コラム

工場・製造業の人手不足の対策

工場・製造業の人手不足は、年々深刻化しています。
経済産業省の「2022年版 ものづくり白書」によれば、
製造業の就業者は約20年間で157万人減少している状況です。

多くの業界で人手不足は課題になっていますが、
製造業の人手不足は他産業と比較してもより顕著に進んでいると考えられます。

人手不足は工場の稼働状況に影響を与えますが、
工場が生産停止となった場合は機会損失が発生してしまうため、
工場・製造業にとって大きな問題です。

また、ノウハウや技術を継承する人手が不足すると、
これまで蓄積したノウハウが喪失してしまうリスクを抱えることになります。

本コラムでは、製造業が抱えている人手不足の原因、
またその影響と対策について解説していきます。


■工場・製造業が人手不足に陥る理由
■工場・製造業の人手不足によって起こる影響
■工場・製造業の人手不足を解消する方法
■e-platchでDX化を推進
■まとめ


■工場・製造業が人手不足に陥る理由

工場・製造業が人手不足に陥っている理由には、少子高齢化による労働力人口の減少だけではなく、
製造業に対するマイナスイメージなども原因であると考えられています。

・労働力人口の減少

工場・製造業で人手不足が進んでいる第一の理由は、
少子高齢化による、日本全体の労働力人口の減少が挙げられます。

また、人手不足は特に地方で深刻になることが予想されます。
ただでさえ少なくなっている労働力が、
賃金の高さや利便性・自由度を求めて東京に集中するという傾向もあり、
今後は地方での人材確保がより困難になると考えられます。

上記の通り、日本国内の就業人口自体が減少傾向にあり、
製造業に従事する人口もなだらかな減少傾向となっているため、
今後も就業人口の減少が予測されます。

・製造業に対するマイナスイメージ

労働人口が減少しているため、各業界・企業は、限られた労働力を取り合う形になっていますが、
製造業においては3K(きつい・汚い・危険)のイメージが残っていることも、
人手不足に陥る一因になっているといえます。

こういったマイナスイメージも要因となり、
全産業に占める製造業の就業人口割合が減っていると考えられ、
今後も製造業においての人材確保が難しい状況が続くことが予測されます。

・研修体制・教育体制の不足

後進の教育不足も、人材不足を加速させる要因として考えられます。

「ものづくり白書2022」によると、
製造業において計画的なOJT/OFF-JTを行った事業者の割合は、
2019年度から2020年度にかけて低下しています。

また、「指導する人材が不足している」と答えた事業所が全体の6割以上を占めており、
製造業において教育体制が不足していることが確認できます。

このように従業員への教育体制の構築が不十分であることが就業環境の悪化を起因してしまうため、
結果として離職率が高くなるケースがあり、人手不足に繋がってしまいます。

また、教育体制の構築においては十分なリソースが必要であり、
人手不足によって教育体制がさらに悪化してしまう、悪循環を生んでしまいます。


■工場・製造業の人手不足によって起こる影響

人手不足が起こす大きな影響は主に2つあります。

1.更なる悪循環
  工場・製造業で人手不足が発生すると、労働環境が悪化することにより、
  離職率の増加や、採用が困難になる可能性が高くなります。

  離職率が増加したり・採用が困難になることで、
  人手不足が加速してしまい、さらに労働環境が悪化する悪循環に陥ってしまいます。

2.機会損失および倒産のリスク
  人出不足が深刻化すると、受注に対応ができなくなる、
  ひいては生産ラインを維持できずに倒産に至る可能性もあります。

  すでにギリギリの人数で業務を回しているような工場においては、
  最悪の場合倒産に至る可能性もあります。

■工場・製造業の人手不足を解消する方法

人手不足を解消するためには、様々な方法が考えられますが、
ここでは3つの対策についてご紹介します。

・採用人材の多様化

対策として、採用の幅を広げることが挙げられます。

一般的に、製造業で採用する人材が男性に偏っているケースが多くあります。
今後は、工場の業務改善を実施し、女性が働きやすい環境を整えることで、
女性の採用を促進することが有効でしょう。

また、シニア層の再雇用制度の導入も、即戦力の人手確保に有効です。
特にこれまで製造業に関わってきたシニア層を再雇用すれば、知識や経験を備えているため、
自社の教育不足の軽減にも寄与することが期待できます。

ただし、女性・シニアの促進、いずれの対応を実施するとしても、
多様な人々が働きやすい環境の整備を進める必要があります。

・職場環境の改善

職場環境の改善によってより多くの人が働きやすい環境を整えるために、
現在、工場で働いている従業員の離職を食い止める必要があります。

職場環境の改善策として一番に挙げられるのは、
工場において発生しうる危険な作業や単純作業、重労働の自動化や機械化です。
単純作業を自動化することによって業務負荷を低減しつつ、
本来、人が対応するべき作業に労働時間を割くことができます。

また、給与などの待遇面の改善をすることにより、
優秀な人材の流出を抑えたり、就業希望者の人数を増やすことも重要です。

・工場のDX推進

人手不足の対策にあたって必要な就業条件を改善するために、
デジタル化を促進することが挙げられます。

具体的には、
AIやIoTなどのシステムを導入することで業務の効率化や生産性の向上が可能になり、
人手不足の解消につながります。

例えば、一部の作業工程をIoTによって自動化させることで今まで行っていた作業が不要となり、
人にしかできない仕事に意識を向けやすくなります。

従来作業負荷の重かった作業をITの活用によって改善することで、
働きやすい職場環境の整備が実現します。


■e-platchでDX化を推進

TOPPANが提供する工場に最適なスマート点検システム「e-Platch™」であれば、
お客様の予知保全活動の実現、および設備保全業務の負荷軽減の実現が可能です。
日々の点検作業、メーターの値の確認や設備の発する音のヒアリングなどの業務を軽減し、
お客さま工場のIoT化を推進することができます。

【e-Platchの主な特長】
 e-Platchには以下のような機能がある為、業務の効率化に役立ちます。
・各センサーに設定した閾値を超えた際に自動でアラートメールを送信可能
・期間内のセンサーの計測値や設定したしきい値等の情報を報告書として出力可能
・マップを事前に登録することで機器の設置箇所をすぐに確認できる

なお、これまでIoTの導入経験がない場合においても、
後付け設置が可能な機器を使用することによって、簡単に導入が可能です。
また、これまでの現場への導入経験を基に
お客様環境下におけるサービスの最適な利用を実現するためのサポートをさせていただきます。

予算が限られているような現場においても優先して解決したい課題をお聞きし、
限られた予算内での業務を改善の実現可能です。


IoT化によるメリットはさまざま

IoT化によるメリットは人手不足の対策だけに留まりません。
例えば以下もIoT化がもたらすメリットです。
・紙ベースの点検で多く発生していたヒューマンエラーを減少させる
・異常が起こった際にすぐに気づくことができる
・点検作業に伴う労災を未然に防ぐ
e-Platchの導入で人手不足の対策に合わせて上記のようなメリットも享受することができます。


■まとめ

今回は製造業、特に工場における人手不足の現状と理由・対策を紹介しました。
人材不足の問題は今後ますます重要になることが予想されます。
問題を解決するためにも工場は労働環境を整え、
女性や、シニアなどへも採用の幅を広げるために業務改善を進める必要があります。

業務改善にあたっては、DX化を進めるなどの対策を取ることが重要ですので、
是非弊社にご相談していただければと思います。

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2024.04.04

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