コラム

店舗運営における顧客ロイヤルティとは?
顧客満足度との違いから
ロイヤルティの向上施策まで解説!

店舗運営において顧客ロイヤルティは重要といわれています。顧客満足度と似ているイメージがありますが、顧客ロイヤルティにはどのような意味や違いがあるのでしょうか。顧客ロイヤルティを高めるメリットや向上の施策についてもご紹介します。


店舗運営における顧客ロイヤルティの意味とは?

まずは店舗運営における顧客ロイヤルティの定義を解説します。

顧客ロイヤルティとは

ロイヤルティ(Loyalty)とは、一般的に対象に対する信頼や愛着の大きさを表しています。例えば店舗に対して顧客が持つ信頼や愛着の度合いに応じて、顧客ロイヤルティが高い・低いと表現します。

顧客ロイヤルティが高い顧客のことを特に「ロイヤルカスタマー」と呼び、近年その存在が重要視されています。

顧客満足度との違い

顧客ロイヤルティは、顧客満足度と似ているようで、意味は異なります。

顧客満足度とは、簡単にいえば顧客がどれだけ満足しているかを表す指標です。

顧客ロイヤルティとの違いとして、顧客満足度は一時的な満足やリアクションを表すのに対し、顧客ロイヤルティは継続的な概念といえます。多くの場合、ロイヤルカスタマーは、他社ブランドの商品に乗り換えることなく、信頼と愛着を寄せている自社ブランドに対して、長きにわたって一途に商品を購入し続ける傾向があります。

そのため、顧客満足度の高い顧客と、ロイヤルカスタマーの行動が一見同じであったとしても、その継続性や内情は異なるものなのです。

近年は、顧客満足度が高い顧客が、商品を頻繁に購入する顧客とは必ずしもならないことがわかってきており、顧客満足度の向上を積み重ねつつ、頻繁に購入する顧客(ロイヤルカスタマー)を作り出せるかが重要視されています。


顧客ロイヤルティの指標

顧客ロイヤルティは、どのように計測できるのでしょうか。一般的な指標をご紹介します。

●NPS(ネットプロモータースコア)

NPSは「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略です。「あなたはその商品やサービスを他人にどのくらいおすすめしたいか?」のアンケートを、顧客に0~10の11段階で評価してもらい、0〜6を批判者、7・8を中立者、9・10を推奨者としてスコア判定します。
おすすめしたい意識が高いほど顧客ロイヤルティが高いと判断されます。

計測することがむずかしいブランドや商品・サービスへの愛着を数値化できる重要な指標として利用されています。

●顧客満足度

顧客が商品やサービスに満足している度合いを示します。前述の通り、 顧客満足度は一時的な満足を表す指標ですが、積み重ねによって顧客ロイヤルティの向上も見込めるでしょう。

また顧客満足度は、顧客ロイヤルティが低い原因を探るのにも役立ちます。もし原因が商品やサービスの品質に関係している可能性が高い場合には、顧客満足度を調査することで問題や改善点を見つけることができます。

顧客満足度の調査は、アンケートやインタビューなどの手法で行います。

●継続利用意向

「これからも商品やサービスを利用し続けてもらえるか」という質問をして、継続利用の可能性の有無を確認する指標です。同じくらい満足度が高い競合サービスが出た場合、顧客がそちらへ乗り換える可能性があります。そのため、顧客満足度と合わせて継続利用意向の数値が高いほど顧客ロイヤルティは高いと判断できます。

継続利用意向の調査は、NRS(ネットリピータースコア)という評価テストで行うことができます。顧客に「一年後も同じ商品・サービスを利用したいですか?」という質問を行い、1〜5の5段階で評価してもらいます。
NRSは継続利用の意向という単純な質問による回答のため、正確性が高いといわれています。

●LTV(ライフタイムバリュー)

LTVは「顧客生涯価値(Life Time Value)」の略で、1人の顧客が生涯を通じて企業にもたらす価値を表す指標です。自社の商品やサービスがどれだけの利益を生み出せるのか、また優良顧客の傾向を知ることができます。

購買金額や期間のほか、顧客ロイヤルティの高さを示す購買頻度やリピート率などのデータ分析から算出するため、顧客ロイヤルティを測る一つの指標とされています。数値が高いほど顧客ロイヤルティが高く、自社にとって多くの利益を生んでいると考えられます。

商品やサービス、ブランド、企業などのファンになった顧客は顧客ロイヤルティが高いと考えられます。一般的にファンの意向が高ければ高いほど、長期間にわたり継続的に商品やサービスを利用するため、LTVが高くなる傾向があります。


これらの指標を総合的に判断することで、顧客ロイヤルティを測ることができます。


顧客ロイヤルティ向上のメリット

店舗運営において顧客ロイヤルティを向上させることは、主に次のようなメリットにつながります。

再来店率、リピーター増加

顧客ロイヤルティを向上させることで、顧客の再来店率を高め、商品やサービス利用のリピーターを増加させることができます。店舗により足繫く通っている顧客がいれば、その店舗のサービスや商品に愛着や信頼を持っているといえます。

