施設管理システムを活用した
スマートメンテナンスの実現
施設管理においては、設備への対処を適切な時期に実施することが重要ですが、
このような対応をとるためには、設備の状態を把握することが必要です。
本コラムでは、施設管理システムを活用したスマートメンテナンスについてご紹介します。
さらに9月25日に実施するWebセミナーでも、より詳しい事例などをご紹介しますので、
施設管理・巡回点検についてお悩みの方は、TOPPANにご相談ください。
<目次>
■施設管理における課題
■施設管理においてスマートメンテナンスが重要な理由
■施設管理システムによる改善策
■スマートメンテナンスを実現する施設管理システムe-Platchのご紹介
■まとめ
■施設管理における課題
前述の通り、施設管理においては設備の状況を正しく把握するためには、
人手の確保や設備保全の費用増など課題が多くあります。
ここでは施設管理で多くの企業が抱える課題について紹介します。
・担当者の確保とノウハウの継承
施設管理の現場では、長年勤務したベテラン技術者の退職と、
若手の採用・定着難により人材確保は大きな課題です。
設備の修繕や保全は個人の技量に依存する傾向があり、
担当している社員が退職してしまうとノウハウも同時に失うリスクがあります。
また、聴覚や嗅覚を使用した複合的な判断結果を○×で簡易的に記録してする、
ノウハウが紙のメモや口頭伝承に頼る、といったケースも多く、
社員の退職が現場のオペレーションに甚大な影響を与えかねません。
このように設備の効率的な運営と品質維持のためには、
手順・事例・判断根拠の体系的な記録と共有、教育・OJTの強化が不可欠です。
・施設の老朽化に伴う維持費の増加
老朽化した建物・設備を使い続けることは、維持費増加につながります。
また、経年劣化による修繕頻度の増加や部品交換、
突発故障への緊急対応はコストを押し上げます。
古い設備は稼働効率が低下するため、結果として光熱費などのコストも増大します。
このように設備投資を先送りすると短期的には支出を抑えられても、
中長期の総支出は増え、運営効率も損なわれます。
・安全性低下のリスク
安全確保は施設管理においても最も優先するべき事項です。
老朽化や保全不足は建物・配管・電気系統の不具合を招き、故障・事故リスクを高めます。
例えば、漏水、火災報知、エレベーターや空調が故障すると、
従業員や利用者は安全な状況に立たされる可能性があります。
これらの設備に関しては、法令による定期点検・是正義務がありますが、
人が点検する以上は点検記録の不備や見落としの発生リスクもあります。
こういった事故が発生すると、従業員のケガの発生・企業イメージの低下など、
多方面に影響するため、予防保全の徹底、計画的修繕・更新が不可欠です。
・予算の制約
施設管理業務の改善には予算の制約も課題です。
ここまでの課題を解決するためには、
スマートメンテナンスの導入などの高度な取り組みが求められる一方、
予算申請が通りにくい状況も多くあります。
特に、改善効果が見えにくいシステムは投資対効果の説明が難しく、
上申が通りづらい傾向があります。
こういった背景から、施設管理は対症療法的な対応にとどまってしまい、
中長期の計画修繕や予防保全、スマートメンテナンスの導入が遅れる要因となっています。
このように施設管理には様々な課題があります。
これらの課題解決に向けては従来の手法に加えて、
デジタル技術や新たな運用体制の導入が不可欠です。
現場の声や課題をしっかりと反映しながらスマートメンテナンスを進め、
施設の安全性・効率性・持続性を高めていくことが求められます。

■施設管理においてスマートメンテナンスが重要な理由
このような課題に対して、
施設管理システムは効率性・安全性・品質の同時向上を可能にするため、
スマートメンテナンス実現に向けた有効な手段です。
紙や経験に依存した運用では、情報の分散や記録漏れ、見落としが生じやすいですが、
IoTセンサーやシステムを活用することで設備状態をリアルタイム監視し、
早期発見・迅速対応を実現します。
スマートメンテナンスは「壊れてから直す」から「予防・計画保全」への転換を促し、
属人化と人的ミスを低減します。
このような施設管理 システムは省力化・省エネ・コンプライアンス強化にも寄与し、
持続可能な施設運営の基盤となります。

