マーケティングオートメーション(MA)ツールの機能まとめ|どんなことができる?
マーケティングオートメーションは、マーケティング業務を自動化して効率化する便利なツールです。これから導入したいとお考えの方は、どのような機能があるか気になるところでしょう。マーケティングオートメーションには様々な種類があり、機能も異なりますが、一般的に搭載されている共通機能というものが存在します。
今回は、マーケティングオートメーションに備わる機能を詳しくご紹介し、それらの機能を最大限に活用するポイントもあわせて解説します。
<目次>
1.マーケティングオートメーション(MA)とは?
2.マーケティングオートメーション(MA)でできること
3.マーケティングオートメーション(MA)の主な機能
4.BtoB向け・BtoC向け MAツールの機能的な特徴
5.マーケティングオートメーション(MA)の機能を最大限に活用するポイント
6.マーケティングオートメーション(MA)の機能導入・運用の流れ
7.まとめ
1.マーケティングオートメーション(MA)とは?
マーケティングオートメーション(MA)とは、「マーケティング活動を支援する、可視化と自動化のためのツール」のことを指し、「Marketing Automation」の頭文字を取ってMAツールと呼ぶこともあります。
獲得したリード(見込み顧客)の育成、つまりリードナーチャリングを効率化および自動化し、リードの購買意欲を高めるためのツールとして役立てられています。確度の高い見込み顧客を選別できるので、成約・受注につながりやすいリードを営業部門に引き渡すことができます。
2.マーケティングオートメーション(MA)でできること
マーケティングオートメーションを用いれば、主にインターネットを通じてリードを育成しながら商談化につなげるプロセスを自動化することができます。
マーケティングオートメーションが自動化するのは、主に次の3つのプロセスです。
・見込み顧客の「獲得」(リードジェネレーション)
・見込み顧客の「育成」(リードナーチャリング)
・見込み顧客の「評価」(リードクオリフィケーション)
リードを獲得して育成し、スコアリングなどによる評価が高まったリードを営業部門に引き渡し、商談および受注につなげます。獲得においてはWebページからの資料請求フォームの作成や受付対応、育成においてはセグメントメールの自動配信、評価においてはスコアリングなどが可能です。
3.マーケティングオートメーション(MA)の主な機能
マーケティングオートメーションは、大きく4種類の機能に分類されます。先ほど3つのプロセスをカバーするとお伝えしましたが、それぞれのプロセスに対応した機能と共に、データ分析機能があります。
機能①リードジェネレーション
リードを獲得するための機能です。
・メールフォーム作成
Webサイト上にメールフォームを設置し、資料のダウンロードやセミナー申込を受け付けることでリードを獲得する方法がありますが、そのメールフォームを作成する機能があります。メールフォーム自体は、他の方法でも作成は可能ですが、メールフォームに送られてきたデータをマーケティングオートメーションに蓄積していけば、育成のための重要なデータとなり、データ分析も可能になります。
・LP作成
LP(ランディングページ)とは、広告などを通じてサービスや製品を契約・購入したい意図のあるユーザー(見込み顧客)が最初にたどりつくページのことです。LPを作成してサービスや製品の情報を魅力的に伝えることで、見込み顧客の購買意欲を高めます。
前述のメールフォームは、LPを閲覧したユーザーを誘導するための場所としても使用することができます。LPからフォームといった一連のフローにより、Webを通じて幅広い層の新たなリードを獲得できる可能性があります。
機能②リードナーチャリング
リードを育成するための機能です。
・メール配信
マーケティングオートメーションにおけるリードナーチャリングは、主にメールコミュニケーションにて行います。リードにとって有益な情報を最適なタイミングでメール配信して通知・提供することで、リードの購買意欲を高めていきます。
メール配信機能にはツールによって様々な種類があり、例えば、リードの興味・関心ごとに分類して最適な情報を配信するセグメントメール機能や、リードの検討段階に応じて、ステップを踏んでメールを配信するステップメール配信機能などがあります。
・シナリオ作成
シナリオとは、リード獲得からコンバージョン(成果)に至るまでのカスタマージャーニーを想定して描いたものです。よくあるシナリオとしては、Webサイトのアクセス解析を行い、特定のサービスのページを閲覧していた見込み顧客に対して、その特定のサービスに関するホワイトペーパーの案内をメールで送る、セミナー動画を閲覧した見込み顧客に次回のセミナーの案内をメールで送るなどです。これらのシナリオを作成する機能が備わっており、手軽に作れるようになっています。
機能③リード管理・リードクオリフィケーション
リード情報の管理やスコアリングなどを通じたリードの評価を行うことができる機能です。
・リード管理
セミナーや展示会に参加した見込み顧客、Webサイトの訪問履歴、資料をダウンロードした見込み顧客など、あらゆる見込み顧客をリード情報としてマーケティングオートメーションへ登録でき、一元的に管理できます。
・スコアリング
