高齢者向き体操レクリエーション10選!
デイサービスでおすすめのメニューは?
デイサービスや老人ホームでは、体操をレクリエーションに取り入れることで、高齢者の健康維持や身体機能の向上が期待できます。椅子に座ったまま行える体操は、体力や体調に合わせて安全に実施できるため、集団活動としてもおすすめです。
この記事では、高齢者向けの体操レクリエーションの効果や実施に必要な準備、楽しく取り組むためのコツを解説します。また、首や肩、太もも、口腔機能向上など部位別のおすすめ体操10選を紹介し、AIが参加者に合わせたレクを提案する「WAN-かいご」についてもご紹介します。体操レクリエーションを充実させたい方は、ぜひご覧ください。
■デイサービスや老人ホームで行う体操の効果
■レクリエーションとして行う集団体操がおすすめ
■高齢者向け体操レクリエーションの実施に必要な準備
1|参加者の体調・体力の確認
2|必要な道具と環境整備
■椅子に座ってできる高齢者向け体操レクリエーション10選
1|首周りの体操
2|肩の体操
3|太ももの体操
4|足踏み体操
5|足指の体操
6|グーパー体操
7|深呼吸トレーニング
8|音楽を使った体操
9|ボールを使った体操
10|パタカラ体操(口腔体操)
■体操を実施しない・中止すべきケース
■体操レクリエーションを楽しく実施するコツ
1|笑顔で前向きな言葉をかける
2|運動後にリラックスできる時間をつくる
3|参加者に合わせてレベルを設定する
■参加者に合わせたレクをAIが提案|「WAN-かいご」
■まとめ
■デイサービスや老人ホームで行う体操の効果

デイサービスや老人ホームでの体操は、高齢者の健康維持に欠かせない活動です。適度な運動を継続的に行うことで、身体機能の維持・向上が期待できるだけでなく、生活の質を大きく向上させる効果があります。
日常生活において、体操は運動習慣をつけるきっかけとなり、寝たきり状態や要介護状態になることを予防する重要な役割を果たします。特に、スタッフの見守りがある環境で行うことで、安全に運動を継続できる利点があります。
また、体操には認知機能の維持・向上効果も期待できます。音楽に合わせて体を動かしたり、指示に従って運動したりすることは、脳への良い刺激となります。
さらに、他の利用者と一緒に体操を行うことで、自然とコミュニケーションが生まれます。「あの人も頑張っているから私も頑張ろう」という気持ちが芽生え、運動が苦手な方でも前向きに取り組めるようになります。利用者同士が励まし合い、交流を深める機会にもなり、孤立感の軽減にもつながります。
このように、施設での体操は身体機能の維持だけでなく、認知機能の向上や社会性の向上など、多面的な効果をもたらします。定期的な体操の実施は、高齢者の心身の健康を総合的にサポートする大切な取り組みと言えます。
■レクリエーションとして行う集団体操がおすすめ

デイサービスの体操は、個人で行うものと集団で行うものがありますが、特に集団で行うレクリエーション形式の体操は多くのメリットがあります。参加者同士が自然と会話を交わし、和やかな雰囲気の中で運動を楽しむことができるためです。
集団での体操は、利用者同士が互いに励まし合える環境を作り出します。「みんなで一緒に頑張ろう」という気持ちが生まれ、運動に対する意欲を高めることができます。また、一人では続けにくい運動も、仲間と共に取り組むことで継続的な実施が可能になります。
さらに、集団での実施には相互に動作を確認し合える利点もあります。隣の参加者の動きを見ることで、自然と正しい体操の方法を学べます。スタッフの指導も、全体に向けて一度に行えるため、効率的に運動指導を進められます。
体操のメニューも、立って行うものから座ったままでもできるものまで、参加者の体力や身体状況に合わせて選択することができます。機能訓練指導員が個々の状態を把握した上で、適切な内容を提案してくれるため、病気やケガなどで不安を感じる方でも安心して参加できます。
このように、集団での体操レクリエーションは、運動効果だけでなく、参加者同士の交流促進や継続的な運動習慣づくりにも効果的です。
■高齢者向け体操レクリエーションの実施に必要な準備

