コラム

販促物とは?
具体例や種類を一覧で紹介

  • TOPPAN CREATIVE編集部

販促物とは、販売促進活動に用いられるツールです。主に企業やブランド、商品について認知拡大や魅力を訴求する役割を担います。販促物は店舗に設置するタイプと消費者に直接配布するタイプの2種類に分かれ、アイテムも多岐にわたります。効果的な販促活動とするためには目的とターゲットに応じた販促物の使い分けが大切です。
本記事では販促物の概要と具体的なアイテムを紹介し、作成のポイントや注意点についても解説します。


販促物とは?

販促物とは、企業やブランド、商品の認知度の向上や、消費者の購買意欲を刺激するために用いられるアイテムを指します。たとえばPOPやポスター、チラシなどが販促物にあたります。なお、「販促」とは販売促進を略したもので、商品の販売数や販売率を上げるための活動全般を指します。
現代社会では多くの商品・サービスが存在しており、新商品を発売しても何らかの施策をとらなければなかなか消費者に認知してもらえません。販促活動によって商品を知ってもらい、魅力を伝え、購買につなげていく必要があります。

販促物の効果

販促物に期待できる効果は、おもに下記2点です。
 l 商品やサービスの認知度向上
 l 商品やサービスの購入につながる訴求

どれだけ優れた商品であっても、そもそも消費者が商品の存在を知らなければ購入にはいたりません。したがって、まずは商品を広く知ってもらう必要があります。認知のための販促物はパッと見たときに社名や商品名がすぐわかるようなものが求められます。
もちろん、消費者が商品を知っていたとしても購入するとは限りません。興味を喚起し、購入を検討してもらうために、POPやポスターなどの販促物を使って商品の魅力を訴求していきます。

販促物と販促品の違い

販促物と販促品はどちらも販売促進のツールであり、混同しやすいですが、厳密には異なる役割を持つものです。
販促物は、商品の認知度向上や訴求を目的として使われるアイテム全般を指し、掲示するものや配布するものなどさまざまです。一方で販促品は、認知向上を狙いつつ、購入の意思決定やリピート購入をより強く促す目的で用いられる配布物を指す傾向があります。
また「ノベルティ」も販促物や販促品と混同しやすい言葉です。ノベルティは特定のサービス・商品を購入する消費者に向けて無料で配布するアイテムです。たとえば雑誌の付録やペットボトル飲料のおまけなどがノベルティに該当します。
販促物としてのノベルティは認知拡大のために、販促品としてのノベルティは購入への最終的な意思決定を後押しするために用いられる傾向があります。

販促物の種類一覧【店頭に設置するタイプ】

では具体的に販促物の種類をみていきましょう。
販促物は店舗に設置するタイプと消費者に配布するタイプの2種類に分かれます。
設置型の販促物はおもに店舗や商品の認知が目的です。人目を引き、印象付けられるデザインが求められます。

のぼり

のぼりとは、いわゆる旗です。細長い棒に、商品名などを印刷した長方形の布をくくりつけた販促物です。一般的には店舗の入口付近といった通行人の視野に入る場所に複数設置して、新商品や目玉商品、セールの情報をアピールします。
のぼりは遠くからでも視認性が高く、風でぱたぱたと動くため、目に留まりやすい点が特徴です。

商品POP

POPは「Point Of Purchase」の頭文字をとった言葉で、「購買時点広告」と訳します。購買時点、つまり商品の売り場に設置して商品情報や魅力をアピールするものです。
定番はカード型の商品POPで、商品名や価格のほか商品の特徴・機能・使い方などを記載します。たとえば、書店では映画化された書籍や人気作家の最新作などにPOPを添えて目立たせ、購買意欲を刺激します。
最近は手書きのPOPが人気です。人の手で書かれた温かみから、親近感を持ってもらいやすい特徴があります。

タペストリー

タペストリーとは、もともとインテリアとして用いられる、壁や柱から吊り下げる織物のことです。販促物としてのタペストリーは一般的に布や合成紙を素材としているため紙の印刷物であるポスターよりも耐久性に優れるため、風雨にさらされる店舗外にも設置できます。
たとえばカフェやファストフード店では、季節限定メニューを紹介する大型のタペストリーを入口付近に設置するケースがよくみられます。店舗の前を通りかかった人や車を運転している人など広範囲の目に留まりやすい販促物です。

ポスター

ポスターは、広告や宣伝のために壁や柱に貼られる紙製の販促物です。布や合成紙を素材とするタペストリーとは異なり、ポスターは基本的に店内や売り場に設置されます。
比較的安価に制作できて貼り替えも容易なため、期間限定の情報や旬の情報を訴求するのに適しています。そのため、ポスターの内容はイベントやセール情報、キャンペーンの告知、新商品の紹介などが一般的です。目立ちやすい配色やデザインによって消費者へ効果的に印象づける工夫が求められます。

