パフォーマンスマーケティングサービス コラム

Webサイト診断で成果を出す!
目的から診断項目、課題解決手法やお役立ちツールをご紹介

「Webサイトの集客がうまくいかない」
「離脱率が高く、十分に見てもらえていない」
「セキュリティ面で不安がある」
「分析の工数がかかりすぎる」
「Webサイトに漠然とした不安がある」

など、Webサイトに関してお悩みを抱えていませんか?そんなときに実践すべきなのがWebサイト診断です。Webサイト診断を行うと、問題の原因やその他の状況も浮き彫りになるため、改善策を企画しやすくなります。

今回は、Webサイト診断の概要から診断項目、診断の方法や課題と解決策、役立つツールまでご紹介します。


<目次>
1.Webサイト診断とは?
2.Webサイト診断の主な診断項目
3.Webサイト診断を行う方法
4.Webサイト診断の課題と解決策
5.Webサイト診断を生成AIで効率化できる「Sprocket Insights」とは?
6.まとめ


1.Webサイト診断とは?

Webサイト診断とは、Webサイトが持つ目的を達成するために、現状のサイトが最適な状態であるかを診断することを指します。

自社サイトの運営にあたっては、目的達成、成果創出のために日々更新などを続けているものですが、思うような成果につながらない場合は、改善する必要があります。

しかし、ただなんとなく「ここが悪いから」と勘や経験に頼った改善策を実施しても、課題を把握できていないため、的外れの改善策となってしまうことが多く、成果につながりにくいでしょう。効率的かつ確実に成果につなげる企画立案のために、正確なWebサイトの状況をつかむ診断が重要です。

Webサイト診断の目的と必要性

一般的なWebサイト診断の目的は、Webサイトの現状を正確に把握して、最短ルートでの改善策を見つける手がかりを手に入れることです。

営業・マーケティングのオンライン化や、購買前の事前情報収集を行う顧客行動の変化を受け、Webマーケティングの重要性が高まる中、Webサイトの役割はより大きいものとなっています。

Webサイト診断を定期的に実施し、継続的に改善していくことで、Webサイトの成果創出が早期化するでしょう。


2.Webサイト診断の主な診断項目

Webサイト診断では、主に「SEO」「ユーザビリティ」「セキュリティ」の3つのカテゴリで診断を行います。SEOは検索結果におけるユーザーのクリック率に大きな影響を及ぼし、ユーザビリティはCV(コンバージョン)(※)率を大きく左右。セキュリティはユーザーの信頼に関わり、離脱率を左右します。そのため、それぞれ重要なカテゴリといえます。

※CV:訪問ユーザーが、「問い合わせ」や「資料請求」、「商品購入」などの自社が決めたゴールに至ること。

それぞれの主な診断項目をご紹介します。

SEOの主な診断項目

・タイトルとメタディスクリプション
タイトルとは、Webサイトの各ページにつけるタイトルで、メタディスクリプションはページの概要を表します。
タイトルタグはSEO順位に関わり、タイトルとメタディスクリプションは検索結果に表示されるため、ユーザーがクリックするかどうかを決める重要な要素です。

・キーワード選定・数・配置
キーワードとは、SEO対策を行うときに設定する単語や語句です。自社サイトに誘導したいユーザーが検索するものを選定してWebページに盛り込むことで、ねらったユーザーにアプローチできます。
選定したキーワードやWebページに盛り込む数や位置などが適切であれば、検索順位やキーワード流入数などに良い影響を与え、ねらったユーザーをより多く呼び込むことができます。

・アンカーリンク・アンカーテキスト
アンカーリンクとはWebページ内のテキストや画像などに設定するもので、クリックすると指定の場所に移動できる仕組みです。アンカーテキストはアンカーリンクを設定する文字列です。

アンカーリンクとアンカーテキストは、検索エンジンのロボットが自社サイトに訪れた際にサイト構造を理解しやすくするために重要で、検索結果に影響します。また適切なアンカーリンクとアンカーテキストが設定されていればユーザーの利便性が高まり、Webサイト内をスムーズに回遊してもらえるため、CV率にも良い影響をもたらします。

・コンテンツ
ユーザーに役立つコンテンツであるかどうかでページの質が変わります。良質のコンテンツはユーザーの評価を上げ、より長い時間、ページを閲覧してもらいやすくなります。その結果、CV率も高まるでしょう。

・モバイルフレンドリー
モバイルフレンドリーとは、モバイル端末(スマートフォン・タブレットなど)で閲覧したときに見やすく使いやすい度合いです。見づらく使いにくいWebサイトは、モバイル検索順位が下がってしまう恐れがあり、検索エンジンからの流入が減少する原因となってしまうため、最適化のために診断が必要です。