体操レクリエーションを安全かつ効果的に実施するためには、事前の準備が重要です。参加者の体調確認から環境整備まで、必要な準備を適切に行うことで、より充実した活動を提供することができます。
1|参加者の体調・体力の確認
体操を始める前には、必ず参加者の体調チェックを行う必要があります。バイタルサインの確認は特に重要で、体温、脈拍、血圧などを測定し、体調に問題がないかを確認します。
運動前の脈拍が10秒間で20回以上(1分間に120回以上)の場合は、体操への参加を避けることが推奨されます。また、拡張期血圧が120mmHg以上、収縮期血圧が200mmHg以上の場合も参加を控えるべきです。
体調チェックは体操開始直前だけでなく、運動中も継続的に行います。参加者の様子を注意深く観察し、息切れやめまい、動悸などの症状が出現した場合は、すぐに休息を取らせる必要があります。
2|必要な道具と環境整備
体操を行うための基本的な準備として、参加者の人数分の椅子を用意します。椅子は、前で指導する人の動きがよく見える位置に配置し、参加者同士が両手を広げても接触しない間隔を確保します。
音楽も重要な要素です。ストレッチなどゆっくりとした動きの際は、ピアノや自然音などリラックスできる音楽を選びます。トレーニング系の体操では、「365歩のマーチ」や「上を向いて歩こう」など、高齢者に馴染みのあるアップテンポの曲を使用すると効果的でしょう。
座る位置は、両足の裏全体が床につくように浅く腰かけることが基本です。身長の低い方は足が床に届かないことがあるため、低めの椅子を使用するか、足台を設置して対応します。また、水分補給用の飲み物も必ず準備しておきましょう。
■椅子に座ってできる高齢者向け体操レクリエーション10選

