VOCとは?
分析するメリットやコールセンターでの
活用事例をご紹介
近年、デジタル技術の発達により、お客さまからの声を収集できる機会が増えました。一方で、収集したデータをどう活用すればいいかわからないといった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
そうした中、注目を集めているのがVOC分析です。今回はVOCとは何か、VOC分析のメリットやVOCの収集方法、コールセンターでの活用事例をご紹介します。
VOCとは
VOCとは「Voice Of Customer」の略称で、アンケートやコールセンターへの問い合わせなど、企業に届く「お客さまの声」を指します。
VOC分析とは
企業の商品やサービス、お客さま対応、企業そのものなどに対するお客さまの声は、さまざまな経路で届けられます。そうして収集したお客さまの声を分析することを「VOC分析」と呼びます。
また、分析したお客さまの声をもとに、商品・サービスやお客さま対応などの品質を向上させる取り組みを「VOC活動」と呼びます。
VOC分析・VOC活動が注目されている背景
近年は、人々の価値観が多様化する中、いかにお客さまのニーズや嗜好を的確に捉え、商品・サービス開発やお客さま対応に活かしていけるかが重要視されています。お客さまの声をできるだけ多く集め、データ分析・活用していくことが市場競争に勝ち抜くための重要な活動の一つとなっています。
VOCを分析するメリット
企業がVOC分析やVOC活動を行うことによって、次のようなメリットを得ることができます。
1.お客さま満足度の向上
お客さまの声を収集し、それを貴重な意見として商品やサービスに反映させていくことで、お客さまの満足度を向上させることができます。
VOC分析の結果、もしクレームが増えているといった場合には、早期解決が期待できます。
また、お客さまの声が反映される仕組みが社内にできあがることで、お客さまからの信頼も向上し、商品・サービスの「開発・製造・販売・フィードバック」という良いサイクルを作ることができるでしょう。リピート率や顧客生涯価値(LTV)も向上すると考えられます。
2.既存商品の改善や新商品の開発に役立つ
VOC分析を行うことで、既存商品の改善や新商品の開発に役立つと考えられます。通常、既存商品については、機能が向上したときや新しい技術が生まれたときなどをきっかけにリニューアルをすることもありますが、それ以外では、なかなか既存商品に手をつけることはないでしょう。
しかし、売り上げが低迷しているなどの場合には、原因究明や改善のためにお客さまの声が頼りになります。
新しいニーズを捉えて新商品を開発できれば、市場競争で有利になります。
3.お客さま対応スタッフのスキルアップや対応品質の均一化
お客さま対応を行うコールセンターなどで活用するために、お客様から収集した声をもとによくある質問をまとめたマニュアルを作成している企業は多いです。
問い合わせ対応をスムーズに行うためには、お客さまからどのような質問が多く寄せられるのかを、ある程度予想を立てて質疑応答を準備しておかなければなりません。あらかじめ整理しておけばスムーズに回答ができます。
マニュアル化はスタッフの対応品質の均一化にもつながります。スタッフによって回答内容や回答品質が異なることによるお客さまからの不満やクレームを回避できるでしょう。
VOC分析に使用するお客さまの声を収集するには?
VOC分析を行うには、まずお客さまの声を集める必要があります。主に次のような経路で収集できます。
アンケート・インタビュー調査
商品やサービス、お客さま対応の満足度などについてのアンケート調査を行います。
Webサイトのアンケートフォームに入力・送信してもらう方法や、DMはがきにアンケートを記載して送り返してもらう方法などで行われています。
また直接、一人ひとりのお客さまから話をうかがうインタビュー調査というアプローチもあります。モニターを募り、対面インタビューやメールインタビューなどを行います。生の声を聞けることから、詳しく知りたい場合に有効です。
コールセンターへのお問い合わせ
問い合わせ窓口としてのコールセンターに寄せられたお問い合わせをログとして保存しておくことで、そのままVOCとしての活用が可能です。
コールセンターは、インタビュー調査と同様、電話でお客さまの生の声を聞けるため、話される内容はもちろん、心情やニュアンスなどの詳細を知ることができます。コールセンタースタッフが、どのようにお客さまからの声を受け取ったかということも、データとして残しておくと良いでしょう。
SNSに寄せられる投稿調査
TwitterやInstagramなどのSNSでは、消費者から企業や商品に対する思いが投稿されることがあります。それらの投稿をリサーチして収集する方法です。
会社名や商品名などをSNSで検索し、どのような投稿がされているのかを確認するのが一般的です。
特にSNSは本音がつづられやすいため、近年、多くの企業がSNSからのVOCを重要視しています。
Webサイトに寄せられたレビューや口コミ
自社の商品紹介サイトやサービスページなどにレビューや口コミを投稿できる仕組みを作成してVOCを収集する方法です。自社に直接寄せられる声であるため、お客さまからの強い要望が寄せられることがあります。既存商品の改善や新商品開発に役立つでしょう。
また、他社の口コミサイトをチェックしたりすることで更に幅広いVOCを収集する事も可能になります。
コールセンターにおけるVOC活用事例
実際にVOC分析をうまく活用している企業は多々あります。ここではコールセンターにおけるVOC活用事例を2つご紹介します。
VOC分析でお客さま対応の品質向上と均一化に成功
ある企業は、商品に関するお客さまからの問い合わせを受け付けるコールセンターを設置しています。しかし、お客さまへの回答品質が低くオペレーターごとに回答も異なるという課題を抱えていました。
そこで、「よくある質問と対応集」としてトークスクリプトを作成し、オペレーターの回答品質を向上させ、オペレーターごとの回答品質の差をなくす試みを行いました。
その際、VOCを分析できるシステムを導入し、お客さまからの問い合わせ内容を分析しました。そしてその分析結果のお客さまが抱えているリアルなニーズをもとにトークスクリプトを作成したため、よりお客様のニーズに沿った対応ができるようになり、回答品質が向上しました。
トークスクリプトをもとに問い合わせ対応をすることで、新人スタッフとベテランスタッフの経験や知識の差を埋めることができるようになり、回答品質の均一化にもつながりました。
VOC分析で申込率が向上
ある企業は、健康食品のアウトバウンドコールを行うコールセンターに、VOC分析結果を活用しました。
商品を購入したお客さまからの声を収集し、属性を分類しながら、気になる声を抽出。そこからお客さまが無意識に持つ本音や心情を表すインサイトを発掘しました。
その分析結果をもとに、健康食品のアウトバウンドコールにおけるトークスクリプトを作成。それを活用したところ、申込率が1.5倍ほどになりました。
お客様が行うVOC分析をTOPPAN BPOソリューションが業務代行いたします
VOC分析やVOC活動を本格的に行う場合には、効率的な収集方法と分析方法を見出す必要があります。多くの企業は、VOCシステムを用いて収集や分析を効率化しています。しかし、VOCシステムを導入することは作業負荷やコスト面でむずかしいこともあるでしょう。
TOPPANのBPOソリューションなら、コールセンター業務の代行はもちろん、コールセンターに関する業務の効果検証や改善提案もあわせて実施いたします。そのため業務委託していただくお客さまが自らVOC分析を行わずとも、対応品質の均一化や品質向上を実現することができます。
BPOソリューションにおけるコールセンター業務代行について詳しくお知りになりたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
2024.07.31