デジタルサイネージ

デジタルサイネージとは、ディスプレイなどを使った映像による情報発信を指します。静止画でなく動画を用いるため、目で追ってもらいやすい点が特徴です。映像に音声も加わると短時間でさらに多くの情報を伝えられます。キャンペーンの告知や新商品の紹介などさまざまな用途に利用できるでしょう。
またデジタルサイネージは表示内容の更新作業も容易です。曜日や時間帯ごとに表示内容を変更すると、より効果的に活用できるでしょう。

販促物の種類一覧【配布するタイプ】

消費者に配布するタイプの販促物は、消費者の手にとって見てもらえる点が大きな特徴です。主なものにはチラシやカタログなどの印刷物やポケットティッシュなど日用品、ボールペンをはじめとする文具、クーポン券などがあります。
配布するタイプの販促物には、企業名やブランド名のほか商品の特徴などを記載すると効果的です。

チラシ・フライヤー

チラシやフライヤーは来店促進に効果的な販促物です。比較的低コストで手軽に制作・配布できるためセールやイベントの告知や新商品の紹介などに適しています。特定の地域で集客したい場合に有効で、新聞の折込広告やポスティングなどで自宅に直接配布する方法と、店舗前や駅前など街頭で配布する方法の2種類があります。
数秒目にしただけですぐに捨てられてしまう可能性も高いため、一瞬でインパクトを与えられるようなキャッチコピーやデザインにしましょう。

カタログ

カタログも販促物の一種です。自社の商品やサービスを一覧にしたもので、取扱商品の多い企業には欠かせないアイテムといえます。
情報を多く掲載できるためページ数も増えやすく、冊子形式を取るのが一般的です。したがって、読みやすさも重要な要素となります。商品名や商品のスペックなどの文字情報だけでなく、写真や画像を使って視認性を高めましょう。また商品をカテゴリ別に掲載するなど、消費者が比較検討しやすくする工夫も必要です。

パンフレット・リーフレット

パンフレットとリーフレットは、どちらも紙の印刷物です。パンフレットは複数ページからなる小冊子であるのに対して、リーフレットは1枚の紙を二つ折りや三つ折りにしたものです。どちらも商品やイベントなどを詳細に案内できますが、載せられる情報量に差があります。
パンフレットは家に持ち帰って読まれることも多いため、1~複数の商品に関するくわしい情報を掲載するとよいでしょう。
一方リーフレットは情報量こそ限られますが、かさばらず、消費者にとってはほしい情報だけを手に入れられる点がメリットです。商品ごとに制作し、コンパクトに情報をまとめましょう。

ポケットティッシュやうちわなどの日用品

日常生活のなかで使われるアイテムも販促物として活用できます。たとえばポケットティッシュやうちわ、カイロなどがあげられます。チラシやフライヤーよりも受け取ってもらいやすく、使うたびに企業名やブランド名が目に入るため印象に残りやすい点が特徴です。日用品の販促物は、ブランドの認知向上や来店の促進を期待できます。
うちわやカイロなど季節性のあるアイテムは、屋外のイベント会場などでとくに受け取ってもらいやすいでしょう。ポケットティッシュは年中配布できる定番の販促物です。

クリアファイルやボールペンなどの文房具

文房具も日用品と同様、消費者が日常的に使用する実用品で、手にするたびに企業名やブランド名が目に入るため認知度の向上に効果的な販促物です。またポケットティッシュやカイロは使えばなくなってしまいますが、文房具はより長期間使ってもらえる特徴もあります。
とくにボールペンは老若男女問わず使用者が多く、重宝される販促物です。たとえばセミナーや展示会場などメモをとる必要がある場で配布すればすぐに役立ち、そのまま持ち帰ってもらえる可能性が高まります。

クーポンなどの割引券

クーポンなどの割引券は購買に直結する販促物です。「2つ買うと5%オフ」や「ランチを注文するとスープがサービスされる」など、お得感からつい買ってしまう効果を見込めます。
また美容院やマッサージなど定期利用の多い業種で割引券を配布すると、リピート率の向上も期待できるでしょう。
新規顧客の来店を促したい場合は、クーポンをつけたチラシを配布すると足を運んでもらう強力なきっかけとなります。

効果的な販促物を作成するためのポイント

販促物は、ただ作成して設置・配布するだけではじゅうぶんな効果を発揮できません。ここでは、成果につながる販促物を作成するためのポイントを3つ紹介します。

販促物を作成する目的とターゲットを明確化する

販促物を作成する際には、はじめに目的とターゲットを明確にしましょう。
販促物を作成する目的が決まると、目的に応じた適切なアイテムを決めやすくなります。たとえば商品の認知度向上を目的とするなら、ポスターやチラシなど多くの人の目に留まりやすい宣伝系のアイテムが選択肢となるでしょう。一方で商品の購入意欲を喚起したい場合はクーポンなどが効果的です。
目的を定めると同時にターゲットも明確にします。年齢や性別、職業、地域など、どのような属性の消費者にアプローチするのかが定まらなければ、せっかく販促物を作成しても的外れなものとなりかねません。たとえば高齢者と学生ではライフスタイルやよく足を運ぶ場所、よく見る媒体などが異なります。ターゲットが定まれば販促物のデザインや、設置・配布場所、配布する時間帯なども設定しやすくなるでしょう。

