コラム

「内装制限の緩和」をわかりやすく解説|建築基準法・消防法の関連条文・告示、対象建物・部位、条件の違いを解説

公共性の高い建物や大規模建築物の設計において、「内装制限」は重要なキーワードとなります。

「内装制限の緩和措置があるか知りたい」「対象範囲に木目の材料を取り入れたい」「建築基準法と消防法のルールで違いがあるか知りたい」という方も多いはずです。

2025年の建築基準法改正では、大規模建築物に関する新たな緩和措置が追加されました。

そこでこの記事では、「建築基準法・消防法における内装制限」について、基本的なルールとそれぞれの緩和措置について詳しく解説します。

内装制限を受ける範囲の仕上げ材としておすすめのアルミ不燃意匠材も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。


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<目次>

■ 建築基準法・消防法で定める「内装制限」とは|概略・対象の建物一覧
■ 建築基準法における「内装制限」の緩和措置
■ 消防法における「内装制限」の緩和措置
■ 「内装制限」に対応できるTOPPANの高耐久でレパートリー豊富は「不燃アルミ意匠材」
■ まとめ

■ 建築基準法・消防法で定める「内装制限」とは|概略・対象建物の違い一覧

内装制限に関する規定は、建築基準法と消防法に明記されていますが、それぞれ詳細に違いがあります。

建築基準法のルール

建築基準法で定める内装制限とは、建物内部で火災が発生した場合、在館者が安全かつ迅速に避難できるための経路や時間を確保するために、居室・通路における天井・壁の仕上げ材に防火材料※の仕様を義務付けるルールです。

※建築基準法施行令第108条の2に基づき、通常火災における火熱にさらされても「燃焼しない・防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じない・避難上有害な煙又はガスを発生しない」状態をすべて満たすと認められた材料を指し、状態を維持できる時間の長さにより、「不燃・準不燃・難燃材料」に分類される

内装制限を含む建築基準法の防火規定は、建物(構造体・仕上げ材など)とそれに付随する設備が対象で、「ハード面」の規定に限られる点がポイントで、火災発生時における「延焼防止・避難確保・避難完了」までの建物倒壊防止と円滑な消防活動の実現、市街地大火対策を目的としています。

内装制限のルールは、建物の用途・規模・構造種別によって異なるので注意が必要です。

※下記内容は概要です。詳細は、関連法令をご覧いただくか、建築主事などにご確認ください。

上記を見ても分かる通り、内装制限は原則として「特殊建築物※のうちの規模が大きい建物」や「大規模建築物」、「火災の危険性が高い部屋」が対象です。

※1:建築基準法第2条第2項で定める「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場と、その他これらに類する用途に供する建築物」を指し、用途の特性によって別表一により分類される

上記一覧に加えて、建物の11階以上では防火区画の面積単位によって、内装制限で使用が義務付けられる防火材料が異なります。

※下記内容は概要です。詳細は、関連法令をご覧いただくか、建築主事などにご確認ください。

建物における11階以上の部分

(200㎡以内に防火区画されている共同住宅住戸は除く)

  • 100㎡以内に防火区画▶︎内装制限の対象外
  • 200㎡以内に防火区画▶︎天井・壁ともに「準不燃材料」以上
  • 500㎡以内に防火区画▶︎天井・壁ともに「不燃材料」以上

仕上げ材だけではなく、下地材も制限が適用される

地下街

  • 100㎡以内に防火区画▶︎内装制限の対象外
  • 200㎡以内に防火区画▶︎天井・壁ともに「準不燃材料」以上

500㎡以内に防火区画▶︎天井・壁ともに「不燃材料」以上

仕上げ材だけではなく、下地材も制限が適用される

ただし、内装制限の対象になるのは天井・壁の全面ではなく、以下の部材は制限を受けません。

【対象範囲内で内装制限の対象外になる部分】

  • 床材
  • 床から1.2m以内の壁やパーテーション
  • 回り縁・窓台・窓枠・巾木と、その他これらに類する造作部材

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ちなみに、複数の用途を兼ねる建物や、特殊建築物における火気使用室など、内装制限が重複して適用される場合は、法令で規定されている場合を除き、厳しい制限が適用されるのが原則です。

