コラム

スマートグラスとは? 
メリットと活用方法を解説!

スマートグラスは、ウェアラブル端末の一つとして当初は個人用途として開発が進められましたが、現在では主に産業用途で業務用デバイスとしての普及が中心となっています。その利便性の高さと多様な利用シーンの可能性から、業務効率化や省人化などを実現する画期的なデバイスとして注目されています。
今回は、スマートグラスの特徴からビジネスにおける活用メリットや具体的な活用方法をご紹介します。


スマートグラスとは

スマートグラスとは、頭部に装着して使用するメガネ型のウェアラブル端末のことを指します。

一般的にメガネの内側には、ディスプレイが搭載されており 、実際に目で見えている光景に重ねて情報を表示することができます。スマートフォンのように、インターネット上の動画、写真、文章、音声などのさまざまなデジタルデータをやり取りもすることができます。

特徴

スマートグラスの一番の特徴は、ハンズフリーでデジタル情報の表示やコミュニケーションできる点です。 現在はさまざまなスマートデバイスが存在しますが、完全に手に持たないで済むのはスマートグラスならではのメリットです。両手が使えるため、何か作業をしながらスマートグラスを使用することができます。

例えば、スマートグラスをかけながらジョギングすれば、スマートフォンを取り出す必要もなく、スマートグラスに道順を表示し、迷わず、立ち止まらずにジョギングを続けることが可能です。

スマートグラスでできること

スマートグラスでは、動画、写真、音楽、メール、文書などのデジタルデータの閲覧・視聴や音声・動画通話、録音やカメラによる動画・写真の撮影、翻訳、センサーによる自身の健康管理などが挙げられます。

このように、様々な場面で使用可能ですが、近年では主に以下のような用途でスマートグラスが活用されることが多いと言えます。

1.データ表示
スマートグラスは通信データと連携することで、リアルタイムで情報を表示することができます。例えば、ナビゲーション情報を表示したり、運動中の心拍数や距離を確認したり、メールやSNSの通知を見たりすることが可能です。

2. ビデオ撮影・写真撮影
一部のスマートグラスにはカメラが搭載されており、データをみるだけでなく、手を使わずにビデオや写真を撮影することができます。これは、アウトドアスポーツ・イベントなどの記録・配信に活用され、臨場感のある映像を撮影するのに便利です。

3. AR(拡張現実)
スマートグラスはAR技術と組み合わせることで、現実世界にデジタル情報を重ね合わせて表示することができます。これにより実際の製品サイズを表示し、配置できるかどうかを事前に検討したり、よりリアルなゲームを楽しんだりすることができます。技術の発達により、スマートグラスの見え方もよりリアルになってきている傾向にあります。※専用のARグラスについては後述します。

4. リモートワーク・リモートサポート
スマートグラスを使えば、遠隔地からの作業指示やアドバイスを直接視界に表示させることが可能です。このような遠隔作業支援は年々広がりがみられ、医療、製造業、建設業など様々な場所で活用されています。

5. ハンズフリー操作
スマートグラスは種類によっては音声認識機能を使って操作することができます。これにより、作業中の手を使えない状況でも情報を取得したり、コミュニケーションを取ったりすることが可能です。

ビジネスシーンでの活用も進む

スマートグラスは、その幅広い用途やハンズフリー、視界に重ねられるといった多くの利便性から、現在、ビジネス分野でも幅広いシーンで導入が進んでいます。特に製造業や建設業、物流業など両手を使う作業が多い産業での活用に期待が高まっています。

スマートグラスの仕組みと種類

スマートグラスはどのような仕組みになっているのでしょうか。また主なスマートグラスの種類をご紹介します。

スマートグラスの仕組み

スマートグラスには、小さなコンピューターが内蔵されており、ディスプレイを通じて表示・閲覧が可能になっています。簡単に言えば、スマートグラスはスマートフォンがメガネに内蔵されているイメージです。

スマートグラスのディスプレイは、スマートフォンと同じように液晶や有機EL製のディスプレイに映像を投影するのが一般的です。最近では網膜投影型という眼球内の網膜に直接映像を投影し結像させるという仕組みも研究されています。

スマートグラスの製品の中には、スマートフォンやパソコンと接続をして、画面を映し出せるものもあります。

「スマートグラス」と「ARグラス」の違い

スマートグラスと聞くと、ARグラスをイメージする方もいるでしょう。ARグラスは、「AR=Augmented Reality(拡張現実)」を表示するメガネ型のウェアラブル端末です。現実世界の空間や物体などを認識して、それに連動したバーチャル情報を重ねて表示します。

ARグラスは、現実には存在しないものを表示したり、現実世界の物体とリンクしたりすることができます。

スマートグラスとARグラスの違いは、昨今のスマートグラスは「スマートデバイスのメガネ版」という意味合いを持っており、メガネ型ヘッドマウントウェアラブルデバイスの総称的意味を持ちます。そのため、そもそもディスプレイが付いていなかったり、カメラが付いていないものについても「スマートグラス」という呼称がされます。(例:オーディオグラス)
一方ARグラスは記載の通り「ARを投影するためのスマートグラス」になるので、必ずAR投影用の「ディスプレイ」と外界を認識するための「カメラ」が搭載されています。

