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ECサイトのSEO対策|必要性や対策方法を徹底解説

ECサイトの集客手段の一つとしてSEO対策があります。

検索エンジンから集客する方法はSEO対策と広告(リスティング等)のみで、そのうち中長期の施策はSEO対策しかありません。そのためSEO対策は、集客において非常に重要なポジションにあります。

ただSEO対策で必要になる施策は多岐にわたり、サイトごとに必要な対策も異なるため、「何から始めればいいかわからない」という方も多いでしょう。

本記事では、SEO対策の中でも基礎的で汎用性・重要性が高い施策(どのサイトでも取り組みやすく取り組むべきもの)を中心に紹介します。


ECサイトにおいてSEOが必要な理由

ECサイトにおいてSEOが必要な理由

ECサイトのオンラインの流入経路には、検索エンジン・広告・SNS(公式アカウントの発信や口コミなど)などがあります。SEO対策は検索エンジンからの自然検索流入を増やす施策です。ある語句で検索した際に自社ECサイトのページが上位に表示されるようにすることで、アクセスアップを目指します。

仮に全く検索上位が獲得できていない場合、ユーザーが検索窓にどんな語句を打ち込んでも自社ECは上位に表示されないため、検索エンジンから自社ECサイトを発見してもらうことはできません。そのためSEO対策は、自社ECの流入数の安定・増加を図る上で非常に重要となります。

ちなみに検索エンジンからの流入を増加させるもう一つの施策として、リスティング広告があります。リスティング広告は流入を短期的に増やせるのが強みですが、広告の特性上、配信を止めると流入も途絶えます。継続的に流入を獲得しようとすると、ランニングコスト(広告費)がかかるのがデメリットです。

SEO対策は効果が出るのに時間がかかるものの、一度上位を獲得できれば、ランニングコストを抑えつつ継続的に多くのユーザーを獲得できます。どちらも一長一短あるので、リスティング広告は短期施策、SEO対策は中・長期施策として、両方取り組むのがおすすめです。

ECサイトのSEO:内部対策(サイト全体にかかる対策)

ECサイトのSEO:内部対策(サイト全体にかかる対策)

SEOの対策方法には数多くの種類があります。ここでは、サイト内のHTMLやクロールを制御するファイルなど、内部構造に関する対策方法を解説します。具体的な施策は次の通りです。

● モバイル対応
● サイト構造(ディレクトリ構造)の最適化
● XMLサイトマップの作成
● ページ表示速度の改善
● 構造化データのマークアップ
● 重複コンテンツ改善(URLの正規化)
● 販売終了ページ対策

内部対策を行うとサイトの構造や使い勝手が整理され、クローラー※がページの内容を正しく理解できるようになり、コンテンツを適切に評価してもらえるようになります。

※クローラーとは、Webページ間のリンクを自動的にたどり、Webサイト上の内容を収集するプログラム。クローラーが巡回し、そのサイトの情報が検索エンジンに保管されることで、検索結果画面に表示されるようになる。クローラーが巡回することをクロールという。

モバイル対応

近年、モバイル端末で情報収集することが一般的になりました。このような環境下でECサイトがモバイル端末用に最適化されていなければ、ユーザーの利便性が損なわれます。

検索エンジンでは、ユーザーファーストの観点からサイトを評価します。ユーザーにとって使いにくいサイトは、検索順位が低下する可能性があるため、モバイル対応は不可欠な施策といえるでしょう。

ECサイトにモバイル対応を実施するには、Googleが提供するモバイルフレンドリーテストでサイト構造を確認するとよいでしょう。対応が不足している箇所は改善点として提案してもらえるので、アドバイスに沿って改善を行い、ユーザーにとって使いやすいECサイトにリニューアルしましょう。

