コラム

自治体における防災対策とは?
業務継続計画の重要性と効果

大震災や大規模な自然災害が相次ぐ中、自治体においては災害時には事業を継続する必要がある上に、地域住民の安全を確保し、緊急対策や復旧対策を主導する重要な役割を担うことから、徹底した防災対策が必要になります。

今回は、自治体が行うべき防災対策の概要と共に、業務継続計画の重要性と効果、防災対策に関するよくある課題とその課題を解決した例をご紹介します。


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自治体における防災対策とは

大震災などの大規模災害が発生した際、自治体は、災害応急対策や災害からの復旧・復興対策の主体として重要な役割を担うことになります。さらに災害時であっても、通常業務を継続して行わなければなりません。

そのため、自治体は防災対策を率先して行う必要があります。

自治体の業務継続計画とは

自治体の防災対策として重要な取り組みの一つに、業務継続計画の策定があります。

自治体の業務継続計画とは、災害発生などの際に損害を最小限に抑えながら、限られた職員や施設で業務の早期再開を図るために定める行動計画のことを指します。

業務継続計画の策定方法については内閣府(防災担当)の「大規模災害発生時における地方公共団体の業務継続の手引き」に詳細が記載されています。

業務継続計画の中核となり、策定に当たって必ず定めるべき特に重要な要素として、次の6要素が挙げられています。

【業務継続計画の特に重要な6要素】
・首長不在時の明確な代行順位及び職員の参集体制
・本庁舎が使用できなくなった場合の代替庁舎の特定
・電気、水、食料等の確保
・災害時にもつながりやすい多様な通信手段の確保
・重要な行政データのバックアップ
・非常時優先業務の整理

そのため、これらの6要素を優先して取り決めておくことが求められます。


業務継続計画の重要性と効果

業務継続計画は自治体の防災対策において重要とされています。現状の策定状況とともに重要性や策定の効果を見ていきましょう。

業務継続計画の策定状況

総務省消防庁による「地方公共団体における業務継続計画策定状況の調査結果」では、令和4年6月時点において全国の自治体で業務継続計画の策定がどのくらい進んでいるのかを知ることができます。

令和4年の策定率は97.9%で、前年の97.2%と比較してわずかに増えました。一方で重要6要素すべての策定率は40.4%という状況です。災害時において業務継続性の確保は自治体にとって重要であることから、重要6要素を盛り込み、計画内容の一層の充実が求められています。

業務継続計画の重要性

自治体が業務継続計画を策定することは、次の点で重要と考えられています。

まず災害発生時には自治体は災害対応の役割を担っていることから、損害を最小限に抑えながら早期復旧を図り、業務を継続させることが重要になります。

万が一、自治体の機能が停止してしまうと、被災地域の復旧・復興のための施策のほか、外部への支援要求が円滑にできず、災害のニ次災害・三次災害を招く可能性が高くなります。

自治体は地域全体の復旧・復興の鍵を握ることから、あらかじめ計画を綿密に立てておくことが重要です。

業務継続計画策定の効果

業務継続計画を策定することの効果として、大規模災害時にも、発生直後の混乱で行政が機能不全になることを避けることができ、適切かつ迅速に非常時の優先業務を遂行できるようになることが挙げられます。

また自治体職員の睡眠や休憩、帰宅など安全衛生面がより配慮されるきっかけにもなります。


自治体における防災対策にまつわる課題と解決例

自治体における防災対策にまつわる課題とともに、その課題の解決に役立つTOPPANのサービスをご紹介します。

自治体における防災対策にまつわる課題と解決例

避難所開設をスムーズに進めたい

自治体は災害時に、地域において避難所を開設する役割がありますが、いざ開設するにあたって、冊子の避難所開設マニュアルから知りたい情報を探すのに時間がかかったり、複数人で作業しづらいなどの課題があるといわれています。また実際の災害時の現場運営への懸念がある方もいるでしょう。

そのようなときにおすすめなのが、「自治体様向け避難所開設キット」です。避難所の開設にあたって必要な手順書のほか、主要な業務ごとに避難者受付票・案内サインなどの資材類をケースに収納してあり、現場での効率的な作業分散をサポートします。

これらを一つひとつ揃えるのは手間と時間がかかりますが、このキットには必要なアイテムが一式揃っているため、適切な避難所運営を迅速に開始できます。

停電の際も避難誘導灯・避難経路の明るさを担保したい

上記のような課題がある場合には、「α-FLASH®︎(アルファ・フラッシュ)」が役立ちます。

電力が不要な高輝度蓄光サービスであり、消防法に定められた場所において、電気式の誘導標識の代替とすることが可能です。国内最上級レベルの明るさを特徴としているほか、バッテリーによる電気式誘導灯の点灯時間よりも長く発光するため、災害の備えとして有効です。

ボランティア人材の募集や教育体制を整えたい

「災害時に備えてボランティア人材を募集したいが、なかなか集まらない」「ボランティア人材の教育や研修、管理などを徹底したい」といった課題を抱えていることもあるのではないでしょうか。

TOPPANでは、ボランティアの人材登録、登録・運用管理、教育研修実施など、ボランティア人材の育成をワンストップでご提供するサービスをご提供しています。人材登録・管理システム、運用事務局、教育コンテンツ・研修会のご提供により、ボランティア事業を円滑に進めていただけます。

住民に防災教育や講習会を効果的に行いたい

住民に対し、災害に備えて防災教育や講習会を効果的に行いたい場合には、参加者が主体性を持って楽しめる工夫を施すことが有効です。

TOPPANの「リモート型防災アトラクション®︎」は、Zoomを活用した、エンターテイメントと防災教育を融合させたオンライン防災教育を実現するサービスです。

災害発生時における不便さや不自由さ、焦り、混乱、不安を感じながら、知恵と工夫で困難に立ち向かう体験が可能です。謎解き要素を盛り込むことで楽しみながら主体的に防災訓練が行えます。

VR(バーチャルリアリティ)により、災害をリアルに体験できる「災害体験VR」もおすすめです。VR映像を活用することで、地震~津波・風水害といった自然災害をリアルに近い感覚で体験できるようになっており、防災意識向上に効果が期待できます。

その他にもTOPPANでは防災ソリューションを数多くご用意しております。2023年11月22日(水)に企業さまや自治体さま向けに開催した「災害時の備えは今から。防災ソリューションセミナー」では、防災に関する現状や課題を踏まえ、自治体様や企業様の防災を支援するさまざまなサービスをご紹介しました。ぜひアーカイブ動画にてご覧ください。


まとめ

自治体における防災への取り組みは重要度が高いことから、平時における準備や活動が何よりも重要になってきます。

今回ご紹介したTOPPANのサービスにご興味のある方や、その他の課題にお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。自治体さまの導入事例も多数ございます。

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2024.03.22