内装制限の条件を満たしているかどうかは、建築確認申請において建築主事が審査します。

消防法のルール

消防法では、出火防止・火災の早期発見などの初期段階から、消火・避難確保まで、幅広い項目に対するルールが設けられており、建築基準法とは異なり、管理者の選任など「ソフト面」の規定も含まれます。
内装制限については、以下のポイントを押さえておきましょう。

※下記内容は概要です。詳細は、関連法令をご覧いただくか、管轄の消防署などにご確認ください。

対象となる建物

  • 消防法で定める防火対象物(学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店と、その他これらに準ずる建物)
  • 防火対象物で2つ以上の用途を含む複合用途防火対象物

対象となる部位

  • 消防法で定める工作物(炉、ストーブ、ボイラー、厨房設備、電気設備の高温部、ガス設備など)
  • 室内に面する部分のすべてに設置される「内装材」「防炎物品(絨毯やカーテン、ロールスクリーン、ブラインド、暗幕、布製ブラインド、舞台の大道具、工事用シートなど)」

▶︎上記に法令で定める防火材料(不燃・準不燃・難燃材料)か防炎材料を使用することが義務付けられる

※建築基準法第2条第4号で定める「居室および風呂・トイレ・洗面所・駐車場・機械室・倉庫、その他これらに相当する空間、廊下・階段などの通路における『天井・壁の室内に面する部分』」(人が出入りする形態ではない収納やユニットタイプの浴室は除く)

ちなみに、消防法における内装制限は建築基準法のルールと異なり、壁全面が対象で、簡単に取り外せない可燃材料で構成された間仕切り(パーテーションなど)も、規定の対象になる可能性があるので注意が必要です。
消防法の内装制限に適合しているかどうかは、建築確認申請に伴い実施される消防同意にて、建築主事もしくは指定確認検査機関が審査・認可します。

ただし、制限の運用基準は自治体によって異なる可能性があるため、管轄消防署などへの事前確認が必須です。

■ 建築基準法における「内装制限」の緩和措置

建築基準法では、内装制限について、いくつかの緩和措置を設けています。

2020年法改正で追加された緩和措置

2020年に改正された建築基準法では、以下のいずれかに該当する場合、内装制限への適合を一部免除される可能性があります。

  • 特殊建築物のうち、「劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場、その他これらに類する政令で定めるもの」で、客席の床面積が400㎡以上もしくは100㎡以上の場合(構造種別によって床面積の基準が異なる)
  • 特殊建築物のうち、「病院、診療所(患者の収容施設があるもののみ)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、その他これらに類する政令で定めるもの」で、これら用途に供する3階以上の部分もしくは2階における床面積合計が300㎡以上の場合(構造種別によって階数の基準が異なる)
  • 特殊建築物のうち、「百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、その他これらに類する政令で定めるもの」で、これら用途に供する3階以上の床面積合計が1,000㎡以上もしくは500㎡以上の場合(構造種別によって床面積の基準が異なる)
  • 居室部分がそれ以外の部分と間仕切り壁もしくは防火設備で区画されている場合
  • 居室の床面積が100以内、天井の高さが3m以上で区画されている場合
  • 制限を受ける居室・通路の天井高さが3m以上ある場合(無窓居室は6m以上)
  • 避難経路を含まない居室である場合
  • 階数が11階以上でも、100㎡以内に防火区画(乙種防火戸を除く)が設けられている場合
  • 屋外へ直接避難できる経路がある場合
  • 自動式消火設備や排煙設備を設置している場合
  • 天井・壁の表面に現れる梁・柱などの木材部分や照明器具のカバーなどの表面積が、壁面や天井面の面積の1/10以内である場合(通称「内装制限1/10緩和」)

ただし、実際の緩和条件は複雑で、自治体によって異なる可能性があるため、制度を利用する場合は、必ず管轄の建築主事や設計事務所にご相談ください。

2025年法改正で追加された緩和措置

2025年の建築基準法改正では、防火規定の合理化に関する変更が含まれ、内装制限に関しては以下の緩和条件が追加されました。

  • 3,000㎡超の大規模建築物の木造化促進(木造とする場合、壁や柱等を耐火構造とするか3,000㎡毎に耐火構造体で区画すると、構造部材の木材をそのまま内装に生かせる)
  • 大規模建築物における部分的な木造化促進(耐火性能が要求される大規模建築物においても、壁・床で防火上区画された範囲内で部分的な木造化が可能)

