コラム

NFTとは?
注目される背景や仕組み、
メリットなどをご紹介

最近、よく耳にするようになった「NFT」という言葉。NFTは、今後、どのようにサービスへと役立てられるのでしょうか。
NFTの定義から注目される背景、NFTとメタバースの関係性、NFTの仕組み、メリット、NFTを活用する企業の課題までをご紹介します。


NFTの基礎知識を詳しく解説

NFTとは?

NFTとは?

NFT(エヌエフティー)とは「Non-Fungible Token(ノン・ファンジブル・トークン)」の略称であり、日本語では非代替性トークンと訳されます。
ブロックチェーンを基盤にして生成された、唯一無二のデジタルデータのことを指します。

ブロックチェーンとは、仮想通貨のビットコインの仕組みとして開発された技術です。取引履歴が記録された複数のブロックを1本の鎖のようにつなげ、暗号技術を用いることによって偽造や改ざんが不可能となるため、正確な取引を維持できます。

NFTの例

NFTの例として以下が挙げられます。
・デジタルアート
・トレーディングカード
・デジタルファッション
・ゲームアイテム
・画像
・音楽
・仮想空間の土地 など

NFTの特徴

NFTの特徴として以下が挙げられます。

・代替不可能である。
・暗号化などに関する知識がなくとも、誰でも作成・販売ができる。
・転売された場合でも作者に報酬が還元される。など


NFTの歴史と進化

NFTの起源は、2012年に発表された「Colored Coins」まで遡ります。これは、ビットコインのブロックチェーン上に追加情報を記録し、特定のビットコインを特別なものとして区別する試みでした。しかし、ビットコインのプロトコルの制約から、この試みは広く普及することはありませんでした。

その後、2015年にイーサリアムが登場し、スマートコントラクトという新たな概念を持ち込みました。これにより、ブロックチェーン上でプログラム可能なトークンを作成することが可能になり、NFTの道が開かれました。2017年には、イーサリアム上で動作するデジタルキャットの収集ゲーム「CryptoKitties」が登場し、NFTの可能性を世界に示しました。

CryptoKittiesの成功は、NFTの可能性を広く認知させ、その後のNFTブームの火付け役となりました。以降、アート、音楽、ゲーム、不動産など、様々な分野でNFTが活用されるようになりました。


NFTが注目される背景

従来、デジタルデータといえば、コピーや改ざんによって量産が容易であったため、資産価値を維持することが困難でした。

ブロックチェーン技術を活用することで、コピーや改ざんがほぼ不可能であることから、唯一無二の価値を証明することができるようになりました。これにより、デジタル資産の希少性を保持することができるようになったのです。

デジタルデータが資産的価値を生み出したことから、市場が形成されるまでに発展しました。これまでになかったデジタル資産価値の形成が、NFTに期待が寄せられる大きな理由といえます。


NFTとメタバースの関係性

NFTとメタバースの関係性

NFTは、メタバースにおける活用が進んでいます。

メタバース(metaverse)とは「超越」を意味する「Meta」と「世界」を意味する「Universe」を組み合わせた概念で、主にインターネット上に作られた仮想空間を指します。自分の分身である「アバター」を使って、ユーザー同士は仮想空間でコミュニケーションが行えます。

近年、メタバース内でNFTや仮想通貨を用いて資産を売買できるプラットフォームが多く生まれており、活発に取引されています。
例えば、メタバースゲームにおいては、敵と戦うための武器や防具などの装備をNFTとして所有する、NFTのアバターやキャラクターを使用する、土地や建物などのデジタルデータをNFTとして売買するなど、さまざまな活用がされています。

今後はさらにメタバースにおけるNFT活用方法が広がっていくことでしょう。


NFTの仕組み

NFTは、どのような仕組みで成り立っているのでしょうか。わかりやすく解説します。
まず、NFTが代替不可能である理由は、先述の通り、ブロックチェーン技術が使われているからです。

ブロックチェーンは、偽造や改ざんが困難な暗号技術を用いており、過去から現在に至るまで、時系列で一本の鎖のように取引情報が格納されたブロックがつながっています。
各ブロックには、実際に行われた取引情報と、前のブロックの情報などの各ブロックが関連していることを示す情報が格納されています。
そのため、一つのブロックの取引の情報を改ざんすると、そのブロックとつながった他のブロックとの関連性がなくなってしまうため、他のブロックに格納された情報も一緒に変更する必要があります。ブロックは多数存在するため、膨大な量の情報を改ざんしなければなりません。それは現実的に不可能であるため、ブロックチェーンの情報は改ざんができないとされています。

例えばNFTアートのスクリーンショットを撮って複製したとしても、ブロックチェーンによる情報が存在しないデータであるため、コピーであることは容易に判別できます。


NFTの取引方法と取引所

NFTの取引は、専用のマーケットプレイスまたは取引所で行われます。これらのプラットフォームでは、ユーザーはNFTを購入、販売、または取引することができます。一部の取引所では、ユーザーが自分自身のNFTを作成(ミント)し、販売することも可能です。