■施設管理システムによる課題の改善
施設管理の改善を進めるためには設備の稼働状況だけでなく、
点検方法などの管理体制を把握することが必要です。
さらに施設管理システムを活用することで、
収集した情報の適切な管理、データ収集自体の効率化、
収集したデータを活用した施設管理の最適化につなげることも可能になります。
・情報の一元管理・効率的な業務運用
点検・修繕履歴、設備台帳、法令への対応状況などをクラウド上で
管理する施設管理システムを構築することでタイムリーに情報を共有できます。
これにより、履歴と計画の可視化により属人化を防ぎ、
担当者異動時のスムーズな引き継ぎにもつながります。
・巡回点検・保守業務のスマートメンテナンス化
従来の紙・手作業中心の巡回点検は負荷が重く、
さらにミスや漏れも発生しやすい傾向にあります。
このような現場リソースに依存した作業は、
センサーによるデータの自動収集や点検台帳の電子化を使用した
スマートメンテナンスや施設管理システムで改善することが可能です。
スマートメンテナンス、施設管理システムを導入することにより、
作業負荷を下げつつ、人的ミスの予防も可能になります。
・コスト適正化・安全性/遵法性向上
スマートメンテナンスにより収集したデータを分析することで
保全・更新・省エネ投資の最適タイミングの特定が可能になります。
このような課題の特定により、余分な修繕費やエネルギーコストを抑制し、
突発トラブルによる損失を低減することも可能です。
このように、施設管理システムによるスマートメンテナンスの実現ができれば、
施設管理における様々な課題の改善が可能です。

■スマートメンテナンスを実現する施設管理システムe-Platchのご紹介
TOPPANが提供するe-Platchは、温湿度・水質・漏液・コンプレッサー稼働・圧力など、
ユーティリティ設備の各種データを遠隔で見える化する点検支援サービスです。
現場の課題に対し、以下の特長で導入・運用のハードルを下げます。
① 安定通信が可能な専用ネットワーク
スマートメンテナンスを進める際に通信環境が確立できる課題となるケースもありますが、
こういった課題に対してもe-Platchであれば解決可能です。
e-Platchは、見通し10kmの通信が可能な無線通信を使用しているため、
電波の不感地帯においても問題なくデータを収集することが可能です。
また、無線通信を活用するため、有線ネットワークで必要な配線工事が不要です。
② 簡単に設置・導入が可能
e-Platchは現場に設置されている圧力計や電力量計に
後付けでセンサーを設置することで無線化を実現します。
既存設備を有効活用するため、多額な投資を必要としません。
現場の計測器を無線化することで、現場での作業を軽減し、
データの自動収集による設備の稼働状況などを正確に把握することが可能になります。
また、現場状況をセンシングするための多種多様なデバイスを実装しており、
その多くが電池駆動、屋外設置可能であり、場所を選ばずに簡単に導入することが出来ます。
電池駆動であるため、電源工事の必要もありません。
③ すぐに運用開始できるWEBアプリケーション
クラウドアプリケーションによって、
誰でも、どこからでも、簡単に設備の状態について確認することが可能になります。
自動でデータを記録し、表示するため、データの傾向監視を通して、
今後の改善に向けた施策の検討もサポート可能です。
さらには複数の通知先に対して異常のアラートメールを送る発報機能など、
ユーティリティ設備の稼働において有効な機能を実装しています。
このように、どこでも繋がる後付け設置可能なe-Platchで、
安価にスマートメンテナンスを実現し、施設管理をサポートします。
■まとめ
施設管理の主要課題に対し、施設管理システムとスマートメンテナンスは有効な解決策です。
e-Platchは、後付けの無線通信を活用した機器と、
クラウドアプリケーションで記録の一元化と遠隔監視を実現し、
効率化・安全性向上・省エネ・遵法性強化を同時に推進できます。
導入検討や現場課題のヒアリングからご支援可能です。
遠隔監視の実現を通して、労働災害の予防・勤務環境、負担の軽減や、
データ取得による傾向監視やロス改善活動につなげることも可能です。
9月25日に実施するWebセミナーでは、より詳しい事例などをご紹介しますので、
施設管理・巡回点検についてお悩みの方は、TOPPANにご相談ください。
2025.09.05