メタバース関連

メタバースは
行政サービスにどう活用できる? 
事例を通じてご紹介!

最近、自治体などの行政サービスにもよく利用されるようになった「メタバース」。仮想空間においてアバターを用いて入り込み、現実世界のような感覚で活動することができます。

行政サービスにおいては地方創生や教育、ひきこもり支援などに利用されています。

◆サービス/自治体DXを加速するメタバース「メタパ for 自治体」


メタバースとは?

メタバースは行政サービスにどう活用できる?|TOPPAN

メタバースという言葉は、明確な定義が定められているわけではありませんが、「Meta」と「Universe」を組み合わせた造語であり、Metaは「異なる次元からの観点」や「超越した」など、Universeは「宇宙・世界」を意味することから、メタバースは“目の前の現実や次元とは異なる現実や次元の世界”を指しています。

一般的なメタバースといえば、バーチャルリアリティの仮想空間に、アバターと呼ばれる人の分身を操作して入り込み、まるで現実世界のように活動できる場所です。

ゲームやショッピング、イベント参加などを楽しめます。また他のユーザーもアバターとして参加しており、リアルタイムでのオンラインコミュニケーションを取ることができるのも特徴です。

行政サービスへの活用が進む

メタバースは、行政サービスへの活用も進んでいます。例えば、次のような用途で活用されています。

●地方創生としての活用
関係人口の創出や地域の魅力を発信するために、メタバース上でふるさと納税の返礼品のPR活動を行ったり、地方の特産品の実演販売やショーを行ったり、仮想博物館で文化財や伝統工芸品の展示を行ったりといった活用がされています。

また、雇用の創出のために、メタバース上でデジタル人材の育成のための講義を行ったり、学生向けに地域の魅力やVRエンジニア育成のための教育コンテンツを提供したりする試みもあります。

●市区役所手続きの窓口としての利用
メタバースを市区役所に見立てて、窓口の手続きをメタバース化する実証実験も行われており、今後、実証が進むことで、実現する可能性もあります。

●観光ガイドとしての活用
メタバースにおいて観光情報を画像や3Dコンテンツで魅力的に見せる試みも行われていますが、メタバースならではの現実に近い形でのコミュニケーションが可能な利点を踏まえて、観光ガイドを実施する用途もあります。

各地域のメジャーな観光スポットをメタバース内の地図に落とし込み、位置関係を把握しながら体験できるようにしている自治体もあります。観光ガイドとして実際の観光プランを立てる一助となります。

●文化財のデジタルアーカイブとしての活用
地域に根付く文化財をアピールするために、デジタルアーカイブの閲覧場所としてメタバースを活用することもできます。

メタバースのひきこもり支援としての活用例

メタバースでは、ひきこもり支援としての活用も進んでいます。ひきこもり支援業務に関しては、主に次のような課題があります。

●当事者本人との面談が困難
●専門家やNPOが不在で、十分な支援体制が構築できない

ひきこもりの当事者が自治体の相談窓口に来ることをためらい、直接面談ができなかったり、ひきこもり当事者の居場所を用意しつつも、なかなか参加してもらえないといった課題はよくあるものです。このような課題をメタバースが解決することができます。

外出が怖くためらう当事者の居場所づくりをメタバースで行います。メタバースはインターネットやPC、スマートフォンなどがあれば参加できます。また自宅以外からでもアクセスできます。これにより、プレッシャーを軽減でき、相談窓口や居場所になり得ます。

TOPPANのひきこもり支援×メタバースのサービスでは、面談や就労支援、ソーシャルスキルトレーニング(SST)をすべてメタバースで行う環境をご提供しています。

このメタバース空間では、当事者本人とアバターを介して音声会話やチャットでコミュニケーションを取ることができます。コミュニケーションは、相談用個室を利用したり、1対1の会話機能を利用したりすることで、高い秘匿性を保てるので、当事者に安心して利用してもらえます。

さらに当事者同士のコミュニケーションを促進する交流スペースも用意しているほか、TOPPAN独自の常設コンテンツや、VTuber・インフルエンサーを起用したイベント開催も可能であるため、他者との交流や就労のきっかけ創出につなげていただけます。

またひきこもり支援を専門に行うNPOとの連携も可能であるため、全国どの自治体も、専門家の支援を受けながら、当事者の立場に立ったきめ細かいひきこもり支援策を行っていただけます。

メタバースの教育への活用事例

メタバースは行政サービスにどう活用できる?|TOPPAN

メタバースの行政サービス関連の活用が広がっている中、近年は教育という観点での活用に注目が集まっています。教育というとイメージがわきづらいところもあるでしょう。そこでメタバースの教育への活用事例をTOPPANのメタバース教育ソリューションの事例から2つお届けします。

●バーチャル学校空間の創設
ある教育番組のコンテンツ制作会社は、メタバース上にバーチャル学校空間を創設しました。校舎は自然の中に置かれ、図書室にはアート空間を設け、英会話に関しては実体験レッスンができる施設を創設しました。

これらの施設は、実際の学校ではそもそも実現できなかったり、多額のコストがかかったりして実現がむずかしいものです。そうした設備をバーチャル空間に再現しました。また、この空間は、学校であることが想起できますが、同時に児童・生徒の「居場所」としての意味合いも付与しています。帰属意識や仲間意識が生まれるような象徴を備えた空間を製作しました。

●メタバースでのグループワーク授業
あるビジネス専門学校は、メタバースでグループワーク授業を行いました。対話型の授業でのメタバース空間の利用について、先生と生徒や生徒同士のグループワークにおけるコミュニケーションの向上や、授業に必要な資料や映像の共有などを行いました。

メタバースを実現するツール

メタバースは行政サービスにどう活用できる?|TOPPAN

行政サービスへの活用が進むメタバースですが、これから実現したいことがある場合には、メタバース空間を作るところから始める必要があります。TOPPANでは、自治体の要望に合わせて、メタバース空間の構築やアバター制作を行うことができます。

メタバースを手軽に実現できるサービスとして「メタパ for 自治体」と「メタクローン®」があります。

「メタパ for 自治体」は、行政サービスをメタバース空間においてオンライン提供するものです。住民の利便性向上のほか、行政担当者の業務効率化を目指しています。また市民参加の促進、地域のつながりの活性化など、コミュニケーション面での効果が期待できます。具体的な利用シーンとしては、行政窓口の相談業務、セミナー・イベント運営、不登校・引きこもり支援、減災・防災訓練支援などがあげられます。
マルチデバイス・GIGAスクール端末対応、ログイン認証機能・限定ルーム機能による安心・安全なコミュニケーション、AIによる相談対応などの特徴があります。メタクローンアバター登録機能(VRM登録)を使って、首長がメタパ内に登場することもできます。

アバターは、メタバースに欠かせない要素のひとつで、できるだけ現実の自分に似せたものであるとリアリティが生まれやすくなります。TOPPANの3Dアバター自動生成サービス「メタクローン®アバター」なら、1枚の顔写真から短時間でフォトリアルなアバターを自動生成できます。メタバース空間の創設と共に、ぜひご検討ください。

まとめ

行政サービスのメタバース活用の可能性は無限に広がっています。今回ご紹介した分野以外でも、TOPPANは活用をサポートさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。

2025.03.12