コラム

販促物のデザインの
コツ・ポイントを徹底解説

  • TOPPAN CREATIVE編集部

販促物の効果は、デザインによって大きく左右されます。受け取り手の認知のしくみを考慮した必要事項の把握や、印刷・製造の工程に配慮したデータ作成など、効果的なデザインにはさまざまなポイントがあります。
このため、販促物のデザインを自社で行う場合、いきなりデザイン作成に取りかかるのではなく、事前準備を入念に行うことが最も重要です。もちろん、実際のデザイン時も知っておくべき基本的な知識と技術を押さえておく必要があります。
本記事では販促物にするためのデザイン作成における事前準備やデザイン時のコツを紹介します。


販促物のデザインを考える前に決めたいこと

ここでは販促物のデザインに取りかかる前には、以下に挙げる3つの項目について必ず決めておきましょう。
● 販促物を作る目的
● ターゲット層
● 展開する媒体
それぞれの項目について解説していきます。

販促物を作る目的

はじめに販促物を制作する目的を明確にします。

販促物のデザインでは、限られた面積に情報を詰め込みすぎるとごちゃごちゃした印象となり、読みにくいものとなります。そのため目的を明確化したうえで情報を取捨選択することが重要です。
販促物を制作する目的は、「都内の30代男性からの認知度を10%高める」「来店数を10%増やす」といったように、数値などをつかってできるだけ具体的に定めましょう。
目的がはっきりするとデザインの方向性がおのずと決まり、掲載する情報の取捨選択や、優先順位づけもしやすくなります。

ターゲット層

目的と同様に、ターゲットの絞り込みも重要です。情報を届けたい相手が定まっていなければ、適切なデザインやメッセージを作り込むことができず、販促効果が期待できません。
商品・サービスを届けたい人物像を具体的に設定し、誰に何を伝えたいのかのイメージを明確にしましょう。ターゲット設定で押さえておきたい基本要素は下記のとおりです。
l 年齢
l 性別
l 職業
l 興味関心
l 購買行動のクセ・パターン
このほか、商材や店舗の特徴に合わせ、居住地や家族構成などの属性を加えるとより効果的です。

展開する媒体

目的とターゲットが明確であれば、媒体の選択肢もおのずと絞られるでしょう。使用する媒体が決まるとデザインの輪郭がよりはっきりするほか、掲載できる情報量もみえてきます。
チラシやポスターであれば、文章に加え、写真やイラストを使って商品の魅力をわかりやすくアピールすることが可能です。一方、同じ紙媒体でもPOPの場合は伝えられる情報量が限られます。売り場で商品に添える形で設置するため、使用感や意外な使い方、旬の情報などピンポイントに目立たせる必要があります。
また、消費者に配布するタイプの媒体はすぐに捨てられないものを選ぶと良いでしょう。たとえばボールペンやエコバッグは長く使えますし、使うたびに企業ロゴやブランド名が目に入るため販促効果が持続しやすい媒体といえます。


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販促物のデザインの基本的なポイントと注意点

続いて、販促物をデザインする際の基本的なポイントとして、以下の4項目を紹介します。
● おしゃれさよりもターゲットに寄り添えているかが大切
● 事前に手書きのラフを作ると失敗が少ない
● 著作権違反に気をつける
● 媒体ごとにデザインを変えない
とくに著作権に関わる項目は、違反すると罰則もあるため、「知らなかった」ではすまされません。ぜひ、しっかりと確認してください。

おしゃれさよりもターゲットに寄り添えているかが大切

販促物は、ターゲットの目に止まり、手にとってもらわなければ意味がありません。ターゲットの立場を第一にデザインしましょう。ターゲットにとって必要な情報や、ターゲットが知りたい情報がきちんと含まれていることが重要です。
制作に熱意があればあるほど、おしゃれなものにしたいと考えて迷走しがちです。しかし、制作者の好みとターゲットの認知の傾向が必ずしも一致するとは限りません。伝えるべき情報が盛り込まれていなければ販促効果が半減するばかりか、マイナスの印象すら与えかねないため、注意しましょう。

事前に手書きのラフを作ると失敗が少ない

デザイン作成の失敗を防ぐために、デザインの前にラフを作成することをおすすめします。ラフとは必要な情報を再構成し頭のなかにあるイメージを具体的な下書きにしたもので、デザインの設計図としての役割を担います。
過不足ない情報の入ったラフは、デザイン作成の効率を高めます。また、細かな作業に没頭するあまり、目的やターゲットを見失ったり盛り込むべき情報を落としたりするミスを防ぐことができます。
なお、自分の制作物を客観視するのは難しいものです。ラフができたら第三者に見せ、ターゲットに沿った情報が伝わる内容が入っているかを確認しましょう。

著作権違反に気をつける

デザイン作成にあたり、著作権など、制作物に関する著作者の権利を保護するための法律には厳密に対処しましょう。違反すると罰則につながるおそれがあるほか、訴訟などに発展すれば企業イメージの低下も招いてしまいます。
とくに「フリー素材」と謳うものについては注意が必要です。フリーには、著作権を譲渡・放棄する意味と無料の意味が混在します。無料でも著作権を有するものや、商用は不可などの条件がつく場合も多いものです。また、著作権とは独立して作者の意図や名誉を守る著作者人格権があります。特に商用の場合は権利が限定され、トラブルになりやすいため、必ず規約に従って使用しましょう。

