インタビュー・会談

【お客さまインタビュー】
環境対策アクションを「コスト」から「価値」へ。「みんなのカーボンオフセット」が広げる可能性。

「グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支えます」を経営理念に、国内屈指の規模を誇るMS&ADインシュアランス グループの一翼を担う、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社(以下「あいおいニッセイ同和損保」)さま。
同社は近年、膨大なデータを活用した事故防止ソリューションや、環境保護に貢献する先進的なスキームの構築など、社会課題の解決を事業の成長へとつなげる「社会との価値共創」の姿勢を鮮明に打ち出しています。

カーボン・オフセット※1をはじめとした脱炭素社会への移行を支援するための仕組みづくりにも以前から積極的に取り組んできた同社は、2025年にTOPPANの「みんなのカーボンオフセット」を導入、そして販売店契約を締結しました。販売店機能とは、企業・団体・金融機関などが販売店となり、グループ企業や取引先、投融資先をユーザーとしてサービス提供ができるというものです。
同社のカーボン・オフセットへの取り組みや「みんなのカーボンオフセット」の活用方針について、カーボンニュートラル推進グループの佐々部さんと大湯さんにお話を伺いました。

※1 自社で目標とするCO₂排出量のうち、自己努力で削減できない分を、別の場所での削減・吸収活動によって埋め合わせる仕組み

左から、インタビューにお答えいただいた大湯さん、佐々部さん
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
資本金:1,000億円
事業概要:損害保険事業
みんなのカーボンオフセット導入時期:2025年8月

みんなのカーボンオフセットとは

「みんなのカーボンオフセット」は、TOPPANとウェイストボックスが共同開発した、カーボン・オフセット支援サービスです。カーボン・オフセットに必要な手続きをオンライン上でワンストップで提供し、企業の脱炭素化への取り組みをサポートします。従来の枠組みではできなかったキログラム単位でのカーボン・オフセットが可能な点が特徴です。
企業や金融機関から取引先・投融資先へオフセット枠を提供できる機能によりサプライチェーン全体の脱炭素化の支援も可能です。

「みんなのカーボンオフセット」のサービス概要

CSV × DX

ー保険会社のWEBサイトでは補償内容や料金面の訴求が多い中、貴社のサイトでは「CSV※2 × DX」という言葉を真っ先に掲げていますね。

※2 Creating Shared Value=社会との共通価値の創造

あいおいニッセイ同和損保さまのWEBサイトより

佐々部さん:弊社は損害保険会社ですので、自動車保険や火災保険を提供して万が一の事故に備えるという点は他社と同じです。しかし、現中期経営計画では「CSVビジネスを通じてお客さま・地域社会の未来を支えつづける」ことを目指しています。CSVとは、事業を通じて社会課題を解決することで、社会価値と企業価値を両立させる取り組みです。単なる社会貢献にとどまらず、事業としてもしっかり成り立たせることを重視しています。
また、今の時代に合わせてデータやデジタル技術を活用し、提供する価値を変革していく「DX」にも全社で取り組んでいます。これまでは事故後の「安心」の提供が主でしたが、蓄積されたデータやノウハウを活用して事故を未然に防ぐ「安全」も提供し、「安心・安全」な社会に寄与することを目指しています。

企業・金融営業開発部 カーボンニュートラル推進グループ長 佐々部 博務さん

ーそうした考え方が、貴社の商品・サービスとして形になっているのですね。

佐々部さん:はい。例えば、弊社の「テレマティクス自動車保険」は、専用の端末やスマートフォンから取得した、急発進や急ブレーキといった事故につながりやすい運転挙動を弊社独自に安全運転スコアリングし、安全運転スコアの高いご契約者さまには「運転特性割引」というインセンティブをご提供する仕組みです。安全運転は省エネ運転と強い相関関係がありますので、安全を追求することが、結果としてCO₂排出の抑制という環境貢献にもつながっていきます。そして「テレマティクス自動車保険」の事業者向けサービスのひとつに「Bizセイフティ」があります。これはドライバー向けの安全運転診断・CO₂排出削減量の可視化に加え、管理者向けとして車両の位置情報や走行状況を確認できる管理者ポータル、ドライバーごとの運転傾向を収集・分析したレポートをご提供することで、安全運転=省エネ運転にお取り組みいただけるサービスで、これまでは保険契約者向けに提供していましたが、今年の1月からは保険加入の有無にかかわらずすべての事業者が利用可能になりました。

