ウェビナーとは?
形式・メリット・ツールの選び方について詳しく解説
- TOPPAN CREATIVE編集部
オンラインによる情報発信の主力的な存在であるウェビナーについて、概要とビジネスでの活用のメリットや活用事例、導入の際の注意点やチェックポイントを解説します。
テレワークやオンラインでの動画配信など、インターネットを用いたインタラクティブな通信技術が目覚しい進歩を遂げ、ビジネスでの活用が本格的になってきています。本記事では、オンライン情報発信の主力となるウェビナーについて、概要やメリット、導入時にチェックすべきポイントなどについて解説します。
ウェビナーとは?
はじめに、ウェビナーの定義や具体的な種類、ウェビナーと類似するWebミーティングとの違いなどから、ウェビナーの概要をおさえておきましょう。
ウェビナーの意味
ウェビナーという言葉は、「ウェブ」と「セミナー」を組み合わせた造語です。インターネットが高速化し、動画配信や双方向コミュニケーションが普及しはじめたころから用いられるようになりました。Webセミナーやオンラインセミナーとも呼ばれます。
形式・配信方法の種類
ウェビナーは、配信方法とコミュニケーション方式、講義スタイルによって、コンテンツのタイプが分かれます。
【配信方法】録画配信型・リアルタイム配信型
ウェビナーの配信方法は、視聴者と同時的にかかわるかどうかで「リアルタイム配信」と「録画配信」とに大別されます。
「リアルタイム配信」は、日時を限定して中継で配信を行う方法です。ライブ配信とも呼ばれ、その瞬間しか視聴できない希少性が配信の臨場感を高めます。チャット機能などを利用すると参加者の反応を確認できるため、その場でウェビナーの内容を調整し、参加者にあった発信を行うことも可能です。
「録画配信」は、あらかじめ収録した動画をWebサイトや動画配信プラットフォームへ掲載して配信する方法です。収録から配信までの作業を納得いくまで行えるため、コンテンツの品質向上が期待できます。また、アクセス数や視聴時間などの統計をマーケティングに活用することも可能です。
視聴者側も、自分のタイミングでアクセスし、繰り返し視聴したり、一時停止でメモをとったりすることができ、コンテンツへの理解が深まります。リアルタイム配信と録画配信を組み合わせたものも増えています。リアルタイム配信の内容に後日編集を加えて配信したり、事前に収録した動画をリアルタイム配信したりするといった手法があります。
【コミュニケーション形式】一方向配信・双方向配信
ウェビナーを参加者とのコミュニケーションの形式から分けると、「一方向」と「双方向」の2種類があります。
「一方向」の配信は、講義やコンサートイベントのように一方通行で視聴者へ届ける形式です。同時に大勢の視聴者がアクセスしても、配信のトラブルが起きにくいのが特徴です。視聴効果を計算して作り込んだコンテンツの配信の場合は一方向で行うものが多く、参加者からのコメントなどは別途入力できるシステムを用意して対応します。リアルタイム配信でも録画配信でも可能です。
「双方向」の配信は、主にリアルタイムでの配信でチャット機能などを利用し、発信側と視聴側がその場でコミュニケーションをとる形式です。コミュニケーションの内容をその都度配信の内容に反映できるため、臨場感が強く、偶発性による希少価値も生まれます。
【講義スタイル】講義タイプ・スライドタイプ
ウェビナーをセミナーの発表のスタイルから分けると、「講義タイプ」と「スライドタイプ」に分けることができます。
「講義タイプ」は、講師など人が話したり実演したりする形です。
「スライドタイプ」は、プレゼンテーション用のスライドを動画にしていく形式です。講師が登壇してスライドを画面共有しながら進めるスタイルもあれば、スライドを紙芝居のように読み上げた動画にするスタイルもあります。
ウェビナーとWebミーティング(Web会議)の違い
ウェビナーと混同されやすいオンラインのコミュニケーション形式にWebミーティングがあります。ここでは両者の違いについてみていきましょう。
ウェビナー
「ウェビナー」は、運営者、登壇者、視聴者が明確に区別され、操作の権限に違いがあるのが特徴です。運営者と登壇者は画面や音声を出して話をすることができますが、視聴者が発言できるのは原則として運営者や登壇者が許可したときだけです。
