コラム

タブレットやアプリを使った
巡回点検の改善事例

工場においては、設備保全・巡回点検作業は事業継続のうえで非常に重要な業務となっています。
一方で、一般的に巡回点検作業は効率改善・デジタル化がまだまだ進んでいないケースも多く、
現場によっては紙を使った点検作業を実施していることもあります。

巡回点検作業の業務改善のためには、
紙からタブレットへの転換や、アプリケーションの開発・導入が必要になります。

本コラムでは紙ベースの点検作業の課題、
これらの解決策、またタブレットやアプリを使用した改善の事例について紹介します。


<目次>
■アナログな点検作業の問題点とは
■巡回点検における課題の解決策
■TOPPANの点検システム「e-Platch」
■e-Platchを使用した巡回点検の改善事例
■まとめ


■アナログな点検作業の問題点とは

従来の点検作業は、
人手で順番にポイントをチェックし、チェックした内容を紙に記録し、
記録した紙をバインダーで保管するような業務であるケースが多くありました。

しかし、最近は人手不足や、DXの導入が加速していることを背景に、
点検作業の業務改善が求められる状況になっています。

従来の点検作業の課題は主に以下の通りです。


①時間がかかりすぎる

人手での点検を行う以上、
工場に点在している様々な設備の点検のために広大な敷地内全体を移動する必要があり、
非常に長い時間を要してしまいます。


②情報共有が十分にされない

紙での点検の場合、それらをデータ化する作業が発生してしまい実際の点検時間と
データが閲覧できるようになるまでに時差が発生してしまいます。

また、現場によっては紙のみで情報の管理を実施しているケースもあるため、
そういった場合においては紙を紛失すると全ての情報が紛失してしまうリスクがあります。

また、紙での情報管理をしている限り、
データの分析なども難しく、業務改善のためのDXの実現が遠ざかってしまいます。

例えば何かトラブルが発生してしまった場合においても、
過去の履歴を遡って確認するのに時間がかかったり、そもそも過去の履歴が十分に存在せず、
根本的な原因の特定に失敗してしまうケースがあります。


③後続の育成が難しい
人手不足の課題がますます深刻になる中、
新人の獲得が難しくなっているため、
リソースをいかに効率的に活用するかということが重要になっています。

また、現場の点検作業においても、
熟練の勘・感覚を頼りにしているケースが多く、新人がそれらをすぐに習得することは難しいです。

このような技術の継承のためにより多くの時間を使用するよりも、
人ベースの点検体制を見直すことで、
デジタルへの置き換えを進めていく必要がでてきています。


④ミスの発生原因となる
入力ミス、点検漏れ、転記ミスなど様々なミスのリスクを抱えてしまう原因になってしまいます。


■巡回点検における課題の解決策

これらの課題を解決するためには、タブレットの導入による点検作業のデジタル化や、
専用のアプリケーションを導入することによる根本的な点検フローの変更が考えられます。

ここでは、それぞれで実現できる内容について紹介します。


①タブレットの導入

点検業務にタブレットを使用することによって、
紙ベースのアナログな業務から脱却することが可能です。
これまで管理していた紙の資料を、
エクセルなどで管理することによって安価かつ、簡単に業務の改善が可能です。


②専用のアプリケーションの導入

最近は様々な点検システムが存在しており、
企業のお困りごとにあわせて最適なシステムを選択することが可能です。


独自のシステムをゼロから立ち上げることも可能ですが、
多くの時間を要してしまう上に、高価になってしまうケースが多いため、
基本的には既存のシステムから最適なシステムの導入をお勧めします。

点検システムの例としては、
・自動で工場内のデータを収集してくれるデータシステム
・実施した業務を記録できるシステム
・設備の状況・稼働時間について管理が出来るシステム
などが挙げられます。

タブレットの導入をすることで一定の導入効果を実現することは可能ですが、
専用のアプリを導入し、現場で閲覧するために同時にタブレットを導入することによって、
巡回点検作業を大幅に改善することが出来ます。

よって、既にタブレットを導入している現場においても専用のアプリを導入することが出来れば、
さらなる業務改善の可能性が有ると言えます。


■TOPPANの点検システム「e-Platch」

弊社においても、

・多くの移動時間
・悪天候下における移動に伴う従業員の疲労
・疲労に伴う労働災害の発生
・業務時間の圧迫

などの多くの課題を抱えていました。

これらの課題を根本的に解決するために、専用のアプリケーションを開発することによって、
業務改善を実現することに成功しました。

e-Platchは、排水管理、温度管理、空調管理などの数値チェックの作業を代替するDXサービスです。

特に、LPWA無線通信を使用した点検システムのため、
多くのケースにおいて課題となりがちな有線の引き回し作業が発生せず、
工場のようなネットワーク環境が悪い場所においても安定した通信が可能となっています。

また、お客さまが従来使用していたアナログメーター(圧力計)、pH計、流量計などの
計測器を流用することによって、比較的スムーズな導入が可能となっています。

特にタブレットでのデータ閲覧も可能であるため、
どこからでもデータを閲覧することが可能で、異常が発生した際にもすぐに気づくことが可能です。


■e-Platchを使用した巡回点検の改善事例

先述の通り、弊社においても点検作業の業務負荷の重さが大きな課題となっていました。

・多くの移動時間
・悪天候下における移動に伴う従業員の疲労
・疲労に伴う労働災害の発生
・業務時間の圧迫

これらの課題を解決するために、e-Platchを導入することによって
工場内の計測器のデータを自動で収集することが可能になり、
根本的な従業員の負荷を低減しつつ、
余裕のできた時間をこれまで手が回りきらなかった業務に転換することに成功しました。

また、業務負荷の低減を実現したことによって、
労働災害の発生率を下げることにも成功し、様々な観点からの働き方改革も実現しました。


まとめ

今回は工場において課題となっている点検業務の改善策について紹介しました。
タブレットの導入を実施することによって紙ベースの作業から脱却することが可能になりますが、
抱えている課題にあわせて専用のアプリケーションを導入することで、
導入効果の最大化を図ることが出来ます。

TOPPANは、計測器のデータを自動で収集することが可能な
点検システム「e-Platch」を提供していますので、多くの現場におけるお悩みの解決が可能です。

点検業務におけるお悩みに対して、様々なご提案が可能です。

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2024.04.04

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