自治体がBPO導入で官民連携を
強化する方法とその効果を解説!
近年、自治体と民間企業などが、まちづくりや地方創生、子育て支援、パンデミック対応などを背景として、連携する動きが高まっています。このような官民連携は自治体にとっても企業にとっても有意義な取り組みとなり得ます。
今回は、官民連携の現状と課題と共に、BPOというアウトソーシングの一種による官民連携の形にフォーカスします。自治体が企業のBPOを導入することで、官民連携がもたらす効果についてご紹介します。
■官民連携とは?
官民連携の概要と具体的な例をご紹介します。
●官民連携の定義と意義
官民連携とは、行政と民間が連携して、公共サービスを提供する手法を指します。行政とは国や地方自治体を指し、民間とは、民間企業や民間団体を指します。「PPP(Public Private Partnership)」と呼ばれることもあります。
官民連携は、一般的に、自治体などがサービスを提供する際に、民間の持つ技術やノウハウ、経営力を活用することで、予算の効率的な使用とサービス向上を目的に行われます。
●官民連携の例
・まちづくり
地域の公園や広場、街路、民間空地などのパブリック空間を有効活用するために、官民連携によるまちづくりが多数、進められています。民間空地や道路で保険会社が地域の魅力を伝えるイベントを行ったり、不動産会社が展示イベントを行ったりと多種多様な取り組みが行われています。
・地方創生
内閣府 地方創生推進事務局は、地方創生SDGs官民連携プラットフォームとして、官民連携による地方創生やSDGsの達成を目指すために、自治体が民間からの提案を受けられる場所を創設しています。例えば、自治体が地域金融機関などと連携し、古民家再生事業を行い、地域課題解決に取り組んだ事例があります。
・業務委託
自治体が行う業務を民間企業に委託する形です。例えば、窓口業務、学校給食の調理、イベント運営、ごみ収集、施設管理などが挙げられます。
■官民連携の現状と課題
現在の官民連携における一般的な課題として、次のことが挙げられます。
●相互理解の必要性
官民連携の課題として一般的に筆頭に挙がるのが、相互理解やコミュニケーションの面です。これは主に、行政の事業や業務が公平性、公共性、透明性などの観点で民間の業務とは異なっており、なかなか相互理解がむずかしいという点によります。
●効率性の欠如
自治体においては、官民連携を進めるにあたって、さまざまな部署を横断して確認が必要なことが多く、意思決定に時間がかかるケースは少なくないといわれます。また、取り組みを実施している際にも、進め方やスピード感、課題認識などに不一致が生じることも多々あるといわれます。これらを背景として、効率性が欠如するケースもあります。
●リソースの制約
民間企業との協働にあたって、自治体において予算や人員などのリソースの制約が課題になることもあります。人手不足もあり、体制強化のためのハードルが高いともいわれています。
■課題解決策としてのBPOとは?
官民連携の課題を解決する方法の一つに、民間企業が提供するBPOの活用が考えられます。
●BPOとは?
BPOとは、Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の略称で、民間企業において定着しているアウトソーシング手法の一種です。
企業が自社の業務を外部委託する際に、主に業務改善を目的に導入されています。ビジネスプロセスを改善し、ビジネスの成長を主目的として利用するのが一般的です。
BPOの主な領域として、人事や経理などのノンコア業務や、顧客対応などの受付窓口運営などが挙げられます。
●BPOがどのように官民連携に適用されるか
BPOサービスは、自治体向けにも展開されており、すでに数多くの自治体においてBPOが利用されています。自治体BPOでは、自治体業務の経験や知見の豊富な事業者が提供することが多く、事業の公共性などの理解が浸透しています。また、基本的に業務委託の形となるため、効率化が期待できるうえに、リソースの確保にもつながります。
例として、コロナ禍を受けた給付金や子育て支援にまつわる手当などの申請事務局の運営をBPOにてアウトソーシングする例があります。
従来の電話やはがきなどのアナログの申請方法に加え、オンライン申請サービスを構築するなどのデジタル化やツール導入による効率化も期待できます。
●BPO導入の一般的なプロセス
BPOを導入する際には、一般的に次のようなプロセスをたどります。
1.現状の業務課題の洗い出しと可視化
2.業務課題解決のための方策の検討
3.BPO導入の目的の明確化
4.最適なBPOサービスの検討
まずは現状課題を洗い出し、改善点を見極め、BPOによる改善効果を予測します。効果が見込めそうであれば目的を明確にし、ふさわしいBPOサービスを選定します。
■BPO導入が官民連携に与える効果
自治体がBPOを導入することで、官民連携に与える効果について具体的にご紹介します。
●コスト削減と効率化
BPOを導入することで、コスト削減と業務効率化が期待できます。予算や人員などのリソースの最適化を図ることができるほか、業務オペレーションの標準化にもつながります。
リソースについては、自治体職員の稼働が不要となるため、他の業務へと注力できます。また、限られた予算内で効率的かつ質の高いサービスを提供できれば、費用対効果が高まります。その結果、コストに無駄が出なくなることが考えられます。
また業務の標準化が進むことで、属人化が解消され、誰もがいつでも対応できる状態にすることができます。
●専門性の向上
BPOで業務に当たるのは、多くの場合、その道に通じた専門家です。自治体にとっては、専門的な知識と技術の活用が可能となり、その結果、高度なサービスを提供することができるようになります。
●コミュニケーションの改善
BPOにおいても、他の官民連携手法と同様、コミュニケーションは重要ですが、自治体業務の経験が豊富なBPOを利用することで、相互理解の問題は薄れ、コミュニケーション面も良好となるでしょう。情報共有が促進されることで、業務効率が高まり、さらに透明性の向上にもつながっていきます。
自治体向けBPOの活用による官民連携は、このような有意義な効果が得られる可能性があります。
■まとめ・TOPPAN BPOのご紹介
官民連携は、今後もさらに促進されていくと考えられます。実施するにあたって、直面する課題は、BPOの導入で解決できるケースもあるでしょう。
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2024.11.18