工場や倉庫における
暑さ・寒さ対策などの
環境整備の重要性とは
工場や倉庫における過度な暑さや寒さは、働く従業員の作業効率を下げることがあり、生産性低下につながるリスクがあります。
また、働きにくさから離職率が上がってしまい、人手不足につながる恐れもあります。
今回は、工場や倉庫における暑さ・寒さ対策などの環境整備のメリットから実際の対策までご紹介します。
工場や倉庫の暑さと寒さの課題を対策するメリット
工場や倉庫の暑さと寒さに関するよくある課題を見ていきましょう。
暑さと寒さのよくある課題
●夏場に施設内が異常な暑さとなり熱中症のリスクが高まる
●空調を稼働しているのに施設全体が冷えにくく暖まりにくい
●過度な暑さと寒さが従業員の体調を損ねる原因となり、生産性の低下や労働災害が起きやすくなる
このように工場や倉庫内の過度な暑さや寒さは体調悪化につながり、生産性低下や労働災害につながってしまう恐れがあります。
課題を対策するメリット
これらの課題を対策することにより、次のようなメリットが期待できます。
●作業効率・生産性向上
快適な温度を保つことで、従業員の作業効率やモチベーションを高めることができ、生産性の向上が期待できるでしょう。体調不良によるミスも低減するため、品質向上にもつながります。
●労働安全・健康に寄与
過度な暑さにさらされると、従業員は熱中症などで体調を崩してしまう恐れがあり、そのため作業中の転倒などで深刻な労働災害につながるリスクもあります。暑さと寒さの対策をとることは、従業員の安全と健康を守ることにつながります。
●働きやすい環境による従業員満足度向上
快適な温度環境で働く従業員は働きやすい環境と認識するため、満足度向上が期待できます。従業員満足度が向上すれば、定着率も上がると考えられます。
工場や倉庫の暑さと寒さの原因
工場や倉庫の暑さと寒さの原因を確認しておきましょう。
工場の暑さの原因
●屋根や外壁への直射日光による輻射熱
建物内が暑くなる原因は太陽の輻射熱が大きいとされています。輻射熱とは、建物の屋根や外壁が熱せられると、次に屋根や外壁から建物内に放出される熱を指します。
●屋根や壁が熱をためやすい構造
工場や倉庫の屋根や外壁の構造が関係することがあります。例えば鉄製屋根の工場では、太陽の強い光を受けると熱をためこみやすいため、より工場内部に熱が放出されてしまいます。これにより工場内部の温度を徐々に上昇させてしまいます。
●建物の構造上、空調の効果が行き渡らず冷えにくい
多くの工場や倉庫は面積が広く、天井が高い構造になっていることが多いため、空調を稼働させても効果が施設内全体に行き渡らないことがあります。そのため、施設内の場所によっては温度が快適でないことがあります。
●空調設備がない
何らかの理由で空調設備が設置されていない施設もあります。この場合は温度コントロールができないため、他の手段で作業環境を改善する必要があります。
●空調が省エネ温度を守っている
省エネを目指して空調の温度を控えめに設定している場合があります。この場合、夏場は冷房の効果があまり感じられず、熱中症のリスクにつながる恐れがあります。
●熱を発する機械を扱う
工場で稼働している機械は、使用時に熱を放出することがあり、これが工場内の温度を上昇させる原因となることがあります。
工場の寒さの原因
工場の暑さの原因として挙げた、空調の効果が行き渡らないことと空調設備がないことについては寒さの原因にもなりえます。その他、工場の寒さの原因は次のことが考えられます。
●冷たい空気が床付近にとどまってしまう
空気の性質上、冷たい空気は暖かい空気よりも重いため、床付近に漂うことになり、従業員は寒さを感じがちです。
●コンクリートの床から熱が逃げてしまう
工場や倉庫の床は、コンクリートでできていることが多いですが、コンクリートの床は熱が逃げやすい特徴があります。暖房で室内を暖めようとしても、コンクリートが暖房から受け取った熱を外部へ逃してしまうことになり、施設内が暖まりにくくなります。
●外気温の影響が大きい立地
周辺環境の影響を受けることもあります。例えば、周囲に建物がほとんどない場合は風通しがよく、ビルや民家が集まっている場所と比べれば冷えやすくなります。寒冷地域ではその影響は大きくなるでしょう。
●製品や材料の品質保持のため管理温度を下げる必要がある
製品や材料などの品質保持のために、低温で管理する必要があるケースが多くあります。食品では特に室温を一定以下に保つ必要があり、低い温度の中で防寒着を着用して働かなければならないこともあります。

工場や倉庫の暑さと寒さの対策
工場や倉庫の暑さと寒さの原因に対しては、どのような対策が考えられるのでしょうか。
暑さと寒さそれぞれの主な対策をご紹介します。
工場・倉庫の暑さ対策
●屋根や壁に断熱材・断熱塗料を施工
屋根や壁に断熱材や断熱塗料を施工することで施設内の暑さ対策になります。
例えば、TOPPANの工場・倉庫環境ソリューションの一つである遮熱塗料「TPK 遮熱塗料®︎」や「ボンフロンサンバリア®︎」は、屋根に塗布することで遮熱効果や温度調節機能を発揮します。
●窓ガラスにガラス遮熱塗料を塗布
窓ガラスに対して遮熱塗料を塗布することで、窓からの熱を軽減し、施設内への影響を和らげます。
例えばTOPPANが施工可能な「クリアルマイサニーNano」という遮熱塗料は、特殊金属膜コーティングにより工場や倉庫の湿度を最適化し、窓からの熱を軽減することで夏は涼しく、冬は暖かい環境を実現できます。
●シーリングファンで空気を循環させる
天井に付けるシーリングファンを回すことで、空気を施設内に循環させることができ、冷房の冷えた空気を全体に行き渡らせやすくなります。
●屋根用スプリンクラーで冷却する
屋根の最上部の配管に、水圧によって自動的に回転し、水を均等に屋根の上に散らす屋根用スプリンクラーを設置し、冷却する方法です。これにより施設内に屋根の熱が放出されにくくなります。
●遮熱シートを設置する
屋根や外壁に遮熱シートを設置することで、太陽光からの輻射熱が施設内へ放出されるのを遮ることができます。
●スポットクーラー、大型扇風機などの設置
施設内にスポットクーラーや大型扇風機を導入設置することで、局所的に涼しくさせることが可能です。
工場・倉庫の寒さ対策
●屋根や壁に断熱材・断熱塗料を導入
暑さ対策と同様に、断熱材や断熱塗料は空調効率を向上させるため、寒さ対策になります。
●ガラス遮熱塗料を塗布する
先述のガラス遮熱塗料「クリアルマイサニーNano」は、窓から流出する遠赤外線を封じ込めることで部屋の暖かさを保持することが可能です。
●ストーブ・ビニールカーテン・遮熱シート・底冷え対策用のマットの設置
寒さ対策として、ストーブを設置して局所的に温めたり、ビニールカーテン・遮熱シートなどの暖かい空気を逃さないものや、底冷え対策用のマットなどの暖かさを保持するものなどを導入したりすることも一案です。
まとめ
工場や倉庫内で働く従業員の過度な暑さや寒さを対策することは、従業員のモチベーションや作業効率を高め、生産性向上に寄与します。ぜひ早急に課題解決を目指しましょう。
TOPPANの工場・倉庫環境ソリューションでは、今回ご紹介した内容以外にも、貴社の現場の環境や建物に合わせた最適なご提案をさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
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2023.12.21