企業が成功を収めるために必要な
AIのマーケティング活用事例
AIはすでにさまざまな分野や企業で利用されており、マーケティング領域でも様々なAI活用事例が見られるようになってきました。そのような中、企業にとって重要課題となるのが、AIを活用してマーケティング活動の成果や効率をいかに高めるかということでしょう。
今回は、マーケティング活動でのAI活用を事例とともにご紹介します。
AIはマーケティングに活用できるのか
現状、AIはマーケティングにおいて、主に、ターゲットとなる顧客をより効率的に絞り込むために活用されています。AIを活用することで、優良見込み客や、ホット客を見つけ出すことができるのです。
デジタルマーケティングが当たり前のようになる中、日々蓄積されている膨大なユーザーのデータを効率的に活用することで、マーケティング成果を高めようという取り組みが行われています。
マーケティングにおけるAI活用事例
AIを活用してマーケティング活動の成果や効率を高めている事例をご紹介します。
大手流通系クレジットカード会社では、ダイレクトメール(DM)の成果向上のためにAI活用で会員リストの中から高見込み度顧客を抽出し、2倍の反応率を達成しました。
アパレル通販会社においては、休眠顧客の活性化施策にてAIを活用することにより、これまでのデータ分析業務にかかっていたコストを20分の1にまで落とすことに成功しました。
これらのAIを活用したマーケティング事例において、成果が生み出されたポイントの一つに、「大量の質の良い学習データ」を用いたかどうかということが挙げられます。
AI、すなわち人工知能は、人間の脳と同じように、初めからすべてを知り尽くしているわけではありません。きちんと質の良い情報を学習させることで、初めて業務に役立たせることができるようになります。
そして人間の脳も、できるだけ多くの反復や量の学習が有効であるように、AIにもできるだけボリューム多く、質の良いデータを用いて学習させることも重要になります。
AIによるWeb広告運用
AI活用は、広告運用の領域も例外ではなく、すでにWeb広告運用をAIで行うことにより、成果を挙げている企業も出てきています。デジタルマーケティング業務の複雑化に伴い、Web担当者へかかる広告運用の負荷は年々高まってきており、AIは救いの一手になり得ます。
AIによるWeb広告運用を導入すると、機械学習エンジンが自動運用により、クリエイティブおよび広告メニューを横断した予算配分の最適化を自動で行ってくれます。その後も機械学習によって精度が高まっていく仕組みになっています。
しかし、AIがいくら優れていると言っても、万能ではありません。
AIによる広告運用自動化により、成果を出すためには次の3つのポイントが挙げられます。
1.「人」が行う初期設計に成果は大きく左右される
「どのようなキーワードで、どのようなターゲットに、どのようなメッセージを伝えるのか、キャンペーン構成はどうするのが最適か、どのような広告文面なら見込客の興味をひくか」などを検討する広告の初期設計や分析は広告成果を大きく左右することは言うまでもありません。
この初期設計は、事業やサービスを知り尽くした「人」が行う必要があります。AIが行うことができるのは、「人」が行った初期設計を効果的・効率的に運用する部分になります。
2.AIの精度を高めるためには大量のインプットが必要
AIは、一定量以上の広告出稿がある場合でないと有効に機能しません。マーケティングにおいては、AIの中でも機械学習という手法を用いることが多くなっていますが、一定のデータ量がないと十分な精度が出にくくなります。
そのため、広告運用の自動化は、最初から精度を求めず、まずはデータを蓄積する、というスタンスで始めることが非常に重要になります。
3. 人が介在して運用を行う必要がある
「AIによる広告運用自動化の範囲は前述の通り、主に入札や予算配分の領域に限定されます。広告成果を見ながら、新しい広告クリエイティブやキーワードを追加する等の運用は、成果インパクトが大きいものの、やはりそこは人が行う必要があります。
AIカメラによる行動分析事例
AIカメラとは、その名の通り「AI(人工知能)を活用するカメラ」のことです。一口にAIカメラと言ってもさまざまなメーカーから、多彩な種類が発売されています。AIカメラとは一般的に、映像を記録するだけの通常のカメラとは異なり、
・AIが搭載されていることで人物の一致・不一致、性別や年齢層の推定 などが可能