視聴者の参加度合いを運営側でコントロールできるため、数百人規模でも開催が可能です。
ウェビナーには、一方向の配信も双方向の配信もあります。ウェビナーで講師と受講者がやりとりする際には、チャットやアンケートなどを組み込むことが多くなります。
Webミーティング(Web会議)
「Webミーティング」は、開催者側だけでなく、参加したすべての人が同じように発言したり、画面を共有したりして互いに会話をします。会議のような話し合いに用いることからWeb会議ともテレビ会議とも呼ばれます。同時に全員がアクセスし、双方向でコミュニケーションをとるのが基本です。
動画や音声処理で回線に負荷がかかりやすいため、人数は比較的小規模で、1対1の面談から数十人までの場合がほとんどです。
また、Webミーティングの中に小部屋を作ってグループ討議するオンラインワークショップを行う場合もあります。
ウェビナーのメリット(リアルセミナーとの比較)
ここからは、対面式のセミナーと比較した際のウェビナーのメリットについて、運営者側と受講者側の2つの視点からみていきましょう。
運営者側のメリット
運営者側としては、コストパフォーマンス、集客、コンテンツ制作などの面でメリットがあります。
コストや労力を削減できる
ウェビナーには、会場を確保する際の手間や費用が必要ありません。オンライン配信のシステムさえあれば、どこでも実施することができます。
人数制限がない
対面式のセミナーでは、会場のキャパシティの問題から参加人数を制限しなければいけません。また、会場が遠いからという理由で参加を諦める人もいます。
これに対し、ウェビナーには空間的な制約はありません。同時アクセスの負荷を考慮して参加人数の上限が設けられていることは多いですが、対面式に比べるとはるかに多くの人数が参加できます。
集客しやすい
ウェビナーは世界中のどこからでも参加できるため、集客の範囲が大きく広がります。また、全体コストを抑えることができるため、対面式では赤字になりがちな少人数のセミナーでも、黒字を出しやすくなります。
コンテンツとして二次活用できる
ウェビナーを開催した際に録画しておくと、後で編集を加えて、動画コンテンツとして活用することもできます。自身のサイトに掲載したり、動画配信のプラットフォームでチャンネルを作って公開したりするなど、さらに広く拡散できる可能性も広がります。
受講者との間に信頼関係を築ける
ウェビナーに出演して情報提供を繰り返すことにより、単純接触効果 を狙うこともできます。単純接触効果とは、意識するしないにかかわらず、よく見かけているものの好感度があがるという認知の法則です。よいコンテンツを長く発信し続けることにより、企業ブランドや商品・サービスへの信頼度が上がっていくのです。
受講者側のメリット
受講者側のメリットとしては、参加のしやすさ、理解の深まりやすさなどが挙げられます。
どこからでも参加できる
ウェビナーのいちばんの特徴は、インターネットへ接続さえできればどこからでも受講できるアクセスのよさです。ウェビナーには、パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットなど、様々なデバイスから参加することができます。
また、録画配信のタイプであれば、受講時間も自分の都合に合わせることができます。
受講のコストを削減できる
対面式のセミナーでは、移動に伴う時間の制約や費用、宿泊、食事、美容や服装など、参加に伴う手間やコストが意外と大きくなります。受講料が同じならば、ウェビナーの方がトータルのコストを削減できるでしょう。
複雑な情報でもわかりやすく伝わる
対面式のセミナーでは、席の配置によってはスライドが遠くて見えづらかったり、声が届かず聞こえにくかったりすることがあります。しかしウェビナーでは、文字を拡大したり音声を大きくしたり、字幕をつけたりすることにより、読みやすく聞き取りやすい環境を作ることができます。
質問がしやすい
チャットやコメント機能を利用すれば、受講者が講師へ直接質問することもできます。講師は質問に対してその場で回答することも、コメントへの返信として後日回答することもできます。互いに落ち着いてコミュニケーションをとれるため、「オンラインのほうが理解度を深めやすい」という声も少なくありません。
ウェビナーを開催するにあたっての注意点
