「主体的・対話的で深い学び」の実践における授業づくりのポイントとは?
これからの社会を生き抜く子どもたちに求められる力を育む学び方のひとつが「主体的・対話的で深い学び」。具体的には、子どもが自ら学ぶことに関心を持ち、粘り強く取り組む姿勢や、他者との協働や対話を通して考えを広げ、知識を相互に関連付けてより深く理解できるようになる学び方です。こうした学び方を実践するには、どのような授業づくりをしていくといいのか、考えてみたいと思います。
1.「主体的・対話的で深い学び」を実践する2つの手法
小学校で2020年から新学習指導要領が施行されて以来、学校現場では主体的・対話的で深い学びの実践に向けてさまざまな授業のあり方が試行錯誤されてきました。
児童・生徒が受け身ではなく能動的に考えて学ぶためのアプローチの例として、次の2つの学習法があります。
●PBL型(Project-Based Learning)=課題解決型学習法
地域課題や社会問題など実社会の身近な課題について仮説を立て、自分たちで調査や計画を行い、実行します。具体的には、調べ学習で立てた仮説をインタビューや実地調査などを通して確認し、プレゼンテーションやレポートなどにまとめます。学習プロセスに協働作業を多く取り入れることで、課題解決力だけでなくコミュニケーション能力や探究心を育むことができます。そのため成果物で評価するのではなく、プロセスを重視することが大切です。また、長期的な活動になることが多いので、見通しを持って取り組む必要があります。
●ジグソー法
児童・生徒同士がテーマや課題について、役割分担して個人やグループで一部分ずつ受け持ち、学んだ内容を専門家として教え合うことで、全体像を浮かび上がらせていく協働学習法です。各自が自分のパートを担当することで責任感が生まれ、他者に教えることによって相互協力につながるとともに、自分自身の理解がより深まることが期待されます。役割分担の明確化と、共有の時間をしっかり持つことが重要です。
こうしたプロジェクト型の学びに加えて、日々の授業の中にも「主体的」「対話的」な学びを取り入れる両輪での取り組みが必要です。
2.「主体的・対話的で深い学び」の土台となる3つの要素
どのような手法を用いるかに関わらず、「主体的・対話的で深い学び」の土台として必要になるものがあります。
第一に、教室内に心理的安全性が担保されていること。児童・生徒が自分の意見を話してもいい、聴いてもらえると感じられる空気があることが前提となります。そのためにも、教員が児童生徒を「この子たちならできる」と心から信頼し、ファシリテーターに徹することや、ゴールを明確にしたうえで、全体の見通しを持って進められるようにさりげなくサポートすることが大切です。
また、テーマ設定や「問いかけ」も重要です。子どもたちが自分事として当事者意識を持つことができ、熱意を持って話し合いたくなるテーマであることや、なぜこのテーマに取り組むのかという動機付けができていること、「一人では難しいけれどみんなで取り組めばできそうだ」と思える適切な難易度であることが必要になります。
具体的には地域の環境保全の取り組みや、国際交流や地域交流イベントの計画、学校内のスペースの有効活用の提案など学習目標が明確で、さまざまな角度から考えることができて自分たちで解決策を考えたいと思えるテーマであること。また、習っている単元と生活や社会とのつながりが感じられるテーマであれば、興味関心を持って取り組みやすいでしょう。
さらに、ICTの活用も効果的です。情報収集はもちろん、オンラインでの協働学習ツールを使って調べてまとめたことをグループやクラス内で共有したり、発表資料の作成もスムーズにできます。また、書き込みをしたり何度も書いたり消したりすることができるため、試行錯誤しやすく、グループワークやペアワークがスムーズになるといった利点も。
また、授業中にディスカッションやグループワークの時間を確保するためには、問題演習による知識の定着確認は短時間で集中的に行う必要があります。自動採点や次に取り組む問題のレコメンド機能などがあるデジタルドリルなら、効率的に問題演習に取り組むことができ、その分探究的な学習に時間を充てることができます。
3. デジタルドリル×協働学習支援ツール「navima」
デジタル学習サービス「navima」は、子どもたちが自ら取り組みたくなる学びや、対話的な学びにご活用いただけます。
例えば協働学習を支援する「学び合いツール」として、理科と社会に関するオリジナルの問いを搭載。それぞれの問いごとに、子どもの自発的な気づきや対話を促す声かけの例や学びのポイントを掲載した教職員用の「ファシリテーションシート」も用意しています。児童・生徒がタブレット上で入力した「問いカード」を、クラスで共有してお互いにコメントやいいねをつけることもできます。
小中学生向けデジタル学習サービス「navima」についての詳細は、ぜひお問い合わせください。
2024.11.07