コラム

職場のウェルビーイングと
エンゲージメントを向上させて
企業の成長につなげる!
課題解決のポイントは?

近年、従業員の健康を心身ともに向上させることに注目が高まっていますが、さらに従業員が社会的に満たされた状態に至るための取り組みも進んでいます。

今回は、近年話題の「ウェルビーイング」と「エンゲージメント」というキーワードをもとに、企業が従業員の健康を心身ともに向上させ、そして社会的に満たされた状態に引き上げるためのポイントをご紹介します。


ideanote 特別号 Well-beingな社会を目指して

ウェルビーイングとエンゲージメントの関係性

まずはウェルビーイングとエンゲージメントという言葉の意味を確認しておきましょう。

ウェルビーイングとは?

ウェルビーイングとは「Well-being」、つまり「Well(よい)とBeing(状態)」を合わせた言葉です。直訳すれば「よい状態」となりますが、これは身体的、精神的、社会的に良好で、幸福な状態にあることを意味します。そしてその背景には、個人の権利や自己実現が保障されていることが前提となっています。

エンゲージメントとは?

エンゲージメント(engagement)という英単語には、「契約」「約束」などの意味があります。さまざまな分野で使われていますが、従業員と組織の関係性において取り扱われる場合は「従業員エンゲージメント」と呼ばれます。
従業員エンゲージメントは、会社と従業員のつながりの強さや、従業員が会社に貢献したいと思っている姿勢を意味します。

つまり従業員が企業理念やビジョン、仕事、上司や部下、同僚などに共感する度合いや、企業という組織に対する愛着心や貢献意欲などを示す指標です。


ウェルビーイングとエンゲージメントの関係性と違い

近年、企業経営の観点から共に注目を集めているウェルビーイングとエンゲージメントというキーワードは、密接に関係しています。

エンゲージメントはウェルビーイングの一側面である

包括的な要素における幸福な状態を指しますが、エンゲージメントは仕事や職場、組織に限定された概念です。

自発的に組織に貢献し、仕事に没頭している状態がエンゲージメントの高い状態です。これはウェルビーイングの実現に欠かせない一要素です。

エンゲージメントは組織視点、ウェルビーイングは人間としての視点である

視点の違いも挙げられます。エンゲージメントは主に企業から見た従業員の状態を表す一つの指標である一方で、ウェルビーイングは広く、人間個人として見た幸せな状態です。

ウェルビーイングとエンゲージメントは連動している

ウェルビーイングとエンゲージメントの双方を向上させることは個人にとっても企業にとっても有益です。それらは別々に高まるのではなく、連動しているといわれています。

例えば仕事内容や職場、人間関係にまつわる満足度が上がれば、仕事や職場に対するエンゲージメントも高まることは想像しやすいことでしょう。

職場のウェルビーイングとエンゲージメントの向上におけるメリット

職場のウェルビーイングとエンゲージメントの向上におけるメリット

職場のウェルビーイングとエンゲージメントの双方を向上させることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。従業員や職場にとってのメリットを確認していきましょう。

モチベーション向上による生産性向上

ウェルビーイングとエンゲージメントが高い従業員は、仕事に対してモチベーションが高く熱意を持って取り組み、組織貢献度も高い状態です。これまでは受け身の姿勢で仕事に取り組んでいた従業員も、自ら進んで仕事に取り組むようになることで生産性の向上が期待できます。

社内コミュニケーション活性化・人間関係が良好になる

ただ仕事に熱中するだけでなく、ウェルビーイングが高まりチームで働く幸せを感じられるようになることで、社内コミュニケーションが活発になり、人間関係も良好な状態となります。その結果、さらに仕事への熱意と企業への貢献意識が高まるでしょう。

キャリア形成により社会的に満たされた状態に至る

エンゲージメントを高める手法の一つに、キャリア形成をサポートする方法があります。個人面談や研修などを通じてサポートすることでエンゲージメント向上につながります。さらにキャリア形成が実現すれば、将来のビジョンが明確になり、社会的な役割を果たせる、満たされたウェルビーイングを実現する状態に至るでしょう。

顧客満足度向上

エンゲージメントが高まると、自ずと顧客へのサービスも充実します。なぜなら、エンゲージメントが高い従業員は自社商品やサービス、ブランドへの理解が深まっており、信頼を寄せていることから、心から納得した上で顧客へ商品やサービス、ブランドの価値を提供できるようになるためです。また、イキイキと情熱的に仕事に取り組む姿を見た顧客は、より一層、商品やサービス、ブランド、会社に魅力を感じると考えられます。そのため、顧客満足度向上につながる可能性があります。同時にウェルビーイングも高い従業員は、より高い顧客満足につなげられるでしょう。

従業員や職場に上記のようなメリットがあることは、結果的に企業の生産性向上や企業の成長につながると考えられます。


職場のウェルビーイングとエンゲージメント向上における課題と解決のポイント

職場のウェルビーイングとエンゲージメントを向上させるに当たり、直面する課題があります。その課題とともに、課題解決のポイントを合わせてご紹介します。

現状把握や測定がむずかしい

ウェルビーイングやエンゲージメントを向上させるには、現状把握が欠かせません。しかし測定方法は複数あり、何を基準とすればよいか迷うことは少なくありません。

【課題解決のポイント】
複数の測定サービスを利用したり、自作したりして、自社に最適なものを見つけるとよいでしょう。よく利用されているウェルビーイングの指標を踏まえ、自社に合った従業員向けアンケート作成をすることで、具体的な改善点を見極められます。また定期的に現場の声をヒアリングすることも合わせて行いましょう。

収集したデータを活用できていない

アンケート結果や面談によるヒアリング内容などのデータはそろっていても、分析まで手が届かず、活用できていないケースは多いといわれています。

【課題解決のポイント】
専門的知見に基づいた分析・サポートまで対応できる外部サービスを活用することで、収集したデータの有効活用が可能になります。

カルチャー醸成・浸透に時間を要する

ウェルビーイングやエンゲージメントに注目が集まっているのはここ数年のことであるため、従業員すべてが意味を理解しているかといえばそうではありません。
社内にカルチャーが醸成され、全社的に浸透していくには一定の時間を要します。

【課題解決のポイント】
ウェルビーイングやエンゲージメントはどちらも人間のメンタルや生き方にかかわることであるため、効果が出るには一定の時間がかかります。そのため、施策を行ったとしても、即効性を求めないことが肝心です。データ収集・活用・改善のサイクルを回し、数値的に可視化しながら、長期的に向上に取り組んでいくことが重要といえます。


まとめ

ウェルビーイングとエンゲージメントはどちらも近年、企業に注目されている重要な指標です。相互に関係し合っていることから、ぜひ両方を向上させることをおすすめします。

TOPPANは、ウェルビーイングやエンゲージメントの向上に役立つさまざまなサービスをご提供しています。

貴社に最適なアイデアをご提案できますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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2023.12.21