温室効果ガス排出権取引の媒介業務開始〜「みんなのカーボンオフセット」導入へ

ー 省エネ、環境価値向上につながるサービスですね。カーボン・オフセットについても先駆的に取り組んでこられたと伺っています。取り組みの内容と「みんなのカーボンオフセット」導入までの経緯をお聞かせください。

佐々部さん:もともと弊社は、ウェイストボックスさん※3と資本業務提携をしており、環境リテラシー向上や人財育成を目的とした「炭素会計アドバイザー協会」を共同で立ち上げるなどの経緯がありました。弊社では全社員にこの炭素会計アドバイザー資格の取得を推奨しており、部門を問わず脱炭素社会の実現に向けたリテラシー向上に取り組んでいます。
こうした流れの中で、ガソリン車からEVへの転換期における課題を検討してきました。テレマティクス自動車保険は「安全運転=省エネ運転」につながりますが、ガソリンを使う以上、排出量をゼロにすることはできません。そこで弊社では2024年7月には温室効果ガス排出権取引の媒介業務を開始しました。

企業の脱炭素支援において、まずは「真水の削減努力」が最優先ですが、どうしても残る排出量にはカーボン・オフセットを活用することも必要になります。削減の段階から最終的なオフセットまでを一貫して支援できる体制を整えたかったのです。
「みんなのカーボンオフセット」についても、企画段階からウェイストボックスさんと弊社における活用シーンを共有しながら意見交換させていただいており、先ほど申し上げた「削減の段階から最終的なオフセットまでを一貫して支援できる体制」づくりにフィットするサービスでしたので導入させていただきました。
※3 TOPPANと共に「みんなのカーボンオフセット」を開発した、CO₂などの環境負荷把握、環境情報開示のエキスパート企業

ー 自動車ディーラーさんなどのユーザーには「みんなのカーボンオフセット」をどのようにサービス展開されていくのでしょうか?

佐々部さん:環境省のカーボン・オフセットに関するガイドラインでも「知って、減らして、オフセット」という順序が示されていますが、テレマティクス自動車保険では、安全運転による燃費向上から「これだけガソリンが節約できた」という数字を可視化できます。これが「知る」と「減らす」に当たります。そして最後に残った分を「みんなのカーボンオフセット」でオフセットするというシナリオです。ディーラーさんにもこの一連の流れをご理解いただき、一緒に脱炭素の取り組みを広げていきたいと考えています。

テレマティクス自動車保険とカーボン・オフセットを、ひとつのストーリーに

ー 「知って、減らして、オフセット」というステップについてのお話がありましたが、カーボン・オフセットについてのお取引先さまの現状の認識度についてはどう感じていますか?

大湯さん:私は2025年4月に着任したばかりで、以前はカーボン・オフセットとは関わりのない部署にいたため、現場の営業社員と同じ目線でスタートしました。テレマティクス自動車保険は主力商品として定着している一方、カーボン・オフセットについては「聞いたことはあるが、ニーズはあるのか」といった質問を受けることも多く、テレマティクス自動車保険との理解度には差があると感じています。テレマティクス自動車保険とカーボン・オフセットのつながりをひとつのストーリーとして受け止めてもらい、本質的な理解が浸透するよう丁寧に伝えていきたいと思っています。

地域の循環にも貢献

ー キログラム単位でのオフセットが可能な「みんなのカーボンオフセット」は、そうした課題にどのように貢献できそうですか?