これらの法改正により、これまで内装制限によって室内に木材の梁や柱を露出できなかった建物でも、「あらわし」にできる可能性があります。

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■ 消防法における「内装制限」の緩和措置

消防法でも内装制限について緩和措置が適用される場合があります。

主な緩和措置の条件は以下のとおりです。

  • 天井に準不燃材料・不燃材料を使用する
  • 天井高を6m以上にする
  • 自動式消火設備を設置する

その他、建築基準法における防火規定に関連する消防法の緩和措置として、耐火建築物・準耐火建築物は、消防用設備の設置基準面積を2倍(もしくは3倍)にできるルールもあり、一般的には「倍読み」と呼ばれています。

ただし、消防法の緩和措置はあくまでも消防検査に対する優遇であり、建築基準法の内装制限となる場合はそちらの制限を遵守する必要があるためご注意ください。

※自治体によって緩和措置の内容は異なりますので、事前に管轄の消防署までご確認ください。

【ポイント】
建物の設計において内装制限への対応を検討する場合、不燃認定を取得した仕上げ材を選定することが重要です。

■ 「内装制限」に対応できるTOPPANの高耐久でレパートリー豊富な「不燃アルミ意匠材」

TOPPANは1900年の創業以来、SDGs実現に向けた社会的課題の解決に取り組み、高耐久で環境配慮型の建築内外装材を開発・製造しております。

内外装不燃アルミ意匠材「FORTINA」と、内外装不燃化粧パネル「LOVAL」は、豊富なデザインラインナップで不燃認定を取得済みなので、主に非住宅分野の建物に内装仕上げ材としてご採用いただいている人気シリーズです。

FORTINA(フォルティナ)

FORTINAは、高意匠・高性能で環境負荷の少ない※オレフィン系化粧シートとアルミニウムを組み合わせた内外装不燃アルミ意匠材です。
※塩ビ系材料と比較した場合、原材料調達段階+生産段階+流通段階+廃棄・リサイクル段階の二酸化炭素排出量を60%も抑制できる。(当社比)

最先端の印刷技術によって、自然素材が持つ風合いをリアルに表現した人気シリーズとして、多くの事例にご採用いただいています。

【FORTINAの特長】
・長年培った高度な印刷技術によってリアルな質感を再現(外装用は15種類以上の木目柄、内装用は45種類以上のメタル・木目柄・石目柄から選択可能)
・内外装で統一感のある仕上がりを実現可能
・外装用はSWOM※にて、15,000時間の耐候性試験をクリア(化粧シート表面のクラック・各層の密着低下・絵柄の退色を抑制)
・長期間、メンテナンスフリー(通常使用環境では30年以上の耐用年数)
・内装仕様・外装仕様のどちらも、国土交通大臣による不燃認定取得済み
・形状の多彩なラインナップによるトータルコーディネートが可能

※SWOM:Sunshine Weather-O-Meter(促進耐候性試験装置)を用いた性能試験で、屋外環境(紫外線・温度・湿度・雨)に対する劣化を評価できる

FORTINAのラインナップは以下の通りです。


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LOVAL(ローバル)

LOVALは、「デザイン・環境配慮・ 抗ウイルス&抗菌」と3つの性能を備えた内外装不燃化粧パネルです。

【LOVALの特長】
・48種類もの多彩な色柄ラインナップ
・スタンダードの長方形以外に矢羽形・五角形・三角形・風車形などの異形貼りを組み合わせ可能
・抗ウイルス・抗菌機能を搭載し、パネル表面に付着したウイルスや菌を減少させることが可能
・基材はケイ酸カルシウム板・ダイライト®・酸化マグネシウム板から選定可能
・同素材でタックシートも取り揃え、建具の面材や石膏ボードの直貼りも可能
・国土交通大臣による不燃(一部、準不燃)認定取得済み

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■ まとめ

公共性が高い特殊建築物や大規模建築物などでは、建築基準法と消防法に基づき、内装制限が適用されます。

ただし、建物の防火性能など一定の基準を満たすと、制限の対象外になるなど緩和措置を受けられます。

商業施設や医療施設、共同住宅などの設計を検討する際には、内装制限のルールを押さえて、適宜、不燃材料など防火性が高い内装仕上げ材を採用しましょう。

TOPPANでは、耐久性とデザイン性に富んだ内外装不燃アルミ意匠材や不燃化粧パネルを製造しております。

「人に長く愛される建物」、「街のシンボルになる建築」の材料選定でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

2026.07.21

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