サイト構造(ディレクトリ構造)の最適化

Webサイト内の階層構造(ディレクトリ構造)を最適化することでクローラーが巡回しやすくなります。例えば以下のような形です。

【例 ※アパレルの場合】
大カテゴリ:ファッション
中カテゴリ:レディースファッション
小カテゴリ:ワンピース・ドレス・アウター

サイト内の構造が整理され、適切なディレクトリに適切なコンテンツが収まっている状態は、商品の検索性向上などユーザーの利便性向上にもつながります。

XMLサイトマップの作成

XMLサイトマップは、検索エンジンに対して自社サイト内の情報を伝えるためのファイルです。XMLサイトマップを作成し検索エンジンに送信することで、検索エンジンはサイト内にあるコンテンツの場所を正確に把握できます。

XMLサイトマップがなくてもクローラーは巡回しますが、送信しておくことで巡回精度が高まり、インデックス(検索結果にコンテンツが反映されること)期間の短縮につながります。特にECサイトは商品数・カテゴリが増えやすく複雑なサイト構造になりやすいため、XMLサイトマップは非常に重要度が高いといえます。

ページ表示速度の改善

前述のとおりWebページはGoogleのクローラーにクロールされることでインデックス(Googleへ登録)されますが、昨今Googleはページ表示速度が遅いサイトのクロールの優先度を下げています。Webページはインデックスされなければ検索結果に表示されないため、アクセスが増えることもありません。したがってインデックス対策としてページ表示速度の改善が必要です。

ECサイトは商品画像を多数掲載する場合が多く、ページのファイルサイズが大きくなり表示速度が低下しがちです。画像は圧縮してアップロードするなどの対応が有効になります。

またページ表示速度を改善するには、ページスピードインサイトを利用するのがおすすめです。表示速度の実測値や改善箇所を表示してくれるので、効率良く問題点を改善できます。

構造化データのマークアップ

構造化データをマークアップすることで、Googleがページの情報を正しく認識できるようになり、また検索結果でリッチな情報が表示できるようになります。

例えば、「〇〇株式会社」という文字列が会社名であることを検索エンジンは理解できません。そのため文字列が意味する内容を検索エンジンが正しく認識できるように、決められた形式で情報を記述することを構造化データのマークアップといいます。

特に、ECサイトでは商品の価格、在庫状況、評価などの詳細情報が直接検索結果ページに表示される、「Product」のマークアップを実装するのが良いでしょう。このマークアップを実装すると、「Rating:4.0(商品の評価が5点中4点)」といったように表示されます。

構造化データのマークアップ

重複コンテンツ改善(URLの正規化)

重複コンテンツとは、検索エンジンから既に存在するコンテンツと内容がほとんど同じと認識されたコンテンツを指します。重複コンテンツは検索エンジンにインデックスされないだけでなく、場合によってはペナルティを受ける恐れがあるため対策が必要です。
商品のサイズや色の種類ごとにURL末尾のパラメータを変えている場合、意図的な操作でなくても重複コンテンツと見なされることがあります。

重複コンテンツの有無は、Googleサーチコンソールにログインし、サイドメニュー「インデックス作成」内の「ページ」から確認できます。

重複コンテンツ改善(URLの正規化)

重複コンテンツを発見したら、サイズや色の異なる商品ページURLを統一したり、canonical属性タグ(正規ページを指定するためのHTMLタグ)でURLを正規化したりといった対策を取りましょう。

販売が終了した商品ページ対策

販売終了ページを放置していると、ユーザーの利便性低下につながり、サイト全体で検索エンジンからの評価が下がる可能性があります。

一時的な欠品の場合はその旨を記載しましょう。販売終了の場合はページ自体を削除し、「404(not found)」や「410(gone)」のステータスコードが返るように設定します。エラーページ(404や410を伝えるページ)には、人気のあるページへのリンクを設置しておくのがおすすめです。

なお、ページを削除する場合は、削除したページへの内部リンクも併せて削除するようにしてください。エラーページへのリンクはクロールバジェット※の無駄遣いにつながり、サイト評価の向上やインデックスを阻害します。

※クロールバジェットとは、各サイトに割り当てられているクロールの量のこと。サイト規模等によって各サイトに割り当てられているクロールの量が決まっていると考えられている。したがってクロールバジェットを無駄遣いすると、クロールさせたいページにクロールが行き届かず、Webページのインデックスや評価が遅くなるおそれがある。

ECサイトのSEO:内部対策(ページ内の最適化)