佐々部さん:例えば、私の場合自家用車の年間のCO₂排出量は1トン未満、0.4〜0.5トン程度です。ほとんどのドライバーさんも同様かと思います。従来のクレジット取引はトン単位ですので、個人レベルでの自動車運転によるCO₂排出はカーボン・オフセットの枠組みに入らず、「自分ごと」としてイメージしづらいものになってしまいます。その点、キログラム単位という小口で細やかに対応できる「みんなのカーボンオフセット」は、サービスの可能性やバリエーションを大きく広げてくれると思います。それ以外にも、提案先であるお取引先さまとお話をしていると「地元のクレジットを使いたい」という声が多く聞かれます。特定の地域のクレジットを選択できるなど、地域の循環に貢献できる点もこのサービスの魅力だと考えています。

「地域」という観点で言いますと、弊社は全国500以上の自治体と包括連携協定を結んでおり、地域密着の活動を重視しています。例えばテレマティクスデータから、急ブレーキが多い地点をマッピングした「交通安全マップ」を自治体に提供するといった活動もしています。今後は、そこに「脱炭素」も加え、地域のディーラーさんや金融機関さんと協力して、防災・減災、交通安全、脱炭素がセットになった地域づくりの取り組みである「SAFE TOWN」の中に「みんなのカーボンオフセット」を組み込んでいければ、大きな広がりが持てると期待しています。今回弊社が販売店として「みんなのカーボンオフセット」に参画したのもそうした広がりを目指しているからです。すでに金融機関ではカーボン・オフセット預金やカーボン・オフセット融資といったものがどんどん登場してきていますし、カーリース業界でもカーボン・オフセット付きリースといった事例も見受けられるようになってきました。たしかにカーボン・オフセットの一般的な周知度はまだまだ、といった段階ではあるものの、少しずつですが広まりつつあると感じています。

カーボン・オフセットを企業・団体のメリットや価値向上につながるものに

ー 最後に、あいおいニッセイ同和損保さまでのカーボン・オフセットについての今後の構想や、TOPPANに期待することがありましたらお聞かせください。

大湯さん:弊社としてのカーボン・オフセットの取り組みにも、今後様々な可能性があると考えています。自動車保険だけでなく社内活動での活用など、小口でのオフセットが可能な「みんなのカーボンオフセット」の特徴を活かした利用方法について、引き続き幅広く情報収集しながら検討していきたいと思います。

佐々部さん:現状、まだ環境に対するアクションを「コスト」として捉えている企業・団体が多いように感じていますが、これからはカーボン・オフセットなどの取り組みが企業・団体のメリットや価値向上につながるものと捉えていただけるよう、普及に努めていこうと考えています。
TOPPANさんには「みんなのカーボンオフセット」のユーザーの拡大とともに、そうした「メリットや価値向上につながった例」を継続的に発信していただき、協力して社会的な機運を拡大していきたいと思います。


ディーラーや自治体といった企業・団体と太いつながりを持つ一方、保険商品を通じて個人のドライバーともつながり、TVCMやWEB媒体を通じて一般消費者に対する発信チャンネルも持つあいおいニッセイ同和損保さま。同社の持つカーボン・オフセットの普及への影響力は非常に大きいと感じています。ぜひこれからも協力しながらカーボン・オフセットの社会的機運を拡大していければと思います。

佐々部さんがおっしゃった通り、脱炭素社会実現に向けた取り組みを「コスト」と捉える時代は過ぎ去りつつあるのかもしれません。「みんなのカーボンオフセット」はその取り組みの「第一歩」をWEBで完結できるサービスです。ぜひTOPPANまでお問い合わせください。

※所属・役職、本事例の内容は執筆当時のものです。
※記載された製品名などは、各社の登録商標あるいは商標です。

2026.05.13

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