・外部リンク
外部リンクとは、主に2種類の意味があり、一つは外部のWebページに貼られている自社のWebページへのリンク、もう一つは自社のWebページから外部のWebページへ貼るリンクです。SEOにおいて特に重要なのは前者であり、外部からのリンクが多いほど検索エンジンに「評価の高い良質なコンテンツ」であると認識されやすくなることから、高いSEO効果が期待できます。

ユーザビリティの主な診断項目

・導線設計
導線設計とは、サイト運営側があらかじめ「ユーザーにはこのような経路でWebサイトを閲覧してほしい」と設計することです。ユーザーがWebサイト上でたどる導線はCVなどの成果に直結します。

・UI・機能性
WebサイトにおけるUI(ユーザーインターフェース)とは、ユーザーがWebサイト訪問中に目にして、操作するすべての要素です。メニュー構成やボタンの配置などが該当します。機能性とはWebサイトのあらゆる機能を指し、例えば検索機能やECサイトのカート機能などを指します。
UIと機能性はユーザーの使い勝手を大きく左右し、離脱率やCV率に影響をもたらすため重要な診断項目です。

・情報設計
情報設計とは、Webページのコンテンツなどあらゆる情報を設計することを指します。例えば見出しをつけてわかりやすくする、その見出しの文言をよりわかりやすい表現にするなどが挙げられます。情報設計が適切である場合には、ユーザーの理解やサイト回遊、読み込んでもらえるかの度合いに影響をもたらすため重要です。

・デザイン
デザインとはWebサイト全体の見た目を指し、レイアウトや文字色、フォント、画像の配置や画像のデザインなどがその例です。
一部がずれている、色使いが見づらいなどはユーザーの理解度や滞在時間の低下につながってしまいます。

・サイト表示スピード
表示スピードが遅いと離脱につながるため、計測は重要です。

セキュリティの主な診断項目

・SSL化
SSLは、暗号化の仕組みであり、ユーザー情報保護のために実装が必要です。ユーザーにとっての安全性を左右します。

・プログラム部分の脆弱性
CMSや問い合わせフォームなどに脆弱性が潜んでいる場合があります。脆弱性とは、プログラムやソフトウェアに存在するセキュリティ上の欠陥や弱点を指します。見過ごしている場合はサイバー攻撃者に狙われるリスクが高いことから、定期的な診断で確認することは必須です。

・マルウェア感染
マルウェアとは、有害なソフトウェアやプログラムコードの総称です。サイバー攻撃で利用されることがあり、Webサイトが感染していると訪問ユーザーが閲覧している端末に感染する恐れがあります。
Webサイトがマルウェアに感染していないか、不正なファイルがないかを確認し、感染を早期発見、予防するために必須の診断項目です。


3.Webサイト診断を行う方法

Webサイト診断を行う方法は、主にツールを利用する方法と、専門家に依頼する方法の2通りがあります。

ツールによる診断

ツールが自動的に診断する方法です。

メリット:社内で迅速に実施可能。一般的な診断項目を広く検証できる。目視と比べて客観的で標準化された診断を定期的に行える。
デメリット:診断項目が一般的なものに限られる。専門的な部分の診断が必要である場合、専門家による診断に劣る。目視と比べてツール導入コストがかかることがある。

・SEOチェックツール例
1)Googleアナリティクス
アクセス解析ツールとしてページビュー数やCV率など幅広い項目を診断可能です。

2)Google Search Console
Google検索における掲載順位や流入キーワード、クリック率などを診断できます。

・ユーザビリティチェックツール例
1)PageSpeed Insights
ページ表示速度を素早く診断できます。

2)一般的なヒートマップツール
ユーザーが頻繁にクリックする箇所やよく読まれている箇所を把握できます。

・セキュリティチェックツール例
1)Observatory by Mozilla
SSL設定などを分析し、評価結果と改善点を表示します。

2)VirusTotal
マルウェア感染の有無などウイルスチェックを行います。

※Google Analytics 4、Google Search Console、PageSpeed Insights、VirusTotalは、米国およびその他の国におけるGoogle LLCの商標または登録商標です。
※Mozillaは、米国Mozilla Foundationおよびその他の国における登録商標です。

専門家による診断

Webサイト診断を行う専門家によるサービスを利用する方法です。

メリット:専門家の視点で効率的に診断できるのに加えて、診断結果をもとにアドバイスや改善策を提案してもらえることもある。
デメリット:手動やツールと比べてコスト増になりやすい。必要なときにサクッと診断したい場合に不向き。

