パフォーマンスマーケティングサービス コラム

MA導入の成功を阻む「3つの溝」。
それを乗り越えるためにどうすべきか?

  • コミュニケーションデザイン本部
  • インタラクティブ部3T 課長
  • 太田 洋芳

MA(マーケティングオートメーション、以下、MA)などのツールを導入して自社のデジタルマーケティングを強化しようと考える際、最も大きなハードルは何でしょうか。

CRMやSFA、DMP/CDPやBIなど、企業内で既に導入済みのシステムとの連携や、カスタマージャーニーの設計、メール配信シナリオの設計など、課題として挙げられる要素は数多く存在します。しかし、最も多くの企業が直面するのは、「導入後の運用が軌道に乗らず、思っていたような成果が上がらない」という課題なのです。

いまや、デジタルマーケティングの世界には、7,000以上のマーケティングツールが存在していると言われており、目的に応じて複数のツールを連携させて、データを活用したOne to Oneコミュニケーションを図ることは当たり前になっています。

とはいえ、実際にさまざまなツールを使いこなしつつ、施策のPDCAを回し続けるのは、想像以上に難しいことです。この複雑さを理解せず、十分なスキルを保有しないまま運用フェーズに入ると、思わぬトラブルに見舞われることになります。

そこで今回は、凸版印刷でお客様のデジタルマーケティングの運用支援を行う太田 洋芳から、MAの導入において生まれがちな「3つの溝」と、それらを乗り越えるために凸版印刷が提供できる価値について、詳しく紹介していきます。
※所属企業名・部署名は2021年9月時点


【参考】


企画や戦略が「絵に描いた餅」になっていないか

ではさっそく、MAの各導入段階で失敗につながる「3つの溝」とは何なのか、順にご説明します。

まず1つ目は、MA導入期に生まれる、システムと運用の担当者間で生じる溝です。

よくあるケースは、ビジネスサイドからの要求を受け、マーケティングに明るくないエンジニアがMAを導入した場合です。互いに運用時の想定が不足していることが原因となり、実際に運用担当者がMAを触ってみると、「詳細なターゲット抽出ができない」「施策の幅を広げるために追加でエンジニアリングが必要となる」といった問題が発生してしまうのです。

これを防ぐには、MA導入初期の要件定義段階から、運用を担当するマーケターやエンジニアも議論に加わり、MA導入の目的や具体的な運用イメージを共有しながら設計・導入を進めていくことが大切です。

TOPPANでは、プロジェクトの初期段階から、経験豊富な運用担当者が議論に入り、企画やシステムの人間と三位一体となって導入を進めています。システムと運用の担当者間での溝が生まれないように考慮している点は、TOPPANの一つの特徴といえます。


「運用で生じるリスク」に備えられているか

2つ目は、MA運用初期に生まれる、企画と運用の担当者間で生じる溝です。

MAの運用においては、「顧客が商品を購入したらサンキューメールを送信する」「初回購入から3日後に、購入した商品に応じたレコメンドメールを配信する」など、顧客の行動に応じて、企画担当者が設計したシナリオを基に、運用担当者はさまざまなトリガーを設定して、自動でメールが配信される環境を整えていきます。

その設定過程においては、抽出ロジックの設定ミスによる非対象者へのメール配信が行われたり、配信クリエイティブの設定ミスによる未配信が生じたりするなど、思いも寄らないリスクが潜んでいることを見落としてはなりません。

もし企画担当者が、こうしたリスクに対して事前に対策を講じていなかったとしたら――。万一、トラブルが発生してしまった場合、せっかく築き上げた顧客との良好な関係性を壊す可能性がないとは言い切れません。

これまで数々の企業のMA運用を支援してきた経験をもとに、TOPPANでは「企画~シナリオ設計~MA設定」のフローにおいて、想定されるリスクを徹底的に洗い出し、入念なチェックを行う管理体制を敷くことで、リスクマネジメントを行なっています。


「運用に必要なスキル」は備わっているか

3つ目は、MA拡大期における、MAとその他のツールの間で生じる運用スキルの溝です。

冒頭でもお伝えした通り、MAの効果を最大化させてデジタルマーケティングを高度化していくためには、BIやDMPなど、段階的に複数のツールを組み合わせて活用することが必要です。

当然のことながら、ツールが増えるごとに、その機能・使い方を覚え、新たなスキルを取得することが求められます。さらに、各ツールは最新のテクノロジーを取り入れながら進化を続けているため、マーケティング施策として、取り組みを維持するためには、継続的なキャッチアップも不可欠です。

自社に置き換えて考えた際に、とめどなく増え続ける運用の作業ボリュームに対応し続けることは、はたして現実的に可能でしょうか。

TOPPANでは、各分野のスペシャリストを揃え、それぞれが自らのスキル領域を広げていくことで、ツールという枠にとらわれず、お客様のニーズに柔軟に対応できる人材を育成しています。

【参考】


さて、これまでMA導入における「3つの溝」と、TOPPAN流のアプローチをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。これからMAを導入される方はもちろんのこと、導入したけど失敗したと感じてしまっている、もしくはどこかの段階で行き詰まっている企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

長きに渡り、印刷を生業として個人情報を取り扱ってきたTOPPANだからこそ提供できる、セキュリティ万全の統合データ環境をご用意して、お待ちしております。


2021.01.29