休眠顧客は“眠れる資産”
BtoBセールスで実現する
掘り起こし・育成戦略
- エンゲージメントサービス本部
- 桑原 唯
BtoBビジネスにおいては、顧客の検討時間が長いこともあり、休眠顧客が増加しやすいのが実情です。こうした休眠顧客を多数抱えながら、新規開拓に励んでもなかなか成果につながらない状況であれば、インサイドセールスによる「掘り起こし」と「育成」が特に推奨されます。
今回は、休眠顧客の「掘り起こし」と「育成」が必要な理由のほか、手法としてインサイドセールスが有効な理由をご紹介します。
また、休眠顧客への具体的なアプローチ方法や成功ポイントをまとめたノウハウ集もダウンロードいただけます。
<目次>
1.なぜ休眠顧客の「掘り起こし」「育成」が重要なのか?売りっぱなしではもったいない
2.BtoBにおける休眠顧客とは?定義と見極め方
3.なぜ休眠顧客になってしまうのか?主な3つの原因
4.休眠顧客の掘り起こしにインサイドセールスが効果的な理由
◆ダウンロード資料◆休眠顧客への具体的なアプローチ方法や成功ポイントをまとめたノウハウ集
5.インサイドセールスで活用する手法の比較・連携
6.【事例】インサイドセールスによる掘り起こし・再商談化のアプローチ
7.まとめ
1.なぜ休眠顧客の「掘り起こし」「育成」が重要なのか?売りっぱなしではもったいない
休眠顧客とは、BtoBにおいては一定期間、商談や接点がなく、購買意欲が不明瞭なリードを指します。このような休眠顧客へのアプローチは、多くの企業にとってリソースやコストの懸念から後回しにされがちです。しかし、実は休眠顧客の掘り起こしには、新規顧客獲得にはない大きなメリットがあります。
新規顧客獲得に比べてROI(投資収益率)が高い
休眠顧客の掘り起こしは、新規顧客獲得よりもROI(投資収益率)が高い傾向にあります。これは、休眠顧客がすでに自社の商品やサービスを認知しており、一度は接点があったため、ゼロから顧客を獲得するよりもコストを抑えられるためです。既存の顧客データがあるため、個々のニーズに合わせたパーソナライズされたアプローチも可能で、これが高い費用対効果につながります。
休眠状態=関係性がゼロではなく「あと一歩で戻る」可能性がある
休眠顧客は、単に「関係が途切れた」のではなく、過去に商品やサービスへの興味を示した、あるいは接点があったため、「あと一歩で戻る」潜在的な可能性を秘めています。彼らはすでにブランドや製品を認知しており、ゼロから関係を築く新規顧客とは異なり、購買に至るまでの心理的ハードルが低い状態です。
適切なタイミングでパーソナライズされたアプローチを行うことで、彼らの記憶を呼び覚まし、再びエンゲージメントを深めることができます。これは、彼らが持つ潜在的なニーズや関心を再活性化させることにつながります。
「売りっぱなし」による機会損失やブランド価値低下のリスク
「売りっぱなし」は、顧客へのアフターサービスやフォローアップを怠ることで、リピート購入の機会を失い、潜在的な売上を失う恐れがあります。顧客は企業への不信感を抱き、ブランドイメージの低下や、長期的な顧客離れを引き起こす可能性があります。結果として、企業の競争力が弱まり、市場での地位を損なうリスクがあります。顧客ロイヤルティの構築なくして、持続的な成長は望めません。
アメリカのアドバイザリー会社「Sirius Decisions(シリウス ディシジョンズ)社」の調査では、「見込みなしと判断されそのままフォローアップされなかったリードのうち、約80%が2年以内に競合他社から製品を購入していることが分かりました。それだけ「売りっぱなし」はリスクが大きいのです。
2.BtoBにおける休眠顧客とは?定義と見極め方
今一度、BtoBにおける休眠顧客の定義と、アプローチ対象の見極め方、抽出方法をご紹介します。
休眠顧客とは
休眠顧客とは、先述の通り、一定期間、商談や接点がなく、購買意欲が不明瞭なリードを指します。扱う商品や企業業種によって定義は変わってきますが、例えば、メールや電話をした後6か月以上反応がない顧客や、前回の商談・提案から1年経過している顧客などが考えられます。