ここからは、実際にウェビナーを開催する場合に気をつけておきたいことをいくつかご紹介します。
配信環境を整える必要がある
ウェビナーの場合、命綱となるのが配信環境と配信システムです。音響や照明に問題があると受講者がコンテンツに集中できませんし、開催中にトラブルが起きると、配信が停止してしまうかもしれません。
ウェビナーをビジネスのチャンスと考える場合は、基幹となる通信システムや、カメラやマイクなどの収録機材、配信システムなどは、いずれも一定水準以上の品質が確保されたものを使用しましょう。
ウェビナーならではのコンテンツを用意する
ウェビナーは、手軽にアクセスでき、自宅からでも受講することができます。一方で受講動機が気軽だったり、集中しづらい環境にいたりして、セミナーを途中で離脱する可能性もかなり高くなります。
様々なコンテンツを共有できるオンラインの特性を活かしながら、プログラムの時間配分や配信の内容にメリハリをつけ、受講者の集中が途切れないようにしましょう。ただ話をするだけではなく、動画を挟んだり、チャットやコメント機能、アンケートなどを組み合わせたりして、受講者が手を動かし意思表示できる時間を作ることも効果的です。
気軽に質問ができる仕組みを用意する
受講側のカメラとマイクがオフになっているウェビナーでは、講師から見て、受講者の反応がわかりにくいのが難点です。そんな時にはアンケート機能やチャット機能を活用していきます。「今の気持ち」「気になったこと」などを途中で聞いてみるなどもよいでしょう。
ウェビナーの活用シーン
ウェビナーは、シンプルな配信に加えて双方向のコミュニケーションも可能なため、さまざまなシーンに応用することができます。
ウェビナーツールの選び方・チェックポイント
ウェビナーを成功させるには、自分たちの使い方に合ったウェビナーツール(配信システム)を選ぶ必要があります。
自社のニーズを満たす機能の有無
まずは「ウェビナーで何を伝えたいのか」を明確にしましょう。ただ便利だからという理由で導入しても手間と費用がかかるばかりで効果は上がりません。
遠回りのように思えても、ターゲットや期待する効果などのゴール設定を先に行い、ウェビナー導入の目的をはっきりさせましょう。そのうえで、ウェビナーを導入することでどんな解決ができるのかをイメージすると、必要な機能が見えてきます。
ウェビナーツールには、映像・音声の配信のほか、録画、字幕、自動翻訳、スライドや画像の共有、ホワイトボード、チャット、アンケート、視聴ログ、サイト埋込みなど、さまざまな機能がついています。自分たちのやりたいことに対してどの機能が使えるかをよく検討しましょう。
参加人数上限
多くの配信システムではプランごとに、同時に接続できる人数の制限があります。数百人規模のような大人数のウェビナーを予定している場合は、こうした接続数の制限についてはじめに確認しておきましょう。
また、一度にアクセスする人数が多かったり、画面共有や双方向のコミュニケーションが多くなったりすると、処理に負荷がかかります。通信環境だけでなく、ウェビナーツールの機能が低いと、配信にタイムラグが生じたり映像や音声が途切れたりするなどの不具合が発生しやすく、コンテンツの品質や信頼性が低下してしまいます。
日本語対応、サポート体制
配信システムが日本語に対応しているかどうかをチェックしておきましょう。トラブル発生時のサポート体制も大切なポイント。不具合が発生したときにすぐに対応してもらえることが重要です。
配信システムに限らず、オンラインツールはセキュリティ対策上バージョンアップを頻繁に行うため、仕様変更が起きやすく、操作に慣れた人でもトラブルが起きがちです。ウェビナーをビジネス活用する際には安定した運用を第一に考えましょう。
利用料金
配信システムを選定する際には、自社に必要な機能や安全性に対し、予算とのバランスを考えながら決めていきましょう。ここで気をつけたいのは、無料プランの利用についてです。無料プランは利用できる機能が少ないだけでなく、回線の安定性やデータの管理が制限されている場合があります。
ビジネスとして活用するなら、基本的に有料の中から必要な機能や利用頻度に応じたプランを選定しましょう。
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2022.03.10