受注確度の高いリードに高いスコアをつけて評価するスコアリング機能があります。「資料請求したリードは〇点」、「メールを開封したユーザーは〇点」など点数をつけ、点数が低いリードには引き続き施策を実施し、点数が高いリードは営業部門に引き渡す、といった流れで運用可能です。
機能④データ分析のための機能
リードに関するデータ分析のための機能です。リードの情報を分析することで、よりリードのことを深く知ることができ、最適な施策を打てます。
・Web行動分析・レポーティング
Webサイトを訪問したリードの業種や規模などをアクセス解析機能で取得したり、Webサイト上でリードがどのような行動をとったかのデータを取得したりすることができる機能です。収集したデータは分析に役立てることができます。
・広告連動機能
SNS広告やデジタルマーケティング関連の広告などを連動させる機能です。クリック率やユーザーの属性などを判断することも可能です。
4.BtoB向け・BtoC向け MAツールの機能的な特徴
マーケティングオートメーション(MA)ツールは、ビジネスモデルによって求められる機能に違いがあります。自社の商品やサービスがどちらに当てはまるかを確認しましょう。
BtoB向けMAツールの特徴
BtoB(企業間取引)では、検討期間が長く、決済に関わる人物が複数いるのが基本です。そのため、見込み顧客の検討度合いを正確に把握し、適切なタイミングで営業部門に引き渡す機能が重視されます。
具体的には、Web行動を点数化する「スコアリング」が役立ちます。また、営業活動を効率的に進めるため、すでにあるSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)との連携が非常に重要です。これにより、マーケティング部門と営業部門が顧客情報を共有し、一貫したアプローチが実現できます。
BtoC向けMAツールの特徴
BtoC(企業対消費者取引)では、顧客数が膨大で、購買までの意思決定が早い傾向にあります。そのため、大量のリストに対して、個々の状況やニーズに合わせたアプローチを自動化する機能が求められます。
ECサイトの購買履歴やアプリの利用状況といった多様な顧客情報と連携し、「Aの商品を買った人にはBを勧める」といった複雑なシナリオ配信を実現する機能が中心となります。顧客体験の向上に直結する機能がBtoC向けツールの特徴です。
5.マーケティングオートメーション(MA)の機能を最大限に活用するポイント
マーケティングオートメーション(MA)の機能を最大限に活用するポイントを解説します。
課題の洗い出し、目的の明確化
まずはマーケティングオートメーションを活用する目的を明確にしましょう。社内の多様な部門・部署のマーケティング・営業に関する課題を洗い出し、そこから解決を急ぐものをピックアップします。その課題解決によって得られる成果を目的にしましょう。課題や目的が明確であれば、必要な機能が自ずと見えてきます。
ツールの十分な比較選定
マーケティングオートメーションの種類は様々であり、その中で多機能なツールだからといっても自社の課題や目的にマッチするかはわかりません。目的を達成するために必要な機能が備わっているかを確認し、複数のツールを十分に比較検討することをおすすめします。
操作性の検証
関連するメンバーが問題なくそのマーケティングオートメーションを使えるかどうかの検証は欠かせません。トライアルでお試し期間を設けているツールを選んで、実際に手を動かしてみることをおすすめします。
サポートの有無と内容
確実かつ最大限に機能を活用するために、導入・運用のサポートがあるかどうかを検討することもおすすめです。もしサポートが充実していなかった場合は、別途、運用支援サービスを利用する方法もあります。
6.マーケティングオートメーション(MA)の機能導入・運用の流れ
マーケティングオートメーション(MA)ツールは導入がゴールではありません。適切な手順で設定し、効率的な運用を開始することが重要です。ここでは導入決定から運用開始までの基本的な流れを解説します。
STEP① 目的の明確化とKPI設定
まず、マーケティングオートメーション(MA)ツールで解決したいニーズや目的(例:リード獲得向上、商談化率向上)を明確にします。「休眠顧客を掘り起こしたい」「営業活動の工数を削減したい」など、具体的な目的を定め、KGI/KPI(目標と指標)を設定します。
STEP② 初期設定とデータ連携
Webサイトへのトラッキングタグ設置や、既存の顧客情報のインポートを行います。特にSFAやCRMをすでに利用している場合、データ連携の設定は必須です。この連携が、部署間の効率的な情報共有を実現し、後のアプローチにも役立ちます。
STEP③ シナリオ・スコアリングの設計
誰に(リスト)、どのタイミングで、どんなコンテンツを送るか、というシナリオを設計します。また、見込み顧客の行動度合いや状況を把握し点数化する「スコアリング」のルールも決定します。
STEP④ スモールスタートと検証
最初から全ての機能を複雑に使うのではなく、まずは特定の商品やターゲット向けにテスト配信を開始します。小さなPDCAサイクルを回し、結果を把握しながら改善を繰り返すことが、本格運用への近道となります。
7.まとめ
マーケティングオートメーションの主な機能をご紹介しました。機能を最大限に活用するためには、目的の明確化や十分な選定が重要です。
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2025.11.17