・さらに繰り返し学習することで情報の精度を高めていくことができる
などの特長を持ちます。また、必ずしも新規にカメラごと導入する必要はなく、従来の防犯カメラにAIを搭載したハードウェアデバイスを接続することでAIカメラとしての機能を追加できる、ソリューションサービスもあります。
これまでAIカメラは、顔認証や車番認識、ヒト・モノ行動認識などの機能により監視、防犯目的として使われて進化を続けてきました。現在は販促、マーケティング視点での活用に注目が集まっています。
さまざまなメーカーから多彩な種類のAIカメラが発売されており、機種により店舗で把握できる・分析できること、できないことはさまざまですが、活用事例として以下が挙げられます。
〇来店者数(立ち寄り時間)カウント
〇性別・年代別分析
〇導線分析
〇棚前立ち止まり分析
〇商品接触分析
〇店頭ディスプレイ閲覧者数→入店した顧客数(広告ごとの集客効果)
〇時間帯と場所別の店舗内混雑状況
〇不審者の 検知とアラート通知
〇マスク着用状況・混雑状況の推定
さらに、AIカメラで収集した情報とPOSシステムとを連携させれば「いつ・どこで・誰が・何を買ったか?」などが把握でき、店舗分析の幅と深さが一気に広がります。
その他のマーケティング領域でのAI活用事例
ダイナミックプライシング
ダイナミックプライシングは、古くから飛行機のチケットやホテルの宿泊は、予約する日によって価格が変わる仕組みが取られてきました。2019年1月以降、急激にダイナミックプライシングが盛り上がりを見せていまして、テーマパークではUSJ、スポーツではJリーグの各チームがダイナミックプライシングを導入しています。
ダイナミックプライシングにおいて最適な価格を算出する上で、AIは必要不可欠なものになります。
お客様の解像度を上げるためのDMP x AIの活用
今まで人に紐付ける情報は「性別・年代、エリア」といったデモグラフィック的な情報や、「会員ランク」といったセグメントが一般的でした。しかし最近はAIを使えるようになり、「お客様のニーズや好みを予測したい」ということが簡単にできるようになっています。
特定サービスを利用する可能性や、離反する可能性、「便利・楽しい・お得」どの話法がその人に聞くのか、という好みに関する情報をAIで可視化して付与する、ということもできます。
デジタルマーケティングのプロジェクトを推進するにあたっては、以下の4つのポイントに注意する必要があります。
1.データが十分に蓄積できていて、結果が早く出しやすい分野から取り組む
2.ツールだけではなく、設計できる人材をセットで考える
3.AIモデルの精度を見極める
4.AIモデルの品質を維持するための高速運用
AI単独では成果を出し続けることが難しいと理解することが重要です。DMPにしっかりデータをためて、そのデータと連携しながら運用していくことが重要だと感じています。
ChatGPTでマーケティング活動を効率化
現在大きく注目を集めているAIが「ChatGPT」です。ChatGPTは、OpenAIによって開発された人工知能であり、自然言語処理技術を駆使して人間のような会話を自動的に生成します。
コンテンツのドラフト作成や広告コピーの作成に活用でき、市場調査やトレンド調査にも役立つなど、
ChatGPTは企業のマーケティング活動に多大な貢献が可能です。
その他にも、ChatGPTは24時間365日対応可能なAIチャットボットとして顧客サポートを強化し、顧客満足度を向上させることができます。また、ユーザーの質問やフィードバックを収集し、商品やサービスの改善点を把握することも可能です。さらに、顧客の購買履歴や行動パターンからパーソナライズされたマーケティングメッセージを生成し、効果的なカスタマーエンゲージメントを実現します。
これらにより、企業はコスト効率の良いマーケティング戦略を展開し、ビジネス成長を加速させることが可能となります。
ビジネスを効率化しながらも、より高品質な成果物を生み出すことをAIの力で実現できる機能として、
ChatGPTをマーケティングに導入する企業は、これから更に増加していくものと考えられます。
TOPPANのAIソリューション
TOPPANは、AIのスペシャリストを擁しており、AIを活用したマーケティング分析で高い精度を出すための高度な知見を持った人材や、各種AIソリューションをご用意しています。
AIを活用したマーケティングをお考えなら、ぜひ一度、TOPPANにご相談ください。
2023.12.01