度の増加
アウトソーシング先に依存度が高くなると、トラブルが生じたときに状況把握に時間を要します。万が一、問題が潜んでいた際にも気づきにくくなります。
●コスト増加のリスク
アウトソーシングはコストがかかるため、必ずしもコスト削減につながるとは限りません。またコストが増したとしてもコストパフォーマンスが高ければ必要なコストであると見ることもできるため、適正なコストであるかどうかを見極める目が必要です。
■アウトソーシングを検討する際のポイント
アウトソーシングを実施する際には、次のポイントを押さえた上で進めるのをおすすめします。
●目的と目標の明確化
まずアウトソーシングを行う目的を明確にします。そのためには、既存の業務課題を洗い出すことで、現状を詳細に把握することが求められるでしょう。例えば、業務量が多く、人的リソースが足りていない、煩雑な業務フローで非効率さが見られる、人的ミスが多発している、属人化が進んでいるなどが挙げられます。具体的にアウトソーシングが解決策となる優先課題を抽出し、アウトソーシングを導入する目的に据えます。
さらに、目的に応じた目標値の設定を行うことも重要です。導入前にはコストパフォーマンス試算を行い、導入後も効果測定によるコスト効果を確実に得ることが目標となるでしょう。
●適切なアウトソーシング先企業の選定
アウトソーシングは、アウトソーシング先企業の質によって大きく成果が変わってくるものです。アウトソーシング先企業によって、特性があり、得意分野も異なります。実績をよく確認の上で、自社が据えた目的と目標値に合致する適切なパートナーとなる企業を選定しましょう。
選定の際に見るべきポイントとして次のことが挙げられます。
・充分な実績と信頼性
前提条件として、自社がこれから委託する業務と同様の実績が十分にあるか、他社への導入実績を含めた企業としての信頼性や評判はどうかなどをしっかりと調査しておくことが重要です。その上で、候補となる企業を数社ピックアップすることをおすすめします。
・業務設計・提案内容
候補企業から受ける業務設計案と提案内容を充分に確認しましょう。自社の目的を達成するための要件がそろっているか、コストパフォーマンスはどうかなど、リスクも踏まえて検討する必要があります。
・コミュニケーションの確立
いざ運用が始まった後は、アウトソーシング先企業との密なコミュニケーションを取り、アウトソーシング業務を円滑に進める必要があります。そのため、コミュニケーションの取りやすさは重要視したほうがよいでしょう。
・評価とフィードバックの仕組みの確認
アウトソーシング先企業から随時、効果測定の報告やフィードバックを得る仕組みも必ず確認しておきましょう。そのためにも、効果測定方法や報告頻度は、契約時に合意を取っておく必要があります。
■まとめ
アウトソーシングは、現代の企業や自治体が直面する課題解決に寄与する手法です。
TOPPAN BPOのサービスでは、ノンコア業務の効率化を実現するためにご支援しております。キャンペーン事務局からコンタクトセンター、バックオフィス業務、DM関連業務など、幅広く対応しております。ぜひお気軽にご相談ください。
2024.06.13