パフォーマンスマーケティングサービス コラム

日本のD2Cブランド企業一覧!
業界別の有名D2Cブランド12社

D2Cは、メーカーが中間業者を介さず、自社で商品開発から製造、流通販売まで完結させる販売形態です。ECサイトやSNSを駆使したブランディングで顧客をファン化させ、ユーザー参加型で市場を拡大します。
本記事では、日本の市場で成功したD2Cブランドの事例として12社を紹介します。アパレル、美容・健康、食品、その他業界からピックアップしているので、今後D2Cでの展開を検討中の方は参考にして下さい。


D2Cブランドとは?

D2C(Direct to Consumer)は、メーカーが中間業者を挟まず、直接ユーザーとつながるビジネスモデルです。商品開発から、製造、流通、販売までを一貫して行い、ECサイトやSNSを駆使したコミュニケーションで販売チャネルの拡大を狙います。この手法によりブランディングに成功した事業をD2Cブランドと呼びます。
D2Cの大きな特徴として、顧客ニーズに応じたパーソナライズや、独自の世界観の展開などにより、顧客のファン化やコミュニティの醸成を図れることがあります。
また、SNSをはじめとしたデジタルコミュニケーションを積極的に活用した迅速で柔軟な成長が見込める点も特徴で、ミレニアル世代やZ世代を中心に個性的な市場が拡大しています。
加えて、中間業者を介さないため、流通・小売のマージンコストを抑えることができる点も見逃せないメリットといえるでしょう。

日本のD2Cブランドの企業一覧【アパレル】

ここからは、具体的な事例として、日本のアパレル業界でブランディングに成功したD2Cブランドをみていきましょう。

アパレル業界事例_A社

A社

A社は、小柄な女性をターゲットにしたアパレルブランドです。身長の低さを個性として楽しめる世界観を展開し、骨格診断やカラー診断を活用したパーソナライズや、衣装と合う靴や小物のセッティングなど、ニーズに応じた商品を展開しています。
Instagramではコミュニティを形成し、ライブで商品説明やユーザーからの質問に答えるなどファン化を進めており、約20万人のフォロワーを擁するブランドに成長しています。

アパレル業界事例_B社

B社

B社は、オーダーメイドスーツなどを提供しています。採寸は、実店舗で行えるだけでなく、自宅で手持ちの服を測って登録することもできます。
生地やデザインは着用の目的や好みに合わせ、スマートフォンから自由に選ぶことが可能です。Web販売を取り入れたことにより、高価になりがちなオーダースーツを数万円から提供し、人気のブランドとなっています。

アパレル業界事例_C社

C社

C社は、ECサイトから複数の比較商品を注文し、試着できるシステムのほか、プロのスタイリストに相談し、パーソナライズされた商品の提案を受けるカウンセリングが大きな特徴です。
個別相談はオンラインと実店舗の両方で行われ、体型や着用の希望、手持ちの衣類との組み合わせなどに応じ最適化されたコーディネートや着こなし方が提案されます。個別の相談や試着といった顧客体験でリピート率を高めることに成功しています。

日本のD2Cブランドの企業一覧【美容・健康】

ここからは、美容業界のD2Cブランディングに成功した事例を紹介します。

美容業界事例_D社

D社

D社は、サブスクリプション型ヘアケア商品を提供するブランドです。
オンライン上で髪質診断を受けると、30万人の累計会員の診断データをもとに、最適化されたシャンプー・リペアセットやヘアマスクセットなどの商品が提案されます。カスタマイズされた商品は毎月届き、感想のフィードバックや定期的なカウンセリングによって継続して商品への反映ができる仕組みです。

美容業界事例_E社

E社

E社は、美容メディアに集まったユーザーの声をもとに、素肌の悩みを根本から良くし、安心して毎日使えるものを提供するメーキャッププロダクトを行っています。
まつげ美容液、化粧下地、化粧水、クリーム、毛穴美容液など、ユーザーが実際に使った際の感想を最重要視した商品開発を行い、SNSでの発信、DMでのコミュニケーションで顧客のファン化に成功しています。

