Shopify Plusとは?できることや利用するメリットを解説
感覚的な操作のみでECサイトを構築できる「Shopify(ショッピファイ)」には、さまざまな料金プランが用意されています。なかでも最上位プランに当たるのが、今回紹介する「Shopify Plus」です。
Shopify Plusには、大規模店舗運営に必要な独自機能が数多く搭載されています。店舗管理の煩雑化やコスト増などに悩まされている企業にとっては、最適なプランだといえるでしょう。
本記事では、Shopify Plusの特徴や主な機能、通常プランとの違いを解説します。
Shopify Plusとは?
Shopify(ショッピファイ)は、世界170ヶ国以上 でサービスが提供されている、世界最大規模のASP型ECプラットフォームです。Shopifyでは数多くのプランを選択できますが、「Shopify Plus」はそのなかでも最上位に位置しています。
Shopify Plusの月額利用料は2,300ドル~ です。月額数十ドル程度のベーシックプランやスタンダードプランよりも高額ですが、より充実したサービスや高度な機能を利用できます。Shopify Plusの特徴は次の通りです。
● スタッフアカウント数が無制限
● 決済手数料や取引手数料が通常プランより安くなる
● 「B2B on Shopify」や「Shopify POS Pro」などの専用機能を利用できる
● 24時間体制のライブチャットサポートを受けられる
このような特徴から、大企業や取引量の多い企業(年商1億円レベル)、マルチチャネル販売を展開している企業におすすめです。
Shopify Plusと通常プランの比較
Shopifyには、料金や機能が異なる複数のプランが存在するため、それぞれの違いをしっかりと理解することが大切です。ここでは、Shopify Plusと通常プラン(ベーシックプランやスタンダードプランなど)を比較してみましょう。
料金比較
Shopify Plusと通常プランの料金の違いは次の通りです。
Shopify Plus | 通常プラン | |
初期費用 | 無料 ※カスタマイズする場合は別途費用 |
無料 |
月額利用料 | 2,300ドル~ ※規模により変動 |
・ベーシック:25ドル ・スタンダード:69ドル ・プレミアム:299ドル ※年間契約時の料金 |
手数料 | ・日本で発行されたクレジットカードの決済手数料:2.90% ・外部決済サービス利用時の取引手数料:0~0.2% |
・日本で発行されたクレジットカードの決済手数料:3.25〜3.55% ・外部決済サービス利用時の取引手数料:0.6~2.0% |
Shopify Plusは通常プランに比べ、月額利用料が高額ですが、手数料は低めに抑えられています。そのため、取引件数が多い企業ほど、ランニングコストの削減が可能です。
機能比較
Shopify Plusと通常プランの機能には、次のような違いがあります。
Shopify Plus | 通常プラン | |
スタッフアカウント数 | 無制限 | 1~15 |
クーポンコード | ◎ ※より柔軟な設定が可能 |
○ |
無料のSSL証明書 | ○ | ○ |
カゴ落ち対策メール | ○ | ○ |
ギフトカード | ○ | ○ |
レポート | ◎ (カスタムレポート) |
○ (標準レポート) ※プレミアムのみカスタムレポートに対応 |
Shopify Flow (顧客ロイヤルティやリワード、セグメンテーション、不正注文防止に関するワークフローを自動化する機能) |
○ | ○ |
無料の追加ストア | ○(9店舗) | - |
組織内の全店舗の一元管理 | ○ | - |
Shopify Audiences (購買意欲の高いお客様を発掘する機能) |
○ | - |
カスタムアプリによるサービスのカスタマイズ (配送、決済オプションでチェックアウト体験など) |
○ | - |
Launchpad (自動プロモーションや商品リリースなどのスケジュールを設定できる機能) |
○ | - |
Checkout Extensibility (Checkoutを高度にカスタマイズできる機能) |
○ | - |
Avalara税務オートメーション (税金計算サービス) |
○ ※有料オプションで利用可能 |
- |
ボット防止 (セール中のボット攻撃からストアを保護する機能) |
○ | - |
サポート | ◎ ※より優先的にサポート |
○ |
Shopify POS Pro | 20ヶ所まで無料で登録可能 | 利用には追加費用が必要 |
Shopify Plusには、通常プランにはない多数の独自プランが用意されています。高度な機能が標準搭載されているため、別途オプションに加入する必要がありません。
店舗管理の効率化に役立つ機能に加え、UXの向上やサポートの拡大につながる機能を利用できるのがメリットです。また、カスタマイズ性に優れており、大規模なサイト運営に必要な機能が整っているのもポイントです。
Shopify Plusでできること(機能・メリット詳細)
Shopify Plusの代表的な機能やメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
売上拡大に向けたサポートが受けられる
Shopify Plusは、売上拡大に向けたサポート機能が豊富です。主な機能は次の通りです。
機能 | 詳細 |
SSO(シングルサインオン)認証 | ・複数のアプリケーションやサービスへのログインを一つのIDとパスワードで行える認証方式 ・ユーザーは毎回のログイン認証に時間や手間を割かずに済むため、ユーザビリティの向上につながる |
B2B on Shopify | ・外部アプリを使用せずにB2Bでの販売を可能にする機能 ・卸売とD2Cの販売状況を単一プラットフォームのみで管理できる |
ShopifyQL Notebooks | ・ビジネスの業績データをカスタムレポートで可視化できるアプリ ・データ取得から加工、分析、可視化まで一気通貫で実行できる ・不慣れな方でも扱いやすいクエリ言語に対応 |
無料の追加ストア | ・追加料金なしで最大9サイトまで構築可能 ・卸売やD2Cといった販売形態のほか、越境ECにも対応 |