ECサイトのSEO:内部対策(ページ内の最適化)

各ページの個別の最適化もSEO対策では重要です。最適化すべきページ内の要素には次のような種類があります。

● タイトル
● hタグ構造
● ディスクリプション
● 本文
● 画像
● URL

それぞれの対策方法を詳しく解説します。

タイトル

コンテンツのタイトルは、サイト内へのアクセスを促す重要な要素です。タイトルは一定文字数を超えると、表示できない部分は「…」と表示されてしまうので、30文字前後に留めるのがおすすめです。

またターゲットとする検索キーワードはタイトル中に必ず含めるようにし、できればタイトルの前半に配置すると良いでしょう。商品ページやカテゴリページで上位表示を図るなら、商品名や製品の一般名詞、型番などをタイトルの前半に配置するのが効果的です。

文字数に余裕があれば、さらに関連するワードや訴求につながるワードを加えます。「格安」やブランド名などの関連キーワードを盛り込むことで、ユーザーの興味を引きやすくなります。

hタグ構造

HTMLのhタグは、文章における「見出し」を表します。検索順位を高めるには、このhタグが正しい構造になっていることが重要です。適切なhタグ構造にすることで、ページ内容を検索エンジンが正しく認識できます。

大見出し(h1)から順に、h2(中見出し)、h3(小見出し)のように階層構造になるように構成しましょう。

良い例 悪い例

<h1>タイトル:SEOの重要性とは</h1>

 <h2>SEOの仕組み</h2>

 <h2>SEOが重要な理由</h2>

  <h3>理由1.~~~</h3>

  <h3>理由2.~~~</h3>

  <h3>理由3.~~~</h3>

   <h4>理由3の根拠その1</h4>

   <h4>理由3の根拠その2</h4>

<h1>タイトル:SEOの重要性とは</h1>

  <h3>SEOのよくある課題</h3>

 <h2>SEOとは何か?</h2>

   <h4>SEOが重要な理由</h4>

  <h3>SEOの進め方</h3>

ちなみに、hタグを適切に設置すると要点がわかりやすくなり、ユーザーの理解促進にもつながります。

ディスクリプション

ディスクリプションとは、検索結果のタイトルの下部に表示されるテキストです。ページの概要(要約)が80文字程度で表示されます。

ディスクリプションは、SEOに直接的な効果はないとされていますが、クリック率には大きな影響を与えます。ページの内容が自分の知りたいことと合致しているかの判断基準になるためです。

タイトルと同様、対象とする検索キーワードや商品名を盛り込み、クリックしたくなるような内容にまとめるのがポイントです。

本文

本文は、ユーザーがどのような情報を欲しがっているのかを踏まえて作成しましょう。商品ページであれば以下のような内容は最低限盛り込む必要があります。

● 商品名
● 価格
● 送料
● サイズ
● 使用方法
● 使用期限
● 素材・成分

ここからさらに有益なコンテンツにするためには、例えば以下のような情報を追加するといいでしょう。

● 保管方法
● 推奨する年代や属性
● Q&A

検索意図に添ってコンテンツを作成することで、検索エンジンからもユーザーにとって価値のあるページだと見なされるため、検索順位の向上につながります。

画像

オリジナル画像は一次情報として検索エンジンから評価される可能性があるため、コンテンツ内にはなるべく盛り込みたいところです。

また検索エンジンは画像内の情報を正確に読み取れないため、画像の情報をテキストで示すaltタグを使用しましょう。たとえば、導入美容液に関する画像を掲載する際は、次のようにaltタグを記載します。

<img src="product.jpg" alt="導入美容液">

特に、数多くの画像を掲載する商品ページでは、altタグの重要性が高まります。

また、高画質な画像で視認性を高めたり、ユーザーが安心して購入できるよう使用イメージの画像を用意したりといった工夫も大切です。

ただし、検索エンジンは基本的にはテキスト情報をもとにコンテンツ内容を把握するため、画像ばかりのコンテンツは評価を得にくいということも理解しておきましょう。

URL

各ページのURLには日本語を使用しないことをおすすめします。URL内の日本語は、Webブラウザでは扱うことができず、「URLエンコード」によって長文に変換されます。そのため、「womens/jackets/12345」のように、英数字でシンプルな表記を心がけましょう。

