AI×BPO活用で自治体業務のデジタル化を促進!活用可能性のある自治体業務や従来型との違いを解説
2025年6月13日に「令和7年度デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定され、今後、多岐にわたるデジタル化施策を推進していくことが打ち出されました。
特に近年、急速に進化するAI技術の社会実装に関する事項が強化されており、関係行政機関や民間企業との協業により、従来にない新たな価値の創出が想定されています。
今回は、計画に基づく施策の重要な担い手である自治体が、民間企業のBPOを通じてAI活用を進めていく方法を、AI×BPOの成功事例を交えて解説します。
国によるデジタル化の推進で重要視される民間企業との協業
「令和7年度デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、従来からのデジタル化による成長戦略は引き続き継続する方針とした上で、異分野を含めた関係行政機関・民間事業者の協業(連携・協力)による従来にない新たな価値の創出を目指すことが示されました。「制度・業務・システム」の三位一体で推進していく方針です。
掲げられた5つの項目のうち、1つ目には次の内容が示されています。
●AI・デジタル技術等のテクノロジーの徹底活用による社会全体のデジタル化の推進
1.AIの活用環境の整備と利活用の促進
・政府等におけるAI基盤(ガバメントAI)の構築・積極的な利活用
・AI統括責任者(CAIO)、先進的AI利活用アドバイザリーボードの設置等政府内のガバナンス・推進体制構築
・地方公共団体・民間事業者との共創
2.地方創生2.0(地域におけるデジタル・新技術の徹底活用)
・デジタル公共財の共同利用・共同調達の促進
・Well-Being指標の活用
・NFT等の活用により地域の潜在価値を引き出す
・地域交通DXの推進
3.AI・デジタル技術等のテクノロジーの活用による行政手続のデジタル完結の推進
・マイナンバーカードを活用したオンライン市役所(公金受取口座活用、出生、引越手続等)
・市民カード化(保険証、免許証、在留カード等一体化、救急業務、被災者支援等)
・民間ビジネス利用
・スマホ搭載
・事業者手続のデジタル化 など
AIの活用環境の整備と利活用を促進するために、基盤や体制構築と共に、民間企業の専門的知見やテクノロジーを積極的に活用し、「共創」していく旨が強調されています。
自治体は民間BPO活用などを通じて、AI活用体制を整える必要が出てきたといえます。
自治体のAI領域における民間BPOの活用分野
自治体は、AI領域で民間企業が提供するBPOを活用することで、協業を進めることができます
●民間事業者との協業の形「BPO」とは?
BPOとは、「Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の略称であり、アウトソーシングの一種です。特定の業務やビジネスプロセスを、専門の民間企業に委託する手法を指します。
ただのアウトソーシングと異なる点として、単なる業務代行の域を超えて、業務プロセス全体の最適化を目指す点が挙げられます。このことから、BPOは既存業務のプロセスを見直し、改善したいときに利用されるケースが少なくありません。
BPOは民間企業だけでなく、多くの自治体も活用しており、自治体業務の効率化や業務改善に役立てられています。
●自治体のAI導入・運用時に想定されるBPO関連業務
自治体が「AI活用」という観点からBPOを利用する場合、次の業務の委託が考えられます。
1.AI導入支援業務
AIを業務に活用するための導入にまつわる支援を行います。AI運用設計やデータ取り込みなど運用に向けてハード面、ソフト面の整備を行います。
2.AI生成物の正確性を担保するための業務
生成AIを活用する際には、品質の担保のために誤回答やハルシネーション(誤情報)をチェックする業務を担います。
3.継続的な利用のための運用支援業務
AIを安定的に活用するために、随時データ更新やルール調整、効果測定による改善など、運用支援を行います。
自治体にAIを導入する方法や業務改善BPRに関する情報については下記のコラムで解説しておりますので、ぜひあわせてご覧ください。
AI×BPOは従来のBPOからどのように進化するか
近年は、BPO領域にAIを積極的に活用する「AI×BPO」が急速に発展しています。従来のBPOから、どのような変化が起きるのでしょうか。
●AI×BPOとは?
