コラム

【展示会レポート】国際物流総合展2024

私たちの日常生活を支えている「物流」。TOPPANグループは経済の大動脈とも言われる物流の分野でも人手不足などの課題解決に向け、DXを活用した物流業務の自動化・省人化・効率化に貢献する取り組みを行っています。

TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANエッジ株式会社、TOPPANデジタル株式会社、それに株式会社アイオイ・システムの3社は2024年9月10日から13日まで東京ビッグサイトで開催された国内最大級の物流関連の展示会「国際物流総合展2024」に出展。

DXで倉庫や配送の効率化と自動化を実現する次世代のソリューションを紹介したブースには数多くのお客様が訪れ、注目が集まりました。デモンストレーションなどで物流の未来の姿を実際に見ることができた会場の様子をリポートします。


必要なデータをわかりやすく可視化 物流業務の効率化へ
LOGINECT®データ可視化サービス (TOPPANデジタル)

期間中、多くのお客さまが訪れたTOPPANグループのブース。物流現場の悩みを解決するサービスとして注目を集めたのが物流DXソリューション「LOGINECT®(ロジネクト)データ可視化」です。

TOPPANデジタル株式会社 LOGINECT事業開発部 物流システム開発チーム 関根良太
データがわかりやすいレイアウトで表示

「LOGINECT®データ可視化」は物流業務の中で発生する倉庫内在庫や出荷実績、輸送車の積載量といった様々なデータを集約し、可視化するサービスです。物流業では近年のコスト増大で生産性の向上やコスト削減は差し迫った課題となっています。このサービスでは課題解決に不可欠なデータを迅速に集め、それらのデータをグラフなどでビジュアル化。データ探索・分析に集中することが可能です。

①データの収集・蓄積などの手間のかかる作業を自動化できるほか標準フォーマット化したデータをクラウド上で一元管理できるため、組織間・担当者間でのデータ共有が容易となり課題解決に向けた議論や施策が進めやすくなります。

②物流業務の全体像、それに出荷・在庫・配送など個別業務の運用状況をコスト・生産性を中心とした豊富な視点からKPIで計測することが可能です。各KPIは内容ごとにグラフなどのわかりやすいビジュアルで可視化。分析作業が容易となります。

③導入のコスト面でもメリットがあります。データやダッシュボードのレイアウトを標準化し汎用サービスとして提供しているため個別開発が不要。初期導入やシステム改修にかかるコストを抑えた形で利用開始できます。

業務別の可視化項目サンプル
管理者ダッシュボードイメージ

「このサービスの強みは、国や業界団体が設定している50種類以上の物流管理項目だけではなく、TOPPANグループがこれまで培ってきたお客さまとのやりとりが生かされた項目が加わっていることです。消費材や食品メーカーさまとお話しする中でいただいた声を、データ閲覧の切り口やフィルタリングの条件として、サービスに盛り込んでいます。私たちのグループが長年、多数のお客さまの課題を共に解決してきた経験が高品質のサービスを実現させたと言っても過言ではありません。(関根)」

「利用しているお客さまからは、シミュレーション機能を使って実際の費用と比較分析したところコスト上昇の原因となっているプロセスがすぐに見つかって役立ったという声などをいただいており、今回の展示でも自信を持ってお客さまにおすすめしています。(関根)」

「また、このサービスはTOPPANグループの倉庫管理システムなどと連携させることで在庫最適化や配送効率向上などの効果が可能になっており、物流業が抱える課題を解決するための最適解としてさらに可能性が広がっていくと考えています(関根)」

コンパクトな箱型のゲートを通すだけで商品を認識 検品作業を効率化
ゲート型RFIDリーダー(TOPPANエッジ)

次にご紹介するのは、コンパクトな箱型のゲートに通すだけで商品を認識し、検品作業などが効率的に行える「ゲート型RFIDリーダー」です。
会場の一角に置かれた段ボール箱を少し大きくしたほどのサイズの箱型の機械。中はトンネルのようになっており、空港の手荷物検査場で使われているX線検査機を思い起こさせます。