高齢者の方々が安全に楽しく取り組める、椅子に座って行う体操を10種類ご紹介します。それぞれの体操には独自の効果があり、日常生活の動作改善や機能維持に役立ちます。参加者の体力や体調に合わせて、適切なメニューを選択してください。
1|首周りの体操
首の柔軟性を高め、肩こりの予防にも効果的な基本的な体操です。
【具体的な手順】
① 頭をゆっくりと前に倒して首の後ろ側を伸ばす
② 頭を前に倒したまま少し右に寄せ、首の左斜め後ろを伸ばす(反対も同様)
③ 頭を後ろに倒し、首の前側を伸ばす
④ 頭を後ろに倒したまま顔を少し右に傾け、首の左斜め前を伸ばす(反対も同様)
⑤ 頭を時計回りにゆっくりと回す(反対回しも行う)
【期待できる効果】
咀嚼・嚥下機能の維持や肩こりの予防、バランス能力の維持に効果的です。
【注意点】
無理な動きは首の筋肉を傷める可能性があるため、気持ちいいと感じる程度の力加減で行います。
2|肩の体操
日常生活でも使用頻度の高い肩周りの機能を維持・改善する体操です。
【具体的な手順】
① 息を吸いながら両肩をグーッと上げる
② 息を吐きながらストンと落とし、肩の力を抜く
③ 右肩に右手、左肩に左手を乗せる
④ 肘で大きな円を描くように前から後ろへと回す(反対回しも行う)
【期待できる効果】
衣服の着脱や入浴時の動作がしやすくなります。肩コリの改善にも効果があります。
【注意点】
肩先だけでなく、肩甲骨からしっかり動かすイメージで行うことが重要です。
3|太ももの体操
座ったままでも効果的にハムストリングスを伸ばすことができる体操です。
【具体的な手順】
① 椅子に腰をかけ、片足のひざを伸ばして前に出す
② 体を前に倒し、前に出した方の足首を持つ
③ 太もも裏の伸びを感じる(反対の足も同様に行う)
【期待できる効果】
腰痛予防や姿勢改善の効果が期待できます。
【注意点】
足首まで手が届かない場合は、スネやひざなど持てるところまでで構いません。前に出した足のつま先を天井に向けることを意識します。
4|足踏み体操
全身の筋肉を使いながら、リズミカルに楽しく行える体操です。
【具体的な手順】
① 太ももを高く上げてその場で足踏みをする
② 足踏みのリズムに合わせて腕も前後に大きく振る
③ 1、2、3、4とカウントしながら行い、5の倍数の時に手を叩く
【期待できる効果】
腕や太もも、お尻の筋肉を鍛えることができます。クールダウンとしての効果も期待できます。
【注意点】
立ち姿勢が難しい場合は、椅子に座りながら行うことも可能です。
5|足指の体操
足の指の柔軟性を高め、バランス能力の向上を目指す体操です。
【具体的な手順】
① 足の指全体をギュッと丸めてグーを作る
② 足の親指だけを上げ、他の指は下げてチョキを作る
③ 足の指全体を開いてパーを作る
【期待できる効果】
外反母趾や偏平足の予防、歩行時のバランス能力向上に効果があります。
【注意点】
指が思うように動かない場合は、靴下を脱いで目で確認しながら行うことをお勧めします。
6|グーパー体操
脳の活性化を促しながら、手指の運動機能を維持する体操です。
【具体的な手順】
① 右手を前に出してパーにし、左手は胸の前でグーにする
② 手を入れ替えて左手をパーにして前へ、右手はグーにして胸の前に持ってくる
③ この動作を繰り返し行う
【期待できる効果】
認知症予防や手指の柔軟性維持に効果的です。
【注意点】
動作が難しい場合は、両手同時にグー・パーを行うところから始めましょう。
7|深呼吸トレーニング
呼吸筋を鍛えながら、リラックス効果も得られる体操です。
【具体的な手順】
① 両手を広げて胸を張り、鼻から大きく息を吸う
② 背中を丸めるようにして口からゆっくりと息を吐く
③ 広げた手はおへそあたりまで戻す
【期待できる効果】
腹筋を鍛え、姿勢の安定や深い呼吸の促進に効果があります。
【注意点】
お腹の膨らみとへこみを意識しながら行いましょう。
8|音楽を使った体操
懐かしい曲に合わせて楽しく体を動かす体操です。
【具体的な手順】
① 「ドン」の時はひざを叩き、「パン」の時は手を叩く
② みんなで歌いながら動作を行う
③ ラジオ体操の動きを座ったまま行う
【期待できる効果】
普段あまり使わない部分のストレッチや全身運動として効果があります。
【注意点】
高齢者がよく知っている曲を使うとより楽しめます。
9|ボールを使った体操
ボールを使って内もも周りの筋肉を鍛える体操です。
【具体的な手順】
① 椅子に腰をかけ、太ももでボールを挟む
② ボールを太鼓のように手で叩く
③ 左右交互にリズミカルに叩く
【期待できる効果】
内ももや腹筋を鍛え、体幹の安定性を高めることができます。
【注意点】
ボールが落ちにくいように、軽く空気を抜いておくと良いでしょう。
10|パタカラ体操(口腔体操)
口腔機能の維持・向上を目的とした体操です。
【具体的な手順】
① 口を閉じた状態から「パ」と大きな口を開けて発声
② 舌を上あごにつけて「タ」と発声
③ のどの奥を閉じるイメージで「カ」と発声
④ 舌を巻き前歯の裏につけるようにして「ラ」と発声
【期待できる効果】
誤嚥防止や表情筋のトレーニングとして効果的です。
【注意点】
童謡など耳馴染みのある曲を「パ・タ・カ・ラ」を使った歌詞にアレンジして歌うのもおすすめです。
■体操を実施しない・中止すべきケース

