コラム

香り印刷とは?
仕組みや活用例を紹介!

嗅覚への刺激は、視覚や聴覚など他の感覚に比べて、記憶との結びつきが強いことが分かっています。この性質を利用し、香りの粒子を印刷物に効果的に加えることで新たな体験を創出し、販促活動の可能性を広げることができるでしょう。

本記事では、香りを印刷物に組み込む「香り印刷」について、印刷の仕組みやメリット、具体的な活用事例を解説します。


香り印刷(香料印刷)とは?

はじめに、香り印刷物についての概要として、印刷の仕組みと具体的な香りの種類、香りを印刷物に付加するメリットをみていきましょう。

香り印刷の仕組み

香り印刷は、香料を閉じ込めたマイクロカプセルをインキに混ぜ込んだ「香料インキ」を、印刷物の上に刷りつける表面加工です。
印刷箇所の表面を指でこするなどして刺激を加えるとマイクロカプセルが割れ、中に閉じ込められていた香りが空気中に広がるという仕掛けになっています。

香料インキは無色透明のため、印刷物のデザインを損なうことがありません。また、特定の場所だけに香りをつけることも可能です。
香りの印刷部分をこすって香りを出した後は徐々に薄れていきますが、インキの種類や印刷技術によっては、半年以上の長期間にわたり香りを持続させることもできます。

香りのバリエーション

香り印刷で作れる香りのバリエーションは、花・ハーブ・果物などの人気のものから、一風変わったものまであります。

TOPPANが作れる香りのバリエーションは以下の通りです。



香り印刷のメリット

人は香りをかぐと、関連する記憶を呼び起こすことが多いとされています。これは嗅覚が、五感の中で唯一、記憶を司る海馬を直接刺激するためです。この現象は「プルースト効果」といわれます。

この「プルースト効果」を積極的に活用した「香りマーケティング」は、ほかとの差別化を図り、強く印象を残すブランディングのひとつとして、注目を集めています。

香り印刷の活用例

ここからは、香り印刷を具体的にどのように活用すると効果的なのかを、いくつかの事例でみていきましょう。

名刺

営業で頻繁に活用するのが名刺です。特に初対面の挨拶では必ずといってよいほど名刺交換が行われます。このとき香り付きの名刺を差し出して話題にすれば、他社より強い印象を残すことができます。

さらには、自分の名前や事業内容とマッチした香りにすることによってプルースト効果も働き、後にその香りに触れたとき、好印象とともに思い出してもらえる可能性が高まるでしょう。

ショップカード

プルースト効果をもっとも発揮できるのがショップカードでしょう。
ブランドのコンセプトに沿った香りを店舗での空間演出に用いつつ、同じ香りを施したショップカードを配布すれば、その香りにふれるたびにショップの記憶を呼び起こし、リピートを促すことができます。

ちらし

手軽な販促物として作成し、配架・配布されるチラシですが、一方で手に取ってもらうまでが難点ともいわれています。「香り付きです。こすってみてください」と一言添えておけば、珍しさから関心が薄い人でも手に取る可能性が増えるでしょう。

チラシの記載内容と合致する香りでプルースト効果も期待できます。より鮮明な記憶が残り、話題にのぼりやすくなるかもしれません。

ノベルティシール

香り印刷を施したシールを貼付することにより、表面に印刷加工が難しいグッズや、既存のノベルティにも香りを後付けすることができます。もちろんシール自体を配布することも可能です。

企業ブランドやコンセプトに沿った香りで印象づける、ノベルティの性質に合わせた香りで楽しませる、商品のラインナップの香りを再現してテスター代わりにするなど、応用範囲も高いでしょう。

ポストカード

ポストカードは、飾って楽しむこともできるため、デザイン性の高いものであれば長く人の目に触れる効果的な販促グッズといえます。このポストカードの一部に香り印刷を施すことにより、視覚的にも嗅覚的にも長く楽しめるものとなり、持続的に好印象を与える可能性が高まります。

たとえば、施設の空間で展開するおもてなしの香りをポストカードに付加することで、香りに触れるたびに訪れたときの記憶が蘇るかもしれません。

年賀カレンダー

お得意様へご挨拶代わりに用いる年賀カレンダーは、1年を通じて見ていただける効果的な販促グッズといえ、ずっと壁に掲示したり、手元に置いたりしたくなる機能性やデザイン性が求められています。こうした視覚的な情報に香りという嗅覚の要素も加えることで、より記憶に残りやすくなります。

たとえば、毎月のコンセプトに沿った香りを印刷しておけば、カレンダーをめくるたびに新しい香りが漂い、持続的に印象づけることができるでしょう。

ブックレット(周年記念品)

周年記念など特別なイベントで配布するものとして、会社の歴史やコンセプトを織り込んだ印刷物を作成することも多いでしょう。
このとき、指が触れる箇所にさりげなく香り印刷を施しておくと、ページをめくる動作に伴って自然と香りがたちのぼり、好印象につながる可能性が高まります。

香り印刷ならTOPPANへ

ふだん見慣れた印刷物でも、嗅覚という感覚を用いた「香り印刷」を加えることにより、感情を刺激し、記憶に長く残る独自のブランディングを展開することができます。

TOPPANでは、香りのスコアリングシートで客観的にオリジナルの香りをつくりだすなど、効果的な香りマーケティングをご提案する「FRAGRANCE IDENTITY®」を展開し、高品質な印刷技術と調香技術で、唯一無二のブランディングをサポートします。
お気軽にご相談ください。

2023.09.19

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