ウェビナーを録画配信する方法!
録画配信のメリットやコツも解説
- TOPPAN CREATIVE編集部
「ウェビナーを開催したいが、どんな方法がよいのか、何から着手してよいのか迷っている」という担当者におすすめしたいのが、録画による配信です。
本コラムでは、作り手も視聴者も納得度が高くなる録画配信のウェビナーについて、概要とメリット、実施手順、成功のポイントをまとめて解説します。
ウェビナーの録画配信の種類
ウェビナーには、大きく分けて、生中継(ライブ)で行うリアルタイム配信と、録画したものをサイトに掲載して発信する録画配信とがあります。
さらに、録画配信には、リアルタイムで配信したものを録画して再配信するアーカイブ配信と、録画配信を前提に事前収録したものを配信する録画配信専用の配信があります。
| リアルタイム配信:そのままの状態を配信(ライブ配信)
| 録画配信:リアルタイム配信を録画して再配信/事前に収録して配信
リアルタイム配信のアーカイブ配信
リアルタイムで行うウェビナーをライブ配信と同時に録画しておき、改めて動画コンテンツにして再配信する方法です。
ウェビナー当日に参加できなかった人がその場の雰囲気を追体験する機会を提供できるほか、参加した人でもセミナー内容を繰り返し確認する復習コンテンツとして活用できます。
ただし、いつでも視聴できる録画配信だと、ウェビナーの希少度が下がります。
期間限定の配信にしたり、臨場感を高めた編集にしたりと、単に録画をアップするだけではない工夫が必要です。
録画配信専用動画の配信
録画配信専用にあらかじめ収録して配信する方法です。企画からシナリオづくり、収録、編集に至る段取り全体で、納得いくまで繰り返し、ブラッシュアップできるのが特徴です。
ライブ収録のような緊張感や、双方向のやりとりが入った臨場感はないものの、放送事故や不適切発言などのトラブルを回避し、完成度の高いコンテンツを制作することができます。
商品やサービスの紹介、学習・研修の教材など、誤解なく伝わりやすい解説を必要とし、繰り返しの視聴が要求されるコンテンツに向いているといえます。
ウェビナーの録画配信のメリット
ここからは、リアルタイム配信に比べ、録画配信にどのような利点があるか、特徴を見ていきましょう。
労力を掛けず何度も配信できる
録画配信の大きな特徴は、視聴者がいつでも、繰り返し再生できるところです。
この繰り返し再生できる点は、製作者側にとっても大きなメリットです。
セミナーの開催には、膨大な手間やコスト、スタッフ体制を要しますが、通常その内容を届けられるのは、1度きりの開催に居合わせた人だけに限定されてしまいます。
その点、録画配信のウェビナーで、1度収録したものを何度も配信すれば、より多くの視聴者に内容を届けることができ、相対的に費用対効果を高めることができます。
参加者が集まりやすい
繰り返し再生でき、いつでもどこからでも視聴できる録画配信は、関心をもつユーザーの視聴の機会を逃しません。
時間の調整が不要なぶん、申し込むまでのハードルも下がるでしょう。
このため、1回の録画ウェビナーでより多くの集客が見込まれます。
また、リアルタイムで行う双方向のウェビナーは、視聴者の反応をていねいに把握しようとすると、参加人数に限界があります。
この点、録画配信は一方向で情報を伝えるので、視聴者の上限がなく、見込み顧客を増やすチャンスにもなるのです。
わかりやすく編集を入れられる
録画配信のウェビナーは、事前収録により都合のよいタイミングで編集を行えるため、細切れの時間しかない場合でも制作が可能です。
また、編集を工夫することにより、リアルタイムでは実現不可能なカット割りや文字・効果音による強調などの作り込みができます。
編集によっては、ひとつの収録内容から特徴的なシーンを切り出し、編集にバリエーションをもたせていくつもの動画コンテンツを作成できるメリットもあります。
コンテンツ制作と配信とが別になると、ひとつひとつの作業に集中できるので、ウェビナーに登壇する講師やスタッフにとっても、より高品質のウェビナーを生み出しやすくなります。
ウェビナーの録画配信のやり方・手順
ここからは、録画配信のウェビナーの制作・配信について、具体的な手順を解説します。
配信に必要な機材の用意
録画配信のウェビナーに必要となる基本の機材には、大きく分けて、録画機能をもつツールと、配信機能をもつツールがあります。
カメラ・マイク付きのPCとインターネットの通信環境があれば最低限の準備はできますが、録画配信のメリットを十分に活かす高品質のウェビナーを目指すのであれば、できる範囲で次のようなものを揃えておくとよいでしょう。
<インターネット環境>
| 光回線のような高速・大容量のデータ通信ができるもの
| 安定性を向上させるなら有線LANがよい
<PC>
| 動画編集を行えるスペックがあるもの
| 動画編集ソフトもインストールしておく
<Webカメラ>
| 解像度や画角にバリエーションをもたせて複数用意