片目タイプと両目タイプとの違い

片目タイプは、片目だけで映像等を見るタイプで、もう片方の目で自身の視界を確保できるのが特徴です。軽量で、扱いやすい点がメリットです。
両目タイプは、両目で映像等を見るタイプで、一般的にディスプレイの表示領域が大きいものが多いです。作業の用途に応じて選び分ける必要があるでしょう。

ビジネスシーンにおけるスマートグラスのメリット

スマートグラスをビジネスに活用する場合には、次のようなメリットがあります。

作業効率化・生産性向上

建設現場や保守・点検を行う製造現場などでは、労働力不足や熟練技術者の高齢化、引退などに伴い、人手不足が深刻化しています。また働き方改革などの必要から業務効率化や生産性向上は急務となっています。そうした中、遠隔作業支援としてスマートグラスを活用することにより、作業効率化と生産性向上に期待がかかっています。

例えば、現場作業員は遠方にいる監督者とスマートグラスを通じて、目の前の現場の状況を手軽に共有することができます。監督者は現場に赴く必要がなくなり負担が軽減するほか、現場作業員もスムーズに指示を仰ぐことができるため、作業効率化・生産性向上につながります。

人材育成・技術継承

スマートグラスは、人材育成や技術継承にも役立ちます。建設業や製造業においては、特に熟練技術者からの教育や技術継承などは直接現場で行われるのが一般的でした。しかし現場の負荷が大きく、効率が低いのが懸念点でした。

スマートグラスを利用することで、例えば、熟練技術者は遠方にいながら、現場の複数作業員に対する指導が可能となるため、人材育成が効率化します。また、スマートグラスを現場作業員が装着し、映し出されたマニュアルを通じて作業をすることも可能です。手を動かしながら一人で学ぶということも可能になります。

コスト削減

スマートグラスを用いることで、遠隔による指揮命令・監督が可能になるため、監督者などの責任者は、現場に赴く回数を減らすことできます。

そのため、移動コストや時間コストなどの削減につながります。人員そのものの数も減らせることから、人件費削減効果も期待できます。

トラブル対応の迅速化

万が一、現場でトラブルが起きた場合、従来は責任者が現場に赴くのが通例でした。しかしスマートグラスを導入すれば、まずは遠隔から現場の状況を確認できるので、トラブルの大きさを遠隔から把握することが可能です。

場合によっては遠隔からトラブル対応が可能になることもあり、トラブル対応の迅速化につながります。

スマートグラスの活用方法

スマートグラスは、建設現場、保守・点検現場、製造現場それぞれにおいて、どのような作業に活用できるのでしょうか。また、スマートグラスを活用することでどのようなメリットがもたらされるのか、見ていきましょう。

建設現場

建設現場では、現場監督者が遠隔から業務を行うのにスマートグラスを活用できます。現場監督者は、建設現場の視察や検査、トラブル対応を行う必要がありますが、それを現場作業員が装着したスマートグラスを通じて取得した現場映像を確認しながら行うことができます。

映像を確認し、必要に応じて指示や作業支援を行うという流れになります。作業内容や現場の情報をタイムリーに確認できるため、適切な指示を出すことが可能です。

保守・点検現場

製造業などの保守・点検現場では、管理監督者は、現場作業者が装着したスマートグラスを通じて取得した現場映像を遠隔地で確認しながら、作業の監督・指示出しなどを行うことが可能です。

保守・点検の現場では、ロープを用いた高所作業や単独作業も多いですが、スマートグラスであればハンズフリーで使用できるため、両手をふさがないことから安全をしっかりと確保した状態で遠隔地にいる管理監督者などとのコミュニケーションを取ることができます。

製造現場

製造現場においては、責任者は現場へ早急に赴かなければならないようなトラブルが発生した際にも、スマートグラスを用いれば遠隔からすぐに現場を確認し、復旧のための指示を行うことが可能です。

よくあるのが、工場内でトラブルが発生したことにより、製造ラインが停止してしまうケースです。迅速にトラブル対応を行う必要がありますが、現場作業員がスマートグラスを装着し、現場の状況を映像などで共有することで、遠隔から迅速に現場を確認し、適切な対応を行うことが可能です。

まとめ

スマートグラスは、今後もさらにビジネスシーンでの利活用が進んでいくことでしょう。

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RemoPick®は、スマートグラスやタブレットなどを用いて遠隔地をリアルタイムでつなぎ、よりスムーズなコミュニケーションを可能とする遠隔作業支援ソリューションです。遠隔にいる責任者などが、画面にタッチすることで、ポインター付きの映像が現場作業員へ共有されるため、遠隔からでも伝えたい箇所を正確に指示することが可能です。他にも、より現実に近い色味を再現できる色調調整機能がある点や、スマートグラスだけでなくスマートフォンでも利用可能であり、幅広い利用シーンで利用可能な点などの特長がございます。

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2024.02.05

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