季節感や流行を取り入れる

販促物には、季節感や流行を積極的に取り入れましょう。四季のある日本では多くの人が季節の移ろいを感じながら生活しているため、消費者によりタイムリーで身近なものと感じてもらいやすくなります。
デザインやキャッチコピーで季節を表現するほか、うちわやカイロなどアイテムそのもので季節を表してもよいでしょう。
また流行を意識した写真映えするおしゃれなデザインにすれば、SNSで拡散されやすくなります。

伝えたい情報を簡潔にわかりやすくまとめる

販促物に盛り込む情報は、ポイントを絞って簡潔にまとめましょう。せっかく販促物を作成するのならと多くの情報を載せたくなるかもしれませんが、情報量が多くなりすぎると、本当に伝えたい情報がきちんと伝わりません。
認知を目的とするポスターやボールペンなどでは、情報が目に留まるといってもたった数秒程度です。とくにボールペンなどの小さなものは印字できる面積も少ないため、視認性の面でも注意が必要です。短い時間、小さな面積でも情報が伝わるようにデザインなどを工夫しましょう。
もし多くの情報を伝えたいのであれば、自社サイトやサービスサイトのURL、二次元コードなどを記載して、消費者がアクセスしやすくしておきます。

販促物を作成・配布する際の注意点

販促物の作成・配布にあたり、押さえておきたい注意点を3つ紹介します。なかには信用問題や法律違反につながりかねないものもあり、「知らなかった」ではすまされません。必ず頭に入れておきましょう。

街頭や商業施設での配布時は事前の届け出や許可取りを行う

販促物を街頭や商業施設で配布する場合は、事前の申請や許可取りを必ず行います。
街頭配布の場合は警察署からの道路使用許可が必要です。配布場所を管轄する警察署に申請しましょう。警察庁によると、申請に要する書類は下記のとおりです。
 l 道路使用許可申請書(2通)
 l 道路使用許可申請書の添付書類
  ― 販促物の配布場所等を明らかにした図面等
  ― 緊急時における連絡先やイベントにおける企画書等
手数料は自治体によって異なりますが、2,000円~2,500円ほどが一般的です。
また、商業施設などで販促物を配布する際は施設の担当者から許可をもらいましょう。街頭で配布するにしても、商業施設などで配布するにしても、許可なく行えば法律違反やトラブルにつながりかねず、企業イメージが低下するおそれがあります。

誤字脱字や表記ミスをしない

誤字脱字や誤った情報の記載、誤解を招く表記も避けましょう。信頼性を損なうおそれがあるほか、印刷物の場合は修正も難しく余計な時間やコストがかかります。
また、広告で使用してはいけない表現、日付や金額などの数字、更新されている情報などについても、多重のチェックをします。たとえば昨年の情報を書き換えて使う場合、日付は変更したが曜日が間違っているといったミスも起こりがちです。
特に目的やターゲットに応じて複数種類の販促物を同時に作成するときは、制作物ごとに上記の項目をよく確認しましょう。

過剰在庫や欠品に注意する

販促物の作成量は、キャンペーンやイベントの規模や期間に応じて調整し、過剰在庫や欠品の発生をできるだけ防ぎます。
過剰在庫は作成コストや保管コストがかさむほか、廃棄処分による環境への悪影響も問題です。一方で欠品は販促の機会を逃し、せっかくの販促活動の効果が半減してしまいます。
適切な在庫管理には販促物管理ツールが役立つでしょう。販促物管理ツールを使ってこれまでのデータを集約・分析し、いつ、どのぐらいの頻度で販促物がいくつ必要になるのか予測を立てると過剰在庫や欠品を回避しやすくなり、コスト削減や業務の効率化にもつながります。

販促物の管理に関する悩みならTOPPANへ!

販促物とは販売促進活動の手助けとなるツールです。店舗に設置するタイプと消費者に配布するタイプの2種類があり、紙媒体から日用品、文房具などアイテムも多岐にわたります。
販促物の制作や販促活動の運営にはもちろん費用がかかります。どうしても制作費用に意識が向きやすいものですが、実は在庫管理も費用を削減できるポイントです。必要なタイミングで必要な数だけを手配できれば、制作費だけでなく配送費や保管費用も抑えられるでしょう。
これから販促物を使った販促活動を始めたい、販促活動の費用対効果をより高めたいといった場合には、総合的に販促物を管理できるクラウドシステムの導入がおすすめです。
TOPPANの「販速部長®」なら販促物の在庫がひと目で把握できるほか、在庫や営業先に応じた販促物のオンデマンド印刷そして配送までクラウドで一元管理が可能です。そのため最適な発注量を維持できて営業担当者の業務効率化も図ることができます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

2024.05.23

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