高齢者の体操は安全に配慮して実施する必要があります。以下の基準に該当する場合は、体操の実施を控えるか中止することが推奨されています。
ケース | 実施基準 |
運動療法を 行わないほうがよい場合 |
・安静時脈拍数120回/分 ・拡張期血圧が120mmHg以上 ・収縮期血圧が200mmHg以上 ・労作性狭心症を現在有する方 ・心筋梗塞発作から1か月以内の方 ・うっ血性心不全の所見が明らかな方 ・心房細動以外の著しい不整脈がある方 ・運動前から動悸や息切れがある方 |
途中で運動療法を 中止する場合 |
・中等度の呼吸困難、めまい、嘔気、狭心痛が出現 ・脈拍が140回/分を超える ・1分間に10回以上の期外収縮や 頻脈性不整脈が出現 ・収縮期血圧が40mmHg以上、 または拡張期血圧が20mmHg以上上昇 |
途中で運動療法を 休ませて様子を見る場合 |
・脈拍数が運動前の30%を超えた場合 ・脈拍数が120回/分を超えた場合 ・1分間に10回以下の期外収縮が出現 ・軽い動悸や息切れを訴えた場合 |
参加者の体調変化には細心の注意を払い、少しでも異常が見られた場合は、本人の意思を尊重しつつも、適切な判断のもと休息を取っていただくことが重要です。
■体操レクリエーションを楽しく実施するコツ

体操レクリエーションを効果的に実施するためには、参加者が楽しく前向きに取り組める環境づくりが重要です。
以下では、体操を成功に導くための具体的なポイントをご紹介します。
1|笑顔で前向きな言葉をかける
指導する側も笑顔で楽しみながら行うことで、その場の雰囲気が明るくなります。全体を見渡しながら参加者の表情を確認し、目が合ったときにはニコッと微笑み返すなど、アイコンタクトを意識的に取り入れましょう。「よく動けていますね」「その調子です」といった前向きな言葉で、しっかりと褒めることも大切です。ただし、声掛けは丁寧な言葉遣いを心がけ、子ども扱いするような表現は避けるようにします。
2|運動後にリラックスできる時間をつくる
体操の後は、ほっと一息つける休憩時間を設けることが重要です。運動後にリラックスできる時間を確保することで、それを楽しみに体操を頑張ろうという意欲向上にもつながります。
深呼吸でクールダウンしたり、参加者同士で会話を楽しんだりする時間を設けましょう。この時間は水分補給や体調確認、必要に応じてトイレ誘導を行う機会としても活用できます。
3|参加者に合わせてレベルを設定する
体操を行う際は、適切なレベル設定が非常に重要です。あまりに簡単すぎると物足りなさを感じ、逆に難しすぎると自信を失ってしまう可能性があります。
参加者それぞれの状態をきちんと把握し、楽しみながらできるレベルに設定することが大切です。簡単に取り組める方には立って行う体操や道具を使用する体操など、無理のない範囲でステップアップを図ることも効果的です。
■参加者に合わせたレクをAIが提案|「WAN-かいご」

デイサービスや老人ホームでは、利用者一人ひとりの身体状態や認知機能に合わせた適切なレクリエーションを提供することが求められます。しかし、日々のレクリエーションの準備や計画立案には多くの時間と労力がかかり、また、参加者それぞれに適した内容を考えることは容易ではありません。
このような課題を解決するために開発されたのが、TOPPANの提供する介護レクリエーションサービス「WAN-かいご」です。このシステムは、150種以上のレクリエーションコンテンツと100種以上の塗り絵コンテンツを搭載し、施設や利用者の情報をAIにインプットすることで、一人ひとりに最適なレクリエーションプログラムを自動で提案します。
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■まとめ
高齢者向けの体操レクリエーションは、身体機能の維持・向上だけでなく、認知機能の改善や社会性の向上にも効果があります。実施する際は、参加者の体調や体力をしっかりと確認し、安全面に十分配慮することが重要です。また、笑顔で声かけを行い、適切なレベル設定をすることで、参加者が楽しく継続的に取り組める環境を作ることができます。
日々のレクリエーション計画の立案や実施に悩まれている方には、AIが最適なプログラムを提案してくれる「WAN-かいご」の活用がおすすめです。エビデンスに基づいた質の高いコンテンツを、参加者一人ひとりの状態に合わせて提供することができ、介護スタッフの業務効率化にも貢献します。
2025.02.12