美容業界事例_F社

F社

男性用のスキンケア商品を提供するF社では、パッケージデザインやECサイト、起用タレント、SNS発信といった一連のプロモーションで統一した世界観を作り出し、ユーザーが自発的に投稿したInstagramコンテンツを活用するUGC(ユーザー生成コンテンツ)によるマーケティング施策を積極的に行っています。
SNS広告経由の顧客獲得数は1年で約10倍になり、CPA(顧客獲得単価)が約3分の1まで軽減されました。

美容業界事例_G社

G社

G社は、ベビースキンケアに特化したブランドです。赤ちゃん関連の商品は必ず卒業の時期を迎える上、購買するのは赤ちゃん本人ではなく親です。
限られた期間に顧客の愛着を最大限に増やすため、ECサイトの主要な顧客接点にユーザーの声を反映させるUGCを配し、D2Cに特化したシステムを構築しました。リアルな声を参考に親として十分に納得した商品購入ができることから、顧客それぞれが感じる魅力が語られるブランディングに繋がっています。

日本のD2Cブランドの企業一覧【食品】

ここからは、食品関連のD2Cブランドとして、売上ランキングが大きく伸びた企業を紹介します。

食品業界事例_H社

H社

H社は、パンやパスタなどにビタミンやミネラル、タンパク質、食物繊維など、様々な栄養素を配合した、健康な体を維持できる商品を展開しています。毎月セットが届く継続コースが用意されており、会員の顧客継続率は9割を超えています。
コミュニティサイトで声を拾い、新商品テストもユーザーを巻き込んで行うなど、アジャイル型のマーケティングとコミュニケーション戦略が奏効しています。

食品業界事例_I社

I社

I社は、低糖質・低塩分のおいしい食事で健康的に栄養が摂れるサブスクリプション型の配食サービスです。和洋中のメニューやデザートが冷凍食品になっており、食数と配送の間隔を選ぶことができます。ユーザーは30代が中心で、20~40代がボリュームゾーンですが、子世代からのギフトの形で高齢世代にも浸透しつつあります。
YouTuberとのタイアップがSNSで話題になるなど、インフルエンサーマーケティングも活用したプロモーションで顧客拡大に成功しています。

食品業界事例_J社

J社

J社は、人にも環境にも付加がかからない食生活の実現を目指し、グルテンフリーのパスタやチップスなど、サステナブルでおいしい商品を展開しています。
商品は店舗に卸さず、ECチャネルのみでの販売です。ユーザーがSNSに投稿する楽しいレシピを公式サイトで紹介するなど、商品コンセプトに共感するユーザーの声を積極的に取り入れた商品開発や販促活動を行っています。

食品業界事例_K社

K社

K社は、クラフトビールを製造・販売するブランドです。定期宅配サービスでは好みのクラフトビールを毎月自由に選ぶことができます。
1回だけでも試すことができて気軽に始められる上、会報誌やレシピカード、限定ストアや新作・限定ビールの先行販売など顧客満足度を高める仕掛けで、顧客継続率は9割を超えています。また、購買者のコメントに対して丁寧に返信するコミュニケーションをサイト上に展開しており、ユーザー満足度を高めています。

日本のD2Cブランドの企業【その他】

最後に、D2Cブランドのその他のジャンルとして、ペット業界の事例を紹介します。

ペット業界_L社

L社

L社は獣医師が監修する手作りドッグフードブランドです。新鮮な食材を余計な添加物を使わず調理することにより食材本来の栄養価や香りを保って、ペットの食欲を促進します。
戦略的に短期間でリニューアルを行い、顧客の声をすぐに反映させることで顧客継続率は9割以上の高い水準です。SNSでのリアルな投稿により信頼感・安心感の獲得にも成功し、売上が400%アップしました。

まとめ

D2Cブランドは、単なる直販でマージンコストを削減しているのではありません。ブランドの世界観を明確に打ち出しつつ、顧客の声を商品開発や改善に色濃く反映させ、なおかつSNSなどを利用したユーザー参加型のプロモーションなどが成功要因となり、顧客満足度や愛着を高め、ICTの進展やスマートフォンの普及による新たな購買層の心を掴んでいるのです。
TOPPANの「D2Cのばセル™」は、ターゲティングや世界観の確立、商品開発、ECサイトの構築、UGC運用、プロモーションなど、パッケージデザインなどで培ったトッパンならではの高いデザイン性と幅広い技術、マーケティングのノウハウを活かしてD2Cの立ち上げ・運用を支援します。ぜひご検討ください。

2023.12.11