コラム

生き抜く力を身につけるための

「主体的・対話的で深い学び」とは?

小学校では2020年から施行されている新学習指導要領に「主体的・対話的で深い学び」からの授業改善、という視点が盛り込まれました。導入から3年目を迎える今改めて、そのねらいや背景、実践例や具体例などを紹介したいと思います。


目次

1.「主体的・対話的で深い学び」が求められる背景
2.「主体的・対話的で深い学び」とは
3. 観点別評価との関連
4.「主体的・対話的で深い学び」の実践
5. デジタルドリル×学習支援ツール『navima』

1.「主体的・対話的で深い学び」が求められる背景


新学習指導要領では、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性」という3つの資質・能力(=学力の3要素)を伸ばすことをめざしています。その理由として、AIの発展もめざましいこれからの時代を生き抜くために、知識や技能だけでなく、予測できない変化に主体的に向き合い、他者と協力しながら、生涯にわたって能動的に学び続ける姿勢が求められていることが挙げられます。
学びの3要素といわれる資質・能力を伸ばすために、「どのように学ぶか」に注目して授業の質を高めるために示されたのが「主体的・対話的で深い学び」であり、主語は「子ども」です。

2.「主体的・対話的で深い学び」とは


授業内容の改善に求められる視点は、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の3つにわけることができます。
それぞれどのような学び方なのか、詳しく見ていきます。

・「主体的な学び」とは・・・子どもが自ら学ぶことに関心を持ち、学習活動を見通し、粘り強く取り組み、振り返って次につなげること

・「対話的な学び」とは・・・子ども同士での学び合いや地域の人との対話など、他者と協働すること等によって、自己の考えを広げ、深めること

・「深い学び」とは・・・見方・考え方を働かせ、知識を関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したりすること

これらの視点で、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通し、授業内容をよりよくしていくことが求められています。
また、これらの学びの土台となるのが、教室の中に安心して話せる人間関係が構築されていることです。自分の発言は受け止め、尊重してもらえると思える集団づくりが、学びへの意欲や対話、協働につながるでしょう。

3.観点別評価との関連


これまでは「総合的な学習の時間」などでアクティブ・ラーニングを取り入れた授業が行われるのが一般的でした。しかし、学習指導要領の改訂に際して「指導と評価の一体化」が原則となり、各教科で観点別評価が導入されました。つまり、あらゆる教科において「知識・技能」だけでなく「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」を育む授業を行い、評価もその観点で行うことになりました。

例えば思考・判断・表現力の評価について、文部科学省の「新学習指導要領に対応した学習評価(小・中学校編)」には、「ペーパーテストのみならず、論述やレポートの作成、発表、グループや学級における話し合い、作品の制作や表現等の多様な活動を取り入れたり、それらを集めたポートフォリオを活用したりするなど評価方法を工夫することが考えられます」と記載されています。思考力や判断力、表現力を伸ばすためのアプローチとして、主体的・対話的な学び方が求められていることがわかります。

ただ、従来のやり方を否定したり、何か新しい教育方法を導入しなければと考える必要はありません。これまでの蓄積を生かして、知識を正確に理解させ、その質を高めるための地道な授業改善を行っていくことが大切なのです。

4.「主体的・対話的で深い学び」の実践


教科の指導方法を工夫するだけでなく、学習ツールを工夫し、一人ひとりの学習状況に基づいたコミュニケーションを取ることも、学習意欲を高めることにつながります。

文部科学省による教員向け指導資料にも「ICTの活用により、学習履歴(スタディ・ログ)や生徒指導上のデータ、健康診断情報等を蓄積・分析・利活用することが重要」「児童生徒がICTを日常的に活用することにより、自ら見通しを立てたり、学習の状況を把握し、新たな学習方法を見いだしたり、自ら学び直しや発展的な学習を行いやすくなったりする等の効果が生まれることが期待されます」と記載されています。
学習動画やゲーミフィケーション、STEAM教育向けのコンテンツなども活用することで、主体的な学びや対話的な学びの促進につながります。

アクティブ・ラーニングにおいては「マンネリ化すると飽きる」「人任せにしてしまう子が出てくる」「授業の進行に時間がかかる」といった課題が見られましたが、ICTもうまく活用することでこれらの課題を解消し、授業内容をより充実させることが期待されます。

各都道府県では主体的・対話的で深い学びの実践のため、授業改善例を集めた実践集を作成したり、PBLの導入やアクティブ・ラーニング指導用ルーブリックを作成するなど、様々な取り組みが始まっています。子どもたちの生きる力を育むため、授業内容をより良くする工夫に終わりはありません。教える側にも、主体的で対話的な深い学びが求められていると言えそうです。

5. デジタルドリル×学習支援ツール「navima」


デジタル学習プラットフォーム『navima』は、子どもたちの学ぶ意欲の向上や対話的な学びにご活用いただけます。
例えば理科、社会の「問いカード」は、教科書に添った「問い」で子ども同士の探究学習を深めることができます。また話し合って意見をまとめることに慣れるために「ファシリテーションシート」で自発的な気づきや対話を促し、学び合いをサポートしていただけます。ゲーミフィケーションの要素を取り入れたドリルは、見通しを持って主体的に取り組むことを促進します。

小中学生向けデジタル教材プラットフォーム「navima」についての詳細は、ぜひお問い合わせください。

2024.11.08

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