スタッフアカウント数無制限 | ・スタッフ向けのアカウントを作成できる機能 ・同時に複数のスタッフがログインして店舗運営が可能 ・通常プランだと1~15と制限があるが、Shopify Plusには制限がない |
優先サポート・セルフガイドトレーニング | ・24時間年中無休の優先サポート体制 ・Shopify Plusアカデミーでは、ビジネスを成長させるためのトレーニングも提供されている |
サーバーの強化 | ・1分あたりの決済処理可能数は6,000件/分と、取引量の多いECサイト向けの高性能サーバーを利用している ・サーバーダウンを起こすリスクが低い |
なかでも、事業拡大に合わせて追加ストアを構築できるのは大きなメリットです。通常プランでは、追加料金なしでストアを増やすことはできません。
また、B2B on Shopifyの機能を活用すると、取引形態の異なる販売状況を一元管理できます。売上を拡大するためには欠かせない機能だといえるでしょう。
運営の効率化・コストカットに役立つ
店舗運営の効率化やコストカットに役立つ機能は次の通りです。
機能 | 詳細 |
組織の設定 | ・組織内のすべての店舗を単一のロケーションから管理できる機能 ・店舗レベルで権限設定や機能の割り当てが可能 |
Shopify POS Pro | ・実店舗やECサイトなどの複数チャネルでの販売・在庫・顧客情報を一元管理できる機能 ・無料で20ヶ所までロケーションが登録できる ・オンラインで商品を購入したあとに実店舗で商品を受け取れるようになるなど、顧客のショッピング体験の向上にも効果的 |
Launchpad | ・スケジュールを設定できる機能 ・商品やブログ記事の公開、価格・バナーの変更などの時限設定が可能 |
Avalara税務サービス | ・国や州などで異なる税率に応じて、税金の計算や記入処理を自動で行えるサービス ・税務当局へのスムーズな電子申告が可能 |
各種手数料の低減 | ・決済手数料や取引手数料はshopifyのプランのなかで最も低い ・月間の取引量が多い企業にとっては大きな利点となる |
店舗管理は、店舗数の増加や規模の拡大によって煩雑化しがちです。Shopify Plusの機能を活用すれば、管理工数を削減したうえで、余った時間をコア業務に費やせます。単なる業務効率化だけでなく、生産性向上につながるのが利点です。
カスタマイズ性が向上する
Shopify Plusには、次のようなカスタマイズ性を向上する機能も豊富です。
機能 | 詳細 |
ヘッドレスコマース | HydrogenやOxygenを使いフロントエンドの自由なカスタマイズが可能 |
最大100種類まで無料テーマを追加可能 | 通常プランでは20種類までだが、shopify plusでは100種類まで増加 |
Checkout Extensibility | チェックアウトページ(注文完了前の顧客が配送先情報や支払情報を入力するページ)を自社のコンセプトに合わせてカスタマイズできるようになる |
店舗規模が大きくなるほど、カスタマイズの重要性が高まります。顧客の要望に応じて、細やかなレイアウトや機能の調整が求められるためです。すでに通常プランを利用している場合も、カスタマイズの必要性が高まってきたタイミングで、柔軟性に優れたShopify Plusを検討すると良いでしょう。
セキュリティが強化される
Shopify Plusには、ボット防止に役立つセキュリティ機能が備わっています。
ボットとは、自動プログラムによって特定の行動を実行するシステムです。ECサイトにおいては、人気商品の買い占めや不正ログインなどにボットが悪用されるケースがあります。
Shopify Plusのボット防止機能を利用すれば、チェックアウトボット(特定商品の在庫を自動で確認して購入するツール)による商品購入を防げます。アクセス数の多い大規模なECサイトにとって不可欠な機能です。
※上記は2024年3月時点の情報です。
Shopify Plusの導入検討時のポイント
Shopify Plusを導入する際は、事前に要件定義を行い、その必要性を十分に検討しましょう。自社が求める機能とShopify Plusの機能が適合しているか、Shopify Plusの特徴が事業規模に合っているか、などを確認するのがポイントです。
とくに、取引量の増加(目安は年商1億円レベル)、マルチチャネル販売の展開などにより、次のようなニーズが出てきた場合はShopify Plusと相性が良いといえるでしょう。
● 柔軟にテーマや機能をカスタマイズしたい
● 店舗数の増加や越境ECへの対応などにより、事業規模を拡大したい
● 実店舗を含む複数店舗の運営管理を効率化したい
● 強固なセキュリティと高性能のサーバーを搭載したい
● B2Bでの販売が必要になった
Shopify Plusは他社プラットフォームからの乗り換えにも対応しています。EC事業拡大に伴うプラットフォームの乗り換え時に、shopify plusは有力な選択肢となるでしょう。
なお、shopify plusを導入する場合、経験豊富なshopify plusパートナーへ相談が必要です。
Shopify Plusの導入に関するご相談はTOPPANへ!
ECサイトの規模が大きい場合や、店舗数が多い場合は、Shopify Plusが向いています。Shopify Plusは独自機能が豊富で、店舗運営の効率化や事業拡大に大きな効果を発揮します。
TOPPANは、Shopify Plusパートナーに認定されており、導入支援サポートが可能です。Shopify Plusのパートナー認定を受けるには厳しい資格要件を満たす必要があり、認定企業は全国に20社ほどしか存在しません。
テクニカルで複雑な課題にもスムーズに対応でき、サポート範囲は店舗運営の最適化やシステム開発など多岐にわたります。
また、Shopify Plusに限らず、どのようなECプラットフォームを選定すれば良いかお悩みがあれば、ぜひTOPPANにご相談ください。
ビジネス・運用の両視点で失敗しないECサイトリニューアル
設計から開発までワンストップでご支援いたします。
2024.06.17