ECサイトのSEO:コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、検索ユーザーの悩みを解決するコンテンツを発信して集客する方法です。特に潜在層の集客に効果的です。

近年は自社ECで扱う商品群に深く関連するコンテンツは上位表示させやすくなっており、またこのようなコンテンツは自然に商品訴求ができるためコンバージョンにもつながりやすくなります。

たとえば、ドレスを販売しているECサイトであれば、「パーティドレスの選び方」に関するコンテンツを作って集客し、自社ECで扱っているパーティドレスを紹介、またはパーティドレス一覧ページへリンクするなどです。

コンテンツマーケティングに取り組む際は、適切なキーワード選定・独自性のある差別化されたコンテンツ内容・客観的に信頼できる著者を重要視して制作することで成果が出やすくなります。

ECサイトのSEO:外部対策

ECサイトのSEO:コンテンツマーケティング

外部対策とは、他サイトからの被リンクやサイテーション※を獲得することで、サイトの評価を高める施策です。

※サイテーションとは、他サイトやSNSに企業名やサイト名などの情報が書かれること

そのサイト(ページ)に向けて貼られているリンクの数や質、Web上で言及されている数は検索順位を決定するための重要な要素となっています。人気投票のようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。

被リンク施策は狙ってするものではなく、質の高いコンテンツによって自然な獲得を目指すことが一般的です。上述のコンテンツマーケティングに取り組むことで増加を促せます。

一方サイテーションに関しては、SNSアカウントを運用する・口コミサイト等に自社サービスの情報を積極的に掲載するなどの施策を通して、自社サイトの認知拡大を図ることで、Web上で言及される機会を増やすことができます。

ECサイトにおけるSEOポイント・注意点

ECサイトでSEOを実施する際は、いくつか注意すべきポイントが存在します。ここでは、とくに重要なポイントを2点に分けて解説します。

定期的に情報をアップデートする

一つひとつのページは公開して終わりというものではなく、定期的に内容を見直すことが大切です。

GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールのようなツールを使ってアクセス解析をし、成果が出ていないページはタイトルや商品説明をブラッシュアップするなど、繰り返し改善しましょう。

また、古い情報が掲載されていると、検索エンジンからユーザーにとって価値が薄いと見なされ、検索順位が下がる可能性があります。特に、定期的にリニューアルするモデルや、価格を見直す機会が多い商品など、情報の鮮度が重要なページには注意が必要です。

コピーコンテンツを避ける

サイト内での重複コンテンツについては上述しましたが、外部サイトのコピーコンテンツにも注意を払う必要があります。外部サイトから文章や画像をそのままコピーし、自社サイトに掲載するようなことをしてしまうと、検索エンジンから評価されないだけでなく著作権の問題に発展する可能性もあります。

自社でコンテンツ製作している場合はこういったケースは稀ですが、外部に製作を委託しているケースではリスクがあります。コピーコンテンツを避けるために、ページの公開前にコピペチェックツールを使用すると良いでしょう。

ECサイトのSEO対策:まとめ

ECサイトの集客効率を高めるには、SEO対策が効果的です。検索エンジンで自社ECサイトのページが上位に表示されることで、流入数が増加し売上の向上が見込めます。

ただし本格的にSEO対策に取り組むには専門的な知識が必要で、最初から適切な施策を実施するのは困難です。もし、ECサイトの集客に悩んでいるなら、TOPPANが提供するECサイト運用支援サービスをご検討ください。

TOPPANでは、ECサイトの集客のほか、戦略設計やシステム開発、UI/UXの改善などを含めた、一気通貫のサポートを提供しています。お客様の現在の運用体制に合わせて柔軟に支援内容を提案できるのが特徴です。

「SEOの仕組みがいまいちわからない」「どのような対策から始めるべきか悩んでいる」といった悩みを抱えている方は、ぜひTOPPANまでご相談ください。


2024.06.18

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