TOPPANエッジ株式会社 事業推進統括本部 宮坂隆平
中に入れるだけで瞬時に読み取り

この箱型の機械は、物流倉庫などの入出荷時の検品作業や在庫棚卸作業といった面倒で人手もかかる作業を効率的にすることが可能なソリューション「ゲート型RFIDリーダー」です。この箱型の機械の内部には無線でICタグのデータを読み取って商品の識別を行うRFIDのアンテナが組み込まれており、中を通過する商品のICタグを瞬時に読み取ることが可能です。

展示会場では20着の衣料品を入れたボックスを実際に通すデモンストレーションを実施。中に入れるとほぼ同時にパソコンにICタグの情報や数量などが表示されました。この「ゲート型RFIDリーダー」を使うことで入出荷作業が迅速になるだけでなく、正確な読み取り能力で誤発送なども防ぐことができます。

この量も瞬時に読み取り

さらに外部への電波漏れが抑制される設計がされており、近くに置かれた商品のICタグを誤読しにくくなっています。作業スペースが限られていたり、複数台のリーダーを使って作業をしたりする環境でも機能を発揮できます。

「この製品の特徴は何といっても設置が簡単で読み取り精度が高いということです。設計をした際にアンテナの位置やリーダーの設定について入念に考え、実際に試しながら進めた結果、望んでいた高い品質のものに仕上げることができました。大量の商品を入出荷している医療機器メーカーでの利用実績もあり、バーコードでひとつひとつ読み取っていたときと比べて作業のスピードが非常に上がったという評価をいただいています。(宮坂)」

また今回は衣料品をサンプルにしていますが、読み取り対象となるICタグを製品に貼りさえすれば様々な商品に対応できるので、幅広い分野で活用されていくとうれしいです(宮坂)」

誰でも簡単に仕分け・ピッキングが可能!業務負荷軽減や誤出荷防止に
GTPソリューション(アイオイ・システム)

TOPPANグループのコーナーでひときわ大きく目立っていたのは人の背丈よりも少し高い棚を使ったデモンストレーション。次にご紹介するのは倉庫などでピッキングや仕分け作業の効率化を可能にするGTPソリューションです。

株式会社アイオイ・システム 第一営業部営業本部 丸山貴之
仕分けやピッキングを省力化

棚には商品のサンプルとして衣料品が種類ごとに収納されていました。このシステムの特徴は商品の仕分けやピッキングをする作業者のもとに棚自体が自動的に移動し、人がその場から動かなくてもよいことです。

棚が自動・自在に移動

棚を支えている円盤型のロボットが床に貼り付けられた二次元コードを利用して自在に移動。棚自体も360度回転させることが可能で必要な商品が収められている面が作業する人のほうに自動的に向くようになっています。このAGV(ロボット搬送システム)によって倉庫などで働く作業者の業務負荷の大幅な軽減が実現可能となります。

対象の商品をプロジェクション

さらにこのソリューションでは3D-プロジェクションピッキングシステムを用いることで仕分け・ピッキングする商品の棚にプロジェクターの光が当たり、どの棚がどの商品のものかすぐにわかるほか、棚に数量や商品名、画像も表示されるため視覚的に作業を行うことが可能です。

間違えた場合もわかりやすく知らせる

また誤った商品を入れたり取り出しそうになった場合はセンサーが手を感知し、赤色の光で作業者に知らせることで、商品が誤って出荷されることを防止できる機能も実演しました。

「このシステムはGTPソリューションだけではなく、RFIDによる在庫管理の機能を組み合わせています。RFIDのアンテナを搭載することによって一括管理され、商品をひとつひとつバーコードでスキャンする手間を省けます。メーカーさまなどの物流倉庫では商品の点数が多く、一方で人手が足りないという課題を抱えていますが、私たちが開発したこのソリューションを使うと誰でも簡単に同じレベルで仕分けやピッキングの作業ができ、解決に向けてお役に立てると考えています。(丸山)」

「導入していただいているお客さまからは倉庫での作業スピードが倍以上アップした、出荷の間違いも劇的に減ったという評価をいただいており、ソリューションの実力に手応えを感じています。またアイオイ製のプロジェクションピッキングシステム®では、棚のサイズ、形状などもお客さまのご要望に沿って対応可能です。初心者や外国人の方でも作業しやすいシステム だと思うので雇用機会を増やすことにも貢献できるとうれしいです。(丸山)」

来場された方々から注目を集めたTOPPANグループの次世代ソリューション。いずれも様々な業界向けに応用が可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。

2024.10.01