休眠顧客の抽出方法
上記で設定した「休眠顧客の定義」をもとに、CRMやSFAを活用して定義に合致する顧客データを洗い出します。さらに、購入頻度や購入金額、問い合わせ履歴などの情報をもとにセグメント分けを行うことで、より効果的な掘り起こし施策につなげることができます。
主に次の項目で絞り込みます。
・最終アクション日(面談・架電・メール開封等)
・過去商談のステータス(受注/失注/見送り)
・最終購買日・取引実績
3.なぜ休眠顧客になってしまうのか?主な3つの原因
効果的な休眠顧客の掘り起こしを行うためには、まずは、なぜ取引が途絶えてしまったのかという原因を理解することが重要です。BtoBにおける休眠の理由は、主に3つに分類できます。
1.競合に流れた(競合流出)
機能不足や価格面での不満があり、競合他社へ切り替えられたケースです。 「すでに他社を使っているから無理」と諦めがちですが、実は導入後の運用に不満を抱えている場合も少なくありません。単なる御用聞きではなく、「運用状況のヒアリング」を通じて不満を引き出し、改善された新プランなどを提示することで再検討の土台を築けます。
2.予算化できなかった(予算・決裁の壁)
以前の商談時に「必要性は感じたが、予算がつかなかった」というケースです。 この層に対しては、いきなりフルパッケージを提案するのではなく、特定機能に絞ったライトプランの提示や、スモールスタートでの導入(PoC)を提案することで、導入ハードルを下げ、再検討を促すことが可能です。
3.検討を棚上げした(自然消滅・優先度低下)
「その時はタイミングが合わなかった」「忙しくて検討が止まった」など、明確な断りがないまま期間が空いてしまったケースです。 顧客側も当時の課題を忘れていることが多いため、市場環境の変化や、法改正、最新のトレンド情報などを提供し、「今、再び検討すべき理由」を提示して課題喚起を行う必要があります。
上記のように顧客の状況や引き合い理由を分析し、休眠理由の仮説を立ててからアプローチすることが、成功への第一歩となります。
4.休眠顧客の掘り起こしにインサイドセールスが効果的な理由
休眠顧客の掘り起こしは、マーケティング施策だけでは限界があり、インサイドセールスが真価を発揮します。
マーケティング施策だけでは限界
メルマガ配信やセミナーの告知メール、リターゲティング広告は、休眠顧客へのアプローチとして手軽で有効な手段の一つです。しかし、マーケティング施策だけでは、休眠に至った具体的な理由や、顧客が現在抱えている課題を深くヒアリングできないため、本質的な限界があります。直接顧客からパーソナルな情報を引き出せるインサイドセールスとうまく組み合わせたアプローチが効果的です。
インサイドセールスの強みを活かせる
インサイドセールスは、見込み顧客に対して架電・ヒアリングを行い、ニーズの深掘りやリード育成を経て、商談化したリードを対面営業(フィールドセールス)に渡す役割を担います。
インサイドセールスの大きな強みは、1to1の会話で潜在ニーズ・状況変化が発見できる点、顧客との信頼構築に向いている点が挙げられます。例えば、次のことを把握できます。
・休眠理由(失注理由):検討の棚上げ、予算の問題、競合優先など
・現状の課題感・状況変化の有無
・意思決定者・担当変更の有無
加えて、マーケティングインサイトである競合製品の導入状況、検討フェーズなどを把握することも可能です。また、インサイドセールスは顧客の情報を一元管理するCRMやマーケティング情報を取り扱うMAツールとの連携がしやすいのもメリットです。
このように、休眠理由の解像度を高め、再アプローチの切り口を作り出すことができるのがインサイドセールスの特長です。
◆ダウンロード資料◆インサイドセールスによる休眠顧客への具体的なアプローチ方法や仕組みづくりのポイントは何か?事例も交えて解説
休眠顧客の掘り起こしの必要性や、定義、インサイドセールスの活用効果を解説してきましたが、休眠顧客に対してどういったアプローチをしたら良いのか、分からない方も多いのではないでしょうか?
