休眠顧客は“眠れる資産”
BtoBセールスで実現する
掘り起こし・育成戦略
BtoBビジネスにおいては、顧客の検討時間が長いこともあり、休眠顧客が増加しやすいのが実情です。こうした休眠顧客を多数抱えながら、新規開拓に励んでもなかなか成果につながらない状況であれば、インサイドセールスによる「掘り起こし」と「育成」が特に推奨されます。
今回は、休眠顧客の「掘り起こし」と「育成」が必要な理由のほか、手法としてインサイドセールスが有効な理由をご紹介します。
<目次>
1.なぜ休眠顧客の「掘り起こし」「育成」が重要なのか?売りっぱなしではもったいない
2.BtoBにおける休眠顧客とは?定義と見極め方
3.休眠顧客の掘り起こしにインサイドセールスが効果的な理由
4.まとめ
1.なぜ休眠顧客の「掘り起こし」「育成」が重要なのか?売りっぱなしではもったいない
休眠顧客とは、BtoBにおいては一定期間、商談や接点がなく、購買意欲が不明瞭なリードを指します。このような休眠顧客へのアプローチは、多くの企業にとってリソースやコストの懸念から後回しにされがちです。しかし、実は休眠顧客の掘り起こしには、新規顧客獲得にはない大きなメリットがあります。
新規顧客獲得に比べてROI(投資収益率)が高い
休眠顧客の掘り起こしは、新規顧客獲得よりもROI(投資収益率)が高い傾向にあります。これは、休眠顧客がすでに自社の商品やサービスを認知しており、一度は接点があったため、ゼロから顧客を獲得するよりもコストを抑えられるためです。既存の顧客データがあるため、個々のニーズに合わせたパーソナライズされたアプローチも可能で、これが高い費用対効果につながります。
休眠状態=関係性がゼロではなく「あと一歩で戻る」可能性がある
休眠顧客は、単に「関係が途切れた」のではなく、過去に商品やサービスへの興味を示した、あるいは接点があったため、「あと一歩で戻る」潜在的な可能性を秘めています。彼らはすでにブランドや製品を認知しており、ゼロから関係を築く新規顧客とは異なり、購買に至るまでの心理的ハードルが低い状態です。
適切なタイミングでパーソナライズされたアプローチを行うことで、彼らの記憶を呼び覚まし、再びエンゲージメントを深めることができます。これは、彼らが持つ潜在的なニーズや関心を再活性化させることにつながります。
「売りっぱなし」による機会損失やブランド価値低下のリスク
「売りっぱなし」は、顧客へのアフターサービスやフォローアップを怠ることで、リピート購入の機会を失い、潜在的な売上を失う恐れがあります。顧客は企業への不信感を抱き、ブランドイメージの低下や、長期的な顧客離れを引き起こす可能性があります。結果として、企業の競争力が弱まり、市場での地位を損なうリスクがあります。顧客ロイヤルティの構築なくして、持続的な成長は望めません。
アメリカのアドバイザリー会社「Sirius Decisions(シリウス ディシジョンズ)社」の調査では、「見込みなしと判断されそのままフォローアップされなかったリードのうち、約80%が2年以内に競合他社から製品を購入していることが分かりました。それだけ「売りっぱなし」はリスクが大きいのです。
2.BtoBにおける休眠顧客とは?定義と見極め方

今一度、BtoBにおける休眠顧客の定義と、アプローチ対象の見極め方、抽出方法をご紹介します。
休眠顧客とは
休眠顧客とは、先述の通り、一定期間、商談や接点がなく、購買意欲が不明瞭なリードを指します。扱う商品や企業業種によって定義は変わってきますが、例えば、メールや電話をした後6か月以上反応がない顧客や、前回の商談・提案から1年経過している顧客などが考えられます。
休眠顧客の抽出方法
上記で設定した「休眠顧客の定義」をもとに、CRMやSFAを活用して定義に合致する顧客データを洗い出します。さらに、購入頻度や購入金額、問い合わせ履歴などの情報をもとにセグメント分けを行うことで、より効果的な掘り起こし施策につなげることができます。
主に次の項目で絞り込みます。
・最終アクション日(面談・架電・メール開封等)
・過去商談のステータス(受注/失注/見送り)
・最終購買日・取引実績
3.休眠顧客の掘り起こしにインサイドセールスが効果的な理由

休眠顧客の掘り起こしは、マーケティング施策だけでは限界があり、インサイドセールスが真価を発揮します。
マーケティング施策だけでは限界
メルマガ配信やセミナーの告知メール、リターゲティング広告は、休眠顧客へのアプローチとして手軽で有効な手段の一つです。しかし、マーケティング施策だけでは、休眠に至った具体的な理由や、顧客が現在抱えている課題を深くヒアリングできないため、本質的な限界があります。直接顧客からパーソナルな情報を引き出せるインサイドセールスとうまく組み合わせたアプローチが効果的です。
インサイドセールスの強みを活かせる
インサイドセールスは、見込み顧客に対して架電・ヒアリングを行い、ニーズの深掘りやリード育成を経て、商談化したリードを対面営業(フィールドセールス)に渡す役割を担います。
インサイドセールスの大きな強みは、1to1の会話で潜在ニーズ・状況変化が発見できる点、顧客との信頼構築に向いている点が挙げられます。例えば、次のことを把握できます。
・休眠理由(失注理由):検討の棚上げ、予算の問題、競合優先など
・現状の課題感・状況変化の有無
・意思決定者・担当変更の有無
加えて、マーケティングインサイトである競合製品の導入状況、検討フェーズなどを把握することも可能です。また、インサイドセールスは顧客の情報を一元管理するCRMやマーケティング情報を取り扱うMAツールとの連携がしやすいのもメリットです。
このように、休眠理由の解像度を高め、再アプローチの切り口を作り出すことができるのがインサイドセールスの特長です。
4.まとめ
休眠顧客の掘り起こしの必要性や、定義、インサイドセールスの活用効果を解説しました。
「過去に接点があったが、放置していた顧客」こそ、最も効率よく成果を生み出せる可能性があります。
TOPPANでは、休眠顧客のナーチャリング設計や施策立案から、コンテンツ制作、MA配信、インサイドセールスの設計・運用といった施策実施~効果検証にいたるまで、一気通貫で伴走支援いたします。休眠顧客の掘り起こしやリードナーチャリング、インサイドセールスの運用にお困りの方は、ぜひお気軽にTOPPANにご相談ください。
2025.08.27