AI×BPOとは、AIを活用したBPOであり、業務効率化にAIを用いることで、より高い効率化および生産性向上、品質向上をスピーディーに実施できます。
●従来のBPOからAI×BPOへの進化ポイント
1.既存の定型業務の大幅な効率化
AIを活用することで、すでにデジタル化されていた定型業務を大幅に効率化します。例えば問い合わせの一次対応において、AIを取り入れることで自然な対話や文脈理解が可能になり、回答精度が飛躍的に向上します。
2.新たな高付加価値の領域への対応
従来、人間にしか対応できなかった領域にAIを利用できる可能性があります。非定型業務や創造的判断を伴う処理も可能になることで、BPOによる業務改善は、業務改革のレベルにまで引き上げられます。
3.ヒトとAIの共創(協業)による継続的な最適化
AIに業務を完全に任せるのではなく、オペレーターとAIエージェントの共同応対など「ヒトとAIが協業する新たな業務オペレーション」を構築できるのがAI×BPOの強みです。これにより、市民にはよりよい体験を提供しつつ、職員やオペレーターの業務負荷を軽減することが可能になります。また、PoC(概念実証)に基づく効果検証やチューニング運用を継続的に実施することで、運用最適化に向けた高速なPDCAサイクルを回すことができます。
自治体におけるAI×BPOの活用事例
AI×BPOを活用することで、行政業務の効率化と住民への円滑な情報伝達の双方を実現する事例をご紹介します。
・職員業務の効率化: 議事録、議会答弁書、報告書などをはじめとした文書作成や、市民向けコンテンツを発信する際のアイデア出しをAIがサポートします。
・住民向けチャットサービス: 行政制度や補助金に関するQ&Aなど、住民の多様なニーズに合わせた情報発信を高精度に24時間365日提供します。PCやスマートフォンなど各媒体に応じた対応が可能です。
・窓口AIコミュニケーター: 窓口サイネージ端末などを通じて、施設の利用案内や行政手続きなどの問い合わせ対応業務をAIが担います。
TOPPANのAI Powered化を推進する自治体向け支援サービス
TOPPANでは自治体様向けサービスも多数ご提供しております。
新たに「AI Powered化を推進する自治体向け支援サービス」のご提供を開始しました。本サービスは行政専用ネットワークにおける生成AIの導入支援から、多様なチャネルを通じた住民サービスの向上まで一気通貫でご支援するものです。
行政専用ネットワークLGWAN対応の自治体特化型AIを用いて、BPOによるデータ整備・メンテナンスと、住民サービス向けAI活用を組み合わせ、コンサルティングから運用までを含む包括的なご支援を行います。このようなAI BPOを通じて政策実装を実現します。
【特徴】
1. 行政専用ネットワーク(LGWAN)で安全に生成AIを利用可能
行政専用ネットワークであるLGWAN環境で利用可能な生成AI(株式会社Exa Enterprise AIが提供する「exaBase 生成AI for自治体」など)を導入します。機密情報を安全に取り扱いながら、部門間の問合せの自動化などの業務効率化が可能です
2.TOPPANによる包括的なご支援と継続的な効果検証
生成AI活用に必要な行政データの整理からクレンジング、最新化までを継続的に実施します。AIの出力の誤りや不正確さをチェックし、精度を維持します。また、運用サポートによりAI活用を長期的に安定運用可能です。
さらに、コンタクトセンター領域などでは、既存業務を停止せずにミニマムな「Lab.機能センター」を活用して実証実験(PoC)を行い、最適なAI導入を検証・チューニングすることが可能です。
3.多様なチャネルを通じた住民への情報発信が可能
住民向けサービスにAIを活用するためのご支援を行います。WebサイトやSNSに加え、デジタルサイネージ、メタバースなど、多様なオープン環境のチャネルを通じて、情報伝達や問い合わせ対応を行います。
【活用例】
・部門間の問い合わせ自動化
・規程や報告書の要約
・議事録作成・議会答弁書の作成
・24時間365日、多言語対応のAIチャットボット
・住民の声集約
まとめ
「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を受け、民間企業との協業などにより、さらにデジタル化、AI活用を推進していく必要があります。従来のBPOと比べ、AI×BPOは定型業務だけでなく非定型業務も含めたさらに高度な対応も可能になります。
具体的なニーズをお持ちの方はもちろん、どのようにAIを実装できるのか不明であり、導入を迷われている方も、ぜひTOPPANにご相談ください。長年の自治体様向けBPOサービスのご提供実績をもとに、新たなAI Powered化を推進する自治体向け支援サービスにより、さらに一歩踏み込んだAI導入・活用をご支援いたします。
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2026.03.25