媒体ごとにデザインを変えない

チラシやポスターなど複数の媒体を併用する場合、すべての媒体で統一したデザインを心がけましょう。媒体ごとに異なる雰囲気のデザインにしてしまうと見栄えが悪くなるほか、消費者はチラシとポスターの両方を見ても同じ企業・ブランドだと認識しづらくなってしまうためです。
目的やターゲットに応じたデザインの工夫は大切ですが、全体の統一感も維持するようにしましょう。また制作ルールを部署内で共有しておくと、制作担当者によるデザインのぶれを防げます。

販促物のデザインのコツとテクニック

ここからは、実際にデザインする上での具体的なコツとテクニックを紹介します。より効果的なデザインとするため、ぜひ参考にしてください。

伝えたいことは左上に配置して強調する

販促物に掲載する情報に優先順位をつけ、優先度の高いものは左上に配置して目立たせます。人は文字列などを目で追うときに、左上から右上、左下、右下と「Z」の字を描くように視線を動かすといわれており、紙面のなかでも左上はまっ先に目に入りやすい場所だからです。
重要な情報を左上に配置したうえで、さらに文字色や文字のサイズを変えるなどして強調しましょう。文章全体がすべて同じ文字色・文字サイズでは、どれが大切な情報なのか判別しにくいためです。
キャッチコピーや新規店舗のオープン日、購入特典など、消費者にとってのメリットをはじめ、必要な情報を強調し、デザインにメリハリを持たせましょう。

余白を上手に使う

あれもこれもと情報を詰め込みたくなってしまいがちですが、思い切って余白をとることも大切です。
余白には、読ませたい情報を際立たせ、視認性を高めて伝わりやすくする効果があります。
余白のとり方は大きく2点を意識しましょう。文章と写真の余白、イラスト同士の余白など要素ごとの余白と、文字間や行間など文字そのものの余白です。
余白をうまく使えば紙面全体のバランスが整い、読みやすい販促物を制作できます。

左揃えを意識する

情報の配置は端や間隔を揃えると視認性が高まり、整然とした印象を与えれば論理的な印象を与えることができます。逆に、配置をばらばらにした場合はにぎやかで混沌とした印象になります。
揃える際の配列は、文字列を読む際に左上から順番に情報を追っていくことから、左に重点を置いたデザインとします。
情報量や文字数が少ないタイトルなどには中央揃えもよく用いられます。右揃えも、情報の性質によってはわざと安定を崩して印象づけるなど、効果的に使える場面があります。
情報量の多い文章に関しては、左揃えを基本として可読性を高めましょう。

色はコーポレートカラーや伝えたい印象で選ぶ

販促物の配色はコーポレートカラーを基準として印象づけます。
そのうえで、色によって人に与える印象を意識して色を決めましょう。
たとえば、青を中心とする寒色系は、目にした人に信頼感や誠実な印象を与えることから、士業やBtoB企業によく用いられます。緑やベージュはナチュラルな雰囲気や安心感を表現できるため、オーガニック系の商品や医療系との相性がよいとされます。
全体としてはメインカラー・サブカラー・アクセントカラーの3色による配色にし、色のボリュームを調整するとよいでしょう。

フォントはベーシックなものを選ぶ

紙面や印刷面で使用するフォントはベーシックなものにします。とくに長めの文章の場合は、デザイン性の高いフォントを用いると読みづらくなり、メッセージが伝わりにくくなるため注意が必要です。
おすすめはUD系のフォントです。UDはユニバーサルデザインの略で、文字内に余白が多く、読んでいても負担のかかりにくい点が特徴です。フォント名に「UD」が入っているものを選ぶとよいでしょう。

行動を促す仕掛けを取り入れる

販促物は販売を促進するためのツールですから、消費者に対して、狙いどおりの行動を促す仕掛けが必要です。販促物を制作する目的に立ち戻り、たとえば来店を増やしたい場合、店舗の住所や地図、SNS、営業時間、Webサイトの二次元コードといった情報とともに、クーポンを設けるなど、販促を促す仕掛けを用意しましょう。
制作する販促物によって消費者に起こしてほしい行動をつねに念頭に置き、行動を起こすために必要な情報や行動を起こすメリットを含めたデザインにしていきます。

販促品の作成やデザイン業務を効率化するならTOPPANへ!

販促物のデザイン制作では、まず事前準備として目的・ターゲット・媒体の明確化が必要です。事前準備で定めた基本要素をもとに、販促物を見た人・受け取った人が意図する行動をとってくれるようデザインを組んでいきます。
さらには、チラシとポスターなど複数の販促物を併用する場合は、すべての媒体をとおしての統一感も重要です。
目的やターゲットごとに効果的な印象をもつデザインの販促物を複数制作し、かつ統一されたイメージを保つためには、専門的なデザイン知識もテクニックも必要となるでしょう。
TOPPANの「販速部長®」はカスタマイズ可能なテンプレートによって全体的な統一感を維持しながら、目的やターゲット、支店、地域などに応じた販促物を簡単に制作できます。
さらに、制作だけでなく、印刷、配送、在庫管理や実績の管理まですべてクラウドで一元管理できるため、業務効率化にもつながります。実際に販速部長を活用して担当者の業務負荷を軽減した事例も多数ございますので、お気軽にお問い合わせください。

2024.10.25

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