自治体や企業における防災対策事例6選
近年、自然災害が多発しており、その被害も深刻化しています。自治体や企業においては、実際の被害を想定したさまざまな防災対策が行われています。具体的にはどのような防災対策が行われているのでしょうか。
今回は、防災対策の具体的な事例を自治体と企業それぞれご紹介します。また防災対策の成果を出すポイントも合わせてご紹介します。
防災対策の重要性と必要性
自治体や企業において、防災対策の重要性と必要性は高いものといえます。具体的には、次のような理由が考えられます。
従業員・職員の安全配慮義務
自治体や企業は、職員と従業員をそれぞれ抱えており、安全の配慮義務があります。
労働契約法では、労働者の安全への配慮が定められています。使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命、身体などの安全を確保しつつ労働できるよう、配慮が必要です。
安全配慮義務を怠った結果として、従業員が死亡したり怪我を負ったりした場合は損害賠償に発展するリスクもあります。防災対策は、安全配慮義務の一つとしても重要です。
自然災害が毎年発生している
2000年以降、日本では大規模な自然災害が毎年発生しています。例えば2004年の台風被害や、2011年の東日本大震災といった地震災害、2019年の令和元年房総半島台風や令和元年東日本台風に伴う洪水・土砂災害などが挙げられます。死亡者数・行方不明者数についても、甚大な被害をもたらしています。
取引先・顧客への経済的損失を防ぐ
企業は、事業活動を行うにあたって社会的責任を負っています。そのため、取引先や顧客に対して経済的損失を防ぐには、災害時の被害を最小限に留め、事業を継続し、中断した場合には、早期復旧させる必要があります。このことから平時から防災対策を徹底して実施する必要があります。
自治体における防災対策事例3選
それでは具体的な防災対策を見ていきましょう。まずは自治体における防災対策事例を3つご紹介します。
子どもたちへの防災教育
ある地方の都市では、地域の子どもたちへの防災教育を行っています。豪雨による甚大な被害の体験から、災害の教訓を後世に伝え、市全体の防災力向上のために自ら行動できる人材を育てることを重要と考えました。そこで小中学校で一斉に防災学習を実施。クロスロードゲームや避難所開設運営を疑似体験するなどをおのおのの学校で行いました。
子どもたちが家族や地域と共に災害について話し合い、防災に関する基礎知識を学ぶきっかけになることを目指した取り組みです。
【参考】
TOPPANでは、小学校低学年から中学校までの児童・生徒向けに「デジ防災®」をご提供しています。
デジタルデバイスを使用し1回10~15分の短時間で決められた内容を学習できる防災学習コンテンツで、忙しい学校カリキュラムを削ることなく、地域や学校による防災教育の格差を是正することができます。
(本サービスは上記の事例とは無関係です)
帰宅困難者オペレーションシステムの構築
ある自治体では防災DXを推進しており、その一つとして帰宅困難者オペレーションシステムの構築を行っています。
首都直下地震等が発生した際、GPS情報などによる都内の混雑状況の把握や一時滞在施設の開設・運営状況などを円滑に収集するシステムです。これにより、首都直下地震で想定される帰宅困難者に対してリアルタイムに情報を発信することができます。
今後はさらにAPI連携による情報発信機能を追加するなど、オペレーションの高度化に努めていきます。
ドローンによる物資輸送などの体制づくり
ある地方の町では、南海トラフ地震発生時のシミュレーションにおいて人口の約50%が死亡する可能性が試算されており、そのうちの85%は津波による被害であることがわかっています。そして国道は10カ所以上寸断され、複数の避難所が孤立してしまうことが想定されています。高齢化が進んでいるため、災害時に救助にあたることができる人が少なく、道路の寸断などの影響を受けないドローンを救助活動に活用することを検討しました。
そこで訓練を実施して、3Dマップやドローンを活用し、空からのアナウンスや物資の輸送を行いました。さらにドローンから送信された映像をもとに道路状況の点検も行い、作業の効率化と危険作業の低減にも有効な結果を出しました。実際の災害に向けた有効な備えとなっています。