良質の口コミの拡散による新規顧客開拓につながる

顧客ロイヤルティの高い顧客は、頻度高く継続的に店舗に通ってくれるというだけではなく、その顧客が家族や知人、インターネット上などで店舗やブランドに対する良質の口コミを伝えることで、新規顧客の開拓につながる可能性があります。1人の顧客のロイヤルティを上げるということは、その1人から得られるメリットだけではなく、その周囲の人々を引き寄せることにもつながるのです。

顧客単価が高まる

顧客ロイヤルティの高い顧客は、自然と一人当たりの購入単価が高まる傾向があります。なぜなら、店舗やブランドに対して愛着や信頼を寄せていることから、店舗の他の取り扱い商品やブランドの全体の商品に対しても興味関心を寄せる可能性が高いためです。

顧客の声からの新規サービス開発・店舗改善

店舗やブランドに対して、愛着を持つ顧客からは、実体験に基づいた貴重な意見をもらえる可能性もあります。意見を取り入れることで、新規サービスや商品を開発したり、店舗の接客やサービス等の見直しや改善に役立てたりすることができます。

顧客ロイヤルティの向上

顧客ロイヤルティの向上施策と事例

店舗ビジネスにおいては、ぜひ顧客ロイヤルティを向上させたいものです。そこで、主な施策を一部事例と共に紹介します。

カスタマーエクスペリエンスの向上

一つは、カスタマーエクスペリエンスの向上です。カスタマーエクスペリエンスとは「顧客体験」や「顧客体験価値」を表し、顧客の商品・サービス購入から利用までの間のあらゆる体験を価値として提供することを重視する考え方です。CXとも呼ばれます。

カスタマーエクスペリエンスが向上すれば、顧客ロイヤルティも高まると考えられています。さまざまな方法がありますが、店舗の施策の一つとして待ち時間の削減が挙げられます。

例えば、時間が無く、すぐに入れる飲食店を探したくても1店舗ずつの確認が必要であれば、顧客はストレスに感じてしまい、カスタマーエクスペリエンスは低下してしまうといえるでしょう。

解決策の一つとして、店舗の混雑状況をリアルタイムに顧客に表示することにより、事前に空席や混雑状況共有する方法があります。

それにはTOPPANの「nomachi®︎」が便利です。利用シーンや目的に応じた多様なセンサーを店内に設置し、混雑状況をリアルタイムにセンシングします。「混雑した場所を避けたい」「いますぐ席が空いているか知りたい」という顧客が、スマートフォンや店頭サイネージでリアルタイムな混雑状況を確認できるようにすることで、空席のあるタイミングで来店してもらうことができます。

【ホテルの導入事例】
nomachi®︎を導入してリアルタイムでの混雑状況を顧客に示すことで、カスタマーエクスペリエンスを向上したホテルの事例をご紹介します。

このホテルの施設内にはレストランやラウンジなど複数の店舗があり、電話応対による空席確認業務に負荷がかかっていました。これを解決するためにnomachi®︎を導入し、リアルタイムでの混雑状況の可視化が可能になり、確認業務が削減できました。

自身のスマートフォンなどでホテル内外で各店舗の混雑状況が一目で把握できるようになったため、顧客はより快適に施設を利用できるようになりました。

ロイヤルティプログラムの提供

顧客のサービスや商品の利用頻度、購入額に応じてポイントやクーポンなどの特典を付与するロイヤルティプログラムを提供することも有効です。

顧客は利用すればするほど得をするため、また利用しようという気持ちが高まっていきます。利用額が増えるごとにステージが上がり、さらにお得な特典が付与されれば、より愛着がわいて購入される頻度が高くなる可能性があるので、有効性の高い仕組みといえます。

一人ひとりへのアプローチ

アンケートを行い、顧客ロイヤルティが低いと判断された一部の顧客を対象に、直接、話を聞くという方法もあります。個別に丁寧にアプローチしていくことで、信頼が深まり、良質の口コミも生み出します。

価値観を伝えて共感してもらう

広告やブランドコミュニケーションを通じてブランドの価値観を伝えることにより、人々の共感を仰ぐことは重要な施策の一つです。信頼や愛着には、その店舗やブランドのコンセプトや理念を知らなければ起こり得ない感情といえます。そのため、できるだけ価値観を積極的に伝える活動を行うことで、共感をしてくれる顧客は増えると考えられます。


まとめ

店舗運営において顧客ロイヤルティを向上させることは、再来店率や購買促進につながる重要な施策の一つといえます。顧客ロイヤルティを向上させることは、一朝一夕にはいかないことですが、地道に日々のカスタマーエクスペリエンスを向上させることで、顧客ロイヤルティの向上にもつながっていくと考えられます。

TOPPANの「nomachi®︎」をはじめ、さまざまな店舗の顧客ロイヤルティを向上させるサービスがございます。ぜひ施策の一つとしてご検討ください。

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2024.02.05

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