販促業務のよくある課題と解決策まとめ
- TOPPAN株式会社
- 情報コミュニケーション事業本部 情報メディア事業部
クリエイティブ本部 - 福田 大
ひとことで“販促”と言っても、営業担当と販促担当や現場と管理部門など、立場や部署で業務内容はさまざまです。また、コロナ禍によって、顧客ニーズそのものやイベントなど販売促進の形態にも大きな変化が起こっており、販促業務を行う部門、各担当者も、様々な変化に対応していく必要があります。
このコラムでは、そんな販促にたずさわる皆さんがそれぞれ抱える課題を整理・解決し、さらに一歩進んだマーケティング戦略に活用する方法をご紹介します。
この記事は以下のような課題を持った方向けの内容です
✓販促に関わる業務にはどのようなものがあるかを、改めて整理したい
✓販促に関わる課題を解決する方法・ツールを探している
✓どこでも人員不足。業務効率化と省資源化、働き方改革を推進したい
✓コロナ禍で変わったイベントなどの形態にも対応したい
そもそも販促業務とは?目的や仕事の内容について
販促業務とは?
販促業務は、企業が商品・サービスの販売を促進するために行う各種プロモーションやイベントなどに関わる活動全般を意味します。具体的には、プロモーションに使う販促資材(店頭ポップやチラシなど)のデザインや企画、作成、管理などが挙げられます。
販促業務の目的とは
販促業務の最終的な目的は、商品・サービスを広く認知させ、売り上げアップにつなげることですが、より細分化して業務ごとの目的を考えてみましょう。
例えば販促の企画業務は、ターゲットとなる購買者の興味を喚起することを主な目的とします。そのために、購買層の性別や年代、居住地、購買歴、Webアクセスなどの行動履歴を分析し、顧客の属性に応じた適切なプロモーションを企画します。
実行・管理の業務は、プロモーションの安定運用を目的とします。そのために、コスト削減や効率化を目指す必要もあります。同じような販促物でもターゲットごとに最適化し、タイミングを逃さず営業・販売担当者の手元に届ける必要がありますから、販促物の種類から、制作、出荷調整まで、無駄なく管理しなければなりません。
担当者を悩ます「販促業務の課題」とは?
販促業務は、販促物の運用・管理の煩雑さや業務フローの複雑化、デジタル移行などが課題となることが多いです。販促業務で生じやすい課題について詳しく見ていきましょう。
販促物の運用・管理が煩雑
販促を効果的に行うには、ターゲットごとに細かく企画・制作した販促物を、売り場や営業所に過不足なく出荷調整する必要があります。
インターネットが発展した昨今においては、店頭や街頭だけでなく、公式サイトやSNSなどのオンラインでも顧客との接触機会をもてるようになりました。しかし、ニーズや接触機会が多様化したことで、販促運営も煩雑化しました。
・営業活動のスピードを上げたいのに販促物が欠品する(営業部門)
・拠点ごとにバラバラの販促を行うため、在庫・発注集約・印刷手配、倉庫の在庫調整などの手間が多すぎる(販促部門)
・販促物の申請と承認、コスト管理、売上実績との最適化など、管理が膨大(販促部門のマネージャー)
販促業務の各部門は、上記のような新たな課題に直面しています。
業務フローが複雑化しやすい
多様な販促物を流通させるには、社内だけでなく、外注先も含めた調整業務が肝になります。
その一方で、各業務の部門や販売拠点といった現場では、独自の工夫が重ねられ、現場ごとに最適な業務の形がつくりだされています。さらに、案件ごとに適切な作業を行う必要があるため、丁寧に業務を行えば行うほど工程は複雑になっていきます。
個別に最適化を進めた結果、業務フローがフォーマット化されず複雑化してしまうのです。こういったケースでは、一つひとつの作業内容の確認や調整が必要になるなど、個別対応が膨大になります。
確認や調整にばかり時間をかけていると、本来行う販促物の品質向上に集中できないといった状態にもなりかねません。
アナログから脱却しにくい
販促部門の多くは、現場ごとに単独の業務フローを最適化し、独自の一覧表を作成して人力でチェックするなど、属人的なアナログ管理を行っています。
これは販促物の企画・作成や、関係各所との調整、出荷量・時期の判断など、各工程におけるスキルやノウハウが必要で、業務が属人化しやすいためです。そしてその属人化された状態で個別に最適化されてしまっているため、アナログから脱却しにくい状態になっていることが少なくありません。
現場ごとのアナログ的な作業は、情報の統合が困難となるためテレワークも進みません。働き方改革や、感染症拡大・災害対応への業務継続の機動性などにも影響しますし、将来的な企業戦略につながるDXを阻害する要因にもなります。
販促業務を効率化する解決策とは?
