混雑状況の見える化が実現する新たな集客サポート
「混雑した場所を避けたい」や「いますぐ席が空いているか知りたい」という利用者のニーズは、感染症対策や働き方改革において顕在化し、施設の空席/混雑情報を的確に一般消費者へ伝えることが、重要なカギとなっています。
TOPPANが2020年4月に販売を開始した「nomachi(ノマチ)」は、ワイヤレスのセンサーを使って、混雑状況/空席状況をリアルタイムに表示できるサービスです。
今回は、大型施設・広域施設にもご導入可能な次世代LPWA(低消費電力広域ネットワーク)規格、「nomachi」ZETA(ゼタ)版についてもご紹介します。
※掲載の企業名・所属先は2021年6月時点のものです
「nomachi」でわかる混雑状況とは
「nomachi」は空席/混雑状況をセンシングし、リアルタイムで表示するクラウドサービスで、混雑回避を実現します。店舗やレンタルオフィスなどで、「空いている席が見つからない」「混んでいる場所を避けたい」という場合や、感染症対策として、混雑を回避したい場合などに「nomachi」を活用して、空いている席にお客様を誘導し、空席を有効活用することができます。
「nomachi」には人の動きを検知するセンサーが取り付けられています。センサーには、以下の3種類があり、場所や利用目的によって使い分けます。
①テーブルセンサー(電池式)
デスクやテーブルの天板の裏側に取り付けて、その場所に人がいるかいないかを検知し、クラウドが施設内の混雑状況を判別。席単位で人の在・不在を自動表示することができます。
②サイコロセンサー(電池式)
受付、レジなどのカウンターでサイコロの6面を使って、「空席あり」「空席わずか」などの混雑状況を知らせ、案内板などのサイネージに表示することができます。
③人数計測センサー(電源式)
出入り口に設置し、入退室人数をカウントすることで、滞留人数を計測し、最大5段階の混雑状況の表示や、過去のデータを用いて混雑予測を行うことができます。
いずれも、基地局を通じてセンサーのデータを「TOPPANクラウド」で収集し、「nomachi」でWebサイトを制作、URLや二次元バーコードを使って、パソコンやスマートフォン、サイネージ等の端末で結果を表示できます。
Bluetoothを使ったBLE版では、飲食店や商業施設、ワークスペース、電源カフェ、ホテルやリゾート施設、医療機関、自治体などでご利用いただいており、オフィスビル周辺の飲食店への集客が2カ月で2倍になったという実証実験の結果もあります。
長距離通信が可能で、省コストな「nomachi ZETA版」
「nomachi ZETA版」は、IoT通信の本命といわれる通信規格「LPWA」を使用。センサーと基地局を数百メートルの長距離間でも設定でき、さらに中継器(Mote)を使えば、通信距離の延長やルートの迂回が可能です。
また、電池寿命は約3年間で、省電力によりセンサー寿命を長くできます。電源の確保が不要なため、オフィスのレイアウト変更に柔軟に対応できるほか、街中でも基地局の設置台数を大幅に減らすことが可能。BLE版に比べてランニングコストを削減でき、経済性にも優れています。
広域で威力を発揮する「nomachi」ZETA版の導入事例
大型商業ビルでの空中階への送客
各階に基地局を設置していた商業ビルでは、基地局を1台と中継器1台に集約して、ランニングコストを40%削減しました。さらに各店舗にサイコロセンサーを設置し、1階にあるサイネージで混雑状況を掲示し、空中階へお客様を送客しています。
Moteを活用し通信エリアを拡大
Moteを使うことで通信エリアを拡大し、店舗内のテーブルセンサーから混雑状況を発信。通信費がかかるのは基地局のみのため、Moteを活用して集客エリアを効率よく拡大できます。
プロモーションと組み合わせる
1台の基地局で広範なフロア全体をカバーできるので、「nomachi」から“混雑状況とクーポンを組み合わせたプロモーション展開”や“トイレの混雑状況”、“店舗内のCO2濃度測定”など、ZETAセンサーを組み合わせたDXサービスも活用できます。
混雑状況の確認だけでなく、新型コロナウイルス感染症対策として「3密」防止にも有効です。また、施設内の現状を可視化することで、設備や空間演出の見直しに活用し、その効果を検証することもできます。
コロナ禍での集客サポートと、「nomachi」で広がるDXサービス
現在は、多くの飲食店や商業施設の課題である「コロナ禍での集客」について、地域や施設と連携し、「お客様に戻ってきていただく」ためのしかけづくりを支援しています。
今後は、さまざまな状況を検知するセンサーのラインアップの拡大、外部のプラットホームやサービスとの連携を進めていきます。また、自治体との連携や防災など公共施設での活用を視野に入れているほか、海外では、現地の電波法の状況を踏まえながら展開を進めていきます。
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2024.11.22