<マイク>
| 集音範囲(指向性)に注意し複数用意
<ミキサー>
| カメラやマイクを切り替える装置
ウェビナーツールの選定
機材とあわせ、ウェビナーツールも選んでおきましょう。
ウェビナーツールは、映像や音声をインターネット上に配信するシステムです。
録画機能がついたウェビナーツールであれば、リアルタイム配信と同じ感覚で収録を行い、そのまま動画コンテンツに変換できて便利です。
ウェビナーツールに録画機能がない場合、別途映像や音声、字幕などを組み合わせる動画編集ソフトで動画コンテンツを作成した上で、ウェビナーツールを使って配信を設定します。
ウェビナーツールについては、以下のページも参考にしてください。
配信するプラットフォームの選定
次に、配信する動画コンテンツをアップするプラットフォームを選定します。
動画配信のプラットフォームとして最もよく知られているのはYouTubeですが、ウェビナーの目的やターゲットによって、選ぶべき配信先は異なります。
いつでも誰でもアクセスできるようにするのか、限定した公開設定にするのかなど、自社の配信スタイルにあわせて、最適なプラットフォームを選定してください。
ウェビナー動画の作成
映像と音声を収録し、視聴しやすく編集します。
視聴者が集中して視聴できる時間には限りがあるため、いろいろな内容を編集して1本の長い動画にまとめるよりは、伝えたい内容ごとにテンポのよい短めの動画を複数作成し、テーマをつけて個別にアップするほうが喜ばれる傾向にあります。
ビジネスツールとしての動画コンテンツは、視聴そのものが目的ではなく、視聴後のユーザーに何らかの行動変容を起こすためのものです。
ブランド認知の拡大を図るのか、見込み客の確度を高めるのか、商材の購入を促すのかなど、ウェビナーを企画したときの目的を意識し、視聴後のアクションにつながる導線を考えて動画を作成しましょう。
ウェビナーの録画配信を成功させるポイント
観やすく記憶に残るウェビナーを録画配信し、効果的なビジネスツールとするためのポイントをいくつかご紹介します。
複数のアングルから撮影する
録画配信の特徴である編集の力を発揮するために重要なのが、カメラを複数用意して撮影する方法が有効です。
登壇者が話す様子を、複数のカメラで同時に撮影し、編集の際に最もよい画像を選んで切り貼りしていくわけです。
視聴者はウェビナー中、デバイスの画面を見続けているため、同じ角度から登壇者を移しただけの単調な映像が続くと、退屈になり、途中で離脱してしまいやすくなります。
そこで複数のカメラで撮影した映像を使用し、画面を切り替えることで、映像にメリハリが生まれ、視聴者をひきつけやすくなるのです。
カメラは、登壇者のバストショットが映せる近距離のもの、会場全体が映せる遠距離のもの、移動して手元資料やホワイトボード、近くの参加者などが映せるものなどがあるとよいでしょう。
編集を入れる
編集は録画配信のいちばんのメリット。それだけに力を入れたいところでもあります。
単に間延びした部分をトリミングするだけでもすっきりしますが、複数のカメラで撮影した映像を組み合わせたり、音声や効果音を追加することでインパクトを出したり、テロップや図などの挿入で情報を伝わりやすくするなど、編集の効果にはさまざまなものがあります。
ウェビナーの目的やターゲットなど、企画内容に沿って、次のような編集を加えるとよいでしょう。
| 強調したい話者のところの画を切り替える
| 近景/遠景を交互にはさんで会場の全体感を出す
| エフェクト(音声や画像への効果)やアニメーション、BGMでメリハリをつける
| 字幕や補足資料、グラフ、図表などを挿入して情報を補完する
| 音声が聞き取りやすいよう別録りしたものを合わせる、ナレーションを挿入する
配信日や時間を制限する
動画配信のウェビナーは、1度作成すれば何度でも活用できるのが長所ですが、一方で、いつでも視聴できると認識された動画は希少価値が下がり、次第に視聴されなくなる傾向にあります。
対策として、期間を設けた配信にして限定感を出したり、一定の間隔をあけた上で、キャッチコピーや配信の曜日、時間帯を変更して訴求効果を検証したりするプロモーションにも力を入れるとよいでしょう。
視聴者の滞在時間や離脱ポイントなどを測定できるウェビナーツールであれば、動画配信のウェビナーでパイロット的にユーザーの動向を分析し、リアルタイム配信のウェビナーの開催時期や企画内容に反映させ、より効果的なウェビナーのビジネス活用ができます。
ウェビナーの録画配信方法まとめ
撮り直しや編集が可能で、短いコンテンツの配信にも適した録画配信のスタイルは、今後ウェビナーをビジネスに活用したい企業にとって、導入の一歩に最適な選択肢といえます。
ぜひ本コラムを参考にしながら、録画配信のウェビナーを自社ブランドの向上に役立ててください。
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2022.03.09