自治体の紙とオンライン申請の
併存を解決!
申請受付業務の効率化のポイントとは?
近年、多くの自治体において、特に給付金などの申請受付業務における人手不足や業務の複雑化による負荷の高まりが深刻な課題となっています。さらに紙申請とオンライン申請の両方を併用している場合、より業務が煩雑になりがちです。
今回は、自治体の申請受付業務のよくある課題や解決のポイント、効率を進める方法の一つとして新しい審査支援システムについて解説します。申請受付業務の課題に直面している方は、ぜひお役立てください。
■自治体の申請受付業務の課題
自治体の申請受付業務のよくある課題をご紹介します。
●自治体の申請受付業務とは?
自治体の申請受付業務には、窓口対応が必要な給付金・助成金申請受付、ワクチンなどの予防接種申請受付、マイナンバー関連の申請受付、子育て支援事業の申請受付業務などがあります。
従来から行われている紙による申請の基本的な業務フローとしては、まず住民からの申請書類と必要書類を窓口で受け付け、本人確認を行います。その後、システムに情報を入力し、審査を行った後、公印の押印および紙交付、支払いといった流れで進んでいきます。
近年は、電子申請による入力などの手間を削減し、電子署名による本人認証、自動取り込み、審査、オンライン交付、オンライン支払いといったフローに変化しつつあります。
●よくある課題
自治体では、次のような課題に直面しています。
・業務負荷の高まり
紙申請の場合、窓口に訪れた住民に対して申請書類の記入方法の説明、記入内容の確認などを行うのは業務負荷が高く、時間もかかってしまいます。その結果、住民を待たせてしまうことも多くあります。
・オンライン申請への対応
現在、政府は自治体DXを推進しているため、オンライン申請への対応を進める必要があります。
・紙とオンライン申請の併存による業務煩雑化・二重給付
現在、紙申請とオンライン申請が併存していることも多く、自治体内の業務が煩雑化しています。併存している場合に問題視されるのが、紙とオンラインの重複申請です。見過ごしてしまうと二重給付の恐れもあり、重複チェックは必要不可欠となっています。しかしその重複チェックも効率的な手法が見いだせていないケースもあります。
・業務の複雑化に伴い、業務が属人化
前述のように、申請受付業務はより複雑化、煩雑化しているため、担当職員が固定されてしまい、業務が属人化してしまいがちです。業務の標準化を行い、誰もが対応可能な状態にしておかなければなりません。
■自治体の申請受付業務の課題解決のポイント
前述の課題を受け、各自治体は独自に対策を進めています。そこで、申請受付業務の課題解決に取り組む自治体の事例を通じて、解決のポイントをご紹介します。
●「書かないワンストップ窓口」の推進
デジタル庁は自治体窓口DX「書かないワンストップ窓口」を推進しており、すでに多くの自治体が対応しています。
これはマイナポータル、自治体独自の電子申請システムを利用することで、行政手続のオンライン化を推進するもので、窓口における住民、自治体職員双方の負担軽減を目指すものです。
ある自治体では、職員が住民から必要な情報を聞き取り、住民には署名してもらうだけで、何度も繰り返し名前や住所を書く手間を削減しました。住民視点で極力負荷を減らすために、総合的なデジタル化を推進することがポイントといえそうです。
●チャットボット・AIの活用
チャットボットやAI(人工知能)の技術を活用し、申請受付業務を効率化している事例があります。
ある自治体では、AI総合案内サービスを提供しています。従来は職員数が少ない中、引っ越しや子育て、ごみ関連の問い合わせの電話が多く、業務が逼迫していました。また、申請書の記入ミスが多かったため、職員が二重チェックをすることとなり、業務が煩雑化していました。
こうした課題を受け、住民向けに24時間対応するAI搭載のチャットボットを導入し、申請書作成もチャットボットとの対話でサポートする仕組みを実現しました。電話での問い合わせが10%以上減少するなどの成果が出ました。
●民間企業への委託
ある自治体では、新庁舎の建設を予定していましたが、住民ニーズの多様化・複雑化に対応するべく、新たな窓口サービスの開始を検討していました。しかし職員数が限られていたため、窓口業務や施設管理業務などを包括的に民間企業に委託しました。
その結果、トータルコスト削減、住民サービスの充実・質向上などのメリットが得られ、大きなコスト削減が見込まれています。
■自治体の申請受付業務のDXを進化させる審査支援システムとは?
自治体の申請受付業務の課題を解決し、DXをさらに促進させる解決策が一つあります。
●紙とオンライン申請の重複チェックの課題
特に紙とオンライン申請が併存している環境下では、二重給付を防ぐために、重複チェックが欠かせませんが、振込口座情報による重複チェック、氏名カナと生年月日による重複チェックなど、一部の申請項目でのチェックにとどまっています。その結果、完全な重複の確認が困難となり、品質面で課題が残ります。
また、オンライン申請のデータを一度紙出力し、紙の申請書と突合して重複チェックを行っているケースもあり、業務負荷がより高まってしまっています。
●課題解決につながる審査支援システムとは?
そこでTOPPANでは、紙とオンライン申請が併存している環境における重複チェックが可能な審査支援システムを開発しました。
これは二重給付を防止することを目的としたシステムであり、自治体が保有する基幹システムと連携し、住民個人の識別キーを案件ごとに発行することなどにより、重複申請の判断や重複時のアラート表示、申請方法に合わせた審査結果の通知までを行う仕組みです。
●審査支援システムの仕組み
・システム内で住民個人の識別キーと紐づく受付状況を照合し、紙申請とオンライン申請の申請者情報のマッチングを行い、紙とオンラインの重複給付を防止。
・紙とオンライン、それぞれの申請方法に合わせて審査結果や不備内容を申請者へ通知。
・システム審査により、作業員によるバラつきのない標準化された品質体制を確立。
これらの仕組みにより、TOPPANが自治体から受託する各種申請関連事業における審査業務の正確性と業務効率を向上させます。
■まとめ
自治体業務のDXが進む中、給付金や助成金申請の際に、紙による申請とオンラインによる申請が併存していることも多く、より煩雑化しています。二重給付を防止し、申請受付業務を効率化することは非常に重要な取り組みといえます。
こうした中、今回ご紹介したTOPPAN BPOにおいて活用している審査支援システムは、二重給付の防止のほか、申請方法に合わせた審査結果の通知を行うなど、自治体職員の方、住民の皆さま双方をご支援します。
紙とオンラインの申請の併存に悩まされている方は、ぜひTOPPAN BPOにご相談ください。
TOPPAN BPOでは、これまで多くの自治体さまのご支援をしてまいりました。その実績と専門的知見を踏まえ、多様な業務に対応可能です。
自治体における給付金に関わる業務を一括してサポートする自治体向け給付金BPOサービス、デジタルとアナログを両立したご支援が可能な自治体向けBPOサービス Hybrid-BPO®、幼児教育・保育の無償化制度に伴う業務を代行し、自動化を見据えたご支援を行う幼児教育・保育無償化業務代行BPOサービス、子育て世帯の自治体サービスへの満足度向上を実現する仕組みを構築する自治体向け子育て支援BPOサービスなどがございます。
ぜひお気軽にご相談ください。
2025.08.19