企業における防災対策事例3選
企業における防災対策事例を3つご紹介します。

事業継続活動の強化
ある情報通信業の企業は、主にケーブルテレビやネット事業を展開しており、社会インフラの供給責任を果たすことを第一に、地域メディアとして大手では拾えないローカル情報や災害情報を迅速かつ的確に伝えていくことを基本方針として、事業継続の取り組みを強化しました。
また、大規模台風により近隣エリアでも広範にわたって停電が生じ、サービスが完全復旧するまでに10日近くを要したことから、事業継続の取り組みを進めました。
実効性を高める取り組みとして訓練を実施し、新たな気付きや振り返りの結果を継続的に事業継続計画に反映させ、戦略を見直しています。
災害リスクが少ない地域にBCPの拠点を設置
ある製造業の会社は、大震災をきっかけに、親会社の万が一の事態に備え、災害リスクが少ない地域にBCPの拠点を設置しました。またBCPを策定し、BCPの拠点となる新会社を設立したことで、生産体制の見直しと共に、グループ全体として事業継続のための体制も構築できました。
さらに、災害発生時に製造を継続できるよう、地元企業との協力体制を構築しています。
大規模災害対応模擬訓練を継続的に実施
ある生命保険会社は、社内の災害対策本部要員や管理職向けに大規模災害に対応するための模擬訓練を継続実施しています。リアリティを追求した自社の想定に基づくシナリオ非提示型の訓練であることが特徴の一つです。さらに社内で整備してきた災害対応手順やツール類を活用しながら、危機対応能力や当事者意識の向上を目指す、完全参加型訓練となっています。
また社内各拠点・部署に防災推進担当を配置し、 定期的な防災・減災の取り組みを自主的に推進する職場活動も行っています。
防災対策の成果を出すポイント
自治体や企業が防災対策を行ううえで、さらに成果を出すためのポイントをご紹介します。
デジタルツールやAI・VRなどの技術を活用して効率的に行う
近年は、技術の進歩に伴い、デジタルツールやAI・VR(バーチャルリアリティ)などの技術を用いて防災対策を進める企業や自治体が増えています。こうした技術を用いることで、防災対策をより効率的に行っていくことができるでしょう。
TOPPANが提供するVRを活用した「災害体験VR」は、いつ起こるか分からない自然災害のうち、地震/津波/風水害の3つのコンテンツが体験できるツールです。
VRによってよりリアルな自然災害の恐ろしさや対処法を没入感を持ってリアルに体験してもらうことで、体験者の防災意識を向上させます。
従業員の意欲向上
防災対策の中でも、従業員への防災教育は、従業員の防災対応力や被災時の自主的な行動を促すために重要な取り組みです。しかし防災教育では、従業員の意欲が向上できず、課題に感じているケースも多いのではないでしょうか。
そんなときに役立つのがTOPPANの「リモート型防災アトラクション®」です。これは従業員の防災教育への意欲向上に役立つサービスです。これまでの防災訓練の概念を覆すまったく新しい形の防災教育コンテンツで、謎解きの要素を融合しながらリアリティを追求することで、楽しみながら防災意識を高め、公助に依存しない自助・共助の心構えを学ぶことができます。
災害への危機意識を持続させるために定期的に研修や訓練などを行う
従業員の災害への危機意識を持続させることも重要です。そのためには、日頃から定期的に防災に関わる研修や防災訓練を実施することが重要です。
また定期的に備蓄品のチェックを行うことも有効です。ポイントになるのは一時的なイベントに終わらせず、常に災害のリスクはあるということを定期的に注意喚起し続けることにあります。
まとめ
企業や自治体の防災対策事例をご紹介しました。ぜひ日頃の防災対策のヒントにしてください。またTOPPANでは今回ご紹介したサービス以外にもさまざまな防災関連のサービスをご提供しています。ぜひ日頃の防災対策にお役立てください。
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2024.03.22