以下の資料では、休眠理由別の具体的なアプローチ方法や、休眠顧客の掘り起こしを成功に導く仕組みづくりのポイント3つ、休眠顧客の掘り起こし成功事例などをご紹介しています。
5.インサイドセールスで活用する手法の比較・連携
休眠顧客の掘り起こしには、メール、DM、電話など様々な手段がありますが、単一の手法に頼るのではなく、各チャネルの特性を活かした「マルチチャネル」でのコミュニケーション設計が成功の鍵です。 ここでは、インサイドセールス活動の中で組み合わせるべき主要なアプローチ手法について解説します。
メール(メルマガ・ステップメール)
低コストで大量にアプローチできるのが強みですが、開封率が低いのが難点です。 休眠顧客掘り起こしにおいては、幅広く情報提供を行い、「誰が興味を持っているか(開封・クリック)」を検知するためのセンサーとして機能します。
DM(ダイレクトメール)・手紙
直接手元に届けられる物理的なDMや手紙は、デジタルよりも開封率が高くなる傾向があります。 コストはかかりますが、メールで反応がない層や、特に再開したい重要顧客に対して送付することで、認知を再喚起させる「トリガー」として有効です。
架電(電話アプローチ)
双方向の対話により、顧客の現状や本音を深く聞き出せるのが最大の特徴です。やみくもに電話をかけるだけでは効率が悪いため、以下のような連携が推奨されます。
1.メール(メルマガ)で有益な情報を幅広く提供する。
2.資料ダウンロードやクリックなどの反応があった顧客、またはDM送付後の顧客に対し、架電を行う。
3.手元に情報がある状態で会話をスタートできるため、スムーズにヒアリングや再提案へ繋げることができる。
このように、非対面のチャネルを適切に組み合わせることで、顧客に嫌がられず、かつ効率的な掘り起こしが可能になります。
6.【事例】インサイドセールスによる掘り起こし・再商談化のアプローチ
ここで休眠顧客に営業を行い、再商談化した事例をいくつかご紹介します。ポイントとして相手にとってメリットのある会話のきっかけを用意することが重要です。
MA×インサイドセールス連携で商談率18.8%を実現(TOPPAN事例)
MA(マーケティングオートメーション)を活用したメールナーチャリングにより、資料ダウンロード等のアクションがあったリードを特定。インサイドセールス専門部隊が、メールと架電を通じて最適なタイミングで追加の情報提供を行う体制を構築しました。 通常、資料請求経由の商談率は10%未満に留まることが多い中、専門部隊との密な連携によって休眠層からの関心を効率的に引き出し、商談率18.8%という高い成果を達成。ターゲットに最適化したアプローチが再商談化につながりました。
メンテナンスフォローを起点にリプレイス需要を獲得(製造業)
3年以上接点が途絶えていた休眠顧客に対し、「保守・メンテナンス案内」をフックに再アプローチを実施。既存接点があるため担当者への接続率は50%を超え、そのうち約20%から老朽化に伴うリプレイス需要を獲得しました。活動開始からわずか3ヶ月で、案件掘り起こしを実現しています。
7.まとめ
休眠顧客の掘り起こしの必要性や、定義、インサイドセールスの活用効果を解説しました。
「過去に接点があったが、放置していた顧客」こそ、最も効率よく成果を生み出せる可能性があります。
TOPPANでは、休眠顧客のナーチャリング設計や施策立案から、コンテンツ制作、MA配信、インサイドセールスの設計・運用といった施策実施~効果検証にいたるまで、一気通貫で伴走支援いたします。休眠顧客の掘り起こしやリードナーチャリング、インサイドセールスの運用にお困りの方は、ぜひお気軽にTOPPANにご相談ください。
2026.02.27