これらの方法を組み合わせることで、より網羅的でより正確な診断が可能になります。
ただし、その後のアクションにつなげるには、AI(人口知能)を活用したツールも有効です。

▼お役立ち資料▼
「現場で使える改善分析ステップと“ユーザー視点”の磨き方」のホワイトペーパーのバナー画像


4.Webサイト診断の課題と解決策

Webサイト診断を進めるにあたって直面する課題と解決策をご紹介します。

無料ツールでは診断項目数や正確性に劣る

先ほどご紹介した診断ツールには無料のものと有料のものがありますが、無料ツールは機能に制限があることが多いです。また正確性が保証されないという欠点もあります。

解決策:Googleの公式ツールをベースに有料ツールを取り入れることで、ビジネス目標達成につながる詳細かつ正確な診断結果を得られるでしょう。

また近年はAI(人工知能)搭載の高精度な診断ツールも登場しており、AIが網羅的かつ高精度に診断し、ビジネス目標達成につながる詳細な診断結果を得られる有料ツールもあるため、利用するのも一案です。

Webサイト診断を行った後、何もアクションを起こしていない

Webサイト診断が目的になってしまうと、診断後の改善策につながりにくくなります。

解決策:診断目的を明確にし、改善策をどのように企画し、実行するかの体制づくりを先に行っておきましょう。

AIによる診断ツールの中には、ただ診断するだけではなく、改善策を提示するものもあります。このようなツールを用意しておけば、診断後の改善策の企画体制も変わってくるでしょう。

勘や経験に頼った診断と施策

診断結果を受け、勘や経験をもとに改善策を実施してしまうと、思うような効果が出づらく、非効率になることが多いです。

解決策:専門家の知見を取り入れながら、ツール活用による社内の診断体制を整え、定着化させるのをおすすめします。
AIが高精度に診断し、分析結果をもとに改善策の提示まで行うツールを用いることで、客観的かつ高精度なデータに基づく意思決定と施策の実行が可能になります。

診断結果をどう活用するかの議論に工数がかかりすぎる

診断結果を社内で吟味する際、議論に工数がかかりすぎてしまうという課題です。

解決策:専門家に一任する、A/Bテストで複数の仮説を同時検証する、AIが診断し改善策を提案してくれるツールを利用する、などの方法があります。実際にAIによる診断ツールを利用したことで、議論や企画の工数を削減できた事例もあります。


5.Webサイト診断を生成AIで効率化できる「Sprocket Insights」とは?

Webサイト診断ツールの一つの選択肢として、TOPPANが導入ご支援している、株式会社Sprocketが提供する「Sprocket Insights」をご紹介します。

「Sprocket Insights」とは?

Webサイトに潜む課題を抽出し、改善示唆を導き出すWebサイト改善支援分析ツールです。
生成AIが仮説を立て、要件定義を行い、改善策を提案します。高度な分析と改善案の提案機能により、PDCAの高速化を実現します。

特徴

・わかりやすい
グラフィカルに可視化されるため、データ分析も容易に行えます。

・分析スキル不足をサポート
誰もが理解できるため、社内の施策立案、実行が進みます。またデータ分析業務が高速化しPDCAの回転率がアップするでしょう。

注目の分析機能

ユーザー行動経路分析:Webサイト内のユーザー行動経路を可視化し、課題と対策を生成AIが提案。CVまでのボトルネックをAIが特定し、次の解決策を提案します。

ロイヤリティ要因分析:KGI(最終目標)とKPI達成に貢献している要因を独自のロジックで定量的に分析して表示。最終的な成果に貢献している要因を可視化し、優先すべき改善点を明確にします。

N1分析:特定の行動をとったユーザー群からランダムにピックアップし、行動履歴としてタイムライン表示。なぜそのユーザーは離脱したのか、一人ひとりの行動履歴から要因を深堀りします。

事例を通じた導入効果

TOPPANが自社サイトを診断した事例では、「人が立案した企画」と「Sprocket Insightsの分析機能による企画」とを比較しました。
その結果、ツール利用の企画工数は人による企画と比べて73%削減となり、成果も1.7倍に向上するなど、有意義な結果につながりました。

詳細はぜひ下記のサービス詳細ページをご覧ください。


6.まとめ

Webサイト診断は、Webサイトの現状と問題を把握し、改善につなげるために重要な取り組みです。

今回ご紹介した「Sprocket Insights」はWebサイト診断から、改善策の検討、実行までのサイクルを高速化するのにおすすめです。

2025.10.28