働き方改革

教職員の働き方改革はなぜ進まないのか?改善方法をご紹介

教職員の働き方改革が推進されています。しかし、なかなか進まないのが実情といわれています。
そこで今回は、授業以外の業務の効率化を実現する方法をご紹介します。


教職員の働き方改革実現 DX事例|凸版印刷

教職員の働き方改革が必要な背景

働き方改革の推進は大きな課題とされています。学校に勤務する教職員も例外ではありません。その背景にはどのようなことがあるのでしょうか。

●長時間労働の実態
教職員においては、長時間勤務の深刻な実態があります。
令和4年の4月から7月までを平均した「時間外勤務月45時間以下」の割合は、令和元年度と比較し、小学校で11.7%増加、中学校10.2%増加、高等学校は9.9%増加というデータがあり、その改善は課題です。

教職員の業務効率化を実現する方法

教職員の働き方改革実現 DX事例|凸版印刷

教職員の働き方改革を推進するために、現在、さまざまな取り組みが行われており、そのめに業務を第三者と連携して推進する方法が検討されています。
トッパンでもそれらの推進に向けたお手伝いを行っています。たとえば、下記のようなシーンです。


■保護者連絡・プリント作成
学校と保護者間における連絡手段としてICTを活用した連絡ツールの利用が拡がっています。

・「E-Tra(イートラ)ノート」
外国人児童生徒の保護者と教職員間の連絡手段として、トッパンの「E-Traノート」が役立ちます。これは多言語で日本語が通じない保護者とのコミュニケーションを実現する連絡帳システムです。教職員が定型文を組み合わせて連絡事項を作成すると、保護者が登録した自身の言語に翻訳され、対象者に配信されます。

定型文だけで、システム内で翻訳されるため、文書作成や辞書等で翻訳していた業務の負担を大幅に効率化でき、働き方改革に寄与します。また、送信したメッセージを保護者が読んだかどうかの「既読確認」「回答確認」機能もあるため、コミュニケーションの質向上にもつながります。

多言語対応のツールではありますが、もちろん日本語での使用も可能なため、ICT活用による連絡ツールとして利用している実績もあります。従来の電話やプリント、連絡帳等による欠席連絡や面談日程等の調整などの効率化を実現できます。


■部活動指導
部活動の指導については、部活動指導員といった外部の人材の参画が進んでいます。また、ICTの利活用も推奨されています。

・「部活動トレーニングシステム」
例えばトッパンの「部活動トレーニングシステム」は、部活動指導において教職員の負荷を軽減し、効率化できるツールです。複数のアスリートをモーションキャプチャした「お手本動作」と運動部の部員の動きを比較して、改善点を抽出・可視化するシステムになっています。これにより部活動における教職員・児童生徒それぞれの課題を解決し、効率的な指導が可能になります。


■防災教育
防災教育コンテンツをデジタルでパッケージ化し、教職員の指導負担を軽減します。

・デジタル防災学習システム「デジ防災™」
「デジ防災™」は、デジタルデバイスを使用し1回10~15分の短時間で決められた内容を学習できるため、忙しい学校カリキュラムを削ることなく、密にならずに地域や学校による防災教育の格差を是正することができるデジタル防災コンテンツです。
教職員用の指導手引きシステムを搭載しているため、正しい防災知識を児童・生徒に伝えることができ、教職員の授業準備の負担を軽減できます。
また、小学校低学年から中学校まで、多岐にわたる災害に対する備えを、専門家監修のもと、段階的に着実に習得が可能で、児童・生徒の解答結果を可視化するシステムも搭載しているので、実際に学習内容が身についているかどうか確認することができます。

教職員の働き方改革はDXから

教職員の働き方改革実現 DX事例|凸版印刷

教職員の働き方改革は、ICTの活用をはじめとしたDX(デジタルトランスフォーメーション)に期待がかかっています。人力でしかできない授業や生徒への対応に教職員のリソースを集中させ、自動化・効率化できる業務はDXを推進して自動化する。これが、今後の有効な方法と言えるのではないでしょうか。

先述の「E-Traノート」のような連絡手段のデジタル化のほか、週案・指導案のデジタル化、授業準備の教職員同士の共有、採点システム導入などが挙げられます。

まとめ

教職員の働き方改革は、いま、まさに急速に進められている最中です。より質の高い教育にアップデートしていくためにも、積極的なDX推進が重要になってくると考えられます。

今回ご紹介したトッパンの「E-Traノート」や「部活動トレーニングシステム」「デジ防災™」を、その一助としていただければ幸いです。

2023.04.05