NFTを取引する際には、まずデジタルウォレットを設定する必要があります。これは、仮想通貨を保管、管理するためのツールで、NFT取引にも必要となります。一般的には、イーサリアムベースのウォレットが使用されます。

取引所には、OpenSea、Rarible、Foundationなどがあります。これらのプラットフォームは、さまざまな種類のNFTを取り扱っており、アーティストやコレクターが自由に取引を行うことができます。各取引所は、取引手数料、ユーザーインターフェース、取り扱いNFTの種類などに違いがあるため、自分のニーズに最適なものを選ぶことが重要です。

NFTの取引は、ブロックチェーン技術の透明性とセキュリティを活用して行われます。しかし、市場はまだ新しいため、投資には十分なリサーチと理解が必要です。


NFTのメリット

NFTは、ユーザーと企業それぞれにとって次のようなメリットがあります。

ユーザーにとってのメリット

●誰でも自由に作品を作成して発表し、販売できる
NFTは、ユーザーが自身で自由に作品を作り、NFTのマーケットプレイスに出品することができます。所有権を明示した状態で発表し、販売できるのは大きなメリットといえます。

●デジタルデータであるため破損や紛失リスクがない
例えば有名アート作品や絵画を物理的に購入した場合は、常に破損や紛失リスクがつきまといますが、NFTアート作品の場合は、物理的なリスクはありません。経年劣化によって価値が下がることもないため、物品のアート作品と比べてメリットがあるといえます。

●所有の証明ができる
NFTは所有権を付帯できるため、誰の所有物かを証明できます。自由に閲覧できるだけでなく、他のユーザーに転売することも可能です。

企業にとってのメリット

●作品の販売ハードルが低い
NFTは個人だけでなく、企業としてもコンテンツや権利の売買が可能です。従来、絵画や骨董品などの物理的なアート作品を売買する際には、美術商や専門エージェント、オークションなどを通して取引するのが一般的でした。一方、NFTの作品などは、オープンな取引のできるプラットフォームを利用すれば他の業者を介さずに売買することが可能です。またデジタルデータであればNFT化できるため、過去の社内資産も活用できます。これらのことから企業が所有する作品の販売ハードルが従来よりも低いといえます。


●ユーザーに資産価値を提供できるプラットフォームの展開が可能
企業がNFTをビジネスに活用する手段の一つに、ユーザーがNFTを利用したり、売買したりできるゲームやコミュニティなどのプラットフォームを展開することがあります。コンテンツをNFTとして所有・取引できるようにすれば、ユーザーに対して資産価値を保った形で利用してもらうことが可能です。

例えばゲームのプラットフォームを提供する際に、ユーザー自身のアバターに装着する武器や防具のアイテムをNFTとして所有することができるようにすれば、所有権がユーザーに保持されるため、他のプラットフォームで利用したり、販売したりすることが可能です。このような新たな価値をユーザーに提供できることは、企業にとってメリットが大きいといえます。


NFTを活用する企業の課題

さまざまなビジネスへの活用が期待されるNFTですが、当面、企業が直面する課題として、次のことが考えられます。解決のためにぜひ押さえておきましょう。

NFTの有効な活用方法が未知

NFTはまだ世界的に取り扱われ始めたばかりの対象ということから、事例も限られており、各企業にとって最適な活用方法を模索している段階といえます。今後、事例が増えていけば、有効な活用方法を見つけていけるでしょう。

NFT活用のリソース不足

NFTを活用するには、NFTに精通した人材が必要になります。また新しい分野であるため、活用を本格的に行うとなった際にリソースを十分に割くことも難しいのが現状です。社内の理解を得ることや、人材の育成・確保が必要となってくるでしょう。

個人情報の管理が煩雑

プラットフォームを運営するとなった場合には、個人情報を管理することになるため、管理が煩雑になると考えられます。

この課題に関しては、TOPPANの「HAYACAWA®わん」が解決できます。HAYACAWA®わんは、企業などが発行する特定のNFTを保有したユーザーにコミュニティ参加権を付与することができるNFT認証ツールです。個人情報の管理の煩雑さも解消できます。

またTOPPANはNFT導入から販売・配布支援、マーケティング施策の実施などNFT事業のトータルサポートを行っており、NFTのマーケティング活用に不可欠な認証基盤として、本ツールの活用をおすすめしています。NFTの活用方法が不明、リソース不足といった課題についても、対応策をご提案できます。


まとめ

NFTは、これまでになかった代替不可能であるという画期的な特徴を持つことから、まだ新しい仕組みといえます。

もしNFTにご興味があり、これからビジネス活用をお考えの場合には、ぜひお気軽にご相談ください。

2024.03.22

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