コラム

従業員の幸福度を高めるウェルビーイング研修とは?
多様な研修の種類と事例をご紹介

身体的・精神的・社会的に満たされた状態を示す「ウェルビーイング」が、以前にも増して世間一般に浸透してきました。個人はもちろん、企業においても組織力を向上させるために従業員に周知し、研修に取り入れるケースも出てきています。
今回は、ウェルビーイング研修の概要から研修の例、ウェルビーイングの高い人材の特徴までご紹介します。


ウェルビーイング研修とは?

ウェルビーイング研修の概要を見ていきましょう。

ウェルビーイングとは?

ウェルビーイング(Well-being)とは、身体的・精神的・社会的にすべてが満たされた、幸福な状態を指します。そこには、個人の権利や自己実現が保障されていることが前提となっています。

昨今、多くの企業において、従業員の健康を軸にした経営や働き方改革、SDGsを背景とした多様な人々が共生しながら働く環境を整備する取り組みが推進されています。このような中、ウェルビーイングというキーワードは時代にマッチした概念として注目されています。

ウェルビーイング研修とは

そしてウェルビーイングを社内に浸透させるために、研修という形で取り入れる企業も増えています。ウェルビーイング研修とは、ウェルビーイングそのものを学んだり、ウェルビーイングに影響をもたらすテーマへの理解を深めたりする研修です。

ウェルビーイング研修の定義は明確に定められておらず、各企業が思い思いの手法やコンテンツでウェルビーイング研修を実施しています。


ウェルビーイング研修の例

ウェルビーイング研修の内容は多岐に渡ります。例えば、次のような研修が該当するといわれています。

ウェルビーイングについて学ぶ研修

ウェルビーイングそのものについての理解を深め、日常の生活や業務でウェルビーイングを考慮した行動がとれるようにする研修です。ウェルビーイングの構成要素や計測する指標、ウェルビーイングを向上させる効果を習得します。

メンタルヘルス研修

心の健康への理解を深め、自身で対処する力や不調のサインに気付き、職場のメンタルヘルスに早期に対処するスキル、メンタルヘルスが不調な人に向けた復職支援などの内容を学びます。

メンタルヘルス研修

コミュニケーション研修

ウェルビーイングとコミュニケーション活性化は密接に関係しています。実際、ウェルビーイング促進のための取り組みとして、個人面談の実施や社内イベントの開催、談話スペースの設置などが行われており、コミュニケーション研修はウェルビーイング向上施策のための一環として実施されています。

フォロワーシップ研修

フォロワーシップとは、部下が管理職を補佐することを指し、研修では社員がフォロワーとしてリーダーやチーム、組織を補佐するスキルを身に付けます。フォロワーが適切に育つことで、リーダーとフォロワーの相互関係が良好になり、良いチーム作りにつながります。ウェルビーイングの実現に、良好なチーム内コミュニケーションは欠かせません。フォロワーシップスキルを培うことで、ウェルビーイングなチーム・組織づくりが促進されます。

パワハラ・セクハラ研修

職場のパワーハラスメントやセクシャルハラスメントはチームにおけるウェルビーイングを低下させる原因となります。こういったハラスメントを予防・対策する研修はウェルビーイング向上施策となり得るでしょう。

リベラルアーツ研修

リベラルアーツとは「教養教育」を意味し、研修では、問題解決能力や批判的思考力、コミュニケーション能力など、幅広い視野と深い思考力を養います。また人間力を高めるような、多様な価値観や視点を理解する力や、尊重する姿勢の獲得も目指すことから、ウェルビーイング向上にも通じる研修といえます。


ウェルビーイングの高い人材の特徴

ウェルビーイング研修を実施することで、ウェルビーイングの高い人材が育成されると考えられます。ウェルビーイングの高い人材とはどのような特徴を持つのでしょうか。主に次のことが考えられます。

安定的なパフォーマンスを発揮する

ウェルビーイングが高い人は、身体的、精神的、社会的に良好ですべてが満たされており、幸福感を感じていることから、安定的に高いパフォーマンスを発揮できるといわれています。仕事への熱意も高く、周囲との人間関係も良好で、十分なコミュニケーションを通じて実施するため、仕事の成果の質が向上することが期待できます。

創造性・革新性を発揮

幸福度の高い人材は、創造性が高いといわれています。仕事を楽しみながら熱意を持って行えることや、成果を出せる落ち着いた環境で仕事を実践できることから、クリエイティブな活動が行いやすいと考えられます。革新性も生まれやすくなるでしょう。

チーム全体のウェルビーイングが向上する

ウェルビーイングの高い人がチームにいると、チーム内のコミュニケーションが改善され、他のメンバーも影響を受けてモチベーション向上につながるといわれています。

結果的に、組織内にこのようなウェルビーイングの高い人材が増えれば生産性が上がり、売上にも良い影響をもたらすでしょう。さらに、働きやすい職場にもなるため、採用にも良い影響が出る可能性があります。


ウェルビーイング研修の一例「ブンカ・ラーン」

ウェルビーイング研修の一つの例として、TOPPANがご提供している研修サービス「ブンカ・ラーン」のプログラムをご紹介します。

TOPPANの「ブンカ・ラーン」とは

TOPPANの「ブンカ・ラーン」は、日本文化が持つ独特の感性、深い洞察などを通じて、従来のスキルアップ・能力開発の研修・教育では担うことがむずかしい、人間力や共生力を高める研修・教育プログラムです。日常とは異なる環境に身を置くことで、視野を広げることができることから、ウェルビーイング研修としても最適です。

「ブンカ・ラーン」の特徴と研修・教育テーマ

「ブンカ・ラーン」は、文化財デジタルコンテンツの活用による体感型プログラムをご提供するものであり、本物の人・場所・物に触れる体験を通じて、文化からの学びの抽出と、現場での実践、の特徴があります。
研修・教育テーマは伝統工芸、道、仏教、アートの4つをご用意しています。

導入事例

・浮世絵工房でチームビルディング
ある外資系企業は「浮世絵」制作体験を通じてチームビルディング研修を実施しました。グローバルチームリーダー8名が参加し、チームが言語や文化を越境したコミュニケーションを図ることを目的としています。職人による摺りの実演を見た後で、自ら制作を体験し、日本文化の一つとしての深い学びを得ました。

・寺院で坐禅&マインドフルネス体験
金融系の企業は、政界の要人も通う都内有数の禅寺「全生庵」で坐禅とマインドフルネスを体験する研修を行いました。参加した40名の従業員たちは、自分と向き合う内省の機会を得られたと共に、外部講師による他者理解や傾聴トレーニングにより、他者とのコミュニケーションを良好なものにする学びも得られました。


まとめ

ウェルビーイング研修の概要から例、メリットや導入事例をご紹介しました。ウェルビーイングが高い人材を増やすことで、生産性やモチベーション、働きやすさの向上につながるなど多くのメリットがあるので、ぜひ取り組みを進めていきましょう。

TOPPANの企業・教育機関向け研修・教育プログラム「ブンカ・ラーン」のほか、広い教養を身に付けられる体験型の「リベラルアーツ研修」も、ウェルビーイング研修の一環としてプログラム提供が可能です。カスタマイズも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

2024.04.12