トレンド予測の方法とは?
ビジネスへの活用例まで紹介
- TOPPAN CREATIVE編集部
トレンド予測は、社会や経済、技術、市場などのトレンドが、どのように変化していくかを予測するものです。
トレンド予測の結果は、企業のマーケティング戦略の策定や、新商品・サービスの開発、新たなニーズの掘り起こし、競合他社に先駆けた市場への参入・開拓、競争力の強化、リスク回避など、ビシネスのさまざまな場面に活用することができます。
本記事では、トレンド予測について、その重要性を解説するとともに、他社に先駆けるための方法や、具体的な活用方法を紹介します。
トレンド予測の意味・重要性
トレンドは、時間の変化とともに何らかの方向へ変わっていくようす(動向や傾向、潮流)を指します。トレンドにはごく最近のものから年単位の長期的なものまであり、いずれかの時間を切り取り、どのような変化が起こり得るかを予測するのが「トレンド予測」です。
トレンド予測は、社会構造や経済の仕組み、ライフスタイルや生活満足度、世代、業界の変化など全体的なものから、消費の変化、関連技術や用途、研究開発など専門領域のものまで、さまざまな情報から総合的に行います。
トレンド予測をする方法
トレンド予測の基本は、未来の一定の期間を切り出し、そのなかでで起こるであろう変化を推し量ることです。具体的にどのような方法があるかを見ていきましょう。
過去から予測する
過去のデータの動きから未来の状況を解析する方法を時系列予測といいます。
過去を参考にしたシミュレーションは、天気予報など身近なところで用いられる手法です。企業活動においても、曜日や時間帯、季節などの過去の状況から需要を予測し、生産や在庫の調整、人員配置を行うなど、日常的に活用していることでしょう。
トレンド予測では、この時系列予測をより長期的な視点で、また高度な解析手法で予測していくわけです。過去からの流れに沿っているため、時系列的に考えやすい予測となりますが、一方で、過去のデータを超えた要素は解析の前提に入りにくいため、連続性のない突発的な変化や、革新的な変化の出現は予測し難い手法です。
AIを活用する
トレンド予測で近年注目されているのが、AI(人工知能)を用いた予測です。
AIによるトレンド予測の特徴は、膨大なデータをもとに、属人的な偏見や固定観念を排除した分析を、リアルタイムで行える点です。
AIをトレンド予測に用いる際の注意点としては、解析結果が偏らないようAIに学習させるデータをバランスよくし、常に更新しなければならない点です。また、AIの予測結果は専門家や第三者機関などの人間による検証を行って信頼性や透明性を高めることも重要です。
トレンド予測誌の情報を活用する
トレンド予測は多種多様な解析モデルを使いこなし、膨大なデータを集めて分析する必要があります。個別に行おうとすると、領域ごとの専門機関に依頼して調査や分析を行ってもらうことになり、多額の費用が発生します。このため、各機関が発表するトレンド情報から読み解き、自社に当てはめる形で予測する方法が一般的です。
この場合、トレンド情報を得るには雑誌などの紙媒体が適しているでしょう。印刷物は確度の高い情報が多いうえに、多い文字量でも読みやすいようレイアウトや情報整理が工夫されているため、デジタルデータよりも深い読み解きに向いている傾向にあります。
ビジネスにおけるトレンド予測の活用例
ここからは、ビジネス上でトレンド予測がどのように活用されているのか、その具体例をみていきましょう。
新製品やサービスの開発
トレンド予測により、多方面にわたるジャンルの流行や人気の傾向を知ることができます。一般的に、ビジネスへの影響が直接的に現れる変化としては、技術面、ライフスタイルなどの社会行動、その背景にある価値観などがあります。
これらの変化のなかにある本質や課題を読み解くことにより、思いもよらないところに事業のヒントを見つけたり、新しい製品やサービスを創造したりするきっかけとなるのです。
マーケティング戦略の立案
トレンド予測は、膨大なデータに基づき、さまざまな数学的モデルを適用させて解析を行います。このため、マーケティング戦略を検討する際の根拠が明確になり、「勘やひらめき」のような属人的な感覚や恣意的な思い込み、理解不足による誤った解釈などに振り回されることなく戦略を決定することが可能となります。
特にAIによる解析は、人間では到底不可能なほど甚大な量のデータを使い、高速に解析処理を行うため、確度の高い予測をもとに効果的な検討を行うことができるでしょう。
在庫量の最適化
トレンド予測は、企画時の戦略立案だけでなく、生産管理の最適化や適正な在庫管理にも役立てることができます。AIによる解析は膨大なデータ処理を瞬時に行うため、リアルタイムでの状況把握が可能です。
売上の詳細な内訳だけでなく、顧客の属性や地域性、季節の変化など複雑な項目を組み合わせて今後の予測を立て、より精度の高い生産管理や在庫管理を行うことができるのです。
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商品・サービスは、世の中にリリースされた瞬間から既存の存在となっていきます。常に新しい潮流を意識し、少し先の未来に起き得るトレンドを予測しながら現在への投資を行っていかなければなりません。
AIをはじめとした科学技術や通信技術の進展が加速し、先を読むことが難しいといわれる現在において、いかにトレンド予測を的確に行うかは、市場での生き残りの要ともいえるでしょう。
本記事で紹介したトレンド予測の方法を活用し、常にアンテナを伸ばしておくとともに、良質な情報源から定期的な情報収集を図ることが重要です。
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2024.06.20