では、販促業務を効率的に行うためにはどうすればよいのでしょうか。
大きなポイントとなるのは、業務に必要なデータの統合・システム化です。販促物に関する業務環境がひとつにまとまって誰もが簡単にアクセス可能、それを使って制作・運用・管理ができる。このようなシステムがあれば、販促業務が効率化するのは間違いありません。
効率的な販促システム構築のポイントとなるのが、データの一元的管理とクラウドでの運用、つまり「販促物管理クラウドシステム」です。
デバイスも場所も問わずにどこからでもアクセスできるのが「クラウド」の強み。その特性を最大限活かした「販促物管理クラウドシステム」を導入することにより、販促関連業務の一括管理が可能になります。ハードを購入したり、ソフトウェアをインストールしたりせずとも、インターネット経由で必要な時に必要なサービスを必要なだけ利用できるので、業務の効率化やコストカットにつながり、テレワークやDX化も進みます。
他にも、販促資材のカスタマイズ編集が可能であるなど、販促で成果を出している企業の多くがこの「販促物管理クラウドシステム」を導入しています。
販促業務を効率化した事例
ここでは、「販促物管理クラウドシステム」である「販速部長」のケースを例に挙げ、導入時の効果を見ていきましょう。
「販速部長」は、販促物の注文集約から、企画制作・カスタマイズ編集・印刷、各現場への配送、在庫調整、売上実績との連携まで、販促業務の工程をクラウド上で一元管理するツールです。
統一されたフォーマットによりワンフローで業務が進むため、人的コスト削減や省資源化といった経費の適正化につながるだけでなく、時間のロスも減り、タイムリーな販促物を最速で売り場に届けることができてマーケティング強化になります。
具体的な導入効果を、2社の事例でご紹介します。
【事例①】営業先に合わせ販促物を効果的にカスタマイズ
ひとつ目は、嗜好品メーカー様の事例です。
【課題】
✓新規顧客向けの出張説明&販売会等の訪問先ごとに販促資材の内容をカスタマイズしたい
✓販売促進業務の省力化を実現したい
【実施ポイント・導入効果】
訪問営業先ごとに販促物の内容をカスタマイズしたいというご要望を受け、まずは営業本部様向けに業界別のテンプレートをご用意。それをベースに、営業の各ご担当者様が「販速部長」上で販促物をカスタマイズ編集できるようにしました。またこれまではそれぞれのご担当者様任せだった販促物の内容や予算の申請を、営業本部様が承認するフローに。さらに本部による印刷発注の取りまとめや、数百名に及ぶ全国のご担当者様への配送管理なども簡単にできるようになりました。
そうして業務量の軽減はもちろん、ブランドデザインの統一された販促物の制作が実現しました。
【事例②】全国規模でのチラシ刷り分けを取りまとめ、効率大幅アップ
ふたつ目は、飲料メーカー様の事例です。
【課題】
✓各種プロモーション施策・全国キャンペーンで、国内販社に統一された販促資材を提供したい。
✓地域・販社ごとにチラシ等の記載内容が異なるため、多版化したい。
✓取りまとめと実制作の負担が大きくなっているため、省力化を進めたい。
【実施ポイント・導入効果】
本社様より、全国キャンペーンで使用する販促支援チラシを各地域の販売会社ごとに刷り分けたいとのご要望を受け、販売価格などの情報を一括変更できるテンプレートをご用意。さらに情報の自動差し替え、オフセット印刷による情報変更部分の刷り分け、印刷発注の取りまとめなども実現。各販売会社から指定印刷所への発注も可能にし、ブランドルール統一とコスト削減を一度に叶えました。
まとめ
販促業務は、社内外に関係する部門が多い、工程が複雑で個別最適化を目指すあまり全体業務が煩雑化しやすい、現場ごとに属人化しがちといった課題を抱えています。
こうした課題を解決し、戦略的に売り上げアップを目指すためには、データの一元的管理をクラウド上で行う「販促物管理クラウドシステム」の導入が欠かせません。
TOPPANのクラウドシステム「販速部長」では、販促に必要な作業をワンフローで行い、販促業務の効率化を図ることができます。
それだけでなく、ブランドルールや全体レギュレーションを保ちながら販促物を現場ごとに最適化しカスタマイズ制作できる編集機能もあり、最高品質の印刷技術による小ロット・デジタル印刷(POD)を組み入れ、上質な販促物を現場ごとに届けることができます。
「販速部長」を活用すれば、他社に先駆けた販売戦略につながるDX、業務改革も可能です。